fc2ブログ

記事一覧

「ウルトラマンタロウ」 第22話「子連れ怪獣の怒り!」



 第22話「子連れ怪獣の怒り!」(1973年8月31日)

 「タロウ」では、怪獣を一個のキャラクターとして捉え、人間やタロウとの間に生じるドラマをしっかり描くエピソードが多いのだが、これはその典型的な一本である。

 PDVD_000.jpg
 冒頭、軽井沢の教会で結婚式を挙げたばかりのカップル。

 藤波隆夫と優子(中田喜子)である。

 そこへ花束を持って駆けつけたのが、我らが光太郎であった。

 藤波「紹介しよう、俺、俺の、その……」
 光太郎「照れるなよ、こないだ会った時は優子さんのノロケばかり聞かせやがったくせに」

 藤波は披露宴に出てくれるよう頼むが、光太郎は連れを伊香保に待たせてあるからと遠慮して、近いうちの再会を約して別れる。

 PDVD_001.jpg
 光太郎が「ここにいるよ」と、ホテルのパンフレットを出して見せるのだが、カメラはそれをしっかり映し出す。非常に分かりやすいタイアップである。

 PDVD_002.jpg
 光太郎の連れと言うのは、無論、健一とさおりタンであった。

 さおり「まぁ、軽井沢の教会で式を挙げるなんて!!」

 光太郎の話を聞いて、うら若き乙女らしくうっとりと目を輝かせるさおりさん。

 光太郎「藤波ってのは良い奴さ、ただ……ひとつだけ俺と趣味が合わないんだなぁ」

 光太郎によると、藤波は狩猟が趣味らしいのだ。

 PDVD_003.jpg
 さおり「じゃあ、うさぎや小鳥を撃ち殺すんでしょ、なんだかやぁねえ」

 心優しいさおりは、そう聞いて顔をしかめる。

 ああ、かわええ……

 PDVD_004.jpg
 新妻の優子も、鹿の首とか、直立したタヌキとか、キジなどの剥製が所狭しと壁に飾られた夫のコレクションルームに初めて足を踏み入れ、さおりさんと同じような表情になる。

 優子「これ、あなたがみんな撃ったの?」
 藤波「そうだよ、今にアフリカに行ってライオン狩りをするのが僕の夢なんだ」

 いささか不自然だが、優子は今まで結婚した相手がそんな血腥い趣味を持っていることを知らなかったらしい。

 夫に猟銃を顔に向けられて、優子は「やめて!! 怖いわ」と引き攣った笑いを浮かべる。

 PDVD_005.jpg
 翌日、二人は浅間山に登るが、早くもその背後に巨大な怪獣の尻尾が映り込む。

 優子「隆夫さん!!」
 藤波「優子、逃げるんだ!!」

 二人もすぐ気付いて凸凹した岩の上を歩いて逃げようとするが、優子は足を滑らせて谷底へ転落する……

 藤波は駐在所から光太郎のいるホテルへ電話をかけ、助けを求める。

 PDVD_007.jpg
 藤波によると、谷底には優子の姿が見えず、かぶっていた白い帽子が落ちているだけだったと言う。

 藤波「優子は怪獣に食われたんだ!!」
 光太郎「しかし、優子さんが死んだって証拠はないんだ」
 藤波「他に考えられるか? 優子が消えてなくなったわけが?」

 やがて藤波のハンター仲間二人が駆けつけ、光太郎を含めて四人で優子の捜索を行う。

 藤波は、優子が既に怪獣に殺されたものとして、その仇を討つつもりであった。

 だが、単独行動を取っていた光太郎、硫黄の噴き出す険しい谷間で、カンガルー怪獣パンドラ、そして生きている優子を発見する。

 PDVD_008.jpg
 優子「撃たないで!!」
 光太郎「優子さん!!」
 優子「この怪獣は大人しいの、なんにもしなければ乱暴はしないわ」

 PDVD_009.jpg
 優子「パンドラ、この人は私の知りあいよ、あっちへお行き」

 優子の言葉が分かるのか、パンドラは素直にすみかにしている穴の中へ引っ込んでしまう。

 PDVD_010.jpg
 光太郎「無事だったんですね」
 優子「あの怪獣に助けられたの」

 優子、その時の模様を光太郎に話す。

 PDVD_011.jpg
 パンドラは、優子を転落現場からここまで運び、子供のチンペと共に薬草や温泉で彼女の傷を治してくれたのだと言う。

 優子「お陰でどうにか歩けるようになったの」
 光太郎「ふうん、優しい怪獣もいるんだな」

 パンドラ(♀)は、カンガルーのような袋を持っていて、小さなチンペはその中に入って母親とじゃれあったりするのであった。そんな光景を見て、光太郎もほのぼのした気持ちになる。

