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「スーパーロボット マッハバロン」 第26話「マッハバロンの超秘密」


 第26話「マッハバロンの超秘密」(1975年3月31日)

 いよいよ最終回である。

 もっとも、残念なことにこの作品、オイルショックの影響で打ち切りとなってしまった為、やや中途半端な終わり方を余儀なくされている。ちなみに同じくOSのせいで路線変更を強いられた「ウルトラマンレオ」が、この三日前に終了している。

 さて、前回からの続きで、KSS海底基地は中性子人間となったスーカン、モーゼル、エルザによって占領されており、陽はマッハバロンでゼッターキング2世と戦っていたが、苦戦している。

 マッハバロン、KSSバードで出撃した愛の献身的な活躍でなんとか窮地を脱し、基地へ逃げ戻る。

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 スーカンは、司令室に陣取り、村野たちに銃を突きつけていたが、パイルX(基地の根幹である特殊な原子炉)を捜索していたモーゼルとエルザが戻ってきて、何か耳打ちすると、村野たちをそのままにして何処かへ行ってしまう。

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 入れ替わりに、ガンさんたちが戻ってくる。
 花倉「愛ちゃん、大丈夫か」
 愛「ええ」
 村野「しばらく安静が必要だな」
 愛「大丈夫です、こんな非常時に休めません」
 村野「足手まといなんだよ。陽、愛を自宅へ送って上げなさい」

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 愛「博士!」

 額から血を流している愛、村野の「足手まとい」と言う言葉にショックを受けるが、陽に押されるようにして部屋から出て行く。

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 花倉「おい、みんなも避難した方が良い。そろそろドカンと来る頃なんだ」

 だが、モニター上のゼッターキング2世はその場から動かず、パイルXに地中レーザービームを放つ気配も見られない。

 村野「待てよ、パイルXを爆破する為に出て行ったんじゃないんだ。奴らは金庫から設計図を奪った時にも、すぐに引き揚げた。あの計画書にも長時間の作業計画はない」
 岩井「つまり、不死身のままで長くいられない」
 村野「そのとおりだ、スーカンもしきりに時計を気にしていた」
 花倉「すると、奴らはアジトでエネルギーの補給か何かの為に?」

 村野は、花倉たちにアジトの探索を頼む。

 村野たちの推察どおり、三人は一旦アジトへ戻り、「ストップシャワー」と言う光線を浴びていた。彼らが無敵の中性子人間でいられる時間は1時間が限度で、それまでに「ストップシャワー」を浴びないと、死んでしまうのだ。

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 一方の陽、愛を自宅まで送り届けていた。
 陽「じゃあな」
 愛「私を、足手まといだなんて……」
 陽「バカだな、村野博士の心遣いがわからんのか」

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 陽「パイルXは発見されてしまった。いつ沈没するか分からん基地から愛だけでも避難させたかったんだ」
 愛「だから悔しいの、死ぬ時もみんなと戦って死にたい!」

 愛、戦いに加われないことを泣いて悔しがる。

 ……どうでもいいが、是非、愛のパジャマ姿のバストアップを撮っておいて欲しかった。

 さて、陽たちはスーカンたちが姿を消したと思われる場所に来るが、改めて中性子人間になったスーカンたちに逆に待ち伏せされ、捕まってしまう。

 スーカン「KSSのメンバーは儀式に出席して貰う。車に乗れ!」

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 スーカン、車に陽たちを押し込め、自分も後部座席に乗り込む。

 で、そんな長いマントを付けているものだから、

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 案の定、ドアにマントを挟んでしまうのだった。

 スーカン「よし、みんな一旦降りよう」(註・言ってません)

 しかし、ここで花倉と健一を敢えて見逃したことが、後に彼らの致命傷となる。

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 スーカンたちが出発した後、愛が頭に包帯を巻いて駆けつける。

