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「ケータイ刑事 銭形泪」セレクション 第23話


 第23話「ミステリー作家の挑戦状~犯人は私だ!殺人事件」(2004年6月6日)

 泪、テストの答案用紙を持って、「抜き打ちテストなんてずるい~」とぼやいている。ちなみに点数は28点。泪って、IQ180の天才の筈だが……。

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 泪がテストの正答を一生懸命考えていると、珍しくビシッと決めた高村が高級車に乗って颯爽と登場。
 泪「あ、高村さん、車なんて持ってたんですね」
 高村「すげーよ、このカー、BMW-Z3、ロードスター、はは、007なんかに出てたろ」
 泪「全っ然、興味ないですけどね」

 その時、泪のケータイに警視庁から、事件の発生を知らせる着信が入る。
 成城のマンションで、人気推理作家の黒沼天命が殺されたと言うのだ。

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 泪「たっかっむぅらさぁ~ん、早く早く」
 いつの間にか、ちゃっかり助手席に乗っている泪。
 高村「おいおい、まだ誰も助手席に乗せてないのに」
 泪「早く早く、よーし、出発進行!」
 高村「こぼさないでね」

 ポテチを食べながら、はしゃぐ泪。
 早速現場に到着する。泪、床が滑って転ぶ。

 部屋には、たくさんの観葉植物が置かれていた。その真ん中に、黒沼が布団に入って行儀良く横たわっている。鑑識の柴田によれば、死因は酸素欠乏による窒息、死亡時刻は昨夜の11時頃、死体の喉に爪で掻き毟ったような傷が付いている。さらに、部屋は密室状態だったと言う。

 死体の側に、原稿用紙の束が置かれていた。ワープロ打ちされた天命の遺作「友よ」と言う小説だった。

 とりあえずそれを読み始める泪。
 泪「その男は刑事と呼ぶにはひどく冴えない風貌をしていた。ネイティブな発音で周囲の人間を困惑させ、二言目にはバーボン刑事と呼んでくれと、自らの世界にのめりこむ癖がある。……これって、まるで高村さんみたい。その刑事は不思議なことに気がついて言った。この部屋にはいやに花瓶が多いなぁ

 高村「やたら花瓶が多いねえ」
 小説と同じような台詞をつぶやく高村。

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 高村、壺をひっくりかえして、中から出てきた小さな物体を拾い上げる。
 高村「なんだこりゃ」

 泪「『なんだこりゃ』、言ったぁ、原稿どおりだ~」
 小説どおりに現実が進行するのを見て、興奮する泪。
 泪「その刑事は理性と言うより直感で動くタイプで、床に転がった氷の結晶に似た何かを握り締めていると、一目散にキッチンに向かった。彼は冷凍庫を開けた、そして彼の推理を決定付けるであろうものが発見された。それは……

 引き続き、小説の筋と同じ行動を取る高村に注目している泪。

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 高村「謎は解けたよ、とんこつ君! これはね……」
 高村&泪「ドライアイス殺人事件だ!」
 高村「……なんで分かるの?」
 泪「うふふ、予知能力」

 高村は、黒沼が大量のドライアイスを飲んで、自殺したのだと推理する。が、柴田が「被害者の喉に火傷の跡はない」と、即座にそれをクラッシュする。
 泪「ドライアイスを口の中に入れたら、低温火傷を負います」
 高村「あ、そうか……」
 泪「さ、先読もうっと」

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 泪「ふと、背後から声をかけてくる謎の中年男……
 なおも現実とフィクションが並行し、原稿を読み耽る泪の肩を、何者かが叩く。

 泪がギョッとして振り向くと、正に見知らぬ中年男が立っていた。
 高村はすぐ外へ連れ出そうとするが、男は「私が殺したんだよ!」と、聞き捨てならないことを叫ぶ。

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 男は桃白善と言う、黒沼と双璧をなす日本ミステリー界の重鎮だった。演じるのはモロ師岡さん。

 桃白「ふざけんなってんだ、こいつのチープで手垢に塗れたトリックの何処が奇想天外だってんだ。認めないね、認められるもんか、日本一のミステリー作家はこの私なんだ!」
 桃白、高村たちを前にまくしたてると、黒沼の死体に足を乗せる。

