「仮面ライダー」 第35話「殺人女王蟻アリキメデス」 後編

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　第35話「殺人女王蟻アリキメデス」（1971年11月27日）
　の続きです。

　ＣＭ後、

　
　隼人、ライダーに変身してあっさり蟻の牢獄から脱出する。

　水門の上でしばらく戦った後、

　
　アリキメデス「ライダー、死ね！」
　ライダー「く、苦しい、体が焼けるように苦しい」

　あの強力な蟻酸をまともに顔に浴び、のたうち回るライダー。

　
　そのまま川へ飛び込んで、再び浮かび上がることはなかった。

　ライダーを倒した……と思い込んだアリキメデス、意気揚々と帰還するが、ゾル大佐はどえらいお冠。

　
　ゾル「バカモノが、仮面ライダーと争ってる間に卵を奪われるとは何たることだ」
　アリキメデス「申し訳ありませんでした」（ぺこり）
　ゾル「北海道、東北、中国、四国、九州、第二、第三の女王蟻を送る手筈は整っている。それがお前のミスで大きく狂う」
　アリキメデス「持ち去られた卵は、必ず持ち帰ります」

　卵ひとつに大騒ぎするゾル大佐。

　彼らは次々とアリキメデスを孵化させ、各地区へ送り込んで殺人蟻の指揮を取らせようとしているのだ。
　だったら、残りの卵をすぐ孵化させれば良いのに、何故かそれはしないのが不思議なところだ。

　いつものことだが、首領を筆頭に、構成員一人一人に染み付いた無用の完璧主義が、ショッカーと言う組織の最大の欠点であるように思われる。

　奪われた卵なんて放っといて、すぐ作戦に取り掛かればいいのである。

　
　次の場面では、隼人と滝が何食わぬ顔でレーシングクラブの一室へ現れる。

　あれだけ苦しがっていたのに、隼人が文字通り「何食わぬ顔」で帰ってくるのが膝カックンである。

　ま、川に落ちたのが幸いして、水で蟻酸を洗い落としたと言うことなのだろう。
　隼人、倉庫に一時保管してくれるようおやっさんに頼んで、さっさと出て行く。

　マリ「バカッと割れて中から怪獣が出現なんてことにならないでしょうね」
　五郎「幼稚だなぁ、マリ姉さんは……テレビの見過ぎだよ」
　マリ「お前だって！」

　マリが五郎のことをお前呼ばわりするのが珍しい。

　
　4人で倉庫へ運び、それを監視していると、パイプをくわえたおやっさんが入ってくる。

　
　立花「卵と一緒に……まるでニワトリだなぁ。まったく、一文字の奴は……」

　おやっさん、卵がショッカーがらみのアイテムだと聞かされているのに、妙に非協力的で機嫌が悪い。

　隼人のことを急に「一文字」と呼ぶのも変だ。

　その一文字から、滝に電話がかかっていた。詳しい説明はないが、隼人はレーシングクラブからどっかの研究所へ行き、自分が浴びた液体を分析して貰ったらしい。

　滝「蟻酸？　あの蟻が吐き出す、物質を溶かす液か」
　隼人「それに例の卵は女王蟻の卵だ。卵に変化が見えたら、すぐ避難するんだ」

　
　やがて、卵が内側から赤や緑の光を放ち始める。あたかも、生き物の鼓動のように明滅を繰り返す。

　滝「逃げるんだ」
　立花「こんなことにならなきゃいいと思ってたんだ」
　マリ「私、卵の中が見たぁい！」

　マリさん、気は確かですか？

　彼らが倉庫から別の部屋に移動すると、

　
　既に建物の外に無数の蟻がびっしりこびりついていた。

　なお、アップでは実際の蟻の映像が使われているが、ロングでは蟻は全く動かない。

　それでも、虫が苦手な人にはかなりきついシーンだろうなぁ。

　やがて、アリキメデスが不気味な鳴き声をあげながら入場。

　五郎の「蟻だから火に弱いんじゃないかな？」と言う訳の分からない発案で、丸めた新聞を灯油に浸して火をつけて、アリキメデスに押し付ける。

　その結果……、

　
　アリキメデス「あぢゃああああーっ！」

　「あいつら、マジで頭おかしいっス……」（アリキメデス談）

　アリキメデスがすっ飛んでいくと、殺人蟻も消えていく。
　一同、ホッとしたところへ、隼人の声で「一文字隼人だ、開けてくれ」と外から聞こえる。

　が、入ってきたのはマッハで戻ってきたアリキメデスだった。

　これも、もう少し間を置いた方が良かったと思うけどね。

　
　みんな、再び倉庫へ逃げ込む。

　この一連のシーン、ゾンビ映画みたいでなかなかスリリングである。

　滝たちは、アリキメデスが卵を取り戻そうとしているのだと考え、取られる前にと、

　
　卵もその場で燃やしちゃうのである！

　もっとも、卵はとても頑丈で、火もへっちゃらだった。

　
　その頃、隼人はスタジアムみたいな建物の前に立っていた。

　
　隼人「みんな、頑張れよーっ！」

　10分後。

　
　隼人「みんな、頑張れよーっ！」

　お前もさっさと行かんかコラ。
　（念の為、ほんとはすぐ変身してサイクロンに乗ってます）

　おやっさんたちは、殺人蟻に食い殺される寸前だったが、ライダーが飛び込んでくる。

　アリキメデス「ライダー、お前は生きていたのか。ひひょひょひょひょ……今度こそ地獄に送り込んでやる」
　ライダー「ショッカーの日本征服の野望は私が許さん」

　ライダーは卵を抱えて外へ出る。アリキメデスも追ってくる。

　
　アリキメデス「卵を返せーっ！」

　
　ライダー「断る！」

　……このやりとり、要ります？

　
　ライダー、卵を盾にして、蟻酸を防ぐ。

　さしもの卵も、蟻酸には抗せず、どろどろに溶けてしまう。

　アリキメデス、かなり打たれ強かったが、最後はライダーキックを浴びて、彼女も自分が吐いた蟻酸で溶けて、絶命する。

　うーん、さすがに、自分で吐いた蟻酸で解けるというのはおかしいのでは？

　とにかく、アリキメデスが死ぬと、何故か他の卵も爆発し、殺人蟻もパッと消える。

　
　ゾル「連鎖反応で卵が消えていく……またしても仮面ライダーが邪魔を！」

　連鎖反応って言われてもなぁ……。

　だから、奪われた卵なんかほっときゃ良かったんだよ。

　最近、ショッカーの戦略アドバイザーに就任したいと半ば本気で思う管理人であった。ニンともカンとも。