「少女コマンドーいづみ」第8話 その1
- 2015/03/25
- 20:56
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第8話「聖夜」(1987年12月24日)

24日の夜、クリスマスムード一色の街を歩くいづみ。

その近くに停まっていたリムジンの中で、如月財閥の令嬢・智子が退屈そうに街並みを眺めていた。
如月智子を演じるのは森村聡美さん。「スケバン刑事3」のオトヒをやってた人です。
ちょうどその時、いづみの目の前でひったくり事件が発生する。いづみは、被害者が落としたりんごを拾い上げると、ひったくり犯目掛けて投げ付けて、ひったくり犯を退治する。
いづみの活躍を目にした智子、急に楽しそうな表情になる。
智子(運転手に)「今年のプレゼントが決まりました。……出しなさい」

翌日、生活費を稼ぐ為、サンタの格好をしてビラ配りのバイトをしているいづみ、ふと、電話ボックスにこんなものがべたべた貼られているのに気付き、「えーっ!」と叫ぶ。

いづみ「何なの、これぇーっ?」
怒りのあまり、その衣装のまま恵子たちがたむろしているバーガーインの奥の部屋へ飛び込んでくる。こんなことをするのは恵子以外に考えられないからだ。
恵子「だってさ、こんなバイトじゃ、いづみの家計パンクしちゃうじゃん、だから、もうちょっと美味しい仕事選ぼうかなと思ってさ、番長グループの助っ人とかさぁ、ヤクザの用心棒なんかいいんじゃないかなと思ったんだけど……」
祥子たちと仕事の価格表を作っていた恵子、懸命にいづみを宥めようとする。この「事件なんでも解決業」のプランは、6話の最後に恵子が言い出したもので、中盤は、主にこの依頼でストーリーが進むようになっている。
いづみ「ふざけないで! 私は人間よ、兵器なんかじゃない!」
恵子「ムキになんないでさ、みんなで楽しくクリスマスパーティーでもパッとやろう! かなっなんて思っちゃったり……」

そこへ、空気の読めないことで有名な佐織がスキップを踏みながら入ってくる。
得意そうに、「街中の電話と言う電話、バッチリカード貼ってきました。どんどん稼いで、たのピークリスマスパーティーをしましょ」
一方、冗談の通じないことで有名ないづみは、「二度とこんなことしないで!」と、佐織の差し出したビラを払い落とす。

たちまち泣き始める佐織。嘘泣きだけど。
佐織「ふぇ~~~ん」
恵子「もういいじゃん、クリスマスぐらいさぁ、子供の夢壊さなくたってぇ!」

恵子「も~、いづみだってさ、クリスマス久しぶりでしょ? っとも、あれかな、訓練所でやってたのかな? 戦場のメリークリスマス、なんちゃってね!」
恵子のギャグに部屋が凍り付く。

いづみはサンタの帽子を床に叩きつけて荒々しく出て行く。
一部始終を見ていた健は年長者らしく「おい、ちょっと言い過ぎだよ。俺たちが踏み込んじゃいけない大事な場所があるんだよ、あいつの心の中には」と注意する。
恵子「分かってる、反省してるもん」
健「おい、それよりよ、最終兵器に電話ってお前らじゃねえのか?」
健の言葉に、佐織はさっさと嘘泣きをやめて受話器に飛びつく。待望の仕事の依頼であったが、肝心のいづみがいないことに気付き、口ごもる佐織。
と、恵子がさっさと電話口に出て「もしもしお電話代わりました、いづみです」と勝手に名乗って仕事を受けてしまう。
佐織「あーあ、踏み込んじゃった」

その依頼主こそ、如月智子の運転手……と言うより、腹心の部下と言う感じだが、辻という男だった。
辻を演じるのは長江英和さん。
広壮な如月邸(「あすか組」のひばり邸としても使われていた)で、優雅にピアノを弾いている智子に辻が報告する。
辻「お嬢様が街でご覧になったのは五条いづみ……親衛隊の調べたところによりますと、街一番のワルとか」
智子は、辻の投げたりんごをレイピアで4つに切断し、
智子「今年のパーティーは、楽しくなるわよ」
さて、恵子はいづみになりすまして、待ち合わせの喫茶店で依頼主の辻と会う。

サンタの衣装が入った紙袋を渡された恵子、怪訝な顔になる。
辻「お嬢様にクリスマスプレゼントを届けて欲しいのです」
恵子「安い仕事はしないの、失礼……」
辻「前渡しで5万円、仕事が終われば更に5万円」
一旦席を立った恵子、辻の言葉にすぐ戻ってくる。
辻「パーティー会場は、こちらです」と、地図を示す。

その後、バーガーインの部屋で、祥子たちと万札を数えて盛り上がっている恵子。
恵子「行くよ、1枚、2枚、3枚、4枚、5枚! キャーッ!」
佐織「これで素敵なクリスマスが出来ますよね。素敵なパーティーやれば、いづみさんも機嫌直してくれますよね!」
恵子「あいつだって寂しいんだよ!」

健「でもよ、たかが使いっ走りにしちゃあ、ちょっと良過ぎるよなぁ……10万っつうのは」
ここでも、健は冷静な意見を吐く。
だが、10万円の報酬に目が眩んでいる恵子は「でも世の中、お金余ってる人いるもん」と反論する。

一方のいづみ、自分の部屋で「メリークリスマス! 私ぜんっぜん気にしてないし、パーッとやろうパーッと! チッ……わざとらしいかなぁ」と、佐織たちと仲直りをする際のシミュレーションをしていた。いづみも、さっきは少し言い過ぎたと反省しているのだろう。

コトンと音がして、手紙が落ちる。佐織が可愛らしい字で綴ったクリスマスパーティーの招待状だった。
急いで下の歩道を見ると、サンタの格好をした恵子と佐織が走っていくのが見えた。
もう一度手紙を見返して、嬉しくてしょうがないと言う顔をするいづみ。良い笑顔ですね。

恵子は如月邸の門の前で佐織を待たせ、プレゼントの入った袋を提げて元気良く声を張り上げる。
恵子「メリークリスマス! メリークリスマス! メリークリスマス……ざんす。誰もいませんか? いない、よね……間違っちゃったのかな?」
ホールは暗く、誰の姿も見えない。恵子はさっさと帰ろうとすると、足元に剣が投げられ、フェンシングの防具をまとった智子が「剣を取りなさい、いづみ」と、強引に恵子と勝負しようとする。
最初は逃げ回っていた恵子、根負けして剣を拾って相手をするが、フェンシングについては素人なので智子には歯が立たない。
智子の圧勝に、2階部分から見物していた辻や親衛隊が盛んに拍手をして智子を讃えるが、

智子「違います。私が見た少女は、この娘ではない!」
と、剣の先でサンタのマスクを剥がし、恵子の素顔を晒す。
智子「お前は?」
恵子「闇の学生中央委員会会長、湯浅恵子」
智子「闇学中、聞いたことがあります。ドブネズミたちの集団ね」

智子「17年間、私は勝つことに飽きてしまった。あの少女なら私のライバルと呼んでもいいと思ったのに」
恵子「かっこつけないでよー」
智子「本物のいづみは?」
恵子「まぁ、それ知っても無駄だね、いづみはお嬢様のお遊びに付き合うような趣味はないと思うけど」
恵子を睨みつける智子。と、その横から消火器の白い粉が勢い良く吹きかけられ、あたり一面真っ白になる。心配してやってきた佐織の仕業だった。その混乱に乗じ、二人は屋敷から逃げ出す。だが、智子もすぐに「暴走レインボー」なるバイク軍団を追手に差し向ける。
つづく。
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