第2話「ゴドメス 地球はぎとり計画」(1978年7月14日)
7000万年前、中生代白亜紀へ、謎のエネルギーの正体を調べにやってきたコセイドン隊であったが、ゴドメス軍の戦闘機の集団に襲われ、異星人のお姫様アルタシヤとその御付のロボット・ビックラジィー、時間移住者の生き残り、ミツルとリナを連れて逃げ惑う。

マリ「ゴウたちが危ない、モリィ、あなたはみんなをカバーして、私はあの中へ突っ込むわ」
ファイタス2号を操縦するマリ、単身、敵の大群に向かおうとする。

バンノ「ぶぁ、ばかっ、ひとりでいきがるんじゃねえ、引き返せ! 女の癖に」
母船コセイドン号に残っていたバンノ、無線でマリに指示する。
マリ「女の癖に、はないでしょう、差別よ、隊長……あら」

憤慨して通信を切るマリだったが、いつの間にかモリィのハクアス2号がその横を飛んでいるのに気付く。

マリ「モリィ、どうしたの? 私と一緒に戦ってくれるの? 嬉しいー、モリィ、愛してるっ」
モリィのことが好きなマリ、操縦席のモリィに向かって投げキッスをする。
ウララの一条みゆ希さんなどと比べると、演技はたどたどしい川崎たか子さんだが、そこがまた可愛いのである!

モリィ「うわっ、ケッ!」
だが、(序盤だけ)女嫌いのモリィは逆に鬱陶しそうな反応を示す。
ファイタス2号、ハクアス2号、そして後から出てきたファイタス1号の活躍で、とりあえず戦闘機の群れを追い払うことに成功するコセイドン隊。

雲の中に浮かぶ、巨大なゴドメスの戦艦ガルムスの威容。
素晴らしいデザインと質感で、ゴドメスとの戦いに決着が付く28話まで、地球侵略軍の旗艦として、コセイドン隊の前に立ちはだかることになる。
残存戦闘機は、次々と、八方に伸びたガルムスの筒状のカタパルトの中に吸い込まれて行く。

さて、コセイドン号の医療室に寝かされていたアルタシヤ、夜が訪れると、ほどなく目を覚ます。
ビックラジィー「アルタシヤ様、私はここにおりますぞ」
アルタシヤ「おお、ビックラウスか」
ウララ「くふふっ、なぁんだ、本名もビックラかい?」
バンノ「はははははっ」
そのロボットが何かに付け大袈裟に驚くので、彼らは「ビックラジィー」と仇名で呼んでいたのだ。
アルタシヤ、不思議そうにゴウたちを見上げる。
アルタシヤ「この人たちは?」

ゴウ「俺、トキ・ゴウです」

テツ「俺、ヒムガシ・テツです!」
争うようにして自己紹介をする若い二人。

その二人をかきわけて、
バンノ「俺が隊長だっ!」
管理人が、この作品を愛するのは、こういう演出が随所にあるからなんだよね。
アルタシヤ、自分たちが何故地球に来たかを説明する。
アルタシヤ「ゴドメスは恐ろしい侵略者です。私たちの星は彼らにひとたまりもなく征服されました。私はビックラウスを連れ、ワープにワープを重ね、この星に辿り着きました」

小型宇宙船の中のアルタシヤとビックラジィー。
アルタシヤの衣装とか、御付のロボットとか、「スター・ウォーズ」の影響を恥ずかしげもなく受けているが、なにしろ、「スター・ウォーズ」1作目が日本で公開されたのは、第1話のオンエアのほんの
数日前なんだから、致し方ない。
劇中にも、そのことを自ら認めるような楽屋オチ的なやりとりがあるくらいだ(3話)。
もっとも、さすがにアルタシヤが腰にぶら下げているのはライトセーバーではなく、コスモ秘帳と言う、謎のアイテムと言うことになっている。
彼らは宇宙を飛び続けた末、この地球に到達したが、執拗なゴドメスの戦闘機に攻撃され、ミツルたちのコロニー付近に不時着し、その際、コロニーが巻き添えを食ってミツルとリナの両親が死んでしまったのだ。

アルタシヤ「それが、この幼い人たちを悲しませる結果になるなんて……どうか許して下さい」
リナ「……」
アルタシヤ、二人に頭を下げる。
二人は無言で俯いていたが、そのまま部屋を出て行く。

