第18話「ザ・偉人伝」(1989年5月14日)
の続きです。
なかなかトオルのやる気を引き出せず、悩むぱいぱい。
その背後に、ふらっと森先生が立つ。
森「ぱいぱいさん、コンパクトは約束どおり、私のものになりますな」

ぱいぱい「先生、どうしてそうコンパクトに拘るんですか?」
突然ですが、ここでQ&Aのコーナーです。
Q.どうして同じような画像を2枚も貼るんですか?(読者)
A.貼りたいからです!(管理人)
ぱいぱい、急にコンパクトのことを言い出した時点で、森先生のことを疑っていたのだろう。リボンを解いてそれをムチのようにしならせて、森先生を威嚇する。

森先生は、奇声を発したかと思うとその正体を自ら明らかにする。
そう、その正体は、13話以来ご無沙汰していて、視聴者もうっかり忘れてしまいそうになっていた中華魔界ゲシュタポのリーダー、パイカル(大杉漣)だったのだ。
パイカル「貴様を中華魔界に連れ戻す為には何としてもコンパクトが邪魔だ。そいつを取り上げる為に俺が一切を仕組んだ。ぱいぱい、人と人は約束を破っても生きていけるが、約束を破れば死なねばならぬのが魔女の掟だ! 明日8時、コンパクトは貰うぞ」
パイカルの台詞から判断するに、今回の森先生は最初からパイカルが化けていた偽者だったと思われる。本物の森先生は森先生で、ちゃんと実在しているんだろうが。

ぱいぱい「どうしよう……どうしよう……どうしようもない時はとにかくラーメンを食べる!」
商店街をあてもなく歩いていたぱいぱい、元気良くラーメン屋(こうらく)に突入する。
で、例によってラーメンを見るたび、「ナルトの入っていないラーメンにされたレーモンド」のことを思い出してしまうぱいぱいであった。
中盤は忘れがちの設定だが、ぱいぱいは五目殿下との結婚を拒んだ為、恋人のレイモンドをラーメンにされてしまったと言う重い過去を背負っているのだ。

ここで珍しく、中華魔界時代の二人の様子が回想される。
レイモンド「僕はね、以前はどうしようもないなまけものだった。グレかけたこともある。そんな僕を変えたたのは君だよ。君の為にも恥ずかしくない男になりたい。そう思ったんだ。ありがとう、ぱいぱい」

ぱいぱい「レイモンド!」
チャイナドレスのぱいぱいが可愛いのである!
ぱいぱい、レイモンドの言葉を思い出して、豁然と理解する。

ぱいぱい「そうだ、男の子を変えるのは女の子なんだ! 女の子の愛なんだ!」
ぱいぱい、しょんぼりと肩を落として歩くトオルの後ろに立つと、コンパクトを取り出し、

魔法の力で、トオルと同じ年頃の、ぱいぱいとは全く雰囲気の違う美少女に変身する。
美少女・排田排子(はいだはいこ)を演じるのは南風見恵子さん。
どっかで見たことあるなぁと思ったら、「仮面ライダーBLACK RX」の13話「狙われた怪魔少女」に出てた子だった。
ここから、もの悲しげなピアノのメロディに乗せて、ノスタルジックにトオルと排子のささやかな恋物語が描かれる。

トオル「お前なんで俺をつけるんだ」
排子「つけてなんかないわ」
トオル「嘘つけ、お前、誰だ」
排子「私、排田排子、ひとは『はいはい』って言うわ」
トオル「はいはい?」

排子「私、あなたと同じ小学校よ」
トオル「お前なんか見たことねえぜ」
排子「クラスが別だから、でも私、ずっと前からトオル君を見詰めていたの……友達になりたいなぁって」
トオル「俺なんてダメだぜ、勉強も出来ないし……」
排子「私も勉強できないの。だからお友達も出来ないし、お手玉でいつもひとりで遊んでるの……でも私、トオル君はダメじゃないって思ってるの、だって本当にダメな人は、自分のダメさを知らないもの。トオル君は自分がダメだって知ってるもの」
トオル「……お前、これから俺と付き合うか?」 トオルのぶっきらぼうな問い掛けに、無言で頷く排子。
ダメ人間の癖に、イケメンのような口の利き方をするトオルであった。
ここでトオルの言う「付き合うか」は、「一緒に行動する」とも「恋人になる」とも、どちらとも取れるのだが、良く分からない。
とにかく、二人はショッピングモールへ行き、夢のような時間を過ごす。

その後、絵のように美しい夕陽を浴びながら、「ウルトラセブン」の最終回のようなカット割で別れる二人。
トオル「じゃ、またな」
排子「さよなら」

帰宅したトオルは、すっかり排子のトリコになっていて、「良い子だな、俺たちは今に……」と、気の早い妄想を描く。
しかし、結婚式はまだしも、

続いて、排子が子役のままでお腹を大きくさせていると言うのは、色々とその、あれだ、その、今となっては誤解を招きそうな演出である。
トオル「……読み書き計算が出来ないんじゃ子供にも恥ずかしい」
ぱいぱいの思惑は当たり、トオルは急に向学心に燃えて、自分から机に向かう。
翌朝、8時ぎりぎりになってトオルが家から飛び出す。
トオル「見て見て、俺生まれて初めてドリル、マジでやったぜ」
ぱいぱい「やったぁ、すごいじゃん。頑張ったねえ、やればできるじゃーん」
勇んで学校へ駆け出すトオルを笑顔で送り出すパイパイ。
一度はコンパクトを取ったパイカルも、潔くぱいぱいにコンパクトを返す。

パイカル「今日は俺の負けだ。校庭の真ん中で行水を見せる筈だったな」
ぱいぱい「あなたの裸なんて見たくないわっ」
パイカル「ううん! ぱいぱい、また来るぞ」
パイカルは例によってバイクに乗って去って行く。
こうして全て丸く収まったかと思われたが、トオルは学校に排田排子などと言う女の子がいないことを知って、ぼんやりと考え込んでいた。
と、シンゴが机の上に排子が持っていたお手玉を見付ける。

その瞬間、ペロッと舌を出すぱいぱいが可愛いのである!

シンゴ「なんだこれ?」
ぱいぱい「いっけなぁい、しまい忘れちゃった」
驚いてそのお手玉を手にするトオルを見ながら、(あの時のトオル君、ちょっとイカしてたな)と、心の中でつぶやくぱいぱいであった。

トオル「あの子のだ、やっぱり夢じゃなかったんだ」
ぱいぱい「そうよ、トオル君、あなたがその子のことを愛していればいつかまた現れるわよ」

アキラ「この偉人伝どうすんの」
ぱいぱい「学校に返す。キュリー夫人にナイチンゲール、女の人でも偉い人はいるのよー」
トオル「ぱいぱい、自分のこと偉人だと思う?」
ぱいぱい「私? 私は偉人じゃない。私は、美、じーん!」
アキラ「なにそれ、何言ってんだか……」
おどけてダブルピース攻撃を繰り出したり、人差し指をほっぺに添えたりするぱいぱいが可愛いのである!
今回こればっかりで疲れるのである!

楽しくはしゃぐぱいぱいたちをよそに、トオルは再び排子の面影に思いを馳せていた……。