第16話「時限爆弾装置の解除キーを探せ!?~銭形零探偵団VS怪人六面相事件」(2005年1月16日)
冒頭、およそ刑事部屋に見えない刑事部屋でいつものようにダラダラ過ごしている五代と柴田。
ちなみに14話から、すなわちセカンドシリーズから零の相棒は高村一平から五代潤(山下真司)に交替している。
そこへ突然うなぎ屋の出前持ちが入ってきて、大きさの違う二つのうな重を置いて行く。「十面相シリーズ」定番のオープニングである。
柴田「零ちゃんじゃないですか」
五代「あいつが俺たちに?」
五代も柴田も、十面相からの挑戦状を受けるのは初めてなので、全く怪しまない。

で、小さなうな重の箱の中には、何故か腕時計が入っていた。ちょうど腕時計をなくしていた五代、喜んでそれを嵌める。
五代「銭形からのサプライズ(プレゼント)ですよ」
その直後、零がやってくる。
無論、零はそんなものを頼んだ覚えはない。
果たして、大きな箱の中に十面相からの挑戦状テープが入っていた。
前回までに4つの変装を見破られているので(10-4で)、現在は六面相と名乗っている。
テープの中で、六面相はその腕時計は半径2キロを吹き飛ばす時限爆弾だと告げ、解除キーが欲しかったら、零が通っていた小学校まで来いと、今までとは少し趣の異なる挑戦を叩き付ける。

とにかく零と五代は、青葉台学園初等部へ向かう。
で、いつものように彼らを待っていたのはボームズと銀田一と言う、バッタモンの自称・名探偵たちであった。
零「あなたたちのところにも挑戦状が?」
ボームズ「イエス、時限爆弾の解除キーを見付けに来ました」
十面相シリーズは次の「雷」まで続くのだが、金剛地さんと二朗さんによる、この迷探偵コンビは今回が最後となる。

銀田一「ほうら、あなたは(名探偵の)勘定に入っていないんです」
五代「うるさい!」
しつこく馬鹿にする銀田一に五代が声を荒げる。思わず固まる銀田一。

五代「警察をなめんじゃねえぞ、お前……」
銀田一「……好き!」
何故か、五代の厚い胸板に飛び込もうとする銀田一。
例によって二朗さんのアドリブだったのか、山下真司さんがつい笑ってしまっているのがお分かり頂けるだろうか?(政宗一成風)

ボームズ「銭形さん、時限爆弾、何処?」
零「これです。恥ずかしながらこの五代巡査部長が怪人六面相から送られてきたこの腕時計を時限爆弾だと知らずに嵌めてしまって」
銀田一「そんな間抜けがいるのか、警察に!」
零「ええ、そうなんです」
五代の周りをくるくる回りながら、大袈裟に驚いてみせる銀田一たち。

銀田一「しかし、考えようによってはチャンスかもしれません。警察を助けたとなれば我々も汚名返上が出来ます」
ボームズ「なるほど、タッグを組んで名探偵の手柄を立てるのだ」
銀田一「前が見えないっ!」 案の定、二朗さんのやりたい放題が始まる。

そんな彼らの前に現れたのは、校長の依田であった。
依田は、「ヨーダ」に通じるものがあるが、これって「スケバン刑事3」の依田先生と同じ発想だよね。

依田「あの、すんません」
零「あーっ校長先生!」
依田「銭形君!」
依田を演じるのは白木みのるさん。
「ケータイ刑事シリーズ」のゲスト出演者の中ではかなりの大物と言えよう。……零より小さいけど。
ボームズと銀田一は、依田を見るなり六面相の変装ではないかと疑う。

銀田一「あ、あのね、僕、聞いてくれ、いいか? 六面相はね、いつもね、関係者のふりをしてね、いつも我々のそばに現れる、知ってるか、僕?」
依田「知らん」
銀田一「だから、あんたの化けの皮剥がしてやるーっ」
依田「なにすんねなっ! こらーっ、そんなこと言うてる自分だって変装してる疑いがあるじゃないか」
などとやっていると、時限爆弾のタイマーが30分からカウントダウンを始め、ついで、校内放送のスピーカーから六面相の声が響く。
六面相「ふぁーっふぁっふぁっ、諸君、ゲームのスタートだ、日本にある秘宝、りの三宝、ろの三宝、るの三宝にちなんで三問の難題を出題する。全問正解すれば解除キーのありかに辿り着ける。まずは理科室へ行け!」 零たちはとりあえず理科室へ向かう。
一応、最初は「りの三宝」=「理科室」と、ちなんでいるが、二問目と三問目は「ろ」にも「る」にもちなんでないような気がするのである(後述)。
さて、理科室の黒板には大きく1939と言う文字が書かれていて、それが問題らしい。

