「宇宙刑事シャイダー」 第11話「アニーにおまかせ」前編

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　第11話「アニーにおまかせ」（1984年5月18日）

　パトロールの途中、大とアニーは風船を木に引っ掛けて困っている子供を見掛ける。

　大（スタントだけど……）、華麗に枝の上にジャンプしてその風船を取ってやる。

　
　大喜びする子供だったが、いかにも教育ママ風のマダムが現れ、「こんなもんで遊んでる場合じゃないでしょ。これからテスト会場に行くんだから……離しなさい、こんなもん」と、風船を空へ飛ばしてしまう。

　ユウイチ「あーっ、僕の風船……」
　母親「テストに合格したらいくらでも買ってあげるから」

　
　アニー「ひどいママね、ねえ、何、テストって？」
　大「うん、幼稚園への入園テストだと思う。大変なんだよ、名門幼稚園に入るには」
　アニー「マウント惑星にはテストなんて物なかったわ。子供たちは朝から夕方までのびのびと遊んでた」
　大「それが当たり前だよ。小さい時からテスト攻めにするなんて、どうかと思うよ俺も！」

　嘆かわしそうに日本の教育制度について話し合うふたり。

　無論、あの親子の向かっている先がフーマの仕掛けた罠だとはこの時点では知る由もなかった。

　
　その会場の入り口には、堂々とこんな立て看板が立てられていた。

　天才にしか入園できないと言うその幼稚園への狭き門をくぐろうと、ユウイチ親子と同じく、いかにも金持ってそうな母親たちが子供の手を引いてどっと押し寄せてくる。

　
　ここで、早くもギャル5の美しいコスプレが炸裂する。

　今回は、全員、受付嬢に扮している。

　ギャル3「受付を済ませましたら、受験番号をお子様の胸に付けてください」

　
　ギャル2「受験番号1～5の方」
　子供たち「はーいっ！」
　ギャル1「元気良いわね、さぁ、静かに会場に入りましょう」

　母親たちも子供たちと一緒に行こうとするが、

　
　ギャル1「ちょっと……お母様方はこちらでお待ち下さい」

　
　ギャルたちは、子供たちの頭にヘルメットのような装置を乗せ、コンピューターによってたちどころに子供たちの能力を測定する。

　いつものことだが、それぞれ普段のコスチュームに合わせた服を着ているのが芸が細かい。
　（ギャル2だけ衣装と違う色）

　
　ギャル1「1番と4番は合格よ、ここへ残ってね」
　子供たち「はいっ」

　左から2番目の坊主頭の男の子、妙にテンションが高くて可愛いのである。

　まるで、幼時の管理人のようである。

　ギャル5「さ、こっちよ、こっちねー」
　優しく声を掛けて、合格しなかった、つまり「バカ」だと認定された子供たちを促すギャル5。

　7話の野々山先生もそうだったが、ギャル5ってこういう役をやらせたら天下一品なのである。

　

　
　ギャル5「二次テストも頑張るのよ」
　女の子「はぁい！」

　ちなみに合格したひとりは、あのユウイチ君だった。この後、フーマに攫われてしまうのだが、少なくともユウイチ君が「天才」だったことは証明された訳である。

　落とされた子供たちは母親のところへ戻ってくる。

　ギャル2「受験番号6～10までの方、お入り下さい」
　母親「あの、うちの子はね、字は全部読めますし、足し算だって引き算だって出来るんですけど」
　ギャル3「残念ですけど知能指定の測定の結果ですので……」

　管理人は、ギャル2のちょっと鼻にかかった甘ったるい喋り方も好きである（知るか）。

　合格した子供の母親たちは大喜びし、落ちた子供の母親たちは落胆し、合格した子供の母親たちに嫉妬と憎悪の眼差しを向ける。

　
　母親「おかしいですわよね、うちのテツヤが落ちてあのユウイチ君が合格するなんて」
　母親「お金でも積んでんじゃない、それ以外、考えられないわよ」

　今回の参加者は10組だったので、テストはすぐに終わる。

　
　ギャル3「全員、テスト終了」

　
　ギャル5「さあ、帰っていいわよ、こっちよ。さあ、帰りなさい」

　戦闘シーンなどではお荷物になることが多いギャル5だが、ここでは率先して子供たちに声を掛けている。
　ほんとに幼稚園の先生になってるところを想像すると、あまりの可愛さに悶え死にそうになるなぁ。

　
　ギャル2「引き揚げましょう」

　不合格の子供たちが帰った後、ギャル5がお行儀良くて手を合わせて並ぶところも可愛いのである！

　ギャル1が壁のほうを振り向くと、不思議獣ゲトゲトが忽然と現れる。

　
　女の子「はぁーっ！」

　びっくりして息を飲む子供たち。特にこの女の子は演技が上手い。

　ギャル1「さぁ、行くのよ」
　合格した5人の子供は、ギャルたちに連れられてゲトゲトの口から、別の場所へ転送される。

　
　子供たちの悲鳴を聞きつけ、母親たちが慌てて会場へ駆け込むが、ドアを開けるとそこは全く別の空間に繋がっていて、母親たちは唖然とするばかり。

　子供連れ去り事件を聞きつけ、大とアニーはテスト会場へ急行する。
　建物の裏手からベランダに飛び上がって内部を調べるが、全く何の手掛かりもない。

　大「手口が鮮やか過ぎる……恐らく」
　アニー「フーマね」

　
　ヘスラー「母親が用心してテスト会場に集まらなくなりました。そこで直接、幼稚園を襲撃してテストを実施し、子供たちを連れ去るようにしております」
　ポー「手荒い真似は好みません。でもこの際、止むを得ないでしょう」
　ヘスラー「ただいま、天才幼稚園で知力・体力、さらに磨きをかけているところです」
　クビライ「楽しみよのう、10年後が」

　気の長いフーマは、誘拐した子供たちにフーマ式の教育を施してから家庭に送り返し、10年後、彼らが各分野のトップとして活躍する社会を作り出そうとしていたのだ。

　ポー「フーマが日本を支配するような物です」
　クビライ「ヘスラー指揮官、もっともっと子供を攫え」

　
　ここで出てくる10年後の想像図のひとつ。

　前から思っていたが、このイラスト、気持ち悪い……。

　無論、宇宙刑事たちはフーマの計画を黙って見てはいなかった。

　後編に続く。