「科学戦隊ダイナマン」 第8話「悪の花 王女キメラ」

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　第8話「悪の花　王女キメラ」（1983年3月26日）

　冒頭、カー将軍が貴重な人喰い花の種を持って、帝王アトンの前に現れる。

　
　メギド「人を喰う伝説の花！」
　カー「メギド王子、時は春、これを咲かせるのがあなたの役目ですぞ」
　アトン「メギド、見事咲かせて見せろ、人間どもを食い尽くしてやるのだ」

　地上の花壇では、美しい花々が満開であった。

　広大な花壇や温室の中の花をひとりで世話しているのは、やよいと言う女の子。

　
　レイ「わぁー、綺麗ねー」
　耕作「うん、みんなやよいちゃんが育てたんだ。まだ小学生だけどね、花作りの天才なんだよ」

　今では夫婦のレイと耕作が犬を連れてやってきて、咲きこぼれる花に嘆声を上げる。

　
　耕作「近所の人たちはここを花やしきと呼んでるんだ。街の人たちみんなを楽しませる花園なのさ」
　レイ（聞いてない）

　今では夫婦のレイと耕作のツーショット。

　
　レイ「うわー、可愛い、あ、蝶々！　もう春なのね～」
　耕作「春だなぁ」

　花びらにとまる蝶を見て、ますます心躍るレイであったが、その蝶がとまった花が突然煙を吐いて枯れると言う異変が起こる。

　
　レイ＆耕作「ああっ？」

　今では夫婦のレイと耕作が揃って驚きの声を放つ。

　が、彼らが連れているワンコは悟り澄ましたような顔で落ち着き払っている（そりゃそうだワン）。

　同じような蝶がたくさん羽ばたいて、やよいが丹精込めて育てた花はひとつ残らずしぼんでしまう。

　
　すかさず、今回の進化獣チョウシンカが登場。
　チョウシンカ「進化獣、チョウシンカ！」

　折角こんなコンセプトの怪人なのに、声はいつもと同じ野太いおっさんの声なのがちょっと悲しい。

　ここはやっぱりキンキン声の女性に演じて欲しかったところだ。

　
　進化獣を見て、やよいは即座に気絶する。

　二人は進化獣やシッポ兵に追われ、岩場に移動する。

　
　レイ＆耕作「ダイナマン！」

　今では夫婦となった（しつこいですか？）レイと耕作、ダイナマンに変身する。

　4話で夢野博士が「ダイナマンの正体は絶対秘密じゃけんのう」と言い切っていたことは、綺麗さっぱり忘れられているようだが、これは10話からの「25分枠」への短縮が影響しているのかも知れない。夢野ルールを遵守していると、敵の前で変身できないと言う煩わしさが生じて、ストーリー展開がもたついて、時間が足りなくなるおそれがあるからね。

　他の三人も駆けつけ、しばらくの間、バトルの時間となる。

　その後、メギド王子とチョウシンカたちは、人気のない山の中に人喰い花の種を植え、悪魔の蝶が集めてきた花の蜜をチョウシンカが花のエキスに変え、それを肥料として与える。

