第7話「嵐の新学期」(1984年11月17日)
の続きです。

翌日、滝沢が職員室に入ると、教頭が見知らぬ中年女性と何か話していた。
滝沢「あの人、誰ですか」
甘利「大木のお母さんですよ……」
そう言われればいかにも大木のお母さんという感じがしますね。

教頭はかなりの天然で、大木のと約束を奇麗に忘れて、「あなたがそんな態度だから、大木は入学早々生徒に大怪我をさせたりするんですよ」と、口を滑らせてしまう。
教頭「その生徒はね、いまだに入院中なんですよ。肋骨を三本も折って……」
滝沢「先生、それでは約束が!」
慌てて滝沢が注意するが、それに対する教頭の反応と言うのが、
教頭「うん?……………ハッ!」 おめーら、コントやってんじゃねえんだぞ、真面目にやれ真面目に。 滝沢「大木は教師に裏切られ続けてきた生徒です、今、約束を破られたが知ったら……」
教頭「君はあんな不良の味方をするのかね!」
滝沢「相手が不良だからって約束を破っても構わないと仰るんですか!」
やがて、大木の母親が自分の胸を押さえて苦しそうに呻き出す。
そして「あーっ」と叫んで机に突っ伏してしまう。
彼女を医務室を運んでいる途中、早くも激怒した大木が職員室に突撃してくる。

大木「おーっ、お袋が何したって言うんだよ? 悪いのは俺だろう、そんな叱りたきゃ俺をいくらでも叱りゃいいじゃねえかよ! お袋をいたぶりやがって!」
この件に関しては100パーセント教頭が悪い。
だから、大木の怒りも理解できるのだが、そんなに母親に心配かけたくないのなら最初からそんな暴力沙汰を起こさなきゃいいのでは? と言う気もするのである。
それに、今まであれだけ新聞に載るほどの大騒ぎを起こしているのに、母親が今更その程度のことで心臓発作を起こすと言うのもね……。まぁ、そう言う心痛が積もり積もっていたのかも知れないが。
大木は逃げ惑う教頭を追いかけて遂に捕捉し、中庭でボコボコにしてしまう。
その後、滝沢は大木をラグビー部に押し込める一方、必死に教頭をなだめ、大木が教頭に謝罪すれば、今度だけは退学しないで済むところまで漕ぎつける。が、肝心の大木が簡単にそんな条件を受け入れる筈もない。
大木「冗談じゃねえ! 俺に人に頭など下げたこと一度もねえ男だ!」 朝男を髣髴とさせる台詞回しに胸がときめく女子続出。
怒りの覚めやらない大木は、滝沢たちの前で「教頭をぶっ殺す!」とまで言う。当然、滝沢と部員たちは壁を作って、大木を部室から出そうとしない。

と、今度は大木が「イソップが鉄棒で懸垂を三回やったら、教頭に詫びる」と、風変わりな条件を出す。
大木「あんたの思いやりとやらが、イソップにどれだけ成果があったか御手並み拝見と行こうじゃねえか」
滝沢「イソップはたったの一回も懸垂が出来ないんだぞ。お前の条件は無理だ」
大木「だから出したのさ、偉そうなこと言ったって、俺もイソップもどうなるもんでねえってことよ!」
大木を退学させたくないイソップは、自らその無謀な挑戦を買って出る。

で、みんなで鉄棒のところまで移動し、イソップの挑戦を見守ることになる。
いやー、毎日色んなイベントがあって退屈しない学校だね。

イソップは死に物狂いで鉄棒に掴まり、なんとか二回成功させるが、もう一歩のところであえなく落下。
イソップ「先生、すいません……」
滝沢「良くやった。良くやったぞ!」
無言でイソップの苦闘を見ていた大木、てっきりイソップの頑張りに感動して、素直に教頭に謝りに行くのかと思ったら、

