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「ウルトラマンタロウ」 第8話「人喰い沼の人魂」


 第8話「人喰い沼の人魂」(1973年5月25日)

 物語の主人公は、山村の旧家に住む大羽英次郎(外山高士)と次郎(矢崎知紀)の親子。

 ある夜、おねしょをした罰として、英次郎は息子を家から叩き出す。

 それでも、父親思いの次郎は、明日誕生日を迎える父親の為に、近くの沼のほとりで花を摘んでやるのだった。

 と、その時、霧の立ち込める沼の水面から、二つの大きな赤い光が浮かび上がる。

 それはカエル怪獣トンダイルの巨大な眼球だった。怪獣は、近くを通り掛かった住民を吸い込んでしまう。

 たまたま、付近をパトロールしていた光太郎も沼に沈む赤い光を見掛けるが、「人魂かなぁ」と気にも留めずに走り去ってしまう。

 翌日、その報告書のことでみんなにゲラゲラ笑われている光太郎。

 荒垣「人魂を見たぁ? 恐ろしくて気味が悪いとは良く書いたもんだ、ええー?」 

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 そこへ次郎から、昨夜の怪異について「人魂を見たんだよ」と電話が掛かって来る。

 誰も本気にせず、南原は「子供電話相談室に掛けてごらん」とあしらって電話を切る。

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 光太郎「しかし本当に気味が悪くて……」
 荒垣「あーあー、東さん、あんたいくちゅになったの?」

 赤ん坊をあやすようなおどけ顔で、光太郎をバカにする荒垣副隊長。

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 朝日奈「朝っぱらから賑やか過ぎるぞ。諸君、新入隊員を紹介しよう、宇宙ステーションV9に転勤になった西田隊員の代わりに今日から諸君の仲間入りをする上野隊員だ」
 上野「よろしく!」
 隊員「よろしく!」

 田舎の中学校のように溌剌と新しい仲間を迎え入れるZATの皆さん。

 そう、三ツ木清隆氏が多忙の為、西田隊員はV9に飛ばされたと言う形で降板になったのだ。

 V9と言うのは、「ウルトラセブン」に出てきたV1~3と同じ系列のものなのだろうか?

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 その夜、白鳥家で、さおりが窓の外に浮かぶ怪しい赤い光を見て、悲鳴を上げる。

 さおり「キャーッ、人魂だわーっ、助けてーっ」

 が、それは光太郎と健一が、懐中電灯を庭で照らしていただけだった。

 光太郎「さおりさん、ごめんごめん、これなんだ」
 健一「姉さんの弱虫」
 さおり「もう知らないからっ」
 光太郎「いやぁ、実は人魂ってどれくらい怖いか見てみたくて。やっぱりランプでも、見る人によって人魂に見えるってことが分かったよ」

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 光太郎(テーブルの花を見て)「わぁ、綺麗だなー」
 さおり「そんな今更お世辞言ったってダメよ。どうせ私はおかちめんこなんですからね!」
 光太郎(おかちめんこ……)

 アナグラムしたら、なんかヤバいNGワードが二つくらい出来そうな危険な語感の言葉である。

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 その晩、次郎は、父親と駐在の田中巡査(大泉滉)と一緒に、人魂の調査へ行くことにする。

 田中「いやぁ、本官はこういうことは得意ではないんですが、職務上、やむをえんのです」
 英次郎「一応調べてみなくちゃなりませんな」
 次郎「ご覧よ、父さんだって怖いくせに」
 英次郎「馬鹿言いなさい!」
 田中「ああ、びっくりした……さ、ぼちぼち行きますぞ」

 大泉滉さん、いつもながらとぼけまくった演技が最高です。

 三人は沼を見張っていたが、近くを通り掛かった住民(プロデューサー熊谷健氏のカメオ)を、沼から現れた怪獣が食べてしまうのを見て仰天する。

 英次郎は腰が抜けて動けなくなり、怪獣の吐き出す殊なカプセルに包まれて、怪獣に飲み込まれてしまう。

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 次郎「父ちゃーん!」
 田中「じっとしてろ、本官はな、お巡りさん呼んでくるから、いや違う、本庁へ連絡取ってくるから……」

 そう言えば、この二人、「仮面ライダー」でも共演してたっけ? どうだったかな。

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 翌朝、ZATが出動して沼一帯を捜索している。

 荒垣「あの少年の父親が飲み込まれたんですね」
 田中「はい、次郎はかわいそうな子でして、昨年母親を病気で亡くしまして……これからひとりでどうして暮らしていけばいいか」
 荒垣「しかしお巡りさん、あなた良く助かりましたね」
 田中「うん、いや、そらあもう、私は勇敢に戦いました!」

