俺が正義だ「巨獣特捜ジャスピオン」セレクション 第31話

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　第31話「お母さん助けて！恐怖の生中継」（1985年11月29日）
　よんどころない事情でしばらくお休みしていた「ジャスピオン」のお時間です。
　今回は2本立てでお送りします。

　冒頭、車で移動中のいかにも悪そうな三人の男。

　
　ザウル、

　
　ゲンガと来て、

　
　シルクと言う、女の子みたいな名前なのがやや膝カックン。

　
　そして、その車を尾行するバイクには、久しぶりに登場のブーメランの姿があった。

　
　尾行に気付いた三人は、ブーメランを停泊中の船の上まで誘い出し、

　
　ザウルとゲンガが戦闘アンドロイドとなって、ブーメランを襲う。

　どう見ても、変身する前のほうが強そうな二人。

　苦戦するブーメランは救援信号を出し、それをキャッチしたジャスピオンが助けに来る。

　
　三人に逃げられた後、ブーメランがスライドで彼らの顔写真を見せる。
　ジ「これがシルクか」
　ブ「いつも胸に絹のハンカチを差している。だからシルクだ」
　ジ「おしゃれだなぁ」←この台詞、妙に可笑しい。

　ブ「知的な顔とは裏腹に、やることは残忍だ。東南アジア、南米、中東の内乱は全てシルクが仕掛け人だと言われている」
　ジ「戦争を巻き起こして金儲けを企んでいるんだな」

　さすがに「全て」は、欲張り過ぎでは？

　ジ「そう言えば、ただの風来坊じゃなさそうだな、今の君は」
　ブ「こういうものです」
　冗談めかしてブーメランが取り出して見せたのは、国際連邦保安官の身分証だった。
　南米旅行中、武装強盗団をやっつけたところをスカウトされたらしい。シルクたちを追っていたのも、国際連邦保安官としての任務だったのだ。ところで、国際連邦保安官って何？
　
　そのシルクたちは、マッドギャランの玉座の前に丁重に案内されていた。
　マッドギャランは、彼らの企む国立銀行の金塊強奪に力を貸そうと申し出、シルクも喜んで受け入れる。

　
　その席で、透明なボックスの中で前回ジャスピオンにやられた傷を癒していたギルザが、
　「なんだオバハンか」（註1）とザウルたちに侮られ、髪の毛を逆立てて二人の用心棒を痛めつけると言う余興も発生する。

　これが文字通りの意味での「怒髪天を衝く」である。　

　マ「父上、金塊強奪作戦でジャスピオンの目を引き付け、その裏では日本列島沈没作戦を実行致したいと思います」
　サタンゴース「見事、日本列島を沈めてみよ！」

　沈めてどうすんだ？

　で、マッドギャランにとっては陽動作戦に過ぎない金塊強奪作戦だが、具体的には、幼稚園の園児と先生を誘拐、その様子を生中継して、日本政府に金塊を差し出すよう脅すという、エレガンスのかけらもない作戦だった。まぁ、悪の組織が園児を誘拐するのは、宿命のようなものだけど。

　
　ちなみの今回チェックしてて初めて気付いたが、先生（保母）のひとりは、前作「シャイダー」でギャル3を演じていた川島芳美さんだった。

　ジャスピオンとブーメランも、事件について話し合い、アンリにダイレオンのセンサーで、電波の発信場所を突き止めさせようと言うことになる。
　ジ「俺はどうも腑に落ちないんだ」
　ブ「何が？」
　ジ「シルクが金塊を欲しがるのは分かる。だが、マッドギャランには何のメリットがあるんだ。もしかしたら俺の目を欺く為に……」

　異常なほど勘の鋭いジャスピオン。でも、マッドギャランだって、活動資金は必要だと思うんだけどね。

　誘拐事件の一方、マッドギャランは巨獣デスチラスを出撃させ、日本海溝に爆弾を埋め込み、大地震を起こして日本列島を沈没させる「日本列島沈没作戦」（まんま）の準備を着々と進める。

　「園児誘拐」の裏で、「日本列島沈没」を画策すると言う、このアンバランスがたまらない。

　だが、アンリの活躍で園児たちの居場所が分かり、ジャスピオンとブーメランによって無事救出される。
　その過程で、シルクたち三人も倒される。

　
　相変わらず、アイアンウルフはとてもカッコイイ。

　
　肝心の沈没作戦も、ダイレオンの鋭敏なセンサーによって察知されてしまう。
　ジャスピオンはデスチラスを陸上に引っ張り上げ、ダイレオンで撃破する。

　このあおりの格闘シーンはなかなかの迫力だ。

　ブーメランは、インターポール捜査官だった兄を殺したマッドギャランへの闘志を燃え立たせるのだった。

　（註1……正しくは「なんだ女か」でした）