「花のあすか組！」第23話 その1

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　第23話「たったひとり　最後の戦い」（1988年9月26日）

　遂に、この日がやって参りました。「花のあすか組！」、いよいよ最終話であります。

　思い起こせば去年の2月から始めたこの企画、なんだかんだで1年以上かかってしまいましたが、泣いても笑ってもこれで最後になるのです。別れはとってもつらいけど、涙を堪えていざレビューと参りましょう。

　……全ての記事に言えることだが、これってレビューなの？

　（5分ほど考え込んで）そ、それはともかく、最後と言うことで、今回はドバッと画像を惜しみなく貼りたいと思います。文章少なめ、画像多め、書くほうも楽だし、読むほうも楽と言う理想的な記事になりそうです。

　で、前回、徒党を組んで全中裏と陣取り合戦に興じている自分に嫌気が差したのか、戦いの果てに再び仲間を傷付けたり失ったりすることが怖くなったのか、突如、戦意を喪失してしまったあすか。ミコは囚われのはるみを助ける為、無謀にも全中裏のアジトへ乗り込もうとするが、裏番十人衆最後の一人、オレンジに阻まれ、結局果たせない。

　
　ヘアサロンにて。
　美容師「いつものように山口百恵のプレイバックpart2の時の髪型でよろしいですね」
　あすか「毛先を揃えるくらいにしてくれ」
　美容師「伸ばすんですかぁ？　男の子は長い髪が好きですもんね！」

　1話から見てないと意味不明のやりとりだが、このお姉さん、1話であすかに上記の注文をされてびっくらこいていた人と同じなのだ。今回チェックして初めて気付いたのだが、このお姉さん、美津井祐子と言って（1話では三井祐子）、「超人機メタルダー」で、美人秘書Ｋをやっていた人だった。

　それはともかく、そこへいきなり数人の全中裏の警備員が乱入してきて、お姉さんの抗議も無視してあすかにスプレーをかけて眠らせ、どこかへ連れ去ってしまう。ケーサツ呼べ、ケーサツを。

　
　あすか、気がつくと、前回放棄されたひばりの玉座の間にいた。
　そばには、春日、そしてひばりの姿もあった。

　ひばり「私はあなたたちの友情の価値を認めない。しかしあなたは美しかった。自分の意思で自由奔放に大胆に、友情の為戦っていたあなたは……時として私の哲学すら揺らぎそうになった。愛は支配の為の道具だと言う……しかし今のあなたは仲間すら見殺しにする」
　あすか「知恵がついちまったのさ」
　ひばり「ゲームを降りると言うのですね？　降りるのならその証拠が見たい」
　あすか「胸開けて、びびった心が見せられれば一発だけどな」
　ひばり「あなたの金貨は親友の心なのでしょう？　金貨を渡すのなら信じて上げてもいいでしょう」

　
　が、あすかは、金貨の代わりに質札を取り出し、春日に見せる。

　あすか「着るもんだろ、化粧品だってバカになんない。アクセサリーたって、竹下通りで買った1個300円ので我慢してる。でも普通の女の子になるってことは結構お金のかかることなんだ」

　それまでのあすかとは思えない現実的な台詞に、ひばりは「美しくない！」と声を震わせる。
　ひばり「もう全中裏とは、何の関わりもない！」

　
　結局、あすか、陣取りゲームから降りることを表明し、平和裏に解放されることになる。
　春日、あすかを玄関先まで送り届け、質札を返しながら、
　春日「あすか、はるみは死ぬぞ。あいつは全中裏にはつかない。お前が助けに来ると信じ切っている。今日限りお前の仲間はいなくなる」
　あすか「ああ、誰だってたったひとりさ。ひとりひとりがひとりの組を持っている。だからサシでダチをやってられるんだぜ」

　
　春日「残念だ……」
　好敵手を失い、やや寂しそうな春日。しかし、いくらなんでも眉毛太過ぎでは？

　
　その頃、ミコはあすかの部屋に上がって、あすかが急に編み始めたレースを握り締め、（あすか、お前といる時は、あんなに楽しかったのによ。もう一度お前にもたれてえよ！）と心の中で叫んでいた。

　小沢なつきさん、最初の頃と比べて、ぐっと大人っぽく、綺麗になった気がするなぁ。

　
　あすかが帰ってくる。ミコは即座に手を付いて、「あすか、頼む、もう一度だけ立ってくれ！」と恥も外聞もなく頼み込む。

　
　真っ直ぐなミコの眼差しを受けて、あすかの決心も揺らぐが、戦いで傷付くミコやはるみのイメージを再び思い起こし、なんとか自制する。

　あすかは無言で座り、レース編みを始める。
　ミコ「やっぱりお前じゃなきゃダメなんだ。スケバン連合を動かすにはお前の力が要るんだよ！」
　ミコは尚も食い下がるが、
　あすか「私はもう、誰とも関係ない」
　ミコ「あすか、昔のあすかに戻ってくれよ！　やだよ、こんなのやだよ！」
　あすか「もし私たちが出会わなかったら、ひとりひとり結構何とか生きてたんじゃないかな」
　ミコ「そんなのずるいぜ、お前じゃないか、マブダチのいる楽しさを教えてくれたのは！」
　あすか「マブダチってのは誰かの肩にもたれかかることじゃないだろう」

　ミコ「あすか……！」
　あすか「もう、誰も傷付けちゃいけない」
　自分に言い聞かすようにつぶやくあすかを見て、ミコにもなんとなくあすかの気持ちが分かるような気がするのだった（多分）。

　さて、蘭塾。春日、気になってはるみの監房を覗いてみるとはるみの姿がない。

　
　慌てて踏み込むと、ドアの後ろに隠れていたはるみが春日の体を押さえ、いつの間に作ったのか、スプーン（？）を尖らせたような武器を喉につきつける。
　はるみ「騒ぐと命はございませんわよ」
　春日「頚動脈はもっと右だ」
　はるみ「えっ」

　ここで、動じることなく敵に忠告するのが、ドラマ始まって以来の春日のかっこいいところ。そしていかにも武上純希氏らしい台詞である。

　一瞬の隙を見逃さず、春日、ムチでスプーンを弾き飛ばすと、柄の方ではるみの腹部を突く。

　
　春日「こんなものを……あすかはもう信じられないと言うことか？」
　はるみ「あすかさんは来てくださいます。でも、人は結局ひとりなんです。自分のことは自分で決着を付ける。それを知っている人だけがあすかさんの友達になれるんです」

　
　はるみの言葉に考え込み、別れ際のあすかの言葉を思い起こす春日。
　（はるみの心にあすかが住んでいるのか？　ひとりひとりがあすか組なのか？）

　春日、部屋を出掛けに、「今日から全中裏支配の祝賀の準備が始まる。蘭塾から多くの兵隊が街に出る」と教え、さらに奪った武器を投げ返し、「その刃を自分の首に向けたりするなよ」

　最後の最後で、春日の心境にも変化が見え始めていた。

　一方、警備員として蘭塾に潜入していた風も、その情報を掴み、あすかへの手紙を敷地の外で待っていた林に託す。

　
　林から「明朝決行、裏門にて待つ」と言う手紙を受け取ったあすか、すやすや眠っている母親の枕元に結局完成しなかったレース編みを置き、（ママのこと、ずっと愛してる、帰ってこれなくても……）と語りかけるのだった。

　と言う訳で、折角の最終回なのに石井めぐみさんの出番はこれだけ。ご苦労様でした。

　つづく。