読者の皆様こんばんは。
このへっぽこブログも、読者の皆様のお陰を持ちまして、無事、開設4周年を迎えることが出来ました。
これからもよろしくお願いします。
さて、本日、私が誰にも頼まれてないのに、ブログ開設4周年記念作品として勝手にお送りするのは
「高田純次の無責任社員物語~宴会編」、TBSのドラマチック22枠で1990年1月27日に放送された2時間ドラマである。
2時間ドラマと言えば、最近は漏れなく人殺しがついてくるのが常だが、昔はそれ以外の様々なジャンルの作品も定期的に作られていたのである。多分、そうである。
で、何故かそのうちの「無責任社員」シリーズ三部作がDVD化されているので(読者の方のすすめで)見たのである。バブル景気の雰囲気を濃厚に映していて、なかなか面白かったのである。
主な舞台は、丸星物産と言う商社(の営業部)である。
その営業部の営業三課の課長・高杉一郎(高田純次)こそ、このドラマの主人公なのである。
アルアルうるさいのである!

忙しく働く他の社員を尻目にでれーっと雑誌を読んでいた高杉、定時の5時になった途端、元気良く立ち上がる。
高杉「三平ちゃん、今夜のスケジュールどうなってんの」
野村「はい、本日は5時半より料亭○○にて○○社長と会食……」
そう、高杉は昼間はろくに働きもせず、毎夜取引先の社長たちの接待だけをすると言う、今だったら(当時もだが)まずありえない平成の無責任社員だったのである!

しおり「行ってらっしゃいませ、くれぐれも無茶とバカはお控えになってください」
高杉「むっはっはっ、僕から無茶とバカとスケベを取ったら何も残ってないじゃないの~」
三課の秘書をしているのが、岡田奈々さん演じるしおりなのであった。

去り際、いきなり岡田奈々の神聖なお尻をタッチする高杉。
しおり「いやっ」
大映ドラマの岡田奈々さんだったら血を見る修羅場に発展するところだが、作風に合わせて岡田奈々さんも軽~い感じに演じていて、ちょっと驚いて見せるだけである。
もっとも、二人は密かにデキていて、半同棲のような間柄なのだが。

高杉「なんだ菊地、また残業か」
菊地「5時ピッタリに帰る奴なんて会社中探したってお前だけだろうが」
高杉「まぁあんまり気にするな、またな」
菊地「チクショウ、遊んでばっかりいやがって……いいな、宴会屋は」
当然、他の真面目に仕事してる者たちからは冷たい視線をビビッと送られている高杉であったが、当然、まったく、これっぽっちも気にしていないのだった。
高杉が会社から出て行くまでに、同じ営業部のさつき(井上彩名)や、直子(あめくみちこ)、佐藤などと言うメインキャラクターが顔見世的に高杉と絡む。
(キャストなどは適当に見当をつけて書いてるので、違ってるかも知れません。あしからず)
どうでもいいことだが、管理人、「あめくみちこ」と言う名前を見る度、なんか美味しそうな名前だなぁと思うのである。
最初の接待は、料亭で田中明夫演じる社長が相手。
と言っても、一晩で何軒も回らなくてはならないので、贔屓の芸者・春駒が来るとすぐに席を外そうとする。

田中「なんだ高杉君、今来たばかりじゃないか」
高杉「社長~今来たばかりと仰いましても社長と春駒さんがイチャイチャしているのをこうやって、座敷わらしのように見てろと仰るわけですか?」

角を立てないように座を抜けた高杉、料亭の前で待っていた社長の運転手に声を掛け、わざわざ料亭の高級弁当をプレゼントすると言う気遣いを見せる。
この辺の人柄が、高杉が人々に愛される所以なのであろう。

この辺でやっとタイトルが表示される。
いかにも90年代、と言う安っぽさが素敵ですね。
(安っぽいと言っても、今のドラマより多くの予算が費やされていると思うが……)

