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アニメ「はいからさんが通る」を鑑賞 第8話


 第8話「泣きません勝つまでは」(1978年7月29日)(作画監督・田中英二/西城隆詞)
 今更だが、この企画を始めたことを少し後悔している。

 元々、この作品を紹介する為にブログを始めたのであるが、いざやってみると、アニメのストーリーを紹介するのがこんなにしんどいとは思わなかった。
 それに、この作品は、動画の出来不出来の差が大きく、出来の悪い回は飛ばしたくなる。ストーリーの進行もまどろっこしく、1話まるごと時間稼ぎみたいな回もあるのだ。

 しかも、39話もある……。

 さて、前回の続き、伊集院家での初めてのディナーの席に臨んだ紅緒だったが、洋食のマナーを知らないことに気付き、青褪めているところから。

 んで、即座に続きを始めればいいのに、

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 のっけから、紅緒の実家に場所を変え、ばあやがうっかりして紅緒の分の食事も作ってしまうというエピソードを突っ込んでくる。
 花村「紅緒は伊集院家に行ってしまっているのに、そそっかしいばあやだ。それにしても紅緒の奴……」
 独酌の杯の中に、娘の顔を思い浮かべる花村少佐。

 また、ばあやが紅緒の好きだった鳥のつくねを紅緒の死んだ母の遺影に供えて、
 「今頃、美味しいご馳走をたんとたんと召し上がってらっしゃるんでしょうねえ」と話しかける。

 以上、原作には全くないシーンでした。

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 それからやっと、晩餐のシーンに戻ってくる。やれやれだぜ。

 おまけに、サスペンスフルなBGMまでかけて、無駄に長引きそうな予感。

 紅緒がご馳走を前に固まっているのを見て、伊集院家の人たちも紅緒がマナーを知らないのだと察しがつく。

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 如月「さあ、どうぞ紅緒様」
 紅緒「う~、人の弱味につけ込んで!」

 今回は、タマプロの西城氏が田中氏と共同で作画監督を務め、同時に原動画にも参加しているので、ちょくちょく作画が良くなる(あくまで私の好みだけど)。

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 紅緒(おつゆくらいならなんとかいけそうだわ、このしゃもじを使えばいいのね)
 紅緒、伊集院家のひとたちがこちらに注目していないのを確かめ、スプーンでスープを飲もうとする。

 が、当然の如く、盛大にズズズズと音を立てて啜ってしまい、みんなを振り向かせる。
 慌てた紅緒、今度はスプーンを皿の中に落とし、拾い上げようとするが、給仕にさっさと下げられる。

 原作では、スープを飲む前に(何故か)下げられてしまう。

 そんな紅緒の様子を見ていた伯爵、哄笑して
 「野蛮な旗本娘のことじゃ、大方洋食の作法など知らんのじゃろうて」とバカにする。

 夫人「御前、失礼でございますよ! 忍さん」
 伯爵夫人は、見兼ねて忍に目配せする。

 忍はすぐ心得て、小声で紅緒に「僕の真似をして」と助け舟を出す。

 紅緒は忍のやるとおりにフォークやナイフを使い、ステーキを切り分けようと四苦八苦して、キキキィ~と耳障りな音を響かせる。

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 また、忍が誤ってグラスを倒したのを見て、
 (コップを割るのか、そう言えばそんな乾杯のやり方があったっけ)と、豪快に自分のグラスを放り投げてしまう。

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 そこには暖炉があったため、グラスのアルコールが爆発を起こし、いかにもギャグアニメっぽい処理がされる。

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 溜息をつく忍と夫人。

 この忍の顔なんかも、良く描けていると思うのだ。

 伯爵「はははは、こんな愉快な見世物はないわ! そもそも洋食の作法もわきまえぬような女子はこの家の家風にはあわんのじゃ、さっさと帰してしまうんじゃな」

 紅緒、悔しさに身を震わせるが、何も言い返せない。

 その夜、あてがわれた部屋で、枕を掻き毟って鬱憤を晴らしている紅緒。
 紅緒「あのジジイ、気に食わない。くぅー、なにさ、私はマナーなんて知らないんだから、悪いか、バーロー!」

