「魔法少女ちゅうかなぱいぱい！」第19話「シンゴのごきげんいかが」 後編

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　第19話「シンゴのごきげんいかが」（1989年5月21日）
　の続きです。

　再びさやかちゃんと菜の花畑で会っているシンゴ。
　さやか「私だったら花よりブローチの方が良いけど……」

　そこへ、アキラとトオルが血相変えて飛んでくる。
　ババアに折檻されたのか、二人とも顔が腫れ上がっている。

　
　アキラ「ぱいぱいの御機嫌直ってないじゃないか」
　シンゴ「そんなー」
　トオル「そんな、じゃない。シンゴ、お兄ちゃんたちはお前を嘘つくような弟に育てた覚えはないぞ」
　アキラ「お兄ちゃんたちは悲しい。ひえーん」
　トオル「ひえーん」

　見え見えの嘘泣きをするが、

　
　さやか「あのー」
　アキラ「うん？」
　さやか「シンゴ君、逃げちゃった」
　アキラ「……！」

　二人が振り向くと、

　
　既にシンゴははるか遠くに逃亡していた。

　アキラ「シンゴーっ！」

　兄たちから逃げ出したシンゴ、商店街で200円の安物のブローチを見掛け、今度はそれを買ってぱいぱいの歓心を買おうとする。
　シンゴ「いくらあったっけな？　35円かぁ……いいや、お兄ちゃんに貰おう」

　
　シンゴ、自分を探していたアキラとゲームセンターで会うと、
　「お兄ちゃんに会いたがってる女の人がいるんだよー」と、口からでまかせを言う。

　アキラ「えーっ？　……なんだよ」
　シンゴ「お小遣い」

　シンゴは釣堀で自分を探していたトオルにも同様のことを言って、お小遣いをせしめる。

　一方、ババアは高山家に来ており、ぱいぱいがお茶など出して接待していた。
　しかし、ババアも、最初の頃と比べると大人しくなったものだ。以前は、ババアが登場するだけでアキラたちはグリズリーの団体に襲われたように恐慌を来していたことを思うと、いささか物足りなくはある。もっとも、ババアが出る度に騒いでいたのでは、ストーリーが進まないけどね。

　ババア、「ちゃんと掃除してるのかい？　なんか汚いんだよねえ」と言わなくてもいい厭味を言う。

　
　ぱいぱい「もう頭に来た。こうなったら魔法で台所ピカピカにしちゃうもん！」

　カメラに向かって宣言すると、ぱいぱいは魔法の力で掃除機やモップを動かし、台所の床を徹底的に磨き上げる。

　その頃、シンゴの言葉を真に受けたアキラとトオルは、ビシッとめかしこんでさやかちゃんの自宅へ向かっていた。

　
　家の前で鉢合わせする二人。
　二人は競うようにインターフォンを押し、さやかちゃんを呼び出す。

　
　アキラ「さやかちゃん、お姉ちゃんが僕に会いたがってるんだって？」
　トオル「何言ってんだ、会いたがってんの僕だよねー」
　アキラ「お前なー」
　トオル「お兄ちゃんこそ」
　さやか「あのー、うちにお姉さんいません」
　アキラ「えっ？」
　さやか「お兄ちゃんならいますけど……お兄ちゃーん」

　シンゴ、さやかちゃんのお姉ちゃんが会いたがってると、アキラとトオルに告げたのだろう。

　
　さやかちゃんが呼ばなくても良いのにお兄ちゃんを呼ぶと、こんなの↑が出て来た。

　その太く生白いフトモモを見て、アキラたちは怖気をふるって逃げ出す。

　兄「なんだ、あいつら、お前のことナンパしに来たのか」
　さやか「わかんない」
　兄「きっとそうだ、コラーッ！」

　
　さやかちゃんのお兄様は、そのブサイクな体（顔ではない）を揺らして、逃げる二人を追いかける。

　ちなみにこの兄を演じているのは森山力夫さん……そう、

　
　この2年ちょっと前に放送された「セーラー服反逆同盟」第8話で、雄太に憧れてツッパリになりたがっていた中学生4人組のひとりだったんですね（だから、知らんちゅうのっ）。

