第50話「進め!輝く未来へ」(1983年1月29日)
当初の予定より大幅に長くなってしまった「ゴーグルファイブ」も、いよいよ最終回です。
48話、49話と、立て続けに幹部が戦死し、にぎやかだった移動要塞デストピアも、いまや総統タブー、デスマルク大元帥と、侍女のベラ、ベスを残すのみ。

デスマルク「総統タブー、これが最後の最終兵器ダーク砲です。ベラ、ベス、ハイトロンを注入せよ」
円形の窓から、隣接する別室に指示を出すデスマルク大元帥。

ベスとベラ、黙々とシステムを作動させ、デストピアが吸収したハイトロンエネルギーを、右側のダーク砲へ注ぎ込む。
しかし、良く考えたらハイトロンエネルギーって割とストーリーに関係なかったな。
ダーク砲(人間だけを消滅させる特殊な兵器)も、ここでは一応登場しているが、ほとんど活用されることなく終わってしまった。

タブーはその上で、海底に隠れていたデストピアを再度浮上させる。
ゴーグルファイブも、ゴーグルシーザーですかさず迎撃に出る。

今まで、こういうメカのシーンはあまり貼らなかったが、この、シーザーの横っ腹からゴーグルジェットが出撃するところなんかはかなり燃えますな。
ゴーグルジェットは蝿でも叩き落すように、デストピアの戦闘機を撃墜する。

ブラック「ミサイル発射ぁーっ!」

シーザーの先端部分がカパッと開き、巨大な2連装ミサイルをデストピアに向けて放つ。
ミサイルが直撃し、激しく揺れるデストピア城内。
デスマルク「おのれ、ゴーグルファイブ」

デスマルク、何を血迷ったか、侍女を引き連れて地上に降り立つ。
デスマルク「ゴーグルファイブ、予がデスマルク大元帥で……」
ブラック「でも、ミサイル発射ぁーっ!」 デスマルク「うぎゃーっ!」 こうして、シャレのわからないブラックにクソでかいミサイルを撃ち込まれ、デスマルク大元帥はお星様になるのだった。
……ウソである。
ほんとはシャレ(男気)の分かるゴーグルファイブは、自分たちもシーザーから降りて、デスマルク大元帥と真っ向から対決する。

デスマルク「貴様らを血祭りに上げてから、東京に進撃だ。今度こそ、最終兵器ダーク砲で邪魔者を消し去ってくれるわ」
レッド「ゴーグルファイブがいる限り、そんなことは許さんぞ!」
デスマルク「妖刀・暗黒剣を受けてみよ、暗黒剣・ブラックホール!」

デスマルクの暗黒剣から青い渦巻きのようなものが迸り、5人を翻弄する。
なんとなく「仮面ライダーBLACK」のビルゲニアの「ダークセイバー・ダークストーム」と言う技に似てる。
続いて、「暗黒剣・ブラックサンダー」と言う技を繰り出すデスマルク。

今度は5人の周辺で巨大な火柱が上がり、

画面全体を覆い尽くすほどの大爆発が起きる。
「最後だから、残ってる火薬全部使っちまえ!」と言う、スタッフの心意気が伝わってくるような、大迫力シーンである。
5人はそのまま海へ落ちる。
それにしてもデスマルク、こんなに強いのなら、なんでもっと早く前線に出て戦おうとしなかったのか? 戦力に余裕があるうちに戦いに参加していれば、ゴーグルファイブを倒すことも簡単だったろう。
まぁ、この時のデスマルクは、ハイトロンエネルギーの力を得て、今まで以上に強力だったと思われるが。
邪魔者を排除したデスマルクは再びデストピアに乗り込み、道々破壊活動を行いながら、東京へ進路を取る。
達也「大変だ、このままじゃ、東京は全滅だ!」
即席の未来科学研究所の基地で、コンボイの達也が叫んだ時、シャッターが開いて、傷だらけの5人が姿を見せる。
あかね「生きてるーっ!」
一瞬の静寂を経て、コンボイたちは、感極まったように5人に抱き付く。
しかし、ここは、コンボイたちが5人が死んでしまったと思い込み、嘆き悲しむシーンがないので、やや唐突な「感動の再会」になっている気がする。
赤間「博士、ご心配お掛けしました」
本郷「……」
そして、未来科学研究所による最後の作戦が実施される。発案者は本郷博士であろうか?

