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高田純次の無責任社員物語~宴会編 その2



 続きです。

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 翌朝、高杉が出社すると、当然のことながら、みんな合併話に夢中で、高杉がいつものように直子のお尻を触りまくっても、何の反応もないのだった。

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 高杉「みんな何の話してるの?」
 野村「合併ですよ、オリエンタル土地開発との……」
 高杉「あ、そー」

 暢気に返事する高杉を見て、付き合いの長い二人もさすがに首を傾げる。

 野村「あのね、課長、どういうことか分かってるんですか? オリエンタル土地開発といえば、一部上場の大手ですよ、我が社のような二流の商社と合併だなんて……吸収されるんですよ」
 高杉「吸収されるとどうなるの?」
 野村「乗っ取りですよ!」
 しおり「そうなったら、重役の半分は格下げか、クビ、部課長クラスもみんな格下げになるわね」
 高杉「じゃ、菊地も佐藤ちゃんも池田さんもみんなヒラ社員?」
 しおり「その可能性は十分に考えられますね」
 高杉「ありゃ、かわいそうにねー、みんな頑張ってんのにねー」

 高杉、何故か自分が格下げされるなどとは夢にも思っていない様子であった。

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 高級ホテルの一室で行なわれている白百合会と言う超金持ちのマダムたちの昼食会に、遅れてやってきた高杉。その中には、殿山社長夫人の姿もあって、互いの自慢話に耳を傾けていた。

 高杉「これはこれはどうも遅くなりまして……いやー、これはこれは殿山様の奥様、ビューティフル、○○様の奥様、ワンダフル、○○様の奥様、ブリリアント、そして○○様の奥様、エクセレント、と言うことで皆さん、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花、と言うようなこと……あっ、これは来ました、来ました、これは凄まじいばかりの香りの氾濫、私、クラクラッと、蔵を二軒建てさせて頂きました。そしてまた目も眩むばかりのオンパレード、オンパ、オンパでございます、はいーっ」

 (俺、なんでこんな台詞を必死になって書き写してるんだろう……)

 殿山「何か召し上がって元気をつけて下さい」
 高杉「ありがとうございます、それではですね、ボーイさん、ナポリタンひとつ」

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 殿山「あら! 遠慮なさることないのよ」
 ○○「そうよ、もっとスタミナつけなくては」
 高杉「そうですか、じゃあ、お言葉に甘えさせて頂きまして……ナポリタンふたつ

 高杉、セレブたちにも気に入られていて、ホテルからひとりひとり送り出す際も、全員から「うちにいらしてね」と、誘われるほどだった。

 その一方、高杉は芸者の春駒などとしっぽり浮気なんかもたしなむナイスガイなのである。

 ……ますます、しおりちゃんが彼と愛し合ってるという設定が嘘っぽく思えてくるなぁ。

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 串焼きの店で飲んでいる営業部のメンバーたち。彼らは、明日発表される人事異動を前に、戦々恐々としているのだ。
 直子「どう考えても乗っ取りですよね」
 野村「それで、どうなるの?」
 佐藤「てこ入れと言う名目で、向こうの社員が派遣されてくるのさ」
 直子「ま、明日の人事でどうなるかですね」
 野村「明日の人事、どうなるの?」
 直子「ほとんど降格じゃないですかー?」
 さつき「じゃ、高杉課長もですか?」
 直子「当然、真っ先よ。降格ならまだマシなんじゃない?」
 さつき「カワイソ過ぎる!」

 彼らは、合併されれば、接待専門の高杉はさっさと格下げか、クビにされるだろうと踏んでいた。

 その夜も、高杉はひたすら接待に明け暮れるのであった。

 一夜明けて、運命の日がやってくる。

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 受験の合格発表でも見るように、楽しそうに異動の一覧表の前にやってくる高杉。
 高杉「お、菊地、いよいよ部長だな」
 菊地「……」

 菊地、高杉の顔を無言で睨みつけるとオフィスに行ってしまう。

 高杉「あら……」
 見れば、営業部のエースだった菊地は、課長からヒラ社員に降格になっているではないか。

 ちなみにこの表、ストーリーとは関係ない、大橋巨星とか、黒柳一徹、無田無道(?)などの愉快な名前が散見される。

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 そのうち、物々しく車を連ねて、オリエンタル系の新社長たち重役が乗り込んでくる。