高杉、今度は雀荘にいる穂積隆信社長のところへ顔を出す。
穂積「(中略)自然体です、自然体」
高杉「自然体! わ、もう含蓄のあるお言葉、生きていて良かった、勉強になります!」 高杉、料亭から提げて来た高級弁当をみんなに配る。

続いて、カラオケで女の子とデュエットしている佐原健二社長のところへ。
佐原「(中略)適当なこと言いやがって」
高杉「ほんとですよ、この高杉、社長にだけは絶対嘘はつくまいと、オヤジの墓に誓ったんですから」 こういうのって、純次さんのアドリブも混じってるのかなぁ?
その後もあちこち駆けずり回って、くたくたになってマンションに戻ってきた高杉。時刻はもう4時であったが、

高杉「わー、ラッキー、1時間も寝れるぞー、死んじゃう死んじゃう死んじゃう、死んじゃった、と……」
服も脱がず、ソファにごろんと横になって眠りに落ちる。
1時間後、
目覚まし「おはよっ、高杉さん、朝ですよ、早く起きないと遅刻しちゃうわよ、起きて起きて起きて起きろコノヤロー!」 文章では分からないが(当たり前だ)、この目覚ましの声は岡田奈々さんなのだ。
これがアニメ声優みたいな作り声で、めっちゃ可愛いのだ。
まだ薄暗い街を、車を飛ばして何処かへ向かう高杉。
で、例によってこれも接待の一環で、今度はケーシ高峰(殿山社長)とゴルフをすることになっていたのである。

社長夫人(岩本多代)と、令嬢のタンポポが出てきて、高杉を歓迎する。
高杉「いやぁ、もうますます美しくなられて、もう私などには手の届かない遠い存在に思えて、悲しいやら切ないやら……」

殿山「どうだ、ワシと似てんだろう?」
高杉「ええ、クリソツです。社長がハンサムだからお嬢様も美しくて!」
殿山「クリソツ? そっくりと言うことか」
……色々と、時代を感じさせる台詞だなぁ。
なお、タンポポ(本名不明)は、高杉に惚れていて、社長夫婦も二人を結婚させても良いと考えているのだ。
ちなみにケーシー高峰は無責任社員シリーズ全作に出演している。

彼らがゴルフ場に向かっている頃、高杉の部下・野村(山口良一)は、デパートの玩具売り場でなにやら物色していた。高杉に頼まれて、取引先の社長の家族へのプレゼントを買いに来たのだ。
この画面の右側に大量に置いてあるのが、音楽を聞くと勝手に踊り出す、フラワーロックと言う伝説のおもちゃなのである。それを買ったことのある人が、必死にその事実を隠蔽しようとすることで知られている。
で、恐ろしいことに2008年にも「フラワーロック2.0」なる新型が発売されたらしい……。
世の中には想像を絶する恐怖と言うものが確かに存在するのである!
野村が社に戻ると、経理部の池田部長(谷啓)がやってきて、高杉のまわしてくる高額の領収書についてぶちぶち文句を言う。
しおり「プレゼントはお金ではない、気持ちだと言うのが高杉課長の信条ですので……」
池田「じゃ、この痔の薬1ダースってのはなに?」
しおり「はいっ?」
と、野村が小声で、痔で苦しんでいる○○社長に泣きつかれ、高杉が代わって購入したのだと説明する。

池田「だったらきちんと料金貰えば良いじゃないですか」
しおり「部長、先月、アカネ羊毛布団の販売を我が社が請け負うことになったのをご存じないんですか」
池田「知らん筈ないでしょう。そのお陰で、傾きかけていた我が社が持ち直したんだ」
しおり「でしょうー? あれは、あそこの社長さんが高杉さんに
痔の薬のお礼だと言って我が社に販売を任せてくれたんですよー、それでも、
痔の薬の代金、請求書書きますう?」
池田「……」
野村「あれでも高杉社長は会社のことを考え、必死で仕事に励んでいるんです……と思うんですが」
しおりにそう言われると、池田も何も言えなくなってしまう。
それにしても、あの岡田奈々さんの口から「痔の薬」なんて言葉を聞くと……思わずコーフンしてしまうではないか(へ、変態!)

