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「ウルトラセブン」傑作選 第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」 後編


 第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」(1968年1月14日)

 ペダン星人の司令官の命令を受け、第8銀河系の彼方から、ペダン星の宇宙戦闘機が編隊を組んで地球へ向かっていた。

 一方、防衛センター。
 ダンとペダン星人の交わした約束を守るべきか、土田博士が悩んでいる。

 土田「うーん、そうか、分かった。(武器の)研究を中止しよう」
 土田博士の言葉に、ダンは明るい表情になる。

 土田「しかし、本当に大丈夫なんだろうね?」
 ダン「はいっ」

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 だが、その直後、アンヌが戻ってきて、ドロシーの記憶がすっかり消されていると知らせる。
 (アンヌをもう少し大きく映して欲しかった……)

 ダン「えっ」
 土田「ペダン星人の誠意とやらも、怪しいもんだね。ええ、ダン君?」
 ダン「……」

 土田博士は、前言撤回して、武器の研究を再開する。

 でも、ペダン星人からすれば、ドロシーの頭の中の観測データを消すのは、彼らの星の防衛の為に必要なことじゃないのかなとも思える。実際は、ペダン星人の裏切りは確定しているのだが。

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 アンヌは、ベッドに横たわったドロシーの顔の前で指を動かし、「いち、にい、いち、にい」と催眠術で、記憶を取り戻させようとしていた。

 ここで、マナベ参謀が通信機でペダン星人の宇宙戦闘機の接近をキリヤマに伝え、ペダン星人の違約は明白となる。

 ダン(裏切ったな、ペダン星人め)

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 時を同じくして、今度は神戸港にキングジョーが出現、ビームを放って次々と船舶や施設を破壊して行く。

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 キングジョー、「わっわっ」あるいは「わしゃわしゃ」と言うような、表記不能の音を出しながら、バルタン星人っぽい動きをするのだ。なかなか可愛い奴である。

 ポインターで、ダンとアマギがポートタワーの下に到着する。タワーの従業員が出てきて、エレベーターにたくさんの人が閉じ込められていると知らせる。そこで、アマギが彼らを救出に行き、ダンはその場に残ってキングジョーを食い止めることになる。

 と言っても、手持ちのビーム銃で攻撃しても、キングジョーは蚊に刺されたほどの痛痒も感じない。

 結局、またセブンに変身して立ち向かうことになるダン。
 ここでウィンダムを出せば、ロボット怪獣同士のバトルになっていたけどね。

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 再び対峙するセブンとキングジョー。

 それにしても、このポートタワーと言い、船舶と言い、ミニチュアセットの豪華さは呆れるほどだ。

 その頃、防衛センターでは、キリヤマ隊長がやきもきしながら、土田博士たちの研究を見守っていた。
 キリヤマ、遂に我慢しきれなくなったように、
 「土田博士、兵器はまだ出来ませんか?」と催促する。

 土田「ドロシーの協力がどうしても必要です。記憶はまだ甦らないんですか」
 キリヤマ「はぁ、今アンヌ隊員がショック療法を行っている最中です」
 土田「ドロシーなら、何か掴んでるかもしれない」

 しかし、「ショック療法」って具体的になにやってんだろう?

 で、割とすぐ、アンヌが「正常に戻りました」と、ドロシーを連れてくる。

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 ドロシー「ペダン星人が使っている特殊な金属は、ライトンR30を使用した弾丸で破壊出来る筈です。ドクター土田、さ、始めましょう」

 ドロシー、可愛いよね。

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 土田「ああ」

 土田博士も、金髪ギャルと仕事が出来てとても嬉しそうであった。

 余談だが、管理人はこの角度から見た(綺麗な)女の子の顔が好きである。

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 セブン、キングジョー相手に奮闘していたが、徐々に劣勢に追いやられる。

 繰り返しになるが、ここの港湾施設のディテールも、実に見事である。

 で、新型爆弾は、セブンがキングジョーと戦っている間に完成しちゃうのである。さすがにいくらなんでも早過ぎないか?

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 爆弾はすぐ神戸港へ届けられ、アマギ隊員の構えるバズーカにセットされる。
 土田「この爆弾の威力は未知数だ。出来る限り、至近距離で撃って下さい」

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 セブンは、ウルトラ警備隊の動きを見て、キングジョーを羽交い絞めにして、狙いを付けやすくする。

 ウルトラホーク1号のシーンもそうだが、ここのスクリーンプロセスも残念な特撮になっている。

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 それはともかく、キングジョーは新型爆弾をまともに受けると、直立姿勢になってぶっ倒れ、爆発する。

 その体から、ペダン星人の司令宇宙船が浮かび上がり、宇宙へ脱出を図る。

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 セブン、今までの鬱憤を晴らすべく、ワイドショットをお見舞いする。