 高村はすぐに彼を逮捕しようとするが、桃白はその手を振り払う。
 桃白「それはできないだろ。私を逮捕することは出来ない」
 高村「何を今更、自分が殺したって自白したじゃない?」
 桃白「確かに私は黒沼を殺した。だが、私にはアリバイがある。誰にも壊せない鉄壁のアリバイがねえ。私はずっとゆうべ、車の中でミステリーを考えていたんだよ」

 泪、桃白も原稿と同じ台詞を口にするのを聞いて、驚く。

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 その後、警視庁に場所を移し、桃白が車を置いていた駐車場の監視カメラの映像を見ている泪たち。
 桃白は確かにその車の中にずっといて、しかも、犯行時刻少し前には、隣に高村がBMWを駐車する姿が映っていた。

 桃白「これは驚いた。と言うより、滑稽だ。私のアリバイを証明してくれるのが刑事とはね。鉄壁のアリバイどころか、ダイヤモンドのアリバイだ! ……でも、黒沼を殺したのはこの私なんだけどねえ、はっはっはっ」

 泪は手掛かりを求めて例の原稿を手に取る。それを見た高村、泪がマナー違反だと止めるのも聞かず、いきなり最後の謎解きの部分を読んでしまう。

 高村「……なんだって? 桃白さん、あなた帰って良いですよ」
 泪「えっ」
 高村「黒沼天命は自殺です」

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 高村、ホワイトボードに図を貼ってトリックの説明をする。
 高村「黒沼は部屋中に観葉植物を置いていた。昼間たっぷりと太陽の光を浴びた観葉植物は、夜になると酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出す。やがて部屋の二酸化炭素の濃度は普段の数十倍になる。酸素がなくなると、意識不明になり、窒息死です。そしてドライアイスを壺や花瓶の中に大量に仕掛けておいた。ドライアイスは二酸化炭素を排出する、床が滑りやすくなっていたのはそのせいだ」

 柴田「うん、まあそれもこれも全て、この原稿に書いてある通りなんですけどね!」
 高村「うるさいな、君」

 桃白は依然、自分が犯人だと言い張り、「見破れなかったねえ、私のトリックを、所詮日本の警察はその程度か、暇潰しにもなりはしない。やはり私がミステリー作家ナンバーワンだ」と、自信たっぷりに言い放って部屋を出て行く。

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 泪、諦めずにもう一度監視カメラの映像をチェックし、やっとトリックを見破る。

 今回は、桃白が犯人だと言うことは最初から分かりきっているのだが、一応、お仕置きをする泪。

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 泪「この事件はあの監視カメラの盲点を衝いた巧みなトリックなんです。確かにあのビデオテープは、一見、あなたのアリバイを証明してくれるように思えます。でも真実は違うんです」
 桃白「笑わせる、黒沼は自殺したんだろ、黒沼のマンションで窒息死したと刑事も言ってたじゃないか」
 泪「ええ、原稿を書いたとおりにね、あなたの書いた原稿の……」

 あの原稿は、最終的に自殺説に警察を導く為に、桃白がわざと置いていったものなのだ。

 泪「実際の黒沼さんの殺害現場はここ、この駐車場の中ですよね」
 桃白「君の話はあくまでも机上の空論だ。自分でも言ってたじゃないか、死因は酸素欠乏による窒息死だと、この駐車場でどうやって窒息死させようと言うんだい?」

 あくまで自信たっぷりの黒沼であったが、泪は、彼が実際にやったとおりの方法を再現する。

 「ケータイ刑事」シリーズの中では、なかなか優れたトリックなので詳細は書かない。
 また、スルーされることの多い物的証拠(指紋)についても言及されているのにも感心させられた。

 マンションの密室トリックについてはスルーされているが、合鍵でも用意していたのだろう。肝心なのは密室トリックより、密室にすることで、その部屋で黒沼が死んだと思わせることなのだから、問題はない。

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 連行される桃白に、泪が声をかける。
 泪「桃白さん、これ、読みました。本当はライバルでいたかったんじゃないんですか、ずっと」
 桃白「黒沼の描くミステリーに少し嫉妬してたのかも知れんな。もっとも、ミステリー作家の考えたトリックが途中で謎解きされるようじゃ、私は結局三文小説家でしかなかったってことさ」

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 ラスト、機嫌よくBMWの手入れをしている高村の前に、自転車の泪が現れる。
 泪「たっかむぅらさんっ、早く返しに行かなくていいんですか」
 高村「何を?」
 泪「レンタカーでしょこれ? 男のロマンも借り物じゃあねえ」

 可愛いのう。


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