　ぱいぱい、台所の床をピカピカにしてから、自信たっぷりにババアを呼ぶ。
　だが、あまりにピカピカなので、ババアは床の上で何度も何度も滑ってしまう。

　ババア「ぱいぱい、お前磨き過ぎだよーっ！」

　さらに、いつの間にか家にいた行男が出てきて、ババアとくんずほぐれつ、延々と滑り続ける羽目になる。
　……ここは是非、小沢なつきさんにも（ミニスカに着替えて）参加して欲しかったところだ。

　それだけならまだ良かったが、

　
　さやか兄から逃げているアキラとトオルが土足のまま入り込んで来て、さやか兄と一緒に台所の中をめちゃくちゃに走り回り、折角ぱいぱいが綺麗にした床を泥だらけにしてしまう。

　ぱいぱい「もう、怒った！　ウーラーナー・シャイオパラタイオパラ！」

　
　ぱいぱい、中華魔女になると、家から出てなおも追いかけっこをしている三人に魔法を掛け、三人の履いているズボンをスカートに変える。

　
　そして、ぱいぱいが風を起こし、それによって三人のスカートがめくれてキャアキャア騒ぐと言う、冷静に考えたらちっとも嬉しくないハレンチシーンになる。

　管理人、死ぬほど笑いました。

　
　ぱいぱい「これで私の機嫌も直りそう」

　嬉しそうに一回転し、斜めのポーズでニカッと笑う。

　で、次のシーンでは何故かシンゴはさやかちゃんの胸に、あのブローチを付けて上げているのだった。

　ぱいぱいの機嫌が直ったのでその必要がなくなり、さやかちゃんにプレゼントしたのだろう。

　
　数え切れないほど色んなことが起きた一日の終わりの晩御飯を、家族揃って囲んでいる高山家。

　アキラ「全く今日は散々だよ」
　トオル「ぱいぱいにはフライパンで殴られるし、三軒茶屋のおばさんには蹴り食らうし、中華魔女にはズボン脱がされるし……」
　アキラ「スカートも履かされてさぁ」

　あれ、トオル、「ババア」ではなく「おばさん」と呼んでるなぁ。
　これも、いくらフィクションでも、子供が親戚のおばさんのことを「ババア」呼ばわりするのはひどいのではないかと、教育的配慮がされたのかも知れない。

　
　ぱいぱい「私が作ったケーキ、勝手に食べちゃったからバチが当たったの」

　このぱいぱいの若干アホっぽい顔がたまらなく可愛いと思った人、私と友達になりましょう！

　アキラ「えっ、俺たちケーキなんか食べてないよ」
　ぱいぱい「えーっ、じゃあ誰が？」

　三人の視線は当然、シンゴに向けられる。だが、シンゴはさやかちゃんと一緒に遊びに出たので、何もしていないと主張する。

　行男「なんだ、ケーキ？　あ、あのケーキなら……」

　ここで行男、思い出したように、自分が帰ってきたらケーキがあったので全部食べてしまったと悪びれもせず告白する。

　最後の最後に謎が解けると言う、この辺の構成も見事である。

　
　父親のとばっちりを受けたことを知った三人、よってたかって行男の頭をボカスカ殴るのだった。

　なお、本編では、殴られているところで「つづく」のだが、

　
　予告編では、散々殴られた行男が暴れ出すカットが見られる。

　同じく予告編には、

　
　最後にぱいぱいが一回転するカットの、ＮＧテイクが収録されている。

　とにかく、今回はストーリーが最後まで予想もつかない展開を見せ、しかもギャグ演出が冴え渡っているので飽きる暇がない。

　ちなみに、このエピソードを見ていた管理人、途中で、「このドラマは、国宝に指定されるべきではないのか？」と、本気で考えたものである。