 愛「アジトを探すのを手伝うわ」

 三人は手分けをしてアジトを探す。

 スーカンたちは陽をマッハバロンの操縦席に連れて行き、手錠でその中に縛り付ける。

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 そして、地上のメンバーたちの前に、ララーシュタインが座乗する飛行機が現れる。
 スーカン「ララー総統がお前たちを特別席に招待される」
 村野「KSS基地の沈没を見物しろと言うのか?」
 スーカン「最高の見世物だからな」

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 村野たちは飛行機の内部に連れていかれ、ララーシュタインと対面する。

 村野は何度か会っているが、岩井たちが顔を合わせるのはこれが初めてか?
 それにしても、改めて見ると物凄いビジュアルだ。

 ララー「ようこそ、村野博士、長年の戦いも遂に決着の時が来たようだな」
 村野「いや、私は最後まで望みは捨てん」
 ララー「まずKSS基地の沈没をお見せしてから天国へ送り届けよう。これが二人の息子を殺されたワシの復讐だ。パイルXを爆破しろ!」
 スーカン「ララー!」

 スーカン、ゼッターキング2世に地中レーザー光線を発射させる。
 あらかじめその場所を突き止めていたパイルXにレーザー光線は命中する。

 ……だが、

 パイルX、つまり、パイル26は爆発し、その周辺で小さな振動が起きるが、それ以上の連鎖爆発は起きず、基地は静まり返っている。

 ララー「村野、貴様、また小細工をしたな!」
 スーカン「設計図上のパイルは全て調査済みです」
 村野「KSS基地のパイルは26基だけではないんだ」
 スーカン「なにぃ、ではパイル27があると言うのか?」
 ララー「恐らくそれがパイルXだ」

 周到な村野博士、本物のパイルXのことだけは、基地の設計図にも記載していなかったのだ。

 言い忘れていたが、他のパイルと違い、パイルXを破壊すればKSS海底基地そのものが沈没する仕組みになっているのだ。

 村野はパイル27に案内すると申し出て、再び基地にスーカンたちを連れて行く。

 が、もたもたしているうちに再び「ストップシャワー」を浴びる時間が近付いて来た。
 スーカンたちはその場に村野たちを拘束してから、一旦アジトへ引き揚げる。

 しかし、ちょうどそこへアジトを探していた愛がやってきて、彼らの邪魔をする。スーカンが愛と揉み合っているうちに、「ストップシャワー」の発生装置が壊れてしまい、あわれ、スーカン、モーゼル、エルザの三人は時間切れとなってばったり息絶えてしまう。

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 だが、愛もその際にスーカンに首を絞められ、そのままカメラに尻を向けて倒れる。

 花倉、健一が駆けつける。

 愛「このことをKSSに……私は大丈夫です」
 花倉「よし、待ってるんだよ」

 花倉、健一に愛を任せてKSS基地へ向かう。

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 だが、愛は既に瀕死の状態だった。
 愛「いくつになった? 健一」
 健一「9つだよ」
 愛「9つ……強い男の子になるのよ、たとえひとりぼっちになってもメソメソしないで……いいわね?」
 健一「いやだよ、そんなこと言わないでーっ!」
 愛「約束して、約束して、健一、健一!」

 苦しい息の下から健一に叫ぶように訴える愛。
 健一、その手を握り締め、

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 健一「お姉ちゃん……」

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 愛、満足したような顔になり、そのまま事切れる。

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 健一「お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃーんっ!」

 愛の体に縋り、絶叫する健一。

 花倉刑事、縛られていた村野たちを救出する。村野はマッハバロンの中の陽を助け、マッハバロンを出撃させる。
 岩井たちはKSSバードでララーシュタインの飛行機を攻撃する。

 村野「ララーシュタイン、お前の三人目の息子も死んだぞ」
 ララー「まさか、そんなバカなっ」

 ララーシュタイン、怒りのあまり目が眩みそうであったが、その場は涙を飲んで引き上げる。

 その後の、マッハバロンとゼッターキング2世との戦いは消化試合のようなもの。
 マッハバロン、最後はマッハコレダーでゼッターキング2世を粉砕する。

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 岩井「博士、一体パイル27は何処へ隠してあるんだ?」
 譲司「俺も不思議に思っていた」
 村野「アレの中だ……」