アルタシヤ「今更お詫びしても、遅いのね……」
ウララ「ひとつ、分からないことがあるんですがね、なんだってあいつらはあんたをしつこく追いかけて来たのかしら?」

ウララ「あなたがたの星はいて座の方向に32000光年って仰ったけど、気まぐれで追跡するには遠い距離じゃないかしら?」
アルタシヤ「それは……きっとゴドメス人の性格だと思いますわ」
ビックラジィー「そうそう、ゴドメスは植物が高度に発達した生命体じゃ、ずたずたにされない限り300年400年と長生きをする、だから、数がどんどん増えて、よその星に手を出したんじゃ」
ウララの鋭い質問にアルタシヤが曖昧に答えると、ビックラジィーが慌てたように多弁に説明を加える。
質問の答えにはあまりなっていないのだが、ゴウたちもそれ以上は追及しなかった。
一方、リナは、破壊された自分たちの家に戻りたいと言い出す。両親の遺体を放っておけないと言うのだ。
それを聞いたマリも、一緒にバンノに頼んであげると申し出る。
マリ「怒鳴ってばっかりだけど、あれで案外、気が良いんだから」
次のシーンでは、マリが二人を連れてバンノに直訴している。

バンノ「確かだな、絶対に責任を持つと言うんだな?」
マリ「持つと言ったら持ちます、死んだって持ちます!」
バンノ「ようし、そんなに言うんなら勝手にしろ!」
マリ「はいっ、勝手にします! さ、夜が明けたら出発よ」
マリ、バンノに向かって「フン」と鼻を鳴らしながら出て行く。
こういう、気の強いところがマリの魅力である。かと言って、決して男勝りと言う感じでもないんだよね。
バンノはバンノで、

怒鳴り散らした後、マリの威勢の良さに、つい穏やかな笑みを浮かべるのだった。
とにかく「コセイドン」の一番の面白さは、人間臭いキャラクター同士の楽しい掛け合いにあると自分は信じている。
マリがファイタスに子供たちを乗せて、コロニー跡地へ向かっている頃、バンノはモリィに命じて、時空管理局の長官との通信回線を開かせようとしていた。彼らは2001年の地球から白亜紀にやって来ているのだ。

モリィ「出ました」
バンノ「……モリィ、こりゃ、幕末じゃねえか! 早く時差を縮めねえか」
どう見ても「必殺」か何かの時代劇の1シーンだったが、これは本物の幕末の映像と言う設定なのである。

モリィ「はいっ」
続けて出て来たのは、当時絶頂期のピンクレディの映像……だよね?(サウスポー?)
それを見たウララが「懐かしいなぁ」と声を上げるのが、タイムスリップ物らしくて楽しい。
バンノも(若い頃ファンだったのか)思わず頬を緩ませる。
ただ、続いて「モリィ、30年近くずれとるぞ!」と言うのは、ちょっと勘定が合わない感じ。
モリィが手間取っている間に、マリたちはコロニー跡に到着していた。
リナは、生前に母親に貰ったネーム入りの指輪を見付け、また、両親の遺体も土に埋めて、即席のお墓も作ることが出来た。

リナ「ママ……大事にするわね」

が、三人で墓に手を合わせていると、頭上に再びガルムスが現れる。
三人は慌てて森の中を突っ切ってファイタス2号まで走るが、その途中、リナは大切な指輪を落としてしまう。

ゴドメスとの戦いで、操縦中のマリは意識を失う。
が、ファイタスボンバーからコセイダーとなって発進したゴウがファイタスに乗り込み、マリに代わって操縦桿を握り、事なきを得る。
今回も、コセイダーの中にはゴウ役の大西さんが入っているようだが?
ガルムスは、ファイタス1号のマントル砲を受け、一時撤退する。

その後、漸く長官と連絡が取れる。
バンノ「まだどんな武器で21世紀に被害を及ぼしたのか分かりませんが、原因は奴らにあることは確かです」
長官「うん、こちらからも知らせることがある。7000万年前に関して新しい謎が現れた。それがなんと赤い石の指輪なんだ。白亜紀の地層から発掘したステゴザウルスの化石と一緒に発見されたんだ。これだ」
長官、その指輪をバンノたちに見せる。
そう、それは他でもない、ついさっきリナが落とした指輪だった。指輪は近くにいたステゴザウルスが飲み込み、そこをゴドメスの攻撃を受けて死に、7000万年後に化石として発掘されたのだ。

リナ「あ、私の指輪よ」
マリ「長官、指輪は大切に保管願います。ここに赤い石の持ち主がいます……」
7000万年前に紛失した指輪が、現代に化石と一緒に出てくると言うのが、いかにもSFらしい着想である。
まぁ、今この時点で、ステゴザウルスの腹の中にも同じ物があるんだけどね。

などとやっていると、ガルムスが渦巻状のビームを地表に送り込み、

恐竜や樹木ごと、水や土を吸い込んで行く。

茫然とその様子を見ているゴウとテツに、ビックラジィーが説明する。
ビックラジィー「テレサ星もそうじゃった、この星もゴドメスの餌食となる。あらゆる水、有機質、養分が根こそぎ奪われていく……」
しかし彼らには10万フィート上空にいるガルムスを攻撃する手段はなく、みすみす地球そのものが奪われていくのを手を束ねて見ているしかないのだった。
3話へ続く。