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 次郎「父ちゃん、仇は俺が取ってやるぜ!」

 先祖伝来の槍を持って、父親を奪った沼を見詰めている次郎。

 南原「父さんの仇は俺たちが取ってやるよ」
 次郎「何言ってんだい、昨夜おじさんたちが、人魂をやっつけておけばこんなことにはならなかったんだぜ、俺、わざわざZATにまで電話したのに……」
 南原「あれは……坊やだったのか……」
 次郎「みんな弱虫だから逃げちまったんだ!」

 少年の叫びに、光太郎たちは何も言い返せないのだった。

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 が、北島は相変わらずマイペースで、ゴムボートの上から捜索をしていたが、

 北島「さて、やるかなぁ、ひょい!」

 と、持参の釣竿を取り出して、暢気に釣りを始める始末。

 荒垣「お、おい」
 田中「なんたることだ、勤務中に釣りなどして!」

 だが、その釣り糸に、行方不明になった人たちの遺留品が次々と掛かる。

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 田中「この長靴確かに大羽さん、この傘は佐藤さんで、ハンドバックは富田さんの奥さんがバーゲンで買って来て安い安いて喜んでた。このお魚、誰んだったっけな? これはこっちのもんでした(と沼へ放る)」

 引き揚げられた色んなアイテムを見ながら、涙声でつぶやいている田中巡査。

 荒垣「この沼に何か潜んでいるのは確かなようだ、本部からペルミダー2号を呼ぶんだ」

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 荒垣の命令で、ホエールが腹にペルミダー2号を抱えて飛んでくる。
 森山「間もなく現場に到着します」

 それを操縦しているのが、内勤専従とばかり思われていた森山いずみ隊員であった。

 ペルミダー2号は、「ウルトラマン」に出てきた地底戦車ペルミダーの後継機なのだ。

 荒垣は、自分と北島がペルミダー2号に乗ろうとするが、

 光太郎「俺に行かせて下さい。この事件を最初に目撃したのは俺です。あの時もう少し注意していれば次郎君のお父さんの事件は防げたかもしれません。ですからどうしても俺に行かせて下さい!」
 荒垣「分かった、俺の代わりにお前が行け!」

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 二人の乗るペルミダーは、2本のドリルで地中を掘り進め、あっという間に沼の下にある空洞へ入り込む。

 と、前方に、人間の入ったカプセルと一緒に、怪獣が寝ているのが見える。

 光太郎「冬眠用の餌か何かにするつもりじゃないですかね」
 北島「とんでもない野郎だ」

 ペルミダー2号の攻撃を受けて、怪獣は地表へ出てくる。

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 槍を担いで怪獣に突進する次郎を、光太郎が懸命に止める。
 光太郎「次郎君、これ以上手出しはするな」
 次郎「だって父ちゃんは帰ってこないんだぞ」
 光太郎「君はこんなことで死ぬ気なのか?」

 叱るような口調で次郎を諭す光太郎。

 光太郎は、自分が必ず父親を助け出すから、代わりに次郎に安全な場所へ逃げてくれと、約束を交わす。

 次郎も光太郎の言葉を信じ、後方へ下がる。

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 光太郎、単身突撃するが、カプセルに包まれて食われそうになる。

 ここでバッジが光り、タロウに変身する時が来たことを知らせる。

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 怪獣と戦うタロウを、ホエールをひとりで操縦する森山隊員が援護する。

 森山「あたしにだって出来るわよっ!!」

 タロウは簡単に獣を倒すが、

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 次郎「俺の父ちゃんは帰ってこなかった!」
 田中「……」

 何と言っていいか分からず、困惑した表情を浮かべる田中巡査。

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 思わず次郎の頭に手をやって抱き締めようとするが、次郎はその手を振り払って行ってしまう。

 田中巡査の、と言うか、大泉さんの人間味が感じられて好きなシーンである。

 だが、戦いの後、たくさんのカプセルが水上に浮かんで来て、それにタロウが特殊なビームを浴びせ、カプセルを溶かして中にいた人間を解放する。

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 感動の再会をする大羽親子。

 だが、たちまち親子喧嘩を始める二人の様子を、楽しそうに見ているZATの隊員たち。

 森山隊員のミニスカが最高であるが、生足じゃないのが減点10である。

 今回は珍しく、その後、ZAT本部でのシーンが続く。

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 朝日奈「森山君