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「ウルトラマンタロウ」 第11話「血を吸う花は少女の精」 後編


 第11話「血を吸う花は少女の精」(1973年6月15日)
 の続きです。

 白鳥家で、すやすや眠っている愛しの森山いずみ姫。

 だが、赤い花を付けた植物のツタが蛇のようにするすると伸び、白鳥家に侵入を図っていた。ツタは、かなえが昼間置いていったあの花に吸い寄せられているようだった。

 ツタは、赤い花を見付けてそれと合体し、その場で獲物を探し始める。

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 赤ん坊の泣き声のような音を出しながら、森山隊員の寝室へ入り込み、その眼前に迫る赤い花。

 森山「くしゅんっ!」

 花粉でも鼻に入ったのか、森山隊員がラブリーなクシャミをし、その弾みで目を覚まし、異変に気付く。

 森山「きゃーっ、いやんっいやーっ」

 手当たり次第に花に物を投げつけたり、布団叩きで叩いたり、必死の抵抗をする森山隊員。

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 階段を駆け上がって健一の寝室へ逃げ込む。

 森山「健一君、起きて!」
 健一「なんですかぁ」
 森山「なんですかじゃないわよ、ツタが……あの花が襲って来たの!」
 健一「ええっ」

 健一、驚いてベッドから出て、森山隊員と協力してフスマを押さえ、ツタの侵入を防ごうとする。

 が、ツタはフスマを突き破って易々と部屋に入ってくる。

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 壁際に退いて、布団でツタから守ろうとするが、ツタはその布団をもぎとり、二人に向かってくる。

 パジャマ姿の森山隊員の怯える姿がとても可愛い……筈なのだが、全体的に暗くて、あまりはっきり映してくれないのが非常に残念である。

 結局、二人を助けたのは光太郎ではなく、

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 たまたま家の前を通り掛かった酔っ払い三人組であった。

 三人は道を遮るように張っているツタにぶつかり、酔いに任せてそれを切断してしまったのだ。

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 その途端、ツタの先端部分が急に動かなくなり、黒い血のようなものが流れ落ちる。

 森山隊員は、動かなくなったツタを持って、すぐZAT本部の光太郎のところへ知らせに来る。

 光太郎「待てよ、この花は……」
 光太郎、その毒々しい赤い花を、かなえが持っていたことを思い出す。

 光太郎、他の隊員にも招集を掛け、その花について本格的な検査を行う。

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 光太郎「じゃあやっぱり、これは吸血植物だったんですか」
 荒垣「間違いない、大量のヘモグロビンを含んでたんだ」
 北島「この花、どっかで見たような気がするんだよな……」
 荒垣「本当か」
 北島「いや、気のせいかもしれません……」

 光太郎、かなえがその場所を知ってるに違いないと、岩坪家へ電話する。

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 岩坪夫人、レオタードを着て健康器具の中に挟まって美容体操をしているところだったが、ちょうどそこへあのツタが伸びてきて襲い掛かる。

 その花は、かなえが持っていたが、夫人が捨てさせたものだった。

 ツタに巻きつかれた夫人、あっさり絶命する。

 昔の特撮はハードだぜぃ。

 さらに、花が死体の耳に近付き、

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 蝶の口吻のような管をその中へ差し入れ、体内の血を吸い上げる……と言う、なかなかホラーなシーンとなる。

 しかもその様子を、庭に面した窓越しにかなえがまじろぎもせずに見詰めている……

 光太郎、いつまで経っても電話に出ないので岩坪邸へ直接行くことにする。

 だが、その途中、団地の主婦達が問題の花を手にしているのを目にし、慌てて車から降りる。

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 果たして、花を配っていたのはかなえだった。光太郎はそれが吸血植物だと教えて主婦達に花を捨てさせると、強い口調でかなえを問い詰める。

 光太郎「どうして花を配ったりしてるんだい? まさか、知っててやったんじゃないだろうね。あの花が人を殺すって……あの花、何処から摘んで来たの? かなえちゃん! 頼むから!」

