「仮面ライダーアマゾン」第12話

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　第12話「見た！ゲドンの獣人改造室！！」（1975年1月4日）
　新年一発目の放送。野山をジャングラーで颯爽と走っているアマゾン。

　高いところからそれを見ているおやっさんとまさひこ。
　立花「うーん、見ろよあの乗りっぷり、見てろ、俺が必ずアマゾンを世界一のライダーにして見せるからな」
　まさひこ「僕は無理だと思うな。アマゾンはゲドンと戦うだけさ。いくら立花のおじさんが夢中になってもその気はないさ」
　立花「だからさ、ゲドンを片付けてからその気にさせるのさ」
　まさひこ「さあね、アマゾンはゲドンをやっつけたら、アマゾンに帰るんじゃないかな」
　立花「なんだお前は、俺の折角の夢、ぶち壊すようなこと言うなよ」
　ひとりで興奮しているおやっさんと、対照的にクールなまさひこ。

　と、ちょうどその時、下の道を、女の子を抱えてピストルを持った悪人が、警官隊に追われて逃げているのを目撃する。

　犯人は、女の子を人質に、お城のような廃墟の最上階に立て篭もる。
　アマゾンは裏側から密かに廃墟を登って行き、犯人をぶっ飛ばし、女の子を助ける。

　犯人はパトカーで護送されるが、ジューシャたちがバイクで追ってきて、犯人を連れ去ってしまう。ジューシャに気付いてアマゾンも急行し、ジューシャのひとりを捕まえる。

　
　犯人は、ゲドンの十面鬼ゴルゴスの前に連れて来られる。
　犯人「俺は、悪い夢を見ているのか……一体ここは何処だ、地獄か？」

　ゴルゴス「村田ゼンジ、前科10犯、強盗殺人で今度は間違いなく死刑だ」
　村田「覚悟は出来てるぜ」
　十面「いい度胸だ」
　十面「この悪の塊の人間こそ」

　
　十面「ゲドンの獣人にふさわしい」

　ちょいちょい、とても幸せそうな顔が混じっている十面鬼。

　十面「お前は死刑になって死ぬか？」
　村田「冗談じゃねえや」
　十面「それともゲドンの獣人になって思う存分悪を働くか？」
　村田「獣人だかなんだかしらねえが、死ぬよりはマシだぜ。へっ、おもしれえ、やってくんな」

　ライダーシリーズには、こういう軽はずみな人が良く出て来ます。

　
　本邦初公開、これがゲドンの「怪人製造室」なのだ！

　ま、後2回でゲドンは滅びるんだけどね！

　
　一方、アマゾンがジューシャを柱に縛り付けているところへモグラが顔を出す。
　モ「おい、アマゾン、こいつをどうするつもりだ？　はーはー、焼いて食うつもりか。よっしゃ、俺も薪拾いを手伝って、ひとつご馳走に預るかな？」
　ア「ジューシャ、逃げる、アマゾン、あと、追う」
　モ「なるほど、ジューシャを利用してゲドンに乗り込む作戦か」

　村田はトゲアリ獣人として甦る。と言っても、改造と一緒に人格も変わるので、極悪人を素材にした意味はあまりない。ただ、特に理由もなく、ジューシャたちに襲い掛かってセクハラをしまくるあたりが、いつもの獣人と違うくらい。

　
　ゴルゴス「よしよし、それくらいでよいわ」

　無駄に目を光らせるゴルゴス。

　無論、獣人への命令はアマゾンを倒し、ギギの腕輪を奪うこと。こればっかりである。

　
　ジャーシャが縛られているところへ、まさひことりつ子がやってくる。モグラひとりで、集めた薪で焚き火をしている。
　まさひこ「モグラ、アマゾンは何処？」
　モ「うん？　アマゾンは留守だよ」
　りつ子「どうしたのこの人？」
　モ「ああ、アマゾンが捕まえた。あっ、ちょうどいいや、アマゾンに頼まれて見張っていたんだけど、君たちに代わって貰うよ。じゃあね」
　まさひこ「オイ待て、モグラ！」
　モ「じゃあ、頼んだぜ、チュッチュウ～」
　モグラはさっさと地面に潜ってしまう。


　と、ジューシャが目を覚まし、「お願い、水、水を、死にそう……」と哀れっぽく訴える。

　マスク越しに見えるジューシャの目がいかにも善良そう。

　
　りつ子「お水くらいならいいでしょう。私汲んで来るからちょっと待っててね」
　なんだかんだで人の良いりつ子、水を求めてその場を離れる。

　
　ひとりで見張ることになったまさひこ、精一杯威厳を作ってジューシャを睨み付ける。可愛いね。

　だが、ジューシャに「この縄、もう少し緩めて」と頼まれ、あっさり言うことを聞いてやる。
　ジューシャはたちまちいましめを脱して、トンズラしてしまう。

　もっとも、アマゾンは樹上からその様子をずっと見守っていたので、すぐ降りてきて計画通りジューシャを追い掛ける。
　ジューシャが「レッドバロン」にも出てきたことのある石窟まで来ると、トゲアリ獣人がお出迎え。

　ただ、それを見てジューシャが「トゲアリ獣人」と呼びかけるのは明らかに変である。彼は、ジューシャが捕まっている間に改造されたんだからね。

　ト「よくアマゾンから逃げられたな」
　ジ「アマゾンの留守を見計らって」
　ト「パカめ、アマゾンはそれほど甘くない、わざとお前を逃がしたのだ！」

　果たして、アマゾンが現れて戦いになる。

　
　獣人の吐く液体は、物体に付着すると激しく炎上するのだ。

　
　アマゾン、ジューシャが落とした岩が当たって、簡単にのびてしまう。
　ト「見たか、俺の力を！」

　
　アマゾンはそのままゴルゴスの前に連れて来られる。当然、ゴルゴスたちは大喜び、手放しで獣人を誉める。

　が、アマゾンは気絶したふりをしてわざとゲドンのアジトへ潜入したのだった。
　ア「アマゾン、ガガの腕輪を取る！」

　アマゾン、ここで掟破りのガガの腕輪奪取宣言！　取ってどうすんだ？

　アマゾンが変身すると、ゴルゴスは空を飛んでアジトの天井から逃げてしまう。

　
　その後、獣人とアマゾンの戦いになる。トゲアリ獣人は善戦するが、最後は首を斬られて壮絶な死を遂げる。

　
　ゴルゴス「ゲドンの獣人はまだまだおるわっ」（註1）

　
　面「アマゾン、貴様を殺してやる」

　
　面「今日のところは見逃してやる」

　どっちやねん

　十面鬼ゴルゴス、笑いながら空の彼方へ消える。

　
　さて、お正月。ゲイラカイト（懐かし過ぎて死ぬ人多数）が競うように空を舞っている。
　まさひこ、国語の教科書を見せて、アマゾンに言葉を教えてやる。

　そこへモグラがひょっこり顔を出す。
　まさひこ「そうだ、アマゾン、モグラに新年の挨拶やってごらん。モグラさん、おめでとう」
　ア「モグラ、おめでたい」
　モ「チュッチュウ、どうせ俺はおめでたいよ。勝手にチュッチュウ～」

　
　とてもほのぼのするシーンだが、残念なのは折角りつ子が晴れ着姿でやってくるのに、ほとんど映して貰えないことだ。スタッフは何を考えていたのだろうか？

　（註1……ほんとはあと1匹しかいません）