第20話「オクトパスの女王」(1984年5月25日)
この20話から、番組後半における敵、「オクトパス」と言う組織が登場する。

放棄され、荒れ果てた「テンタクル」の本部へ入ってきた一人の女、18話にもチラッと出ていたレディMである。
M「今日からここが、新しい犯罪組織オクトパスの本部よ」
Mは、プロフェッサーKの姪に当たり、世界各地の犯罪組織に遊学し、あらゆる悪の哲学とテクニックを学び、たった今日本に帰ってきたのである。
Mは、片腕のトンチンカンに、「この部屋を私に似合うように美しく飾るのです!」と命じる。
その頃、真紀はとある美術館の新進画家の展覧会の取材と言う、珍しくカメラマンらしい仕事をしていた。

係員「いらっしゃいませ」
ト「飾ってある絵を全部貰う、タダでな!」
係員「ええーっ?」
トンチンカンを演じるのは大島宇三郎さん。驚く係員に必殺の頭突きを食らわす。
当然その場にいた真紀は、慌ててシャッターを切る。

トンチンカン、山高帽でカメラに蓋をすると、真紀のお腹に頭突きをして悶絶させる。

自宅で、弟の勝に手当てをされている真紀。健と亀太が先を争うようにして見舞いに来る。
勝「二人とも静かにしてよ、お姉ちゃんは今、怪我してるんだよ」
真紀「いったぁーいっ」
この表情豊かなところが、真紀の魅力である。
健は「亀ちゃん、真紀さんの看病頼む、俺は強盗を追う」と言い残し、飛び出して行く。
真紀、「看病してくれんなら、健さんの方がいいのに……」と、ぽつり。
トンチンカン、今度は太陽博物館に現れ、搬送される美術品を強奪しようとする。

健はドルフィンですぐ駆けつける。
ドルフィンの上でポーズを取るマシンマン。

トンチンカン、幹部だけあってその戦闘力は高く、マシンマンも手を焼く。
更に、美術館の外壁にはりついた別の敵がマシンガンを撃ってきて、トンチンカンを援護する。
トンチンカンは、その人物と一緒に本部へ戻る。
M「良く来てくれたわね、黒猫、本当に心強いわ」

黒猫は、世界を股にかけた怪盗なのだ。
黒猫「何と言う殺風景なお部屋、レディMには、贅を凝らした部屋だけがお似合い。この黒猫がすぐにこの部屋を七色の宝石で満たして差し上げましょう」
黒猫を演じる平瀬りえさん、目鼻立ちのくっきりした美人で、モデル出身だけあってスタイルも抜群。

このブログ的には、宇宙刑事ギャバン18話で、魅惑のボディを披露したあの人である。

同じく18話で、部屋に飛び込んできたりえさん。
ハンターキラーと梅津栄の視線が、そのおっぱいに突き刺さる。

もうひとつ、全然関係ないけど、18話の水着ギャルのお尻。
18話を紹介した時に貼り忘れた物だ。
黒猫、その身軽さを生かして美術館に侵入、いくつもの宝石を盗んでレディMに献上する。だが、レディMは見向きもしない。
ト「フン、これは全部安物の宝石だ」
M「夢見る黒水晶……この黒水晶が夢を見る時、小鳥や蝶や美しい花がこの宝石の中から現れるの」
図鑑を広げ、うっとりした様子のレディM。
黒猫「まさか、そんなことが」
M「私も最初はそう思ったわ。でも、この犯罪文献に存在するとちゃんと書いてあるのよ」
文献に拠れば、黒水晶はヒマラヤの寺院を皮切りに様々な人手を経て、現在、津村と言う日本人のもとにあるらしい。

その津村の豪邸。
愛くるしい孫娘リサが、津村老人に問い掛ける。
「おじいちゃま、本当にこの黒水晶は夢を見るの?」
津村「この黒水晶が夢を見るのは100年に1度、いや1000年に1度かは誰にも分からん」
リサ「なんだつまんない、100年や1000年に1度じゃ、私その時生きてないもん」
リサが公園で勝たちに黒水晶のことを話す。勝たちは本気にせず、げらげらと不自然なほど笑い転げる。
健もそこへ来て、黒水晶のことを聞き、オクトパスに狙われるのではないかと気になる。
その夜、黒猫が屋敷に忍び込み、家中を捜索するが、黒水晶のありかが分からず、空しく引き揚げる。
健、津村邸を訪れ、黒水晶を見せて貰う。外交官で海外にいるリサの両親が、モロッコの骨董店で手に入れた物らしい。
健「この黒水晶は狙われてる危険が……ですから安全な場所へ保管を」
津村「ご忠告はありがたいが、門と塀には赤外線装置と防犯カメラが取り付けてある。それに警備会社とも契約してパトロールもお願いしてあるんだ」
リサ「でも、ゆうべ泥棒が」
津村「あはは、この子は夢を見たんじゃ……ワシは何も気付かなかったし、パトロールのおじさんたちも何も異状はないと言うとった」
リサ「だって、ほんとだもん」
黒猫の侵入に気付いたのは、リサひとりだった。
そのリサ、屋敷の外でシスターに変装した黒猫に話しかけられ、催眠術をかけられる。そして黒水晶の隠し場所を話してしまう。

リサがふらふらと屋敷に戻ってきたのを健が見掛け、催眠術を解く。
リサの話を聞き、健はオクトパスが黒水晶を狙っていると言う確信を得る。

その夜、再び忍び込んだ黒猫、シャンデリアの上に隠してあった黒水晶のケースを開けるが、中には黒水晶ではなく、ボールボーイが入っていた。健の助言で、予め中身を入れ替えていたのだ。
ボ「驚いたか、オクトパスめ!」
だが、黒猫は引き揚げる際にリサをさらい、「助けたければ黒水晶を持って来い」と健に告げる。
健は即座にドルフィンを呼び、空を飛んで黒猫を追跡する。

採石場に場所を移し、いつものバトルシーン。
黒猫の撃つマシンガンで爆発が起きる。
低予算で、あまり派手なシーンのないマシンマンだが、ここはかなりの迫力だ。

別のカメラでもう一度。

マシンマンと黒猫が戦っている最中、リサがむっくりと起き上がると、

傍らのマシンガンを手に取り、マシンマン目掛けて撃つと言う、なかなか凄いシーンがある。
別にマシンマンに殺意を抱いている訳ではなく、黒猫の催眠術で操られているのだ。

黒猫(と言うかタイガーマスクだが)、身体能力が高く、マシンマン相手に善戦する。
しかも、しばしば「にゃあ」「にゃお」などと猫のように鳴くのが萌えます(思う存分萌えろや)。
が、最後はイクシードパンチを受け、斜面を転がり落ちる。
劇中では、彼女がその後どうなったか描かれていないが、後の健の台詞で、警察に引き渡されたことが判明する。
黒猫が倒されると同時に、リサの催眠術も解ける。

健がリサを屋敷に連れて戻る。その時、黒水晶が光り、その中に美しい映像を映し出す。
リサ「綺麗……、おじいちゃま、本当にこの黒水晶は夢を見たのね」
津村「ああ、こんな不思議な宝石は個人で持っているべきじゃない。博物館に寄贈してみんなに見て貰う方が良い。ねえ君?」
健「ええ」
しかし、その後、帰国した息子夫婦が
「ジジイ何勝手に寄贈してんだゴルアアァ!」と激怒したと言う。