第17話「リングの死闘 倒せ!ピラザウルス」(1971年7月24日)
の続きです。

次の場面では、二人はレーシングクラブの事務室でぐったりと眠ってひろみちゃんたちに介抱されていた。
しかし、店で気絶した二人を誰がここまで運んだのだろう?
立花「はっはっはっ、寝顔は結構可愛らしいな」

ひろみ「いやな会長!」
ひろみちゃんに可愛く睨まれて、おやっさん、年甲斐もなくうろたえる。
立花「変な誤解するなよ、わしゃ、自分に娘がいないから……」
そこへ、隼人と滝が連れ立ってやってくる。
おやっさんたちは、ひろみちゃんに二人を任せて、奥の部屋で作戦会議。

だが、その最中、ついさっきまで眠っていたマリとユリ(だけ)が駆け込んでくるのはかなり不自然である。
ひろみちゃんとミチも一緒なら、まだ分かるんだけどね。
隼人「ほどほどにしないと今にとんでもないことになるぜ」
滝「その通り、お前さんがたが助かったのねえ、悪運の強さの一言に尽きるんだ」
マリ「イーッだ、悪運じゃないの」
ユリ「普段の心がけが良かったのよ」
そこへ五郎も来て、滝に万能キーを返し方々、清が依然として、サタンマスクが兄・昇に違いないと主張していると話す。
その清、京王プラザの前に仁王立ちして、あくまでサタンマスクの本当の正体を突き止めようとしていた。

マヤたちは、ホテルの部屋で首領からの命令を聞いている。
首領「お前の技に人間どもは熱狂している。そして今日、タイトルマッチをするのだ」
ジョー「観客は会場に押し寄せる。しかもその中には日本の政治経済界の代表メンバーが出席する。それらの人間を死の霧によって一瞬に撃ち殺せ。日本は大混乱する」
マヤ「その隙にショッカーが日本全土を支配するのだ。ゆけ、改造人間チャンピオン!」
彼らがわざわざピラザウルスをサタンマスクとしてデビューさせ、人気者に仕立てたのにはこんな理由があったのだ。
でも、プロレスの試合を日本中のお偉いさんが見に集まると言うのは、今では考えられないことである。

清の見ている前で、ホテルからサタンマスクがそのままリングに上がるような格好で出てきて、車に乗り込む。
さすがにそんな奴ぁいねえよ、夏……と言いたいところだが、これはホテルを見張っている清や隼人たちの注意を惹く為に、またしてもジョーがサタンマスクに化けているものなので、これで正しいのである。
果たして、ホテルの横でバイクにまたがっていた隼人と滝はすっかり騙される。
隼人は滝にマヤを押さえるよう頼んでから、ひとりで車を追跡する。
ところが、兄を誰よりも良く知っている清だけは、それが偽者であることを見破り、滝に教える。
滝「なんだと?」
清「ほら、見て、あれが本物だ」
清が指差した方を見ると、サタンマスクがマヤと一緒にホテルから出てくるところだった。
……ま、本物もそのままリングに上がるような格好をしてるのがトホホであるが。
滝は、清にサタンマスクの尾行をして、行き先が分かったらレーシングクラブに電話で伝えるよう頼み、自分は隼人を追い掛ける。
しかし、サタンマスクが今日、タイトルマッチを行うというのは
スポーツ新聞見れば分かると思うが……。
とにかく、二人は清にも尾行しやすいように、
徒歩で試合会場である体育館に向かう。
行く先々でサイン攻めに会うサタンマスク。
マヤ(愚かな人間、死刑執行人に群がっている) さて、隼人は全く気付かないまま偽者を追い続け、海に面した資材置き場まで誘導される。
隼人「貴様の正体は見抜いている、サタンマスク、その本当の姿はショッカーの改造人間ピラザウルス!」
ジョー「ふん、さすがだなぁ、一文字、さあ戦え、戦って俺と勝負だ!」
隼人「ご苦労なことだ」
ライダーが、ここまでショッカーの策略に引っ掛かるというのはかなり珍しいと思われる。
やはり、参謀(マヤ)の存在が大きいのだろう。
ちなみに、隼人が積まれた資材の上から空中回転するのだが、