 だが、その後、樹木を引き抜いて食べていたパンドラを、藤波たち闘魂三銃士が偶然見掛け、優子を殺したのだと決め付けて発砲する。パンドラは尻尾に重傷を負い、黄色い血を垂らしつつすみかに逃げ帰る。

 PDVD_013.jpg
 温泉に傷付いた尻尾を漬けているパンドラの図。

 光太郎「怪我をしたらしい……パンドラ、尻尾をこっちへ寄越すんだ!!」

 パンドラは素直に指示に従い、巨大な尻尾を光太郎たちの前に投げ出す。

 PDVD_015.jpg
 優子「どうするの?」
 光太郎「この傷は薬湯くらいじゃ治らない、弾を抜き取るんだ」

 光太郎はナイフを傷口に刺し込み、なんとか銃弾を摘出する。

 PDVD_016.jpg
 光太郎、優子を連れて藤波たちのところへ戻ろうとするが、優子は従おうとしない。

 優子「パンドラは私の命の恩人です。私もあんなパンドラを見捨てて帰れません」

 優子は、パンドラの傷が完全に癒えるまでパンドラのそばについていてやりたいと、光太郎に訴える。

 PDVD_017.jpg
 光太郎は包み隠さずそのことを藤波たちに伝えるが、あくまで怪獣を殺そうとする彼らは光太郎を木に縛り付けた上で、銃を構えて怪獣のすみかへと向かう。

 藤波たちはチンペを見付けると、携帯していたクマ用の罠を仕掛けて、チンペをその場から動けなくする。

 そして、大きな岩を崖の上から落とし、パンドラの尻尾の上に落としてパンドラの身動きを封じる。

 藤波「愛する者を奪われた悲しみを、お前も味わえ!!」

 自分を悲劇の主人公だと思い込んでいる藤波は血走った目を光らせると、

 PDVD_018.jpg
 罠に掛かった無防備なチンペに狙いを定め、容赦なく引き金を引く。

 PDVD_019.jpg
 頭にぽっかり穴が開き、その場に倒れるチンペ。

 こういうシーンを逃げずに描いているのはえらい。

 PDVD_021.jpg
 目の前で子供を撃ち殺されたパンドラは、激しい怒りと悲しみにのたうちまわり、目から血の涙を流す。

 PDVD_022.jpg
 そこへ死んだ筈の優子が現れる。

 優子「チンペ!!」
 藤波「優子、助けに来たぞ」
 優子「隆夫さん、あなたね、こんなことをしたのは……あなたってむごい人ね!!」

 彼らが言い争っているうちに、パンドラは巨大な岩を抱え上げて自由になると、口から炎を吹き出して襲い掛かってくる。

 哀れにも、藤波の二人の仲間は炎に焼かれて死んでしまう。

 ある意味、今回一番かわいそうなのは、この二人ではなかろうか?

 怒りに見境をなくしたパンドラは、優子の必死の叫びも届かず、人間たちを皆殺しにしようとする。

 やがて、光太郎が追いついて来て、パンドラの目に目潰しを撃って、二人を後退させる。光太郎はやむなく、ZATに出動を要請する。

 PDVD_023.jpg
 森山いずみ「副隊長、東隊員です!!」

 ここでやっと、愛しの森山いずみ隊員が登場。

 ああ、かわええ……

 荒垣「東かぁ、どうだ、伊香保の湯に浸かった気分は? なにぃ、それどころじゃない? 怪獣?」

 荒垣は直ちにホエールで現地へ飛ぶ。

 その後、いろいろあって光太郎はタロウに変身し、パンドラをボコボコにする。

 優子「タロウ、パンドラは良い怪獣なのよ、お願い、殺さないでーっ!!」

 戦いを見守っていた優子が叫ぶ。

 タロウは、ウルトラ戦士の中でもとりわけリクエストに応じやすいキャラなので、気さくに頷き、

 PDVD_026.jpg
 キングブレスレットからリライブ光線を放ち、チンペを生き返らせ、パンドラの傷も癒す。

 ついでに藤波の仲間も生き返らせてやれよ……

 タロウは、再会を喜ぶ親子怪獣に指図して、すみかである穴に帰らせる。

 続いてタロウ、上空を飛んでいたホエールの森山隊員に指で合図する。

 PDVD_027.jpg
 森山隊員も心得たもので、無言でミサイルの引き金を引いて、すみかの入り口を崩落させ、パンドラが再び人間世界に迷い出さないよう、封じ込める。

