第13話「運が悪けりゃ死刑台」(1979年7月29日)
冒頭、スーパーで買い物をしている麻生。

商品を手にとってニンマリするが、値段を見て渋い顔になり、元に戻す。トホホ。

麻生の近くに、場所にそぐわないセレブ風の美女がいた。
二人がぶつかって、美女の買い物カゴが散乱する。
慌てて商品を拾い集める麻生だが、床に、商品ではないナイフが落ちているのに気付き、手に取る。
麻生「物騒な物をお持ちだ」
美女「亭主をぶすりとやってしまおうと思いまして」
麻生「動機は浮気?」
美女「外に女を500人ばかり」
麻生「それはいけないなぁ、しかし、あなたにも罪がある……美し過ぎて近寄りがたい」
美人と親しく冗談口を利いて、「良い日になりそうだ」とつぶやく麻生。背後でその美女が舌を出しているとも知らず……。
麻生、事務所に戻ると、依頼人らしい男が勝手に上がりこんでソファに座っていた。
あれこれ話しかけるが、男は固まったまま、何の反応も示さない。
麻生「どっか具合でも悪いんじゃないですか……」
……が、男は具合が悪いどころか死んでいた。胸に刺し傷を残して。

麻生、困り果てて、日曜日だったが、適当なことを言ってダーツたちを電話で呼び出す。
三人「日曜出勤、ただいま参上!」
麻生「ごくろうさん」
ユーコ「それで、どういうご依頼なの?」
麻生「依頼内容は死体の処置」
ダーツ「死体なんかないじゃない」
麻生「ここにある……死体はこの人」
麻生が、男が既に死んでいることを示すと、三人とも「うわーっ!」と叫んで壁際まで飛んで行く。
ダーツやジュンは、話が違うとさっさと帰ろうとする。麻生が引き止めていると、間の悪いことに久美が遊びに来る。麻生たちはなんとか死体だとばれないよう誤魔化そうとするが、結局久美にも知られてしまう。

男が死んでいると知った瞬間の久美。
麻生は、久美も強引に「共犯」にしてしまう。
死体の身元や処置についてがやがや話し合う麻生たち。ダーツが「死体置いて夜逃げしよう」などと騒いでいると、

大家の娘のみやこが家賃が払えず夜逃げするのかと勘違いして飛び込んでくる。
彼女は準レギュラーと言うほども出ないのだが、なかなか可愛い。演じているのは田坂都さん。
で、麻生たちは死体を生きている人間のようにして左右から抱え、駐車場までおろし、車に積んで走り出す。
彼らが出た後、久美が声色を使って、新妻署のゴリラに電話し、とある場所に死体が捨ててあると通報する。
金沢とゴリラがすぐその場所へやってくる。あらかじめ打ち合わせをしていた麻生たちは、二人が車から離れた隙に、あつかましくも、その死体を車に放り込んでトンズラしてしまう。
警察の調べで、死体は暴力団・潮会の会長の次男だと判明する。

麻生、クーラー代わりの氷塊を割りながら、事件について話し合う。
ユーコに、こんなことをされる心当たりはないかと訊かれ、
麻生「刑事時代は暴力団は随分叩いたが、その頃、潮会はまだ東京に進出していなかった」
でかい氷の塊を支給され、みんなえげつない顔で頬張る。
実際、当時のスタジオはろくな冷房がなく、めちゃくちゃ暑かったそうな。
息子を殺された潮会会長は当然、嘆き悲しむが、葬儀の最中、女の声で密告電話があり、麻生が殺したのだと教える。潮会のチンピラがすぐに事務所に押しかけ、麻生を拉致してしまう。別の部屋にいたユーコと久美がそれを見ていて、久美の運転で追跡する。
麻生、会長と対面する。無論、自分は殺してないと主張するが、会長は聞く耳を持たない。
隙を見て逃げようとするが、幹部の伊佐山にナイフを投げ付けられ、捕まってフクロ叩きにされる。