着地の際に、左下に隼人(スタント)を補助しようとする手が見えてしまっている。

さて、会場の控え室で腕立て伏せをしているサタンマスク。
扇風機を抱えて、その体に風を送っている戦闘員(しかも赤)の姿が惨めである……。
マヤ「何も知らずに超満員だわ、日本の政治経済界のお歴々も御着席よ。後5分でゴングが鳴るわ、死を呼ぶ、地獄のゴングがね!」
さて、ようやく滝が追い付き、サタンマスクが偽者だと言うことを教える。
隼人「本物のピラザウルスは?」
滝「クラブに電話しろ」

ジョー「もう遅いのだ。ピラザウルスは
体育館で今頃、日本の首脳を抹殺している!」

隼人「……」
滝「……」
折角、知恵を絞って、本物のサタンマスクの行き先が分かるよう手配したのに、それを台無しにしてくれたジョーに殺意を覚える滝と、なんでわざわざそんな重要機密を敵にベラベラ喋っちゃうのか、心の底から理解できない隼人であった。
隼人はその場で仮面ライダーに変身すると、サイクロンで体育館へ急行する。
残った滝は、ジョーと戦うのだが、結局ジョーがどうなったのかは不明のまま。
後に滝が体育館に来ているので、ジョー、滝に撃退されたのだろう。
そして、それ以降のエピソードに登場しないことから、逃げ戻ったところを首領に処刑されたものと考えられる。
焦るライダーであったが、いくらサイクロンでも、渋滞には勝てない。

そこで、一気にビルの壁面を駆け上がり、

屋上から屋上へジャンプして、大胆にショートカットする。
さすがにこれはちょっと萎える……
体育館では、今まさに試合が始まろうとしていた。
リングアナは、前回に引き続き大泉滉さん。
リングアナ「本日のメイエベメンツ、61分3本勝負……赤コーナー、サタンマぁスク! ひひ、カッコイイ、挑戦者ぁーっ!」

だが、リングアナが右手を伸ばした先に現れたのは、本来の挑戦者ではなく、マントを付けた仮面ライダーであった!
ライダー「ピラザウルス、挑戦者は仮面ライダーだ!」
こうして、最後の戦いもリング上で行われることになる。
プロレス人気にあやかった、視聴率対策であろうか?
ライダー「皆さん、脱出するんだ、ここにいては危ない!」
立花「仮面ライダー? 逃げるんだ!」
清から電話を受け、既に客席にいたおやっさんが、大声を上げて観客に逃げるよう指示する。
客席はちょっとした混乱状態に陥る。
ただ、肝心の「政治経済界のお歴々」らしい姿が一切見えないのはちょっと残念賞。それらしいエキストラを仕込む余裕がなかったのだろう。

マヤは、戦闘員を指図して観客を逃がさないようにしていたが、マリたちにどつき回された上、ガスマスクを奪われて床に張り倒される。
マヤ「死の霧! あ、うう……」
間の悪いことに、ちょうどそこにピラザウルスの噴き出した毒ガスが浮遊してきて、マヤは即死してしまう。

ラスト、「ライダーキック」と「ウルトラパンチ」の応酬となり、最初にライダーが倒れ、続いてピラザウルスが倒れると言う、お約束の演出の末、ライダーが勝利を収める。
ただ、ライダーが普通に倒しただけなのに、ピラザウルスが元の草鹿昇の姿に戻ってピンピンしていると言うのはどう考えても腑に落ちない。
清「じゃ、あの化け物が兄ちゃんだったの?」
ライダー「違う、怪人が死んで、お兄さんが生き返ったんだ」
清「ちょっと何言ってるか分からない」 滝と隼人が、それぞれバイクの尻に清と五郎を乗せて走り去るシーンで幕。
これも、昇と清が兄弟仲良く帰るシーンの方がベターだったろう。
(註・読者の皆さんには関係ないことですが、今回の記事は、1度全て書き上げた物を誤って消去してしまい、半泣きになりながら最初から書き直したものです。その辺の苦労を想像しながら読んで頂けると幸いです)