 紅緒、結局ほとんど何も食べられないまま部屋に下がったので、お腹がペコペコだった。
 紅緒(なんでこんなところまで来ちゃったのかしら、家にいれば今頃は……)

 で、ここでまたまた「ドラゴンボールZ」のカメハウスよろしく、意味もなく場面が変わって水増しが行われる。今度もまた紅緒の実家で、ばあやがつくねを作り過ぎたので、蘭丸と牛五郎を呼んで食べさせている。

 蘭丸たちは、あれこれと紅緒のことを案じ、その流れで蘭丸が牛五郎の人力車で紅緒を手助けするべく、未明の通りを、伯爵家に向けて疾走すると言う、これまた原作にはかけらもないシーンとなる。

 その紅緒、バカバカしくなってさっさと帰ろうとしていると、忍がやってくる。
 忍「はい、差し入れ、お腹空いたでしょう」
 紅緒「あ、あの、少尉、私帰ります!」
 忍「どうしたんですか」

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 紅緒「こうなったら言っちゃう、あたし、あなたの家でめちゃめちゃに大暴れして追い出されようとしたんです。どう、愛想尽かしたでしょ? あたしのこと……」
 忍「ほう、それで?」
 紅緒「それが出来そうもないし、だから……」
 忍「尻尾を巻いて帰るって言うんですか、あなたらしくもなく」
 紅緒「えっ」

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 忍、窓を開けて、室内に夜風を通す。
 忍「僕はね、あなたがこの家に新しい風を入れてくれる人だと信じてるんですよ。この古い家に新しい風を……いつかあなたに話したように、祖母も僕の父も、自由な恋をして結婚することも出来なかった。そんな古い屋敷のつまらないしきたりを破ってくれるのが、あなただとね、紅緒さん」
 紅緒「あの、少尉っ」
 忍「とにかく、これくらいでめげてしまうなんてはいからさんらしくないですよ」

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 忍「じゃあもう遅いから今夜は早くお休みなさい」
 紅緒「あの、あたしやっぱり……」
 なおも言いかける紅緒の顔を人差し指でツンと起こし、

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 忍「おやすみなさい」
 と、頬に軽くキスをする。

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 紅緒「ヒッ」
 思わずギャグ顔になる。
 ボーっとしているうちに、いつの間にか忍はいなくなっていた。

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 夜食のサンドイッチを平らげ、着替えてベッドに入る紅緒。睡眠薬代わりにと忍が置いて行った本を開くが、「カント、ヘーゲル、ショーペンハウエル? 弁証法? まるっきり分からん! なになに、我思う、ゆえに我ありか……なーんだこりゃ?」と、ちんぷんかんぷん。

 やがて眠りに就く紅緒。

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 が、翌朝は4時に如月に叩き起こされる。
 紅緒「こんな早く起きて、新聞配達が納豆売りでもしろって言うの」
 如月「紅緒様は今日から若奥様見習い、良家の御台所と申すものは、下々のはしための仕事まで知らなければ、良き御台とは申せませぬ」

 と言う訳で、屋敷の掃除から、ジャガイモの皮むき、裁縫など、いろんなことをやらされる紅緒。
 が、掃除をすれば屋敷をぐちゃぐちゃにし、ジャガイモは里芋くらいの大きさにむき、浴衣もろくに縫えない。

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 悔しがる如月に「見たか、女学校の腕前オール丁(てい)の腕前を」と、変なことを誇る紅緒だった。

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 同じ頃、蘭丸たちも屋敷に入ろうとするのだが、またしてもあの犬が出てきて、牛五郎を通せんぼし、暗いうちから早朝まで、ずーっと彼らをその場に足留めすると言う、これまたどうでもいいシーンがあったりする。

