第15話「セーラー服戦士の伝説」(1988年2月18日)
いよいよ、最終回である。
いづみに残された敵は、日本の国防をその手に握ろうとしている竜崎と石津のモテないコンビであった。
が、それは相手にとっても同じこと。

竜崎「いづみはまだ抹殺できんのか?」
石津「勿論、いづみは抹殺します。私の名誉にかけてね」
バーガー・イン・サキの奥の溜まり場で、どうやって石津たちの居場所を突き止めれば良いか、部屋の中をあっちへ行ったりこっちへ行ったり思案投げ首しているいづみたち。

いづみ「問題は、竜崎のコンピューターが何処にあるのか?」
佐織「分かったぁっ! コンピューターを使ってぇ、逆に石津たちのコンピューターを辿れば良いんです。佐織って、てんさぁ~い!」
突然、素っ頓狂な声を上げる佐織。

肉まんを食べながら聞いていたマーコとアイは「ふぅーん」と感心するが、
恵子「そんなことが出来れば、悩んでないの!」
と、恵子に一蹴される。
マーコ&アイ「そーそー」
主体性のカケラもない二人、その出番もこれが最後となる。
今回は、残念ながら管理人イチオシの祥子は出てないのである。
が、そこへふらっと現れた藤原が「俺の知り合いに出来るかも知れない奴がいる」と意外な言葉を告げる。
藤原がこの溜まり場へやってくるのはこれが初めてだが、物語の主要な舞台であったこの部屋が使われるのもこれが最後となる。
こんな最終盤に来て、新たなキャラクターが登場するのかと思いきや、

藤原の言う「出来るかも知れない奴」とは、少年課の武藤萌であった。
これは、6話で藤原がむーちゃんに命じてコンピューターを使っていづみのことを調べさせていたシーンからの連想であろう。脚本の段階では、7話に出てきた北洋高校の生徒たちがいづみに協力するというアイディアもあったようだ。
むーちゃん、最初は椅子の上で体をぐるぐる回していかにも気乗りしない様子だったが、藤原にコソコソ耳打ちされると、

途端に顔色を輝かせて、藤原の顔を見直す。
武藤「その場所を捜せば良いのね」
藤原「そうそう、頼むよ」
離れたところでその交渉を見守っていたいづみたちのところへ得意気な顔で戻ってきた藤原、むーちゃんを「買収」したと、警察官にあるまじき発言をする。
具体的な金額は不明だが、むーちゃんが手を広げていることから5万円が妥当だろう。
5万円で仕事を受けたハッカーによって未然に防がれるクーデターか……、
安いっ! 
恵子「この人にできんの?」
無遠慮な声を上げる恵子に対し、
武藤「できるわー、国防省の地下コンピューターが竜崎のコンピューターに繋がれていれば、国防省の回線を排除して残る回線を見付け出せば、その場所が分かるわ!」
自信たっぷりに宣言するむーちゃん。
多分、自分で何言ってるか良く分かってなかったと思いますが……。

佐織「それでー、どうするんですかー?」
武藤「地域を特定して、ハッカー仲間しか知らない、ダーティーダイヤルプログラムに掛ける。実は、私も時々、こっそりやってるんだ」
むーちゃんの説明を聞いて、「ワオッ!」と小さく叫ぶ藤原。

多分、この人↑も意味が良く分かってない。
恵子「ダーティーダイヤル?」
武藤「コンピューターが自動的に一定区域の電話番号を全てダイヤルする。何処かのコンピューターに繋がるまで順に電話を掛け続けるのよ。後は、パスワードで逆に何処のコンピューターか、特定すればいいだけっ」
その後、作業に没頭するむーちゃんと、それを周りで見守るいづみたちのイメージ的なシーンとなる。
で、最終的に、「東京湾第1海海堡」に竜崎の組織のメインフレームが存在していることが判明する。
第1海堡は、明治・大正に日本軍によって作られた人工島の海上要塞であるが、終戦後は使われていない。後に出てくる、猿島の近くにあるらしい。

