第21話「エバー・オンワード」(1984年9月4日)
の続きです。
遂に覚醒剤まで打たれて、不幸のデフレスパイラルに(半ば自分から)嵌まりつつある恭子さん。

夜になってから、ふらふらとホテルを出ると、行く当てもないような感じで街をさまよい歩く。

同じ頃、おアキとヨシ坊はホテルの一室でしんみりと良い感じになっていたのだが、実はおアキはある重大な決意を胸に秘めていたのだった。
……これが、おアキとヨシ坊の最後のツーショットになるんだっけ?
さて、この頃は恭子さんのことで頭が一杯で仕事どころではない(……あ、いつもか)男谷弁護士は、恭子さんの両親を訪ね、酒井のことを洗い浚いぶちまける。

葉山「しかし、ロイヤル貿易は一流デパートにもコーナーを持ってる優良会社と言うじゃあーりませんか」
男谷「それも事実です、ですが葉山さん、僕は酒井と言う男は極めて危険な人物だと思ってます。明日にでも恭子さんを説得して連れ戻して下さい」
それにしても、こんなに恭子さんの為に仕事も何もほったらかして奔走する男谷なのに、恭子さんから男として全く相手にされないと言うのは、いくら脇役だと言え、かわいそう過ぎるし、男谷の真心に頑なに応えようとしない恭子さんが凄く情のない女性に見えてくる……。

翌朝、ジョーズでヨシ坊がめそめそと泣いている。そこへ哲也と笙子がやってくる。
笙子「どうしたんですか?」
ヨシ坊「ママが消えちゃったんです。こんな手紙残して……」
驚いておアキの置き手紙を読み上げる笙子。
「ヨシ坊、私は訳があってみんなの前から姿を消すことにした。どうぞ私を捜さないでおくれ、ヨシ坊に対する私の愛は生涯変わらない……」
ヨシ坊「ひどいよ、僕が夫として不満ならそう言ってくれれば……」
笙子「そんなことじゃないと思う」
哲也「もしや、ママさんは葉子の所に行ったのかも知れない。葉子の力になる為に……」
ここで、実際に刑務所の面会室でモナリザと会っているおアキの姿が映し出されるのだが、これが現実の出来事なのか、哲也たちの想像だったのかは分からない。多分、前者だろう。
考え込む二人であったが、この世界は一時も退屈する暇がない。
今度はナオミたちが血相変えて駆け込んでくる。
ナオミ「笙ちゃん、大変だよ、おタマの奴が、相模悪竜会って旗をブッ立ててハマのチンピラと喧嘩を始めてんだよ!」
笙子「……」
さすがにもうその手の話にはウンザリの笙子だった……と言うのは嘘で、笙子がそんな楽しいイベントに割り込まない筈がない。

笙子たちは波止場でテキトーに乱闘しているおタマたちのところへ飛んでくる。
笙子「おタマ、やめなさい、ご両親のことは聞いたわ、そのことで荒れてこんなバカなことをしてるんだったらもうやめるのよ」
玉子「うっせーんだよ、笙子、でけえツラすんな、確かにお前は前の会長だったかもしれないけどねえ、悪竜会の新しい会長はこの私なんだ。そいつが気に入らねえってんなら、私とここでタイマン張るかい?」
今まで「笙子おネエ」とか甘えて呼んでいたのに、呼び捨てにする玉子さん。なんか可愛い。

そこへ哲也もやってくる。
笙子「哲也さん、黙って見てて下さい」
なお、海の近くと言うこともあり、このシーン、やたら風が強い。
が、それを見越してほとんどの女の子がパンツスタイルなので、パン チラの大盤振る舞いにはならないのだった。

笙子「おタマ、本気で私とタイマンを張るというの?」
玉子「ああ、本気だよ」
玉子はいきなり笙子の顔を引っ叩く。

笙子「おタマ、気が入ってないじゃないか、そんなもんじゃ私を倒せないよ」
たちまちかつてのスケバン魂を身に宿し、物凄い目付きで玉子を挑発する笙子。
玉子「ぱかやろーっ!」 いかにも腹に力の入ってない怒声を上げつつ、笙子を二度、三度と叩く玉子。
これじゃ、相模悪竜会の再興なんてまず無理だね。逆に、これでよく不良たちを率いて来られたものだと感心する。
笙子「どうしたの? もっと思い切ってやってご覧」
玉子「ちっきしょう~」
無抵抗で殴られ続ける笙子。
哲也も、今まで何度もこんなシーンを見てきたので、手は出さない。

果たして、途中から玉子は泣き出して、最後は笙子に抱き付く始末。
玉子「許して、おやじが、若い女のところに行っちまってさ、おふくろと離婚することになっちまったんだ……進学することできなくなっちまってさ、私、何していいか分からなくなっちまったんだ」
笙子「おタマ、分かってたのよ、おタマの気持ちはよく分かってたのよ」
このように、不良性を帯びた女の子を更生させる笙子の才能は、目を見張るものがあった。
舞楽なんかやめて、教師になったほうが良かったんじゃないかなぁと言う気もする。
それにしても、「悪竜会を復活させるんじゃーっ」と叫んでいた1分後に、こんなに簡単に更生されては、彼女を信じてついてきた不良たちもイイ面の皮である。

その後、すっかりおとなしくなった玉子をまじえて、眺めの良いレストランでお茶を飲んでいる笙子たち。
哲也「どうだろう、玉子さん、何もすることがないのなら、僕と笙子さんがやろうとしている民間舞楽を手伝ってくれないかな?」
笙子「おタマは珠算2級の免状を持ってるし、経理の方やってくれると助かるんだけどなぁ。私そっちの方全然ダメだから」
玉子「私やる、何でもやる、哲也さんや笙子おネエと一緒なら仕事するの楽しいもん!」
と言う訳で、
たまたま「珠算2級の免状を持って」いたおタマは、「笙の会」の事務員として働くことになる。……まだ、入門者ひとりもいないのに、給料払えるのか?
その場にいたマサコたちも「笙の会」を手伝いたいと申し出て、俄かに活気付く笙子たちであった。
その4へ続く。