 ……餌とか大丈夫なの? と心配になるが、ナレーターが「地底の怪獣の世界へ帰って行った」と言っているので、その中だけで暮らして行けるのだろう。

 PDVD_028.jpg
 優子「タロウ、ありがとう!!」

 全て丸く収めて空へ飛び立つタロウに、手を振る優子。

 PDVD_029.jpg
 事件解決後、ボート遊びをしていた藤波夫妻であったが、藤波は湖の真ん中に来ると、エンジンを止める。

 優子「どうしたの?」
 藤波「俺は今日限り、猟をやめるよ……罪のない動物や怪獣を殺すなんて人間の思い上がりさっ……それがやっと分かったんだ」

 藤波はそう言うと、愛用の猟銃を惜しげもなく湖に投げ捨てるのだった。

 PDVD_030.jpg
 優子「隆夫さん……」

 改心してくれた夫に、優子はやっと心からの笑顔を見せるのだった。

 PDVD_031.jpg
 ラスト、ZATとさおり、健一たちが勢揃いして、浅間の雄大な自然を見下ろしつつ、爽やかに幕となる。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

Re[1]:「ウルトラマンタロウ」 第22話「子連れ怪獣の怒り!」(08/17)  

てつお様
コメントありがとうございます。

>全体的に明るいイメージのタロウですが、結構きつい人間描写のお話もたびたびありますよね。

そうですね。11話とか15話とかも。

Re:「ウルトラマンタロウ」 第22話「子連れ怪獣の怒り!」(08/17)  

人間=善 怪獣=悪と単純に割り切れないのがこの作品ではないでしょうか?何だかセブンのノンマルトや帰マンの怪獣少年と重なるのは
決して私だけではないと思います。あの場で子供を殺したのだから
親に焼き殺されても、文句言えないと思いますね〜

Re:「ウルトラマンタロウ」 第22話「子連れ怪獣の怒り!」(08/17)  

中田喜子さん素敵です。これは「仮面ライダー」の後ですね。

チンペが生き返り、夫は回心し(仲間の二人以外は)ハッピーエンドなのが
「タロウ」ならではですね。
これが前作「エース」だったら、バッドエンドかも?

Re[1]:「ウルトラマンタロウ」 第22話「子連れ怪獣の怒り!」(08/17)  

ふて猫様
コメントありがとうございます。

>決して私だけではないと思います。あの場で子供を殺したのだから
>親に焼き殺されても、文句言えないと思いますね〜

でも、子供を撃った藤波だけ助かってるのは、なんか釈然としませんが。

Re[1]:「ウルトラマンタロウ」 第22話「子連れ怪獣の怒り!」(08/17)  

影の王子様
>チンペが生き返り、夫は回心し(仲間の二人以外は)ハッピーエンドなのが
>「タロウ」ならではですね。

しかし、タロウが「リライブ光線」を使うと、なんでもありの世界になっちゃいますね。

えっ、20話に続いてまた親子(怪獣)ネタ?  

 …と、本放送当時(←俺の始まりってこればっか)同級と「ほかにネタ無いのかなぁ」なんて大人ぶっていたことを思い出すパンドラ・チンペ編でした。

 藤波役の佐久間 亮は、この年(1973年)に「魔人ハンターミツルギ」で主役の一人・彗星を演じていました。あ、「宇宙猿人ゴリ」の7・8話にもゲスト主役してたっけ…。

 管理人にとって、男優の履歴はどうでもいいですよね。

Re:えっ、20話に続いてまた親子(怪獣)ネタ?(08/17)  

うんにゅるりん様
> 藤波役の佐久間 亮は、この年(1973年)に「魔人ハンターミツルギ」で主役の一人・彗星を演じていました。あ、「宇宙猿人ゴリ」の7・8話にもゲスト主役してたっけ…。

> 管理人にとって、男優の履歴はどうでもいいですよね。

どうでもいいことはないです。参考になります。どっちの作品も見たことがないけど。見たい!

Re:「ウルトラマンタロウ」 第22話「子連れ怪獣の怒り!」(08/17)  

タロウには死んだ者を甦らせる技(リライブ光線)があったのですね😅藤波もいっその事痛い目にあった方が良かったのではないのでしょうか?

Re[1]:「ウルトラマンタロウ」 第22話「子連れ怪獣の怒り!」(08/17)  

ふて猫様
>藤波もいっその事痛い目にあった方が良かったのではないのでしょうか?

確かに、ハンター仲間だけ殺されてるのは不公平な気もします。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

カテゴリー

カレンダー

12 | 2023/01 | 02
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

FC2カウンター