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 司令船はあっさり墜落。木っ端微塵に砕け散る。

 でも、この宇宙船もキングジョーと同じ材質じゃないの? だったら、セブンの攻撃は通用しないと思うのだが……。

 地球に接近していた宇宙戦闘機集団も引き返し、事件はなんとか解決を見る。

 ラスト、またしても夕陽を受けながら港で感慨に耽るキリヤマたち。

 ドロシー「今度の事件は、私たち地球も責任があります。これから、観測ロケットを打ち上げる時には、十分注意しなければ」

 最後の最後で、なんか話が矮小化されている気がするなぁ。ここは、「裏切られても、相手の星を信じることが大事だ」みたいな台詞を言わせないと。

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 「おーい」と、真っ赤な夕陽を浴びてこちらに走ってくるダンの姿を映しつつ、幕。

 例によって、「あいつ今までなにやってんだ?」と疑問を口にする奴はいない。「大人の事情」である。

 なお、アンヌのひし見ゆり子さんによると、神戸ロケで泊まった旅館、接客態度が最悪だったそうです……。


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コメント

>新型爆弾は、セブンがキングジョーと戦っている間に完成しちゃうのである。さすがにいくらなんでも早過ぎないか?

セブンが戦っている時間が長過ぎますね。
ワイドショットを撃つエネルギーまで残っているし・・・
25話「零下140度の対決」でセブンの活動限界が設定されますが・・・

>例によって、「あいつ今までなにやってんだ?」と疑問を口にする奴はいない。
「ウルトラマン」ではイデ隊員がハヤタを疑っていたシーンがありましたが
「セブン」ではありませんでしたね。
ウルトラでありがちな「戦闘機が撃墜されて地上に落ちて爆発、ウルトラマン登場」
では、いくらなんでも正体に気付くと思うのですが?
「80」の最終回ではオオヤマキャップとイトウチーフが正体を見抜いてました。
それでも遅すぎ・・・

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」 後編(05/31)  

影の王子様
>「80」の最終回ではオオヤマキャップとイトウチーフが正体を見抜いてました。
>それでも遅すぎ・・・

最後にお別れパーティーを開いていたような気がします。

Re:「ウルトラセブン」傑作選 第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」 後編(05/31)  

この前後編は大好きです。ミニチュア、合成が豪華です。スクリーンを除いては。

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」 後編(05/31)  

ウルトラファンレオ様
>この前後編は大好きです。ミニチュア、合成が豪華です。スクリーンを除いては。

ほんと、あれは惜しかったですね。

Re:「ウルトラセブン」傑作選 第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」 後編(05/31)  

改めて見ると確かに今回のウルトラ警備隊は余り仕事をしていませんね😅新型爆弾を打ったのとコスプレのパトロール(キリヤマ隊長除く)ぐらいですね。ま、今回もスケールの大きい作品でしたね

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」 後編(05/31)  

ふて猫様
>改めて見ると確かに今回のウルトラ警備隊は余り仕事をしていませんね😅新型爆弾を打ったのとコスプレのパトロール(キリヤマ隊長除く)ぐらいですね。ま、今回もスケールの大きい作品でしたね

改めて見るとほんとドロシーが可愛いなぁ……。

今回も後半は一部グダグダになってましたね。例えば、キリヤマの“博士、まだ兵器は出来ないのですか”?→土田博士の“ドロシーの記憶はまだ蘇らないのですか”→キリヤマの“今、アンヌ隊員が治療中です”→アンヌの“記憶が今蘇りました”とどうもチグハグな印象を受けるのですがね😓

Re: タイトルなし

> 今回も後半は一部グダグダになってましたね。例えば、キリヤマの“博士、まだ兵器は出来ないのですか”?→土田博士の“ドロシーの記憶はまだ蘇らないのですか”→キリヤマの“今、アンヌ隊員が治療中です”→アンヌの“記憶が今蘇りました”とどうもチグハグな印象を受けるのですがね😓

確かにチグハグですね。

No title

昔あったウルトラセブンの本には「ワイドショットは多用すると寿命が縮む」というものがあった気がします。初代マンは「戦闘の後遺症でもう戦えない状態になっている」とか。
いろいろ設定が自由な時代でしたね。

Re: No title

> 昔あったウルトラセブンの本には「ワイドショットは多用すると寿命が縮む」というものがあった気がします。初代マンは「戦闘の後遺症でもう戦えない状態になっている」とか。
> いろいろ設定が自由な時代でしたね。

寿命が縮むのはイヤですね。

ぺダンというかペテン

ペダン星人はどうも地球人が本当に単なる観測目的でロケットを打ち上げたことを知っていながら侵略の大義名分に使った節がありますね
もっと言えば観測ロケットの打ち上げ目的を確認するために派遣された偽ドロシー一派が地球人の観測技術が低い(ペダン星に知的生命体がいるかすらロケットを打ち上げないと調べられないレベル)のを理解した上で点数稼ぎのために侵略目的だったとペダン星に報告してたのではないかと

まあよく考えるとロケットを送らないとペダン星に知的生命体がいる事も分からなかったり半年かけてもギエロン星に生命体がいることを見落とす地球人の観測技術の低さが宇宙基準では異常なのかもしれませんが