五代「依田さん、あんた校長先生でしょ、校長だったら答え分かるでしょ?」
依田「いや、私にそんなこと言われても……わからん」
銀田一「この、
てなもんやがっ!」
零「六面相は全問正解すれば解除キーのありかに辿り着けるって言ってましたよね、てことは、答えは場所を表しているんです!」

そのうち、零が左右に分かれる黒板の下に、複雑な数式が隠されていることに気付く。
それを見た途端、五代たちはめまいを起こしてリタイヤする。
依田「見なかったことにしましょ……」
零、スパコン並みの演算能力でその数式を解いて行く。
その間に、
・ボームズ説 1939は、「一休さんにキュー!」と言う意味である。
つまり、坊主のいそうな茶室へ行けと言うこと。
・五代説 福島県の地図が落ちてきて、5本の矢が飛んでくる。
五代「福島県、弓が5本……福島弓子、イチローが最高安打の記録を出した時に、これは妻の弓子と愛犬のイッキュウのお陰だと言ってたじゃないか、1939(イッキュウサンキュウ)、つまりイチローの背番号は?」
ボームズ「51だ」
五代「そう、5階の1号教室です!」
などと、支離滅裂な推理を立てるダメな大人探偵たちであった。
五代の前に落ちてくる地図と、飛んでくる矢、誰の仕業だったの?
正直、今回の謎解きは解釈に無理があり過ぎて、視聴者すら付いていけないレベルになっているような気がする。
零「そんな教室はありません。行きますよ」 少女探偵・零はあっさり彼ら苦心の推理を否定し、さっさと答えの場所へ向かう。
そこは、創立者の銅像の立っているところだった。
零「青葉台学園初等部の創立は1939年、この銅像は今年創立66周年を迎えた記念として作られたものなんです」
五代「さっきの黒板の計算式の答えは?」
零「66でした」
依田「さすが銭形君、大正解だ」

五代「はいはい先生、俺も正解です、ここは1階でしょ、で、ここは廊下、だから、イッチロ、イッチロ……」
1階部分と廊下の間をピョンピョン飛び跳ねる五代。
最初見た時は、意味が全く分からなかったのだが、「1階」=イチ、「廊下」=ロウで、イチローだと言うことを言いたかったらしい。
いくら負けず嫌いのこじつけにしても、さすがにこれは意味不明で、ボツにすべきだったと思う。

さすがに他のメンバーも呆れ、銀田一、五代を画面外へ突き飛ばす。
銀田一「もういい、外でフリスビーでもしてろ!」 で、問題の銅像の耳には、パンの耳がぶら下がっていた。これが2問目らしい。

零「これが問題?」
五代「これは銅像だよ。どうぞー、食って……」

五代のあまりにくだらないダジャレに、銀田一たちがやる気をなくす。
銀田一「なんかおい、ちょっと待ってくれよ、おい誰か来てくれよ、ほんとに疲れたよ、胃が痛いよ、吐きそうだ、今日何回目だ、そういうの?」 早口でぼやいていた銀田一だったが、急に「あっあっーっ」と奇声を発する。
銀田一「途轍もないことに気付いてしまった。六面相の声が響いていたということは」
ボームズ「そうか、放送室かも知れない」
零「いるわけないじゃないですか、バレバレですよ」
零は否定するが、おじさんたちの懸命の訴えに折れて、とにかく放送室へ行って見ることにする。

初めて自分の意見が採用されて、小躍りしながら放送室へ走る銀田一。
……ここまでくると、もう金田一耕助のパロディでもなんでもないな。
無論、そんなところに六面相はおらず、録音テープが自動で回っているだけだった。
銀田一「あ゛あ゛ーっ」

零「だから言ったじゃないですか、子供騙しもいいところ」
銀田一「じゃもう何も言わない……」
すっかり拗ねてしまった銀田一。
今度は、ボームズが「パンは何から作られる? イースト菌から作られる、イーストは東、耳は端、東端の教室です」と強引な推理を披露する。
一方で五代は「パンといえば調理実習、調理実習と言えば家庭科教室だ」と雑な推理をする。
結局、零の「銅像の耳にパンの耳、耳を使う場所といえば、音楽室!」と言う、二人と大して変わらない推理によって、2問目の答えが音楽室だと判明する。