まず、シーザーをデストピアの進路上にポツンと置く。
デスマルク「ゴーグルシーザーです」
タブー「なにぃ」
戦闘員「生体反応ゼロ、無人です」
デスマルク「うむ、乗り手がいなくなったのでこんなところに置きっぱなしになっているようです」 自転車じゃあるまいし、そんなもん置きっぱなしにする奴ぁいねえよ。 タブー「素晴らしい戦利品だ。デスマルク大元帥、そなたに与えよう、東京攻撃に使え」
デスマルク「ありがたき幸せ」
こうして彼らは面白いようにゴーグルファイブの仕掛けた罠にかかり、デストピアの入り口を開けて、戦闘員がシーザーを接収しようと出てくる。

その戦闘員を、待ち構えていたゴーグルファイブが叩き、そのままデストピアの内部へ雪崩れ込む。
それでも、デストピア内部は入り組んだ迷路のような構造になっていて、様々な罠や敵が次から次へと出現し、5人の侵入を阻もうとする。
さすがに敵の抵抗はいつになく苛烈で、早くもイエローが脱落する。

続いて、ハイレグの敏捷な女戦士が登場。
後に判明するが、これはベスとベラが変身した姿だった。別に彼女たちの正体と言う訳ではないようだ。
また、彼女たちを演じているのが、普段、ベスとベラの中にいる人と同じなのかどうかも分からない。
どっちにしても、なかなか可愛いし強いので、こんなギリギリの段階に出したのは惜しかったな、と。
ブルーとピンクが彼女たちの相手をしている間に、レッドとブラックは先へ進む。
続いて、ホッケーマスクのような面を付けた三体の鎧武者が二人に斬りかかって来る。
彼らは普通の戦闘員と言うより、デスマルクの親衛隊と言った感じであった。

結局、玉座の間に辿り着けたのはレッドひとりだった。
デスマルク「来たか、ゴーグルレッド」
レッド「貴様が総統タブーか!」
デスマルク「総統タブー閣下には指一本触れさせぬ」
レッド「東京攻撃は命に換えても防ぐ!」
総統タブーの前で、レッドとデスマルクの頂上決戦が開始される。

予想されたことだが、レッドはデスマルクの暗黒剣の前に手も足も出ない。
デスマルク「5人束になっても勝てなかったのにたったひとりで勝てると思っているのか!」
レッドは、デスマルクの鋭鋒を避けながら、総統タブーに向かって剣を突き刺す。
そこへ、ゴーグルファイブの4人、デスダークの女戦士と鎧武者も駆けつける。

全員が見守る中、総統タブーの体が激しい爆発を起こす。

そして、今までずーっと不透明なガラスの壁の向こうに立って「おもしろーい」とか叫ぶだけだったタブーが、遂にその正体をあらわにする。
いかにも恐ろしげな巨大な怪物であった。
デスマルク「遺伝子だ!」
レッド「なにっ?」
デスマルクでさえ、その本当の姿を見るのは初めてだったようで、驚きの声を上げる。
タブー「いかにも、予は暗黒科学が産み出した最高の遺伝子にして究極の遺伝子なり。デスマルク、今度こそ、ゴーグルファイブを倒せ!」
と言う訳で、タブーの正体は「最強にして究極の遺伝子」だそうです。意味が分からん。

デスマルク「ハハーッ」

ここで、デスマルクが暗黒剣をかざし、それから発せられる光に包まれた全員が、パッとその場からいなくなる。
なんか、タブーのことを見捨ててデスマルクが一味を引き連れて逃げ出したようにも見える。
実際は、再び地上へ戦いの場を移して、ゴーグルファイブとの最終決戦を戦おうと言うことなのだ。
デストピアから叩き出された5人の前に、

デスマルク以下、女戦士、鎧武者、戦闘員ら、デスダークの残存勢力が勢揃いする。
くー、いかにも最後の戦いと言う感じで燃えます。
後編に続く。