第25話「キノコモルグを倒せ！」（1971年9月18日）
24話から続くエピソード。
最初にサクッと24話のあらすじが紹介されるのだが、その中で囚人13号を「死刑間近の……」と説明しているが、確か13号は「無期懲役」だったと思うんですが……。まぁ、いいか。
隼人が、ショッカーのアジトに連れてこられ、処刑台に縛り付けられ、天井から巨大な丸ノコが下降している緊迫のシーンから。
首領「キノコモルグよ、さぁ真っ二つに斬ってしまえ」
首領直々の処刑命令。
キノコ「イッイーッ、イッ！」
キノコモルグ、戦闘員に命じて丸ノコを下降させていたが、突然、「待て」とそれをストップさせる。
キノコ「このまま殺すのは面白くない、奴の意識を回復させて死の苦しみを舐めさせてやるのだ」
首領（オイオイオイ、何勝手なこと指示してんだよ！） 首領の心の叫びを無視して、キノコは隼人に緑色の液体を注射させ、毒の胞子にやられた隼人をわざわざ治療してやる。
隼人「くっ」
キノコ「気がついたか、これからお前の体を真っ二つに切ってやる……それもゆっくりとなぁ。俺たちは貴様が苦しみ、悲鳴を上げるのを楽しみにしているのだ」
隼人のヘルメットのひさしを掴み、ドＳ全開の恐ろしい台詞を放ち、隼人を怯えさせる。
改めてスイッチを入れさせ、丸ノコが再び回転しながら下り始める。
さすがの隼人もどうにも身動きが取れず、今までで最大のピンチを迎える。
ぎりぎりの瀬戸際になって、戦闘員に変装して近くにいた滝がさりげなく隼人の拘束を解いてから、素早くスイッチを切る。
慌てて起き上がろうとする隼人だったが、顔の前に丸ノコがあるのをうっかりして、顔面をざっくり切ってしまう。
隼人「痛い……」
……嘘である。許してくれるとは思わないが、一応謝っておく。
隼人「サンキュウ！ そのうち借りは返すぜ」
滝「堅いこと言うな、お互い様だぜぃ」
二人はひとしきり暴れまわった末、
以前に、本郷とルリ子さんが脱出した時と同じように、ビニールシートをアジトの天井に見立てて、それを突き破って脱出するのだった。
さすがにこのへなへな特撮は二度と使って欲しくなかった。
二人はトンネルの中を抜けてその向こうへ飛び出そうとするが、目に見えない壁にぶつかって跳ね返される。
滝は、ドクガンダー編の関西ノリがまだ体に染み付いているのか、必要以上に派手にひっくり返っている。
ライダー（ジャンプした時に変身した）「分かった、これは特殊な光線バリアだ」
滝「くそう、外がすぐそこに見えてて出られないなんて……」
ライダー「お前、ここへどうやって入ったんだ」
滝「奴らの車の屋根にへばりついてたんだ」
前回、ユリたちの目を誤魔化した特殊な光線バリアは、物理的な障壁の役割も果たすらしい。
追っ手が迫ってくるのを見て、ライダーは滝の肩を持ってバリアに思いっきりぶつかり、衝撃を受けながらそれを越える。
……色々と腑に落ちない点があるのだが、気にしないようにしよう。
滝はアジトをずらかる際に、抜かりなく隼人に使われた治療薬のビンを盗み出していた。
隼人は躊躇する小池に頼んで、それを毒にやられている五郎に注射させる。
五郎はたちまち回復するが、大勢の患者に投与するには薬の絶対量が不足している。
隼人「小池、これを分析して至急同じ物を作ってくれ、頼む」
一方、前回、ショッカーから返された最初の犠牲者ヒロシとキミ子はすっかり元気になって、
以前のようにテニスに興じていた。
キミ子を演じるのは林寛子さん。
テニスルックをまとい、なかなか際どいアングルで寝そべっているひろみちゃん。
マリ「あの二人、すっかり元気になったわね」
ひろみ「でも五郎ちゃんたちはまだ意識が戻らないのよ」
彼らが話している背後で、急にヒロシが胸を押さえてうずくまる。
みんな慌ててヒロシに駆け寄るが、ほとんど間を置かず、キミ子も同じ症状を発して倒れ込む。
そう、彼らはショッカーによって新たな菌を植え付けられた上で、わざと隼人たちの手に送り返されていたのだ。
何と言う悪辣な連中であろう。
二人はすぐ病院へ運ばれるが、例によって例の如く、医者は猫よりも役に立たず、ただ唸ってるだけ。
それにしてもこのシーン、やたら白いよね。
ひろみ「困ったわね……あ、う、う……」
付き添っていたひろみちゃんが突然倒れる。続いて、ユリたちも次々と。
そう、早くも二人の子供から菌が感染したのだ。
それを前にして、役立たずの医者はひたすらおたつくだけ。
医者「いかん、伝染病だ。救急車を呼ぶんだ」
看護婦「先生、病院に救急車なんか呼んでどうすんですか？」 看護婦さんの方がよほど冷静で、的確なツッコミを叩き込む。
そのうち当の医者まで苦しみ出し、看護婦さんはとっとと逃亡する。
で、あっという間に病院はパンデミック状態になり、患者や職員が次々と建物から出てくる。
この時、ひとりの看護婦さんが前屈みに転んだ時に、青色のパンツが露出したのを管理人の鷹のような目は見逃さなかった！
患者のひとりが車で街へ逃れた為、菌はあっという間に街中に広まってしまう。
感染した住民の体があちこちに散らばる悪魔的な光景が、都市のあちこちで見られる事態となる。
と言っても、感染した人は動けなくなるだけで死んだ訳ではないのだが、ショッカーの、悪の組織のこの手の作戦としては異例の成功例と言えるのではないだろうか。
後編に続く。