庭からその様子を見ていてユーコたち、このままでは麻生が殺されてしまうと、果敢にも屋敷内に忍び込み、

そこにあった大きなケーキを見張りの顔面にぶちかます。
なんでそんなところにケーキがあったのか、それは人類永遠の謎なのである。
二人はブレーカーを落とし、発炎筒を焚いて屋敷を混乱状態に陥れる。麻生は二人と一緒に無事生還する。
その後、新妻署に一本のナイフが届けられる。直後、女の声で電話があり、そのナイフが次男を殺した凶器であり、指紋を調べれば犯人が分かると告げる。
科捜研の館野が調べると、麻生の指紋が検出される。
館野「しかし、麻生さんが……これはきっとなんかの間違いです」
ゴリラ「凶器の指紋、これが何よりの決定的証拠だ!」
金沢「いや、俺も信じられんな。それより臭いのは、電話を掛けてきた女だ」
事務所に、再び潮会の連中が押しかけてくる。麻生はベランダを伝って寝室に移動し、ベッドの下に身を潜めてやり過ごす。

その後、同じフロアの藤原法律事務所まで避難して、改めて事件について話し合う。
麻生「ナイフ、ナイフねえ……ナイフ……あの時の!」
麻生、ここでやっと、スーパーで会った美女のことを思い出す。
麻生「あの女だ。まんまとナイフを握らされた」
ダーツ「どんな女?」
麻生「グラマーで色っぽい」
ダーツ「いいじゃない」
麻生「そうだろう、俺もそれでやられた……ナイフと言えばもうひとり」
麻生、潮会の伊佐山が、ナイフを得意武器に使っていたことを思い出す。
やや強引だが、麻生、その二人がグルになって次男を殺し、麻生を罪を着せたのではないかと考える。
ダーツとジュン、金にはならないが麻生の為だと、その二人のことを調べに出動する。
麻生は深々と頭を下げ「ありがとう」
ダーツはたちまち、伊佐山に「グラマーで色っぽい」情婦がいることを突き止める。

潮会長が、麻生に500万の懸賞金をかけていることを知ったダーツとジュン、伊佐山のところへ向かう車の中で、
ダーツ「500万、こいつをほっとく手はないぜ」
麻生「俺を殺す気か」
ジュン「よぉ、ダーツ、二人でキャプテン裏切っちゃおうぜ」
麻生「篤い友情ってのは何処に行っったんだ?」
ジュン「話には続きがある。まず、キャプテンを突き出す、500万を頂く、それからキャプテンを助ける!」
麻生「助けるまでの俺の命の保証は?」
ダーツ「そんときはそんときだけどさ」
麻生「そんときは、死ぬのは俺だ!」
ダーツ&ジュン「金を貰うのは俺たちよ!」 二人は冗談のつもりだったが、ヤケクソになった麻生、「決めた、500万は頂戴する」と断言する。
その前に、麻生たちは伊佐山と美女のいるところへ行き、彼らを締め上げて、彼らがやったと白状させる。
伊佐山は、会長の息子を殺して組を乗っ取ろうとしたのだ。麻生が犯人に仕立て上げられたのは、かつて麻生が挙げた有吉と言う死刑囚から依頼されたのだと言う。
そこへ、麻生が呼び出したのだろう、金沢とゴリラもやってくる。
麻生は、ダーツが抜かりなくテープに録音していた今の告白を証拠に、二人を引き渡す。

麻生「さて、後は500万だ」
ダーツ「いざ行かん、裏切りの暗黒街」
麻生「運が良けりゃ……」
ダーツ&ジュン「死ぬだけさ!」
で、二人は麻生を潮会に連れて行き、小切手で500万を貰う。その後、潮会に殺されそうになった麻生を助け出す。いつものように警察の手が回る前にと、急いで銀行へ。

ひとりひとり、カメラ目線で決め顔をしてから整列する麻生たち。

代表して、ユーコが窓口で現金化している間、早くも富豪気取りで葉巻を吹かす4人。
……だが、案の定と言うか、ユーコが浮かない顔で戻ってくる。
不渡りだったのだ。 
と言う訳で、今回も全く金にはならなかった。
最後、銀行の床の上で輪になって、「俺たちは、天使だ!」の決めポーズで締め。