しおり、高杉のマンションで愛情のこもったディナーを作って帰りを待っている。
殿山との接待ゴルフ、さらにその後、殿山の家まで送って行ってあれこれ話してヨイショして高杉が戻ってきた頃には、時計は9時をとっくに回っていた。
高杉「わー、9時半じゃないの、驚いたなー、驚いちゃったなー」
しおり「何してるの?」
高杉、時計を見て驚きの声を上げると、立ち上がってさっさとズボンを下ろし始める。
高杉「え、いや、今出来ることは今のうちにやってしまうってのが僕の信条なの……はい、いこいこ」
高杉、戸惑うしおりの手を取ってソファに連れて行き、しおりのお尻を抱えたままソファに座り込む。
しおり「何考えてるのよー」
何故か、しおりは……と言うか、岡田奈々さんは照れ臭そうに言うと、高杉から離れる。
二人の関係は一事が万事その調子で、高杉がエッチなことをしようとしても、しおりにやんわりと断られると言う、「じゃあなんでおまいら半同棲してんだぁっ?」と叫びたくなるほど不自然なものなのだった。
そりゃ、岡田奈々さんのキスシーンや濡れ場やおっぱいが見たいなんて大それたことは言わないけど、せめてもうちょっと恋人らしい仕草を見せて欲しかったところだ。
などとやってると、野村から電話があり、新聞に大変なことが出ていると興奮気味に話し、すぐこちらに来ると伝えてくる。

しおり「新聞? あら、これよこれ、オリエンタル土地開発、丸星商事と合併か?」
高杉「丸星商事って、聞いたことあるなぁ」
しおり「うちの会社でしょうがー」
高杉「あっそっかそっか」
しおり「オリエンタル土地開発って不動産屋でしょう? どうしてうちと合併? あの会社、地上げであくどい商売してるって噂だからお金が余っちゃってるかも知れないわねえ」
なお、その新聞記事が画面に一瞬映るが、見出しだけじゃなく、本文もかなり丁寧に内容に沿った文章が書いてあって、その辺の細かい仕事に好感が持てるのである。

高杉「そうかぁ……」
しおり「なにしてんの?」
高杉、再び立ち上がると、さりげなく(?)ズボンを下ろす。
高杉「えっ、いや、僕たちも合併しようかなぁと思って……」

しおり、フランスパンで思いっきり高杉の頭を叩く。
そこへチャイムが鳴って、野村が慌てふためいて部屋に上がり込む。

そこで、あっさりしおりと顔を合わせてしまう。二人が恋人同士なのは、会社では秘密にしているのだ。
野村「しおりちゃん!」
高杉「しおりちゃん、なんでここにいんの? いや、不思議だな、しおりちゃんがここにいるよ」
本気なのか冗談なのか、高杉もそらっ惚けようとする。
しおり、自分も野村と同じように新聞を見て高杉のところへ来たところだと白々しいことを言うが、お人好しの野村は簡単にそれを信じてしまう。
野村「あ、そーかー、驚いちゃったなぁ、一瞬、課長としおりちゃんがデキてんじゃないかと空恐ろしいこと考えちゃいましたよ」
高杉「いや、実はそうなんだよ。しおりちゃんと僕は空恐ろしいことになってんだよ」
野村「はぁーっはははははっ」
高杉「ぐわーっはっはっはっはっ」

二人、声を揃えて大笑いし、しおりはホッと胸を撫で下ろす。
野村は、密かにしおりちゃんのことが好きなので、スケベ第一の高杉と、清純一直線のしおりちゃんがデキているなどとは、心情的にも信じられないことなのだった。
その2へ続く(誰か読んでるの、これ?)