第2話「緑の恐怖」(1967年10月8日)
ある夜、宇宙ステーションV3の石黒隊員の家の庭に、奇妙な鉱石が降りて来る。
翌朝、奥さんの美津子さん、それを見て、けたたましく家政婦を呼びつける。

美津子「困るわ、あんなもの庭に置いたりしちゃ」
シズ「あら、私、知りませんよ」
鉱石に近付いた美津子、靴でその表面をいきなり蹴る。

シズ「およしなさいませ! 爆発でもしたらどうなさるんです」
美津子「うっふっ」
家政婦にたしなめられて、悪戯っ子のように首を竦める美津子さんが可愛いのである!
演じるのは、まだ30代前半の中真千子さん。
その後、美津子はV3から地球に帰還する夫を迎えに車で基地へ向かう。

家政婦がしげしげと鉱石を見詰めていると、その肩をポンと叩いたものがいる。
シズ「はうっ」
郵便配達員「小包です」
シズ「ご苦労様……あ、ちょっとちょっと郵便屋さん!」
いかにも怪しげな配達員を演じるのは「スーパー1」の幽霊博士こと鈴木和夫さん。
配達員はハンコもサインも求めず、家政婦の呼びかけも無視してさっさと行ってしまう。
それは石黒隊員宛の小包だったが、差出人の名前も記されていなかった。

その頃、ホーク2号で石黒隊員が防衛軍基地へ帰還していた。
石黒隊員を演じるのは松本朝夫さん。
考えたら、松本さんも、中真千子さんも、「スーパー1」に出てるんだよね。
キリヤマ「どうだい、宇宙暮らしも少しは慣れたかい」
石黒「ああ、まあね」
フルハシ「休暇は何日もらえたんですか」
石黒「一週間だ」
アマギ「短いんですねー」
キリヤマ「そこが地球防衛軍の厳しいところさ。まぁせいぜい可愛い奥さんと地球のバカンスをエンジョイしてくれ」
この段階で、既にこの石黒隊員はワイアール星人の化けたニセモノにすりかわっていると思うのだが、ダンは何も気付かない。
その後、色々あって、ダンはポインターで石黒夫妻を自宅まで送り届けることになる。

その際、ダンもあの鉱石を目にして立ち止まる。

ダン(おかしいぞ……透視できない。待てよ、この物質はどこかで見たことがある。そうだ、チルソナイト808、確かワイアール星から産出される金属だ……何故こんなところに?)
気になるものはなんでも(アンヌのおっぱいとか)透視することにしているダン、地球に存在しないチルソナイト808を見て不審に思うが、具体的に何の行動も起こさないのが、その後のエピソードと比べると物足りない。
その夜、家政婦からあの小包を渡された美津子が、夫のところにそれを持って行く。
石黒は美津子を下がらせると、何やらコソコソした様子で部屋の外をうかがい、ドアの鍵をかける。

で、こんな顔↑で辛抱たまらん風に小包の包装紙をびりびり破るものだから、てっきり、V3から宇宙直販テレビショッピングでこっそり頼んでおいたエロDVD詰め合わせでも届いたのかと思ったが、

出て来たのは、あの鉱石を小さくしたような石が入っているだけだった。
石の中から、緑色の光が滲むように発光している。
石黒「あっはははははっ」
石黒は満足に笑うと、それを机の引き出しの中に大事そうにしまう。
その直後、苦しそうに呻いてよろめき、みるみるうちに体から植物のような毛が生え揃い、ツタの化け物のような姿に変貌すると、窓から這い出て壁を伝って路上へ降りる。

で、たまたま家の近くを通り掛かったのが、折り詰めの土産をぶら下げた典型的な酔っ払いおやじであった。
突如、ワイアール星人に迫られて目玉が飛び出さんばかりに絶叫するナイスリアクション酔っ払いを演じるのは、「怪奇大作戦」の「狂鬼人間」のキチガイ演技が素晴らしい大村千吉さん。
今回、何気にキャストが豪華なのだ。
酔っ払いはワイアール星人に液体を吹きかけられ、絶叫して倒れる。付近をパトロール中だったのか、ダンとアンヌがすぐ駆けつけ、メディカルセンターへ男を搬送する。
男は激しく悶えた末、ワイアール星人のような植物体に変化する。