 だが、かなえは花バサミをカチカチ言わせながら、一言も口を利かず、悪魔的な表情で光太郎を睨み返すのだった。

 光太郎、困り果てて溜息をつくが、そこへ北島が追いつき、花の咲いていた場所を思い出したと告げる。

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 それは、最初に光太郎が駆けつけた寺の境内の奥だった。

 北島「この塚は昔、捨てられて死んだ子供たちを供養する為に建てられたのさ、土葬にされた死体を食い尽くしたツタが地上の人間まで襲うようになったんだな。恨み花とは良く言ったもんだ。ま、こんな代物は早いところ根絶やしにすることだ」

 北島隊員は、地上に出ている茎にガンガン鉈を振り下ろす。

 光太郎、いつの間にか、かなえが墓地に立ってこちらをじっと見詰めているのに気付く。

 光太郎「かなえちゃん」
 かなえ「お兄ちゃんのバカ!」
 北島「気にするな、あの子にはかわいそうだけど、やむを得ないだろう」

 しかし、二人でツタを引っ張っても後から後から地中から出てくる。

 最後は、地中からツタ状の体毛を生やした怪獣バサラが登場する。

 光太郎、タロウに変身して戦う。

 バサラは地表に出てしまえば雑魚に過ぎず、タロウのストリウム光線であっさり倒される。

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 ただ、その後、バサラのシルエットが何重にも重なってもがき蠢き(読経の声がバックに流れる)、

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 閃光を発してお寺を燃やし、

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 その直後、改めて炎に包まれる……と言う演出が、結局何を言いたかったの良く分からないのであった。

 バサラ、死んだたくさんの捨て子の霊が合体して誕生した怨念怪獣だったのだろうか?

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 事件解決後、合宿から帰ったさおり、森山隊員と話している光太郎。

 さおり「で、そのかなえちゃんは?」
 光太郎「また施設に戻っていったそうだよ」
 さおり「そう……」
 森山「だけどあの子、どうしてあんなに花が好きだったのかしら」
 さおり「きっと花を本当のお母さんと思って慕ってたのよ」
 光太郎「いやぁ、憎んでたんじゃないかなぁ」
 森山「憎んでた、誰を?」
 光太郎「自分を捨てたお母さんをさ、いや、お母さんにそうさせた世の中に……」

 とても、子供向け特撮ドラマとは思えない重い会話。

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 ラスト、再びあの花を探して墓地の中を花バサミを手にうろつき歩くかなえの姿を映しつつ、おわり。

 タロウにしては実にすっきりしない、どんよりとした後味のストーリーであったが、当時の(そして現代にも通じる)社会問題を積極的に取り入れた意欲作であったと思う。
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コメント

この回は「本当に『ウルトラマンタロウ』かよ」と思った回でした。よく『ゴジラ対メカゴジラ』の同時上映になったなと思います。

岩坪夫人といい、子供をうるさがる母親といい、人でなしな人間も出てきて憤りも感じました。夫人が殺された時は「ざまを見ろ」とも思えましたが。

『円谷プロ画報』という本を読んだところ、酔っ払いの内、2人は脚本の大原清秀さん。昨年他界されてます。もう一人は特殊技術の山本正孝監督です。

Re:「ウルトラマンタロウ」 第11話「血を吸う花は少女の精」 後編(04/28)  

全体的にZAT和気藹々な雰囲気で温かみのあるタロウの中で、バサラ回は思い切りトラウマ回ですね。
リアルタイムで観たとき、かなえのことを薄気味悪い女としか思っていなかったのですが、その後孤児のダークな話と悟っていった訳です。
そして、ツタに対する印象も悪くなりましたね。リフォーム前の私の家も一部、ツタで覆われたことがありました。

Re[1]:「ウルトラマンタロウ」 第11話「血を吸う花は少女の精」 後編(04/28)  

ウルトラファンレオ様
コメントありがとうございます。

>この回は「本当に『ウルトラマンタロウ』かよ」と思った回でした。よく『ゴジラ対メカゴジラ』の同時上映になったなと思います。

「レオ」や「新マン」みたいなテイストですね。
なんで、わざわざこれを選んで上映したんでしょう。

>『円谷プロ画報』という本を読んだところ、酔っ払いの内、2人は脚本の大原清秀さん。昨年他界されてます。もう一人は特殊技術の山本正孝監督です。

え、そうだったんですか! 全然知りませんでした。

Re[1]:「ウルトラマンタロウ」 第11話「血を吸う花は少女の精」 後編(04/28)  