藤原「いづみ、表に東大寺の車が停めてある。行け、俺がしてやれんのはここまでだ」
いづみ「藤原さん……」
2話ではあんなギスギスしていた二人の関係も、最後はこんな温かなものに変わっていた。
そして我らが愛しのむーちゃんの出番も、これが最後となってしまった。
出番は数えるほどしなかったが、管理人にとってはとても大切なキャラクターだった。

次のシーンでは、東大寺がルンルン気分で車を走らせている。いづみたちを港へ運んでいるのだ。
一応レギュラー扱いなのに出番も見せ場も台詞もろくになかった東大寺、最後の最後にヒロインを助手席に乗せてドライブと言う、破格の待遇が巡ってきて実に幸せそうであった。
……が、

すぐに石津の部下のトラックに襲撃され、車は立ち往生する。
東大寺「行って下さい!」
光速の速さで出番終了。チーン。
車を出て走って逃げる4人を、トラックの荷台から飛び出た二台のバイクが追撃する。

今までも何度か出て来た廃工場へ逃げ込み、バリケードを築くが、

敵も容赦なくグレネードランチャーのようなものを撃ってきて、バリケードを破壊される。
その際、健も恵子も負傷してしまう。

仲間を傷付けられて、怒りに燃えるいづみ、外へ出てサバイバルソーを構える。
バイクのひとりにそれを投げて引っ掛け、バイクから引き摺り下ろす。

バイクは倒れると、

いきなり爆発する。
日本のバイクは大変デリケートで、ちょっと転倒しただけで爆発する……訳ねえだろ。
いづみは残りの敵も倒すと、急いで恵子たちのところへ戻る。

いづみ「大丈夫?」
恵子「そんな顔しないでよ、死んだ訳じゃないんだからさ」
いづみ、無言で制服のスカーフを引き抜くと、恵子の傷口を縛る。
恵子「行きなよ、いづみぃ……私たちのことは良いからさ」
いづみ「いけない、このままじゃ……」
恵子「ごちゃごちゃ言わないでよ! 行けったら、行けって……これはいづみだけの問題じゃない、そう言ったでしょ。愚図愚図してると取り返しのつかないことになっちゃうよ」
健「恵子の言うとおりだぜ、いづみ、お前がやんなくて誰がやるんだ?」
いづみ「健……」
恵子「いづみ、私たちの分も頼んだわ」

いづみ「ごめん……」
いづみも遂に折れ、これが最後の別れとなるかもしれない、親友・恵子の顔を見詰める。
いづみ「佐織、恵子と健のこと、頼んだわ」

行こうとするいづみを、今度は佐織がとおせんぼする。

佐織「行かせません、このまま行けば、いづみ先輩が、いづみ先輩が死んじゃうもん!」
言いながら、いづみの左手の傷を、自分のスカーフで巻く。
いづみ「行かせて、最後までやらせて! ねえ、佐織?」
佐織「いづみ先輩……」
いづみ「大丈夫! 必ず帰ってくるから」
佐織に言い聞かせて行こうとするいづみを今度は恵子が呼び止める。

恵子「セーラーはこれがないとね」
恵子、自分のスカーフを引き抜いて、いづみに差し出す。佐織がそれをいづみの制服に付けてやる。
恵子「いづみぃ、このスカーフ、絶対返しに来てね」
<本日のスカーフの移動状況>
いづみのスカーフ→恵子の腕の包帯 恵子のスカーフ→いづみの制服のスカーフ 佐織のスカーフ→いづみの手の包帯 はい、ここテストに出まーす。

いづみ、倒れていたもう一台のバイクを掴んで引き起こす。

今度は、佐織が呼び止め、敵が落としていったバズーカ砲(M72A2)をいづみに託す。
佐織「いづみ先輩! これでおもいっきし、撃ってください、私にも聞こえるように……」
可愛い顔して物騒なことをお願いする佐織であった。
しかし、この一連のシーン、「呼び止め」が多過ぎてちょっとテンポが悪い。
番組の象徴でもあるバズーカをバイク付属のサックにぶち込んで、いづみは颯爽と走り出す。
その2へ続く。