アンヌ「ハッ」
驚いてのけぞるアンヌ隊員。
男は完全にワイアール星人の姿となってベッドから起き上がり、アンヌたちに向かってくる。
慌ててショックガンを構えるソガを、「撃っちゃダメ」と冷静に抑えるアンヌ。

アンヌ「ダン、パラライザー!」
ダンに向かって叫ぶアンヌ。
ダンがパラライザーを撃つのかと思いきや、

ダンの投げたパラライザーを受け取ったアンヌ自身が撃つのだった。
とても凛々しくて絵になるショットだが(ソガが邪魔)、

撃った直後、パラライザーだと分かってるのに、アマギが「何故撃ったんだ?」と詰問調で問うのがかなり間抜けである。
アンヌ「大丈夫、神経を麻痺させて動きを止めたの」
その後も、同様の事件が続発する。
タケナカ「この三日間で十数人の被害者が出ておる。しかも恐るべきことには、それらがみんな怪物化し、人間に襲い掛かるのだ。襲われたものが更に怪物化し、次の人間を襲う。このままいけば数ヵ月後には地球上の全人類が怪物化してしまう。これは明らかに人類への挑戦か侵略である」
キリヤマ「はぁ、みんな、これ以上被害は出せん。市民の夜間外出を禁止しよう」

タケナカ、訓示を垂れた後、ダンが持ち帰ったチルソナイト808を見に作戦室へ移動する。
タケナカ「なんだろう、この物質は?」
ダン「未知の金属です」
タケナカ「キリヤマ君、科学班にまわして分析だ!」
ここでのタケナカ、喋り方が我々の知るタケナカ参謀と比べて、やや素っ頓狂な感じを受けるが、制作順ではこの「緑の恐怖」がタケナカ参謀の初登場作品になるので、佐原健二さんも、まだ手探りで演じているようなところがあったのだろう。
市民が夜に出歩かなくなったので、ワイアール星人は攻撃対象を失い、やむを得ず自宅の居間にいる美津子を窓から侵入して襲おうとする。
が、パトカーのサイレンが聞こえてきたので、のたのたとその場を離れる。
そして石黒隊員の姿に戻って、何食わぬ顔で美津子の前に現れる。

家政婦がすぐ警察に電話しようとするが、何故か石黒隊員はそれを許さない。
石黒「地球防衛軍の隊員の家が襲われたなんて、物笑いになるだけだ!」

いつになく強い調子で言う夫に驚いて、その顔を見詰める美津子さん。
石黒「美津子、東京は物騒だ、明日の朝、二人で箱根の別荘へ行こう」
美津子「ええ」
お手伝いつきのでかい屋敷に別荘……地球防衛軍の隊員ってそんなに給料良いのだろうか?
キリヤマたちがチルソナイト808を調べていると、作戦室に電話がかかってくる。
でも、よく考えたら、石黒に化けたワイアール星人が、大事なチルソナイト808が防衛軍に運ばれて調べられているのに、一切気にしないと言うのも変だよね。

アンヌ「もしもし……はい」

アンヌ「ダン、あなたよ」
ダン「えっ、僕から電話?」 
ダン「うん……もしもし、はい……分かりました、すぐ伺います」
……以上、アンヌの画像を貼りたいだけのコーナーでした。
電話は、石黒家の家政婦からで、見て欲しい物があると言う。
ダンとアンヌが直ちに石黒家へ行くと、石黒が引き出しにしまった小さな鉱石を見せられる。

ダンはそれをカナヅチでガンガン打ちつけ、割ろうとする。
中には電子機器のようなものが埋め込まれていたのだが、

それと同時に、作戦室でチルソナイト808が割れて、中から本物の石黒隊員が出てくる。
これは、小さい鉱石と、大きな鉱石が連動していて、ダンが小さい鉱石を割ったので、大きな鉱石も自然と割れたと言うことなのだろうか?
ダン「発信機と電子頭脳だ!」
後編に続く。