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 で、やっと如月から解放された紅緒が急いで女学校へ行こうとするところで、彼らといきあい、牛五郎の人力車で向かう。
 遅刻してしまうと、塀を飛び越えた紅緒の袴が鉤で引き裂かれ、白い脚が見えてしまうと言うちょっとエッチなシーンで終了。

                                        (C)大和和紀・講談社・日本アニメーション


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コメント

実写版「伊賀野カバ丸」でも主人公のカバ丸(黒崎輝さん)がヒロインの麻衣ちゃん(武田久美子さん)の屋敷でおそらく人生初の洋食に出くわす場面がありました。そこでのカバ丸もまたスープをズルズルと音を立ててスープカップから直接飲み出すはもとより、カルパッチョ、エビグラタン、肉料理と全て手掴みでかぶりつくと言う荒業(?)を披露して麻衣ちゃんやメイドたちをはじめ周囲を唖然とさせていました!
さすがに紅緒さんはそこまで・・・と言いたい処ですが、紅緒さんも乾杯のつもりでワイングラスを暖炉に投げ込みぼや騒ぎまで起こしてしまっているのを観るとカバ丸と互角、或いはそれ以上と言えるかもしれませんね(笑)!

Re[1]:アニメ「はいからさんが通る」を鑑賞 第8話(03/16)  

笑太郎様
>実写版「伊賀野カバ丸」でも主人公のカバ丸(黒崎輝さん)がヒロインの麻衣ちゃん(武田久美子さん)の屋敷でおそらく人生初の洋食に出くわす場面がありました。そこでのカバ丸もまたスープをズルズルと音を立ててスープカップから直接飲み出すはもとより、カルパッチョ、エビグラタン、肉料理と全て手掴みでかぶりつくと言う荒業(?)を披露して麻衣ちゃんやメイドたちをはじめ周囲を唖然とさせていました!

「伊賀野カバ丸」ですか、見たいですねえ。

Re[2]:アニメ「はいからさんが通る」を鑑賞 第8話(03/16)  

>zura1980さん

>「伊賀野カバ丸」ですか、見たいですねえ。

>溜息をつく忍と夫人

少々遅くなりましたが、ご返信ありがとうございます。紅緒さんの破天荒ぶりにげんなりし思わず溜息までついてしまう少尉と伊集院夫人ですが、「カバ丸」でもカバ丸の食いっぷりを眼前にして麻衣ちゃんもショックを受け、その場で半泣きになり自室に走り込み閉じこもってしまいました!少尉もそこまでならなかったものの気持ち的にはおそらく麻衣ちゃんと同じだったかもしれませんね。つまり紅緒さんと少尉、カバ丸と麻衣ちゃんとで立場が男女逆転していると言う訳です(笑)!
反対に麻衣ちゃんのおばば様(朝丘雪路さん)は、伊集院夫人とは違い剛胆にも笑いながらカバ丸の食いっぷりを眺めていましたが・・・。
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Re[3]:アニメ「はいからさんが通る」を鑑賞 第8話(03/16)  

笑太郎様
>少々遅くなりましたが、ご返信ありがとうございます。紅緒さんの破天荒ぶりにげんなりし思わず溜息までついてしまう少尉と伊集院夫人ですが、「カバ丸」でもカバ丸の食いっぷりを眼前にして麻衣ちゃんもショックを受け、その場で半泣きになり自室に走り込み閉じこもってしまいました!少尉もそこまでならなかったものの気持ち的にはおそらく麻衣ちゃんと同じだったかもしれませんね。つまり紅緒さんと少尉、カバ丸と麻衣ちゃんとで立場が男女逆転していると言う訳です(笑)!

なんか張り切ってる黒崎さんの姿が目に浮かぶようです。武田久美子さんが相手と言うのも良いですね。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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