物凄い勢いで校庭を横切って職員室へ飛び込む。
自らりんごの皮を剥いていた(めちゃくちゃ不自然)教頭、思わずりんごを落とす。

大木「この野郎、俺はどうせ川浜一のワルだよ! 教師もやりゃあもっと箔がつかぁあああっ!」
教頭「やめろ、やめてくれ……」
大木はその果物ナイフを教頭の喉に突き刺そうと迫る。
……正直、このシーンにおける大木の行動と態度、見る度に首を傾げてしまう。
イソップの奮闘を見た直後に、急にまた無理矢理怒りを滾らせているのが、「お前はいつもどんなテンションで生活してるんだ?」と問い掛けたくなるのである。
ここは普通に(滝沢に)「あんたにゃ負けたよ」と言って、大人しく教頭のところへ行って頭を下げる、で良かったんじゃないの?

で、ナイフを振り上げた瞬間に、滝沢の言葉やイソップの姿が脳裏をよぎり、大木はナイフを落として座り込み、「先生、さっきは済まなかった」と、涙ながらに謝る。
これも、なんかカッコ悪いなぁと思うのであった。
男の子がそんな簡単に泣いちゃダメ!
で、まぁ、滝沢の口添えもあり、大木は何とか退学処分を免れる。

滝沢「大木ぃ」
大木「負けたぜぇ、
ラグビーに負けたよ」
え、いやっ、今はラグビーはあまり関係なかったと思いますが?
そして、お互い、涙を流しながら見詰め合う滝沢と大木……。
うん、これ相当気持ち悪いねー(小峠風)
その日の午後、ゴールポストの建て直しが行われる。
現場には、下田(働く気なし)、他の教師(働く気なし)は勿論、何故か節子(働く気なし)とゆかりの姿まであった。こうなったら、もういっそのこと、
圭子も藤堂さんも水原も水原の母親も尾本も沢も星も教育委員長もみんな集まりやがれ! と管理人は急にヤケクソになるのであった。
最後はみんなでロープを引っ張って、ゴールポストを起こす。

甘利「見てください、連中の嬉しそうな顔、初めてです、こんな心がひとつになったの……種は蒔かれたんです。これからもお互いしっかりやりましょう!」
滝沢「はい」
冒頭、「大木が僕のクラスに来る~怖いよ~」と言ってた割に、エラソーなことを言う甘利先生であった。

差し出された手をがっちり握りながら、
(こいつ、俺に気があるのでは?) と、疑わずにはいられない滝沢であった。

さて、新しく生まれ変わったゴールポストの使い始めにと、みんなにおだてられる形で滝沢が40メートルのゴールキックに挑むことになる。
勿論、これはドラマなので、

ゴールは見事、決まる。
撮影では何度も失敗してるだろうが、それでも山下さん本人が蹴っているのは凄いよね。
現役時代の試合でのゴールキックは、一発で決まったとDVDの座談会で山下さんが話していたように記憶しているが……どうだったかな?
それと同時に「ヒーロー」が流れ出す。

ゆかりを抱いていた節子、ふと、グラウンドの隅に、あの時の生徒の顔を見かけて、「あなた、あの生徒さん……」と、ゆかりが助けられたことを話す。

そんなことがあったとは初耳の滝沢は、大木を呼び止めて改めて礼を言う。
滝沢「礼が遅れてすまん」
大木「先生よ、俺、人にべたべたされんのと礼言われるの苦手でよ……じゃ」
滝沢と顔を見合わせて笑うと、大木はさっさと歩き出す。

立ち去ろうとする大木のところへ、再び清美たちが駆け寄る。
明子「高校のほうはどう?」
清美「上手く行ってる?」
大木「うるせえよっ」
清美&明子「待ってよーっ」
左右から女の子たちに抱き付かれながら去っていく大木。
最初から大木がラグビー部に入らず、しばらくはフリーな形で動き回るのが良いんだよね。
真新しいゴールポストの下、練習に励む部員たちを頼もしげに見守っている滝沢……と言うところで今回はおしまい。