 村野が指差したのは、意外にもマッハバロンであった。

 村野「マッハバロンの原子炉がいわゆるパイルXなんだ」
 岩井「さすがのララーシュタインもマッハバロンの超秘密って奴だけは見抜けなかった訳だ」

 そこへ、花倉が愛の体をお姫様抱っこして、健一と一緒に現れる。

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 何も知らない陽、愛の手柄を讃えてやろうと土手の上に上がるが、そこで初めて愛が既に冷たくなっていることに気付き、言葉を失う。

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 陽「愛? 愛! 愛! ……うう」
 花倉「愛はな、KSSの隊員として最後まで勇敢だったよ」
 村野「愛の命が、KSS基地を守った。みんなそのことを忘れるな」
 健一「お姉ちゃんの代わりにきっと僕が隊員になって見せる!」

 みんな、愛の遺体を囲むようにして歩き出す。

 ナレ「小杉愛、18歳、ロボット帝国との戦いにその若い命を燃やし、そして散って行った」

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 ナレ「だが戦いは終わった訳ではない。頑張れKSS、負けるなマッハバロン!」

 ジャンプの打ち切り漫画のあおりのようなナレーションを聞きつつ、物語は終わるのだった。

 結果的に、敵のボスがピンピンしているまま、特撮ヒーロー物が終わってしまうと言う異例の事態となってしまった。個人的には、別に敵を皆殺しにしなくて完結しても全然構わないとは思うんだけどね。

 ただ、せめて愛の死についてはもうちょっと盛り上げて欲しかったな、と言う気はする。

 ……と言う訳で、(特に前半)かなり省略してしまいましたが、「マッハバロン」のレビュー、これにて終わりです。


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コメント

Re[1]:「スーパーロボット マッハバロン」 第26話「マッハバロンの超秘密」(08/12)  

影の王子様
>殉死した女性「戦士」って他には
>「ウルトラ」・・・「80」の城野エミ隊員
>「ライダー」・・・タックル
>「戦隊」・・・「バイオマン」の初代イエローフォー
>ぐらいでしょうか?
>なんだか女性が死ぬ展開って鬱ですね。

>最終回で死ななかった敵の首領は
>「ガッチャマン」の総統X
>「グレートマジンガー」の闇の帝王
>「レインボーマン」のミスターK
>「デンジマン」のヘドリアン女王
>と結構いました・・・

>こうしてみるとマッハバロンの最終回、女性戦士が死に、敵の首領は死なない
>と異例の終わり方ですね。

リストアップありがとうございます。
ミスターKが死なないって知りませんでした。

80の石田えりさん、一応殉職してるけど、最終回にアンドロイドですと言って出てくるのがかなりトホホでした。

Re:「スーパーロボット マッハバロン」 第26話「マッハバロンの超秘密」(08/12)  

マッハバロンのレヴューお疲れ様でした。
私は1974-5年当時リアルタイムで観た筈なのですが、
最終回の記憶がまるでありませんでした。当時幼稚園だったし。かなり後になって尻切れトンボでかつ、
ヒロインの戦死というやるせない終わり方を知り、
観るかどうか困った作品だなと思いました。
(OPとEDはカラオケでよく歌いますが(笑))

病室で横たわる愛ちゃんがとても可愛いです。
木下さんは当時高校1年で多分他には出演作ないんでしょうね。検索すればすぐひっかかる2013年のレッド+マッハバロン座談会では、木下さんけっこう天然というか不思議ちゃんだったようですね。

Re[1]:「スーパーロボット マッハバロン」 第26話「マッハバロンの超秘密」(08/12)  

LopLop様
>マッハバロンのレヴューお疲れ様でした。

ありがとうございます。かなりのエピソードを省略してしまったお粗末なレビューでございました。

>木下さんは当時高校1年で多分他には出演作ないんでしょうね。検索すればすぐひっかかる2013年のレッド+マッハバロン座談会では、木下さんけっこう天然というか不思議ちゃんだったようですね。

