「魔法少女ちゅうかなぱいぱい！」第2話 後編

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　第2話「中華魔界の秘密」（1989年1月22日）
　の続きです。

　悪酔いでもしたようにふらふらと壁を伝うように進むぱいぱい。
　なんとか居間に辿り着くが、その部屋にも、「魔女退散」のお札がベタベタと貼ってあった。

　ぱいぱい「ううーっ、う……」
　喉を掻き毟るようにして苦悶するぱいぱい。人の気配を感じ、視線を向けると、

　
　ババァ「やはりお前は魔女であったか！」

　案の定、ぱいぱいの宿敵・三軒茶屋のババァが、顔を白塗りにして嬉しそうに登場する。

　ババァが変な呪文を唱えつつ、「ほれ、ほれっ」とマントを翻すたびに、ぱいぱいの体もあっちへこっちへ揺り動かされる。

　ババァ「うひゃははははっ」
　ぱいぱい「ああーっ」

　だが、ちょうどそこへアキラとトオルが顔を覗かせ、醒め切った顔で、ずかずか部屋に入り、お札を剥がしてしまう。
　ババァ「あらっ」
　アキラ「ぱいぱい、冗談はやめてくれよ」

　
　ぱいぱい、急に元気になると、くるくる指を回してから、

　
　人差し指をアキラに向ける。この仕草がめっちゃ可愛いの。
　ぱいぱい「分かる？」

　ぱいぱい、お札の効果で苦しむふりをしていたらしい……のだが、ほんとは実際に苦しかったのを、アキラたちがお札を取ってくれたので元気になり、咄嗟にそういう演技をしたとも受け取れる。

　なおもデタラメな呪文を唱えるババァに、
　トオル「やめてよー、ぱいぱいが魔女じゃないと言うことはもう実験済みなんだから」
　ババァ「お前たちは騙されておる！」
　シンゴ「帰れ、三軒茶屋ババァ！」
　ババァ「なにぃ」

　シンゴ、1話と同様、フライパンで思いっきりババァの頭をどつく。
　猛烈に怒ったババァ、シンゴ目掛けて物凄い形相で飛び掛かって行く。

　逃げるシンゴをババァが追いかけ、その後から、ぱいぱいたちも続く。
　高山家の裏口に張っていたヌルハチたちも、それを見て後を追う。

　
　シンゴは、特撮のアクションシーンに良く出てくる場所まで逃げる。

　しかし柴田理恵さん、走りながら、なに顔を白く塗りたくって子供を追い掛け回してるんだろうと、ふと素朴な疑問に襲われなかっただろうか？

　
　ババァ「へっへっへっへ」
　シンゴ「三軒茶屋のおばさま、ごめんなさい」
　追い詰められ、急に丁寧な言葉遣いになって頭を下げるシンゴ。

　ババァ「そうは行かないんだよ！」
　ババア、尚もシンゴに掴みかかろうとする。

　
　そこへ、二人の兄が飛び出すが、
　アキラ「シンゴを殴るなら……、トオルを殴って！」
　トオル「お兄ちゃん、それはないだろう。さぁ早くお兄ちゃんを殴って」
　アキラ「やめろよ」

　兄たちが醜い争いをしているのを横目に、ぴょこぴょこ走っていくシンゴ。
　ババァも、アキラたちはほっといてシンゴを執拗に追い掛け回す。

　少し遅れてぱいぱいもやってくる。
　（なんとかしなくちゃ。でも、ここで私が変身して魔法使いになれば私の正体がばれてしまうかもしれないし……でも、しょうがない）

　
　ぱいぱい、変身（と言ってもこっちが本来の姿なのだが）すると、塀の上に立ってポーズを決める。

　いやぁ、綺麗ですね。

　皆様、そのまま15分ほど、ぱいぱいのお顔を鑑賞下さい。

　
　シンゴ「あ、中華魔女」
　ぱいぱい「ウーラーナー・シャイオパラタイオパラ・カーサイターボウ！」
　ぱいぱい、スティックをかざして光線を放ち、ババァの体を宙に浮かべる。

　シンゴ「あらー、あらまー」
　アキラ「あー」

　柴田さんなら本人がやれそうな感じだが、無論、スタントである。

　ババァ、地面に落下して、気絶する。

　アキラ「中華魔女、お前は、ぱいぱいだな？」
　助けて貰ったのに態度がでかいアキラ。

　
　ぱいぱい、観念したように目を伏せる。はっきり自分だと認めようとしたその時、

　
　「はぁーい！」
　と、横から声がして振り向くと、なんと、ぱいぱいがもうひとりいて、こちらに手を振っているではないか。

　三人が驚いて、もう一度壁の上を見上げると、既に中華魔女の姿は消えていた。

　アキラ「あれ、いない……」
　ぱいぱいの姿もない。

　三人がきょときょとしていると、

　
　物陰から「ばぁっ」と言いながらぱいぱいが出てくる。

　ぱいぱい「三軒茶屋のおばさんが起きないうちに、早く帰ろう」
　ぱいぱいは三人を追い立てるように帰らせる。

　
　ぱいぱい、ひとりで戻ってくると、さっきのぱいぱいとタクラマカンに礼を言う。

　あの時のぱいぱいは、彼女を助ける為にヌルハチが化けた偽者だったのだ。

　ぱいぱいの姿のまま、ヌルハチの声で、「タクラマカン、今日のことは五目殿下に言うんじゃないぞ」

　
　そして目をくりくり動かして、ヌルハチの姿に戻る。

　そこでババァが目を覚まし、悲鳴を上げながら物凄い勢いで逃げて行く。

　
　そして今回も市川勇演じる巡査と遭遇する。

　巡査「あ、魔女！」
　ババァ「違うのお巡りさん、魔女はあっち、魔女はあっち……」

　
　色々あったが、その夜、すき焼き鍋を囲んでいる平和な高山家。

　白ネギできっちり領土を決めているのだ。

　例によって肉を巡って醜い兄弟喧嘩を繰り広げる三バカ。

　
　ぱいぱいはマイペースで、三人の争いをよそに、ぱくぱくと肉を頬張るのでした。

　終わりです。