???「惑星破壊できる兵器が作れる文明の持ち主がよその星に生物がいるかどうか一々ロケット打ち上げないと分からんなんて馬鹿な話があるか!」

Re: ぺダンというかペテン

> もっと言えば観測ロケットの打ち上げ目的を確認するために派遣された偽ドロシー一派が地球人の観測技術が低い(ペダン星に知的生命体がいるかすらロケットを打ち上げないと調べられないレベル)のを理解した上で点数稼ぎのために侵略目的だったとペダン星に報告してたのではないかと

その辺はあまり深く考えたことはなかったですね。

セブン第14話・15話「ウルトラ警備隊西へ」前・後編について

連続失礼します。
私もペダン星側にハナから侵略目的があった説、賛成ですね。
確かに地球側は結果的に誤解を招くような事をしましたが、そこが有人の星と分かっていたら観測ロケットを送るようなマネはしませんよ。他の星に立ち入られたくないのだったら「ここは有人の星、立ち入るべからず」とでも札でも立てておきなさいと言ってやりたいです(アンノン星にも同じ事が言えます)。

ペダン星人は地球人が危害を加えたという訳でも無いのに、警告を発するでも無く一方的にスパイを送り込み地球の要人達を殺害していきました。やり方の無茶振りから、要人殺害を始めた時点から既に地球を狙っていたのではないかと疑ってしまいます。
何にせよ、このような輩につけ込む隙を与えない為にも、訳の分からないものには近寄らない方が無難かもしれませんね。

Re: セブン第14話・15話「ウルトラ警備隊西へ」前・後編について

> ペダン星人は地球人が危害を加えたという訳でも無いのに、警告を発するでも無く一方的にスパイを送り込み地球の要人達を殺害していきました。やり方の無茶振りから、要人殺害を始めた時点から既に地球を狙っていたのではないかと疑ってしまいます。

確かにちょっとやり過ぎの感じはしますね。

昨日、4Kリマスター版で鑑賞

>「裏切られても、相手の星を信じることが大事だ」
これは「A」最終回の市川脚本で語られる内容ですね。

「セブン」は国家間外交、民族間軋轢を扱っているハードさが名作の所以で
後のギエロン星獣やノンマルトの件を考えても今回は裏切られる側になったとはいえ
地球側をことさら善とする意図も無かったように感じました。
子供時分に沖縄戦を経験した金城氏のドライな視点でしょうか。

Re: 昨日、4Kリマスター版で鑑賞

大人の鑑賞に堪えるシナリオですよね。

No title

(1)キングジョーの着ぐるみは平成ウルトラセブンのキングジョーIIやキングジョーブラック、近年のキングジョー、同じウルトラセブンに出てくるユートムのような硬質なものにしてほしかったです。(ちなみにキングジョーIIは当初、着ぐるみは初代を模して軟質なものが造られたが、再検討を経て硬質なものに造り直されたそうです。)

(2)僕はシルエットではなく、ぺダン星人の姿をはっきり映してほしかったです。ぺダン星人の正体がピット星人の改造(ピット星人のマスクにヒゲと角をつけただけで体はTシャツと軍手)だと知ったときはすごいがっかりしました。もし姿が見えていたらあそこまでショックを受けずに済んだでしょう。

(3)ぺダン星人は単なる侵略者にするかダンとドロシーの会話の後で素直に撤退する展開で良かったと思います。だってダンとドロシーの会話が台無しになっていますから。
それにノンマルトやギエロン星獣の回に比べると地球人が悪者という側面は強調されていませんし。

Re: No title

> (1)キングジョーの着ぐるみは平成ウルトラセブンのキングジョーIIやキングジョーブラック、近年のキングジョー、同じウルトラセブンに出てくるユートムのような硬質なものにしてほしかったです。(ちなみにキングジョーIIは当初、着ぐるみは初代を模して軟質なものが造られたが、再検討を経て硬質なものに造り直されたそうです。)

色々都合があったんでしょう。

> (2)僕はシルエットではなく、ぺダン星人の姿をはっきり映してほしかったです。ぺダン星人の正体がピット星人の改造(ピット星人のマスクにヒゲと角をつけただけで体はTシャツと軍手)だと知ったときはすごいがっかりしました。もし姿が見えていたらあそこまでショックを受けずに済んだでしょう。

そうなんですか。予算節約の為でしょうね。

> (3)ぺダン星人は単なる侵略者にするかダンとドロシーの会話の後で素直に撤退する展開で良かったと思います。だってダンとドロシーの会話が台無しになっていますから。

そうですね。

No title

今から54年前の今日、放送されました。キングジョーを操るペダン星人は現在、そのペダン星人の姿を見せる実体化がガシャポンのフィギュアで売られています。でも今年は「セブン」放送55周年記念として、ソフビ化人形で売れて欲しいです。果たしてあるのでしょうか?

Re: No title

フィギュアについては良くわかりません。

今こそ

この後の話しになりますが、今こそA(北斗)が言った“優しさを忘れないでくれ。何処の国の人とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ”この言葉は現代にも通じると思いますがね

Re: 今こそ

ほんとそうですね。

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