　アトンは、もっとたくさんの花の蜜を集めて、一刻も早く人喰い花を咲かせろとメギドの尻を叩く。

　悪魔の蝶は花の咲いているところなら何処だろうと現れ、次々と蜜を吸っては花を枯らして行った。遂には、夢野発明センターの鉢植えにまで群がる始末。

　が、北斗は、耕作の品種改良した香りの強い花を使って、悪魔の蝶を一網打尽にする計略を立てる。

　
　花壇の真ん中に置かれたボックスに、次々と悪魔の蝶が吸い寄せられて、それっきり出てこない。

　メギド「チョウシンカ、これは一体どういうことだ？」
　チョウシンカ「さあ、判りません」

　ボックスの前で右往左往するメギドたちの周囲に五色の爆発が起き、変身済みの5人がやってくる。

　
　レッド「メギド、まんまと罠に掛かったな」
　メギド「罠っ？」

　
　レッド「あの箱の中には悪魔の蝶が好きなとても香りの良い花が入っているのだ」
　メギド「おのれー、覚えていろ！」

　退却したメギドは、パパからこっぴどく叱られる。

　
　アトン「花のエキスさえ集めることが出来んのかっ」
　メギド「ううーっ」

　驚く時も退く時も悔しがる時も、どんな時も全力のメギド王子が、私は大好きです

　その時、広間に雷鳴が轟き、仕掛け花火が吹き上がる。

　
　闇に真っ赤なシルエットが浮かび上がり、やがて甲冑をまとったうら若き女の姿になる。

　
　そう、全国の男性特撮ファンを悶絶させたクールビューティー・王女キメラ（香野麻里）である！

　
　カー「王女！」
　メギド「キメラ！」

　
　キメラ「人喰い花なら私が咲かせましょう」
　メギド「なにぃっ！」

　……さすがにちょっと鬱陶しいぞ、メギド王子。

　キメラ「9本シッポの帝王アトン様、おひさしゅうございます」
　アトン「うんー、よく参ったな、キメラ」

　可愛い姪のキメラを前にしてはアトンの態度も自然と物柔らかになる。

　
　キメラ「出来の悪い息子を持って、苦労なさってるようだから見るに見かねて飛んで参りました」

　地底にはジャシンカ帝国の居住区があり、キメラは普段はそこで暮らしているのだろう。

　それにしても、いくら事実だからと言って「出来の悪い息子」は失礼過ぎる言い草だろう。
　もっとも、アトンは全く気にする素振りを見せない。

　メギド「黙れーっ！　女の癖に、なんと言う無礼な！」

　
　キメラ「あーら！」

　
　キメラ「私はあなたの従姉妹、私の母上はアトン様の妹よ、それに私だってあなたと同じ4本シッポよ」

　自分の鼻を人差し指で押さえ、それからメギドの鼻をちょんと突付く。

　
　キメラ「ほーら、ようくご覧遊ばせ！」

　そう言って、黒いタイツに包まれたお尻を振り振りしながら、男性とは異なる形状のシッポをアピールするキメラ。

　メギド「ぐむむ……」
　目の前でそんなものを見せ付けられて、色んな意味で悶えるメギド王子。まだまだ若い。

　
　キメラ「カー将軍、私にチョウシンカを貸して下さいませんか？」
　メギド「なんだとぉっ！」
　カー「さすがは帝王アトン様のお血筋、じゃじゃ馬ぶり見所がありますなぁ」

　カー将軍の口添えもあり、アトンはキメラに作戦の指揮を取らせることを許可する。

　いやー、しかし、むさ苦しい男所帯に肌もあらわな可愛い女の子が加わって、スタッフの士気も上がったことだろう。無論、レビューしている私のテンションも上がる上がる。

　北斗たちは、みんなで協力してやよいの花壇の再生に取り組んでいた。

　
　耕作「花が枯れても根がしっかりしてればまた花が咲くさ……ほら、花の種あげよう」
　やよい「ありがとう」

　耕作に励まされて、涙で顔を濡らしていたやよいもやっと笑顔を取り戻す。

　その時、彼らの周囲で爆発が起き、キメラ（男のスタントだけど）がくるくる回転しながら登場。

　
　北斗「何者だ？」
　キメラ「王女キメラ！　有尾人一族の帝王アトンの血を引く者よ」

　
　北斗「なにぃっ！」
　竜（こんな色っぽいねーちゃんと）
　洋介（毎回戦えるのか？）

　ダイナマンの男性陣も、思わずガッツポーズをしそうになる。

　
　そこへチョウシンカも現れ、何故かやよいを抱き上げる。
　やよい「お姉ちゃん、助けてーっ」

　5人は浜辺へ移動し、キメラの繰り出す攻撃をかわす。

　キメラ「お前たち、タダモノじゃないわね？」
　この段階では、まだジャシンカもダイナマンの正体をはっきりとは把握していないのだ。

　5人はひとりずつ、誇らしげに「弾北斗、ダイナレッド！」と自己紹介していく。

　
　レイ「紅一点！」（自分で言うなよ……）

　
　レイ「立花レイ、ダイナピンクよ！」

　5人はその場でダイナマンに変身する。

　
　キメラ「ダイナマン、こんなところで会えるとは光栄ね」

　キメラの背後にはメギドと親衛隊の二人もいて、キメラの戦いぶりを覗いていた。

　キメラは初登場インフレもあってめちゃくちゃ強く、ダイナマンを翻弄し、まんまとやよいを連れ去る。

　
　やよいはジープで運ばれる途中、耕作から貰った花の種の袋をわざと落として、自分の居場所をレイたちに知らせようとする。
　やよい（もうこれで終わりだわ……）

　
　人喰い花のところまで来て、ジープから飛び降りるキメラ。

　キメラの尻肉が躍動する様をしっかり捉えた貴重なショットである。

　黒いレオタードのようなものの上に鎧を被っているキメラのコスチューム、エロいです。

　キメラ「出てきなさいな、男がこっそり隠れているなんてみっともいい姿ではなくてよ！」
　キメラ、とっくにメギドたちに気付いており、隠れているメギドに話しかける。

　メギドも男らしくすぐ姿を見せる。

　
　キメラ「人喰い花を咲かせるところを見せてあげましょ……ほうら、もう人間を食べたくて食べたくて……」

　既にかなりの大きさに育っている人喰い花のつぼみ。

　……よく考えたら、こんな人気のない場所に植えても、意味がないのでは？

　
　そしてキメラがわざわざやよいを攫ってきた理由は、
　「花の香が染み付いたやよいの体で、人喰い花の開花を促す」と言う、いまひとつ分かりにくいものだった。

　てっきり、花を育てる天才のやよいに、人喰い花の世話をさせようと言うのかと思ったが……。

　とにかく、その効果があったのか、遂にハエトリグサのような花を咲かせる人喰い花。

　トゲの生えた巨大な口の中に、即座にやよいの体を投げ込もうとするキメラであったが、そこへダイナレッドがバイクで突っ込んでくる。やよいが落とした花の種を目印に、この場所を突き止めたのだ。

　　
　その際の混乱で、なんと、メギドの親衛隊ギーラ、キールが人喰い花に食われてしまう。

　あまりにあっけない二人の退場であったが、これも、「25分枠」に備えて少しでもキャラクターを減らしておこうと言う配慮だったと思われる。

　で、折角苦労して育てた人喰い花もあっさりダイナマンによって破壊される。

　そして戦闘シーンへ移行。

　
　今回の見所は、ブラックが「ブラック・バトルテクター」と言う、キャッチャーのプロテクターのようなものをまとうところ。

　これは、元々野球をモチーフにした作品として企画された時の名残だろうか？

　今回は、当然、キメラとダイナマンとの戦いが主に描かれる。
　妖術を駆使するキメラに、ダイナマンは相当の苦戦を強いられるが、なんとか撃退する。

　後は、やられ役のチョウシンカとのいつものルーティンをこなして事件解決。

　
　ラスト、再び見事に咲き乱れるやよいの花壇と、花の世話をする北斗たちの姿を映しつつ、幕。