 大名行列を前にした庶民のように、深々と頭を下げてそれを迎える丸星の社員たち。

 もっとも、今回のドラマではあくまで営業部内の様子しか描かれないので、社長と言っても単なる飾りに過ぎない。

 当然、営業部にもオリエンタルから派遣された新しい部長、課長が大きな顔で乗り込んでくる。
 中心人物は、部長の中尾(中丸新将)、一課長の堀井、二課長の岡村の三人である。

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 岡村「中尾営業部長からご挨拶がございます。皆さん、その場に気をつけをして拝聴していただきます!」
 中尾「君たちは何も考えるな、私の指示通りに動けば良い、以上!」

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 あからさまに高圧的な訓示を聞いて、みんな暗い顔になるが、高杉だけ何も考えずに拍手して、みんなから白い眼で見られる。

 高杉、心配になって改めて人事異動表を見に行く。

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 高杉「クビかなぁ?」
 しおり「そのままよ」
 野村「営業部の部課長クラスで格下げにならなかったの、高杉課長だけです」
 高杉「ふへーっ、良かった。僕あの席気に入ってたんだ、冬は暖かく、夏は涼しいからね」

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 オフィスに戻った高杉に、岡村課長が親しげに話しかける。
 岡村「色々とお噂は伺ってるわ、あなただけはこれまでどおりと、本部の人事部からの報告がありましてよ」
 高杉「はぁ……」

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 直子「ふーん、そういうことだったんですか。会社が乗っ取られるって言うのに高杉課長だけバカやってると思ったら、事前に裏約束が出来てたって訳ですか、ふぅーん!」
 さつき「信じてたのにぃ!」

 裏切り者を見るような目で、高杉を見るOLたち。

 その後、高杉が降格もクビ切りもされなかったのは、高杉が接待を通じて色んな会社の社長と仲が良いので、後難を恐れたオリエンタル開発人事部の判断によるものだったと分かる。

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 と、しおりたちが話している居酒屋に、高杉と中尾部長が入ってくる。
 高杉、早くも中尾部長に取り入っている……ようにしか、しおりたちには見えないのだった。

 その店には、部長から一気にヒラ社員に降格された経理部の池田の姿もあったのだが。

 翌朝、高杉はしおりたちに糾弾される。

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 しおり「どういうつもりなんですか、あんな厭味な奴と仲良くしちゃって」
 野村「そうですよ、あいつら我々の敵じゃないですか」
 高杉「敵じゃないですよ、部長ですよ、我々の上司ですよ」
 野村「みんながどういう思いで仕事してるかわかんないんですか?」
 高杉「分かってますよ。みんなで一生懸命仕事してオリエンタルと共に手を組んで我が丸星商事を日本一、いや世界一の商社にするためじゃないですか」
 野村「……本気でそんなこと考えてるんですかぁ?」
 しおり「行きましょ、野村さん、話にならないわ」

 二人は、愛想が尽きたというような顔になって、高杉の元から去って行く。

 堀井「菊地君、これ、コピーして」
 菊地「……」
 堀井「菊地君、コピーだよ」
 さつき「それ、私が……」
 堀井「いや、君は自分の仕事をやってればいいんだ。私は菊地君に命令してるんだ。さっさとやらんか」

 OLがするような雑用(などと言うとOLの方に対して失礼なので、これを読んでいる全国のOLの皆さんに先に陳謝しておく……ま、OLがこんなブログは読んでないと思うが)を押し付けられ、この前まで課長だった菊地は、屈辱を噛み殺しながらコピー機に向かう。

 しおり「イジメよねえ」
 野村「チクショウ~」

 何を思ったか、高杉が厳しい顔で立ち上がる。しおりたちは、堀井に何か言ってくれるのかと期待したが、高杉はコピーを取っている菊地に近付いて、
 高杉「たまには単純作業もいいもんだろう」
 菊地「……はい、課長」
 高杉「うんー、ダメだぞ、菊地、グレちゃあ、ヒッヒヒヒヒヒヒッ」

 などと、無神経なことを言って、ますます菊地の神経を逆撫でするのだった。

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 一方で、堀井は「渡辺君、これから本社に行くからついてきなさい」と、さつきをまるで個人秘書のように扱ったりする。

