第47話「悪魔の星くずを集める少女」(1975年2月28日)
今日も今日とて、ひとり崖の上から絶叫してブラックスターから円盤生物を呼び寄せているブラック指令。
今回の刺客は、ブラックテリナと言う、海サソリとハマグリを合体させたような円盤生物である。
ブラックテリナは、地球の……日本の上空に到達すると、キラキラと輝く美しい破片を無数にばらまく。テリナQと言うその物質は、見た目には大きな桜貝のように綺麗であった。

砂浜でテリナQを見付け、拾い上げている少女のシルエット。

その後、今回のヒロインと言うべき可愛い女の子・マリ子が登場。
ランドラルを背負ったまま、何かを捜すように視線をさまよわせながら歩いていたが、
マリ子「お姉さん、それちょうだーい!」
下の通りにいる女性が、テリナQを持っているのを見て声をかける。

女「ダメよー」
あっさり断られ、とぼとぼと歩き出すマリ子。
一見、平和な世界。

だが、船の上から川面に浮かぶテリナQを竹竿で集めていた男が、いきなりテリナQに両目をふさがれ、「ウルトラマン」の地底人のような顔になって悶絶したり、

女「キャーッ、痛い、顔が……助けてーっ」
さきほどの女性が、頬にテリナQを噛まれながら、裸足で路上へ飛び出したり……、不気味な事態が進行しつつあった。
ちなみにこの女性は、テリナQに自分の名前を彫ろうとして襲われたらしい。船の男性は、竹竿で突付いたことでテリナQを刺激したのかも知れない。

物干し竿にしがみついて、目を剥いて絶叫する女性。このカッと見開いた目、なかなかの怖さです。

遂に、意識を失って路地に倒れる女性。
そばに通りがって、彼女が落としたテリナQを嬉しそうに拾い上げたのはさっきのマリ子と言う女の子だった。
マリ子「まぁ、綺麗だわー」
心に訴えかける愛くるしさが爆裂する女の子を演じるのは佐藤由美さん。
そう言えば「仮面ライダーV3」41話に出た時も、怪人の体から落ちたウロコを拾う役だったな。
マリ子は女性がそんな目に遭っているとはしらず、「お姉ちゃん!」とその体をひっくり返す。

血塗れの女性の顔を見て、初めてただならぬ事態だと気付いたマリ子、大声を上げて救いを求める。
ただちに、割烹着姿の
リアル・フネみたいな主婦が飛んでくる。
そう、たかだか40年前にはこんな格好をした主婦が実在していたのだ……。

マリ子、下の道から上の大きな道路へ階段を登ってきて、道端に落ちているテリナQを拾おうとして、顔見知りらしいトオルたちに注意される。
カオル「マリ子ちゃん、危ないわよー」
実際、その横をビュンビュン車が通っているのだから、マジで危ない。

マリ子「私、見付けたの」
カオル「綺麗ねー、ほんとの桜貝みたいね」
トオル「そんなものどうするの?」

マリ子「これを集めるとね、幸せになれるの」
トオル「まさか、ははっ」

その後、この孤独な少女が、蜂女のアジトがあったお化けマンションの中で、「あー、あー」とひとりで声を出してその反響する木霊で寂しさを紛らすいじらしさに、涙が出そうになる管理人であった。
……であったが、その直後、前屈みになってミニスカの中があらわになるハレンチなシーンにちょっとドキッとしてしまった。
もっとも、さすがに
リアル・ワカメ方式のパンツ丸出しではなくて、ブルマを履いているんだけどね。
ローリー族(註1)やブールー族(註2)にとっては発狂しそうなショットであったが、日頃からこのブログを通じて青少年の健全な育成に尽力している(笑)管理人としては、その画像をここに貼ることは厳に慎まねばならない。
(註1……ロリコンのこと)
(註2……ブルセラマニアのこと)
そこはマリ子にとっての秘密の遊び場で、段ボールの中に人形など色んな物が入れてある。

そして、木彫りのオルゴールには、今までマリ子が集めたテリナQが3枚。
今日収穫した2枚のテリナQをポケットから取り出し、うっとりとその光沢のある膚を見詰めるマリ子。
マリ子「綺麗だわー、2足す3は……、いくつかなぁ」
まだ小学1年か2年のマリ子、壁にチョークで大きく「2+3=」と書いて一生懸命計算する姿がめっちゃ可愛いのである!

晩になってから、やっと狭い路地にある我が家へスキップを踏みながら帰ってくるマリ子。
裸電球に照らされたこの路地の家並みが、これまた実に良い味を出しているのだ。

鍵っ子らしく、ポケットから鍵を出しながらドアの前に立つマリ子だったが、母親からの手紙がドアに貼られていた。残業で遅くなるから、先にメシ食ってクソして寝ろ! と言う内容だった(註・嘘です)。
お母さんが恋しいマリ子、家に入らず、夕暮れの街を一人彷徨するのであった。
ここでやっと、主人公であるゲンが登場。いつものように美山家でメシ食ってる。

咲子に電話が掛かってくるが、奇しくもそれはマリ子からのものだった。
涙声でマリ子が言うには、母親が工場で怪我をして、咲子の勤める病院で手術を受けるらしい。
咲子「大丈夫よ、心配しないで、おばさんがすぐ病院行きますからね」
ゲン「じゃあ、僕が車で」

「手術中」と言う赤ランプの付いている部屋の前で、手を握り合わせて「お母さんを助けて下さい……」と一心に祈っているマリ子のところへ、ゲンがやってくる。
ゲン「マリ子ちゃん!」
マリ子「あ、あゆみちゃんのうちの……」
「うちの」何と言おうとしたのだろう? ニートかな(註・ゲンは一応スポーツセンターで働いてます)。

ゲン「あゆみちゃんのお母さんも来たからもう大丈夫だよ」
励ましながら、指でマリ子の涙をそっと拭ってやるゲン。
ゲンは、美山家に来ないかと誘うが、マリ子は手術が終わるまで待つと言う。ゲンは、それまで一緒にいてやることにする。

ゲン「あゆみちゃんに聞いたんだけど、マリ子ちゃんは桜貝の石を5つも持ってるんだって?」
マリ子「うん、持ってるわよ。これをたくさん集めると幸せになれるの」
ゲン「ふーん」
やがて、赤ランプが消え、ナース姿の咲子が手術の成功をマリ子に伝えに来る。

麻酔で眠っている母親の髪を撫でて、無心に「お母さんお母さん」と呼びかけるマリ子の姿に、咲子の胸にも熱いものが込み上げてくるのだった。書いてるワシもちょっとウルウルしてしまう。
マリ子、嬉しさのあまり、「幸せのお裾分け」とばかり、母親や咲子、母親を手術した医者、そしてあゆみたちにテリナQをプレゼントして回る。
……

雑踏の中に、どえらい顔色の悪い女性が混じっていて、その胸にはブローチのようにテリナQが飾られていた。
演じているのは二日酔いの椿鬼奴ではなく、ベルスターの早川絵美さん。
大勢の人間がテリナQを拾い、身に付けるまでじっと時機を待っていたブラックテリナが、漸く動き出す。

ナレ「その夜、東京の
上空2000メートルに静止していた謎の円盤生物ブラックテリナが光り始めた……」
どう見ても2000メートルないんですが……
ツッコミを入れつつ、後編に続く。