げっ、あれで高1ですか? 末恐ろしい……。

Re:「スーパーロボット マッハバロン」 第26話「マッハバロンの超秘密」(08/12)  

まさか最終回で愛が亡くなるとは思っても見なかったですね😅おまけに敵の元締めは生きているとは。オイルショック恐るべしですね😅(どんな例えだ❗)

Re[1]:「スーパーロボット マッハバロン」 第26話「マッハバロンの超秘密」(08/12)  

ふて猫様
>まさか最終回で愛が亡くなるとは思っても見なかったですね

音楽やデザインはポップなのに、ストーリーは物凄くハードなんですよね。

下塚誠さんがお亡くなりになりました  

昨日7/7、享年64歳でした。
ご冥福をお祈りします。

Re:下塚誠さんがお亡くなりになりました(08/12)  

影の王子様

お知らせありがとうございます。

まだお若いのに残念です。

No title

せっかくララーシュタインが親征してたんだから搭乗機が逃げるシーンを入れないで撃墜されるシーンを入れれば良かったですね。
そうすれば普通に完結できたはずですし。
ユリがいきなり戦死して「戦いは続く!!」(終わり)とかひどすぎます。

No title

すいません。間違えました。
せっかくララーシュタインが親征してたんだから搭乗機が逃げるシーンを入れないで撃墜されるシーンを入れれば良かったですね。
そうすれば普通に完結できたはずですし。
愛がいきなり戦死して「戦いは続く!!」(終わり)とかひどすぎます。

Re: No title

訂正ありがとうございます。

確かにラスボスじゃなくて、善玉、それもヒロインが死んで「おわり」はないですよね。

三つ子の魂、百までも

作品は未見ですが健一役は内海敏彦ですね。
「レオ」レビューで触れたように二年後の「あらいぐまラスカル」で
冨永みーなと声優として共演しますがオイルショックが招いた奇縁?

>愛「9つ…強い男の子になるのよ、例え一人ぼっちになってもメソメソしないで…」
>健一「いやだよ、そんなこと言わないでーっ!」
冨永みーなは既に百子さんから厳しくも正しい教育的指導を受けていた訳で
両者の差が「ラスカル」ではっきりと出てくるのでした。
世界名作劇場(に限らずアニメ作品)は男の子も大人の女性が声を当てる事が
多い中、「ラスカル」はアニメキャラと同年齢の子役を採用しており、
それだけリアルな子共描写を追求していました。主人公は最後までボンボン。

Re: 三つ子の魂、百までも

「ラスカル」は、ネタとしては良く見ますけど、実際にアニメを見たことはないですね。

対照的

他の方が仰る通りヒロイン(愛)が死んで悪の組織の親玉(ララー)がそのまま生き残るのは小生も納得いかないですね😅対時するのではなく退散するならまだ理解出来るのですがね😑

Re: 対照的

後味悪いですね。

内海敏彦さん

内海敏彦さんは俳優としては『少年探偵団』にオウム役としてレギュラー出演されています。

Re: 内海敏彦さん

当時としてはかなり上手いですよね。

喋るのは上手いのですが

オウム少年は七色の声色を操る特技がある事になっていますが
能力を駆使する場面は大人の声優が代替わりしていたので
どうにも、口ばかり達者なガキンチョのイメージが…。

https://anime.eiga.com/news/115940/

45周年で「ラスカル」無料配信していますが
脚本の細部を検証できる視聴者なら初回を観ただけで
少年と動物の美しき友情物語などでは全く無いのが解ります。
最終回の回想では自分に都合の悪い事は都合よく忘却しており
主人公の成長を描くつもりが脚本家には全く無かったのが解る。
それで「僕はこの一年で逞しく成った」と自画自賛して去って行く…。

Re: 喋るのは上手いのですが

> 45周年で「ラスカル」無料配信していますが
> 脚本の細部を検証できる視聴者なら初回を観ただけで
> 少年と動物の美しき友情物語などでは全く無いのが解ります。

そうなんですか。例によって全然見たことないですね。

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