依田「正解、よく出来ました」
零「はいっ」
敬礼する零が可愛いのである!
だが、今度は肝心の問題が見付からない。
唯一、水戸納豆が置いてあるだけで、彼らは困惑するばかり。
そのうち時限爆弾のタイマーが残り僅かとなっていく。

五代「8分を切った」
銀田一「ねえ、ねえ、ボームズ君、一緒……ふたりで逃げよう」
ボームズ「ナイスアイディア」
銀田一「あ、でも……」
零「良いですよ、校長先生も行って下さい」
依田「そんなぁ~」
ボームズ「じゃ、心苦しいけどね」
普通のサスペンスドラマならありえないことだが、大人たちは子供の零を置いてさっさと逃げようとする。

五代「待ちたまえ、ここから半径2キロの圏外へ脱出するには時速15キロで走らなければ無理だ。残念だが君たち、諦めるしかないな」
そう言ってみんなを引き止める五代を、じっと見詰める零。
銀田一「ようし、こうなったら、銭形零さんと一緒に戦うよ!」
納豆の意味する場所が分からず四苦八苦する五代たちであったが、

時間ギリギリに、零が「水戸納豆」→「水戸黄門」→「校門」と言う、「結局ダジャレじゃねえか」式推理で答えが校門だと突き止める。
五代「10秒前……」
零「チケット? ……謎は解けたよ、ワトソン君!」
カウントダウンに右往左往する大人たちを横目に、笑顔でいつもの台詞を放つ零。
果たして、カウントダウンが終わっても、時計は爆発せず、代わりにタイマーが120分に再セットされる。

ボームズ「どういうことなのだ?」
零「このチケットを使って水戸まで2時間、爆弾のキーは水戸にあるってことじゃないですか」
銀田一「急ぎましょう」
五代「待て、危険すぎる、俺ひとりで行く!」
いつになく颯爽と歩き出す五代であったが……
以下ネタバレあり 零のお仕置きは、意外にもその五代に向けられる。
零「あなたが怪人六面相ですね」
五代「おい、銭形、何を言ってんだ。この時計が警視庁に届けられた時、お前と俺は一緒にいたじゃないか。いつすり替わるってんだ?」
零「あなたは最初から五代さんに変装していたんです。その腕時計をつける前、出前持ちが来る前に」
五代「俺が六面相とすり替わったって言うんなら、あのうなぎ屋は誰なんだ?」

零「五代さん」
見れば、出前持ちを捕まえている本物の五代、そして柴田が立っていた。

依田「ああっ」
ボームズ「そっくり!」
二朗さん、完全にカツラを脱いでしまっている。
五代(本物)「共犯者は逮捕した」

零「それから、るの秘宝も警察が確保しました。残念でしたね」
五代(ニセモノ)「くそーっ」

銀田一(と言うか二朗さん)「どうなってるんだろう?」
零「怪人六面相の目的は私たちを小学校から出さないこと、その30分の間に、小学校の裏手の美術館にある、るの三宝を盗み出そうとしていたんです」
五代(ニセモノ)「ふん、ばれてたのか」
その後、いつものパターンを繰り返した挙句、六面相がその正体を現わし、屋上に飛び上がる。

六面相「ふぁーっふぁっふぁっふぁっ、何故私が五代ではなく六面相だと分かった?」
零「教えません、企業秘密です」
六面相「ドけちめーっ!」
六面相、高笑いを空に響かせてから、いつものように消え去ってしまう。
ちなみに、今回はひとつ(五代)しか変装を使ってないので、次の「雷」24話では、五面相として登場することになる。

事件の後、二人で話しながら帰っている零と五代。
五代に、何故、変装を見破ったかと聞かれ、
零「時速15キロじゃ無理だなんて、本物の五代さんがそんな速く計算できる訳ないじゃないですか」
五代「ちょっと待ちなさいよ、あなた、僕のこと馬鹿にしてません?」
零「でも、やっぱり五代さんがいないと、私たちは名コンビですから……五代さん、誕生日おめでとうございます!」
零、今日が五代の誕生日だとちゃんと知っていたのだ。
すっかり上機嫌になった五代、零にうなぎを奢ってやると言い出すのであった。
おまけ 
14話より、1月2日の放送と言うことで、着物姿を披露している零が可愛いのであった。
横のでかい顔は、巫女に扮した二朗さんね。夏帆ちゃんの3倍くらいあるぞ。