 その後も、嫌がらせのように菊地や佐藤に雑用を押し付ける堀井。
 菊地は傍から見てもいかにもストレスが溜まっている様子で、いつ爆発するか分からないような精神状態であった。さすがに高杉も見兼ねて、郵便物を出してくるよう言われた菊地を追いかけて話しかける。

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 高杉「おっ、菊地」
 菊地「何故あんな若造にコケにされなきゃならないんだ。何故俺に仕事をやらせないんだ。それならそうとハナからクビにすりゃいいんだ。晒し者みたいに好き放題言いやがって……」
 高杉「菊地ぃ」
 菊地「黙れ! お前には何も言う権利はない! オリエンタルの連中に調子よく取り入りやがって!」
 高杉「そうじゃない、俺は会社の為を思って……」
 菊地「うるさい!」

 菊地、パタッとその場に立ち止まると、「辞めてやる!」と大股でオフィスに引き返す。

 そして、頼まれた郵便物を堀井の机に叩きつけ、「そんなものは自分で出して来い」と吠え、その場で会社を辞めてしまうのだった。

 高杉、その場を何とか穏便に取り繕うとあれこれ喋っていたが、今度は佐藤がすっくと立ち上がる。

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 佐藤「辞めます!」
 高杉「どうして、サトちゃん……」
 佐藤「こんな上司の下じゃ、一体誰の為に、何の為に働いてるのかわかりゃしない」
 高杉「サトちゃん!」
 佐藤「高杉さん、あんたを見損ないましたよ!」

 佐藤、激しい罵声を高杉に浴びせると、菊地に続いてオフィスを出て行く。

 尊敬されていた訳ではないが、仲の良かった二人に去られて、さすがにお調子者の高杉の顔も暗くなる。

 その夜、屋台のおでん屋で池田元経理部長と酒を飲む高杉。
 ヒラに格下げされた池田も、最近では窓際族として仕事もろくにさせて貰えないとぼやく。

 池田「もう終わりさ」
 高杉「池田さん……」
 池田「あとはもうじっと定年を待つだけ」

 高杉、マンションに戻ってくると、しおりが部屋で待っていた。
 が、例によって色っぽい展開には絶対ならず、しおりは自分も会社を辞めるつもりだと話す。

 しおり「佐藤さんが言ってたじゃない……誰の為に何の為に働いてるのか分からないって」
 高杉「誰の為って自分の為じゃないか。楽しくなければ自分で楽しくなるようにすればいいじゃないか」
 しおり「仲間を裏切るような真似しても?」
 高杉「俺は誰も裏切ったりしてないぞ」
 しおり「そう思ってるはあなただけよ!」

 それでも翌朝、いつものように元気一杯で出社してきた高杉であったが、

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 今度は、直子が会社を去って行くと知って驚く。
 直子「せいぜいあいつらにゴマすって出世して下さい。それじゃ、街で会っても絶対声なんか掛けないで下さいね!」

 高杉がオフィスに入ると、一日で顔触れがガラッと変わっていた。他にも退職した人間がたくさんいて、その補充としてオリエンタルからどんどん新しい社員が送り込まれているのだ。

 高杉、さつきから折り入って相談があると言われ、喫茶店で話を聞く。

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 さつき「私、困ってるんです。堀井課長のことなんですけど……」
 高杉「堀井課長、どうかしたの?」
 さつき「私にデートしようって言うんですよ」
 高杉「いいじゃない、デートくらい」
 さつき「違うんです! もっと別の意味のデートで……」
 高杉「ああー、そう言うことか」
 さつき「付き合えば、悪いようにはしないよって」
 高杉「断ったら?」
 さつき「クビにするって、遠回しに……私、会社辞めたくないんです!」

 要するに、さつき、堀井に愛人にならないかと口説かれているのだった。

 さつき「どうしたらいいでしょうか、堀井課長のこと」
 高杉「断んなさい! ああいうのはやっぱり好きな人とするのが一番だからね」
 さつき「はいっ! ……でも、断ったらクビにするって」
 高杉「困っちゃったねえ」
 さつき「困りました」

