第43話「謎なぞ七色レディ」(1980年11月29日)
桃井あきらファンにとっては神回である43話。
女性キャラを主役に据え、様々なコスプレをさせて活躍させて、特撮ヒロインの中に秘められたアイドル的要素を見出そうと言う、画期的なコンセプトで貫かれた一作。
しかもそのコスプレの種類が半端ではなく、七色どころか10パターン以上と言う気合の入れようである。
(実際は13パターンか? 他に普通の衣装も3パターン)
よって、
画像たくさん、文章控え目、で紹介したい。言い換えると
「書くのが楽」である。
予告編の「ピンク・レディどころかこっちは七色レディだぁっ」と言う台詞が時代を感じさせる。

早速冒頭から、次々と様々なコスプレを披露する桃井あきら。
最初はライダー。

ついで、野球選手。

アラビア風の踊り子。このふくよかなお腹がたまりません。

銃を構えた水兵。

フラメンコダンサー。

中国拳法の使い手。

最後は、ガンマン。アバンタイトルだけで、一気に7種類をコンプリートしてしまう贅沢さ。
これらのコスプレ、劇中で使われている物もあれば、バッターのようにこのシーンだけのキャラもいる。
さて、巷では、様々な美人コンテストの優勝者が何者かに攫われると言う事件が続発していた。

まず、
「ミス人魚」が、突然壇上で石膏(塩?)のように白くなって、炎に包まれて行方不明。

逃げ惑う他の参加者。
20番、笑ってんじゃねえぞコラ。 
そして、一見エントリーが3人しかいないように見えて涙を誘う「ミス紅葉」が消滅。

さらに
「ミス着物」が、天井に引っ張り上げられて姿を消す。
管理人、だいぶ前、この画像をトップ画像に使おうとして寸前で思いとどまったことがある。

事件について話し合っているデンジマン。
青梅「おい、大変だ。ミスシャボン玉に続いて、今度はミスフォトグラフが行方不明になったらしいぞ。これで攫われた美女は8人目、それも名だたる美女ばかりだぜ」
赤城「しかも犯人は身代金を要求してこない」

あきら「私ね、もっと恐ろしいことが隠されてるんじゃないかって気がしてるの」
青梅「女の直感って奴かい?」
あきら「ええ、火に囲まれたり、帯に絡まれたり、何か芝居気たっぷり。とても嫌な感じがするわ。レッド、私が囮になるわ、囮になって敵のアジトに潜入するわ」
と言う訳で、めかしこんで街中へ繰り出すあきら。
するとすぐに、サングラスをかけた怪しい男たちがあきらの後をつけてくる。
あきらを品定めする声が聞こえる。
男の声「マスク……100点、スタイル……100点、プロポーション……100点、ファッションセンス……100点、全部100点だ。この子に決めた」
スタイルとプロポーションって同じなのでは?
あきらがオープンカフェでお茶を飲んでいるのを、近くの席から見ている男たち。
「いい女だな」「きっと美那子様が気に入るぜ」などと言うヒソヒソ話が聞こえてくる。
男たちはしつこくつけまわすが、美那子なる女性の指示がなければ動けないらしく、なかなか手を出してこない。あきらが玩具店に入り、人形を物色していると、

女「すみません、その人形、譲ってくれないかしら?」
あきら「構いませんわ」
あきら、手に取って見ていたフランス人形を女に手渡す。その際、女の手に触れ、その冷たさに驚くあきら。
無論、この女こそ美那子であり、演じているのは彩瀬晶子さん。次の「サンバルカン」第1話にも、敵のスパイロボットとして出演されている。
あきらが人気の少ない場所へ移動すると、その美那子がいきなり現れ、部下のグラサン男たちにあきらを拉致させようとする。
あきら、ヌンチャクを持ったカンフー使いになって男たちを薙ぎ払う。
ついで、

酋長の娘的な格好になって逃げようとする彼らの前に立つ。
あきら「イェイ!」
美那子たちはあっさり退却する。
彼女のアジトには、例の美女たちがコンテストの衣装のまま牢に入れられていた。

美那子「とにかく数を揃えなきゃ、質を落としてもね」

千恵子「はぁーくっしゅんっ!」

美那子「多少、悪くてもね」

千恵子「はっくしゅん、はぁ、誰か噂してるな」
この、美那子の台詞と千恵子のアップをカットバックさせる演出にもセンスの良さを感じる。
で、今度は美那子が婦警のコスプレをして千恵子に近付き、有無を言わさず誘拐してしまう。

千恵子「私たちをどうするつもり?」
美那子「それは5日後のお楽しみ」
千恵子「どーいうことぉ?」
ミス着物「ここはとっても寒過ぎるわ、何とかして頂戴」
美那子「おだまり! 私の体温は0度、私の昆虫達にローヤルゼリーとレモンジュースを与えなさい」
千恵子「昆虫達って何よ?」
美那子「お前たちは私が採集した昆虫よ。ローヤルゼリーを飲み、美しくなりなさい」
千恵子も牢にぶちこまれる。
美那子「あと1人で10人……」
果たして千恵子の運命は?
後編に続く。