「少女コマンドーいづみ」第7話 その2
- 2015/01/20
- 20:00
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第7話「戦う教室!」(1987年12月17日)
の続きです。

昼食時間中、深町の鉾先が今度は田代に向かう。
田代を演じるのは岩本宗規氏。「スクール☆ウォーズ」の内田治男を演じていた人だ。
深町が突然「窓から机を放り投げろ」と強い調子で言う。何度もしつこく命令していると、田代は言われるがまま、机を窓に向かって放り投げる。机は窓ガラスを突き破って、アスファルトの上に派手な音を立てて落ちる。すぐさま星野が飛んでくる。
星野「深町! ……そんなに、退学したいの?」
深町「俺じゃねえよ」
星野「嘘おっしゃい、こ、こんなことするのは、あなた以外にありませんっ!」
いづみが「深町がやったんじゃない」と庇うが、星野は不良娘の言うことに耳など貸さない。
村上たちも何も言わないので、星野は諦める。
星野「分かりました! もう一度騒ぎを起こしたら、全員退学です!」
星野教諭が去った後、

深町「これで分かっただろ? いつだって悪いことは俺のせいなんだよ! 俺に引かれたレールがあったとすれば、不良ってレールだけなんだ!」
深町「……悪かったな、田代」
穏やかなトーンになって田代に詫びる。
田代「僕は、いつも人の陰だった。勇気がないから、イヤだって言えなくて、うちでも、何処でも気を遣って……そのうち、居場所がなくなって……」
語りながら、大きな体を震わせて嗚咽する田代を、深町が優しく慰める。
そしていづみを見て、「これで自分のことを話してないのは、お前だけになったな、稲垣浩子」と、しつこく「自分語り」を強要する。
その頃、マリーナ(前回出てきた銀座ヨットハーバーか?)のオープンテラスでまったりしている恵子たち。
そこへ、佐織が「恵子さぁーん、分かった、分かった、分かりました!」とけたたましくやってくる。

恵子「教育視察委員?」
佐織「他の学校でも、日曜学校の後、やっぱり消えちゃった人がいるんです。全部に共通してるのが、教育視察委員なんです」
ひとりで事件について調べていたのか、佐織が報告する。
話しながら、アイのスプーンを横取りして、アイのアイスクリームをパクパク食べる。
恵子「分かった! あたしたちで裏取るからさ、佐織、いづみにそのこと伝えてくれる?」
……と言うものの、恵子、その後、特に何もした形跡は見えない。
教室のいづみ、突然、「話すわ、私のことを」と立ち上がる。机の間を歩きながら、
いづみ「まだ誰にも話したことないけど……10才の時、事故で両親を一度になくしてから、私の人生は一変したわ。それまでは平和な家庭の普通の女の子だった。引き取ってくれるって言う人もいたんだけど、私はひとりで生まれた町に残った。いつかふらっと父と母が帰ってくるような気がして……呼びかけても誰も答えてくれない、いつもひとりで考えて、ひとりで答えを出して……」

いづみの身の上話に聞き入る優子たち。
ただ、いづみ、11話では両親の死後、祖父か祖母に育てられたって言ってたけど……。脚色したのかな。

いづみ「中学に入った頃にはもう、ワルのレッテルを貼られてた。いつもひとりだった……」
教壇にもたれ、花をいじりながらつぶやく。
深町「俺もそうだった」

深町の言葉を聞き、いづみ、振り向いてとびきりの笑顔を見せる。
いづみ「話せて良かった!」
それぞれの胸の内を打ち明け、急に距離が縮まった感じの5人。
深町「何かスカッとすることしたい気分だな」
優子「こんなとこ抜け出してね!」
深町「田代、お前何がしたい? 言ってみろよ」
田代「うん……職員室、で、はは、サッカーやったらおもしろいんじゃないかなって」
優子「職員室でー?」
突拍子もない提案に、しばし黙り込む深町たちだったが、やがて誰からともなく笑い出す。
と言う訳で、かなり唐突な展開だが、がっちり握手して「職員室サッカー」をしようと盛り上がる5人。

まず、職員室の星野教諭に、校門から出て行く後ろ姿を見せて、彼女をおびきだし、学校から遠ざける。
塀を乗り越えて敷地内に戻ってきたいづみたち。
いづみ「これでしばらく戻ってこないわ」
深町「お前って、やっぱりワルだな」
深町の言葉に首をすくめるいづみ。

で、いづみのホイッスルで、「職員室サッカー」が始まる。
……あんまり楽しくなさそうだ。グラウンドでやれよ。

まぁサッカーと言っても、別にルールがある訳でもなく、ボールを蹴りまくるだけである。
いづみ、ピョンピョン飛び跳ねて、「こっちこっちこっちぃー!」と叫ぶ。

村山の蹴ったボールが目の前の地球儀をぶっ飛ばし、いづみ、興奮して大口を開ける。可愛い。
その後も、鉛筆削り、ガラス戸、蛍光灯、賞状の額など、次々と被害に遭う。
……これって、単にDQNが騒いでるだけなのでは?
学校はいい迷惑だ。
しばらくして、いい汗かいた顔で教室へ戻ってくる面々。
田代「こんな楽しかったこと、生まれて初めて」
村山「胸がスカッとしたよな」
優子「ほんと楽しかったーっ」
いづみ「あれ、深町君は?」
みんなで優子のポッキーをつまんでいたが、いづみが深町の姿が見えないことに気付く。
そこへ恵子の指示を受けた佐織がやってきて、ガラッと教室の窓を開け、
「いづみ先輩、教育視察委員に気を付けてください!」

深町、いつの間にか、校長室で大道寺と会っていた。
大道寺「退学だよ君、学校にとって無用と烙印を押されたんだ。両親からも学校からも見放されて、社会のクズとなるしか道はないねえ。……そう言う君でも、必要とする場所もあるんだ。そこでは、君は人々から尊敬され、英雄となれるかも知れん」
深町「俺が?」
大道寺「そうだ。そうした教育機関で君は訓練を受け、強靭な肉体と精神を作り上げるんだ! そして人々を助ける勇敢な戦士となる。そう言う若者をこれからの世界は必要としてるんだ。どうだ、クズとなって街に埋もれるか、英雄となるか、その選択は君の自由だ」
大道寺は深町をいづみ同様、バイオフィードバック戦士の実験場へ送り込もうとしているのだ(ろう)。
このやりとりからすると、深町は初めてそう言う話を聞かされているようだ。だが、深町の両親の話によれば、「日曜学校に通うなってからおかしくなった」らしいので、もっと以前からそう言う勧誘を受けていた感じなんだけどね……。

神妙な顔付きで校長室から出てくる深町。
既に軽い洗脳状態にあるのか、彼を探しに階段を降りてきたいづみを見て、トレンチナイフを構える。
深町「俺の前に立ちはだかるものを……誰だろうと倒す!」
いづみ「どうしちゃったの?」

深町「お前を倒して、こんなチンケな町に、学校にオサラバだよ。俺は英雄になるんだ!」
いづみ「目を覚まして! 深町君、あなたも私も、普通の人間……こんなことするために、生まれてきたんじゃないわ! 思い出して! 職員室のサッカーを!」
突進する深町の攻撃をかわしながら、必死に訴えるいづみ。
ここは、俳優本人が演じているので、なかなか緊迫感のあるシーンとなっている。
いづみの言葉に深町の動きが止まる。

「深町、どうした、そいつは普通の人間なんかじゃない、特殊訓練を受けた、コマンドーだ!」
いつの間にか壁にもたれて、大道寺がこちらを見詰めていた。
続く。
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