 高杉がオフィスに戻ると、机の上に辞表と書かれた白い封筒が置いてある。
 開いてみると、野村からのものだった。

 野村は既に身支度を整えていて、本気で辞めるつもりらしい。

 野村「幻滅です、敵に魂を売るような生き方、僕にはできません。失礼します」
 高杉「……」

 それでもその夜も、いつものように接待に励む高杉であったが、その後、しおりから別れ話を持ち出され、マンションの合鍵もつき返されてしまう。

 さらに、翌日にはしおりからも辞表を提出され、さすがの高杉もうろたえ、懸命に引き留めようとする。

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 高杉「君の辞表、あと半年預らせて貰えないか。あと半年、俺を信じてこの会社に居て欲しいんだよ」
 しおり「何故、半年?」
 高杉「それ以上かかるとほんとにうちの会社の体質が変わっちまう。取引先も何も、みんなオリエンタルの方へ傾いてしまうんだ。丸星の色を残したまま会社を再建するにはあと半年が限度だと……」
 しおり「会社の再建?」
 高杉「そ、俺はひとりでもやるつもりだったんだけど、こうして君に絶縁状を叩きつけられると、なんだかその自信も揺らいできたな……俺はね、今でも会社で孤立している。誰も味方は居ない。だからこそ君には味方で居て欲しいんだよ。頼む、一緒にやろう、丸星商事をオリエンタルから取り戻すんだよ」

 それまでの軽薄なキャラクターから懸け離れたシリアスな言葉を並べる高杉に、しおりはコロッと態度を変え、高杉に抱き付く。

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 しおり「高杉さん、やっぱり私が愛した人に間違いなかったわぁ……でも、そんなこと考えてるなんて分からなかったぁ」
 高杉「うん、ついこないだまではね……」
 しおり「何かあったの?」
 高杉「最低の連中だよ。俺と付き合わないとクビにするぞって女の子を脅かしてみたりさ、部長なんか、取引先の社長を女絡みのスキャンダルで陥れて、その秘密で脅して情報を手に入れろとかさ……俺はそう言うつもりで取引先の社長を接待してた訳じゃないんだよ。社長を気分良く帰して、明日からまた仕事に頑張って貰おうと思って、そんで宴会やってたんじゃないか。そうすれば、取引先と丸星商事は共存共栄だと、こう思ってたんだよ」
 
 接待専任課長の高杉には、高杉なりのポリシーと言うものがあったのだ。

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 高杉「あと半年、付き合ってくれるね?」
 しおり「わかったわ、あと半年」

 結局、しおりは会社に留まり、高杉も毎日毎夜接待に明け暮れる日々が過ぎる。

 そんなイメージ的なシーンに、

 「どうせ世の中は不公平~真面目にやってりゃ損をする~だから、だから、適当が一番~♪」
 と言う、高田純次自身が歌う「どうせ世の中不公平」が、ひたすら能天気に流れるのだった。

 一方、さつきは度重なる堀井課長の誘いにほとほと嫌気が差し、遂に会社を去ることを決意する。

 以前、高杉に相談した時、明るく、「高杉のことが好きだ」と明言している現代娘・さつきは、別れもサバサバしたものだった。

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 さつき「私、知ってるんです。しおりさんとのこと!」
 高杉「ええーっ?」
 さつき「いいの、それでも結構楽しかったですから」
 高杉「もっと楽しみたかったのにねえー」
 さつき「えへへへ……どうも色々、お世話になりました」

 そのさつきを笑顔で送り出した高杉としおりであったが、しおりは高杉がまだ丸星商事再建に向けて具体的に何の計画も立てていないのを知り、雲行きが怪しくなってくる。

 しおり「結局、口ばっかりで遊んでるだけじゃない。お酒飲んでカラオケやって芸者遊びしてゴルフやって……前と何にも変わってないじゃないの」
 高杉「いや、そのだからさー」

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 言いながら、さりげなくしおりの胸にこんなリボンを貼る高杉。

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 しおり「さいてっ!」(註・最低の意)

 その後……、

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 野村も、しおりも、他の仲間たちも、全員いなくなったオフィスでひとり孤独を噛み締めている高杉の姿があった。

 退職した社員に代わって、オリエント系の新顔が働いているのだが、高杉の目には昔の和気藹々と仕事をしていた頃の幻影が浮かんでは消え、浮かんでは消えするのだった。

 高杉(そして、誰もいなくなった……か)

 その3へ続く。


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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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