LopLop様
コメントありがとうございます。

>全体的にZAT和気藹々な雰囲気で温かみのあるタロウの中で、バサラ回は思い切りトラウマ回ですね。
>リアルタイムで観たとき、かなえのことを薄気味悪い女としか思っていなかったのですが、その後孤児のダークな話と悟っていった訳です。

39話でも施設の子供たちの様子がリアル(?)に描かれてましたね。
11話は極端ですが、「タロウ」って意外と深いストーリーが多いですよね。

Re[2]:「ウルトラマンタロウ」 第11話「血を吸う花は少女の精」 後編(04/28)  

>なんで、わざわざこれを選んで上映したんでしょう

たぶん、一緒に見に来ている親たちに向けたメッセージだったのではないでしょうか。

Re[3]:「ウルトラマンタロウ」 第11話「血を吸う花は少女の精」 後編(04/28)  

Kiichi様
コメントありがとうございます。

>たぶん、一緒に見に来ている親たちに向けたメッセージだったのではないでしょうか。

なるほど、卓見ですね。
そこには全く思い至りませんでした。

Re:「ウルトラマンタロウ」 第11話「血を吸う花は少女の精」 後編(04/28)  

今回の話しは現代にも通じるテーマのようですね。健一(子役)の“親はなくとも子は育つ”のセリフに納得ですね。後はZATの男性隊員同士と森山隊員以外の女性隊員同士の大論争に笑いましたね😅子供向けの番組なのに社会問題が絡んでいて中々複雑ですね🎵
ところで父親はどうしたのでしょうか?

Re[1]:「ウルトラマンタロウ」 第11話「血を吸う花は少女の精」 後編(04/28)  

ふて猫様
>後はZATの男性隊員同士と森山隊員以外の女性隊員同士の大論争に笑いましたね😅子供向けの番組なのに社会問題が絡んでいて中々複雑ですね🎵

番組の中であっさり答えを出さないあたり、脚本家の見識を感じます。見ている子供たちにも考えて欲しかったんじゃないかと。

結局、かなえの母親は最後まで現れ仕舞いでしたね😅問題は解決されずに施設へお預けですか?

Re: タイトルなし

> 結局、かなえの母親は最後まで現れ仕舞いでしたね😅問題は解決されずに施設へお預けですか?

安易にハッピーエンドにしないところが深いですよね。

「血を吸う花は少女の精」結論

連続失礼します。
「血を吸う花」のラストで、東光太郎が世の中に恨みを抱いたまま去って行くかなえちゃんに対して何も言えなかったのは、心ならずも無責任な親を作り出してしまう世の中、そして不幸な少女を救う事のできない自分の無力さを痛感していたからでしょうか。
でもだからといって、幸せな家庭に危害を加える彼女の行為を肯定して良いはずがありません。自分を救えない世の中を非難するのは簡単だけど、それなら自分には世の中の全ての不幸な人を救う事ができるのか?という事になりますから。
光太郎も11話の時点では悟りきっておらず、物語は救いの無いまま物終わってますが、この話に対する答えは後に放映された話の中で語られています。

『少しの悪人の為に、多くの善人まで犠牲にしてはいけない』(タロウ46話)
『他人の力を当てにせず、自分の力で生きなければいけない』(タロウ53話)
そして番組は移りますが、
『寂しいからといって悲しいからといって、何をしても良いという事は無い』(レオ10話)

3番目のはともかくとして、光太郎は最終話(53話)で悟りを開いたと思いますから、旅に出る途中かなえちゃんのいる施設に立ち寄って、彼女に人間の弱さ、不完全さを説き、他人を思いやるよう諭したかもしれません。他力本願にならずに、自分の力で強く生きていくようにと。いつの時代でも、自分の心を救えるのは自分自身しかいませんからね。

Re: 「血を吸う花は少女の精」結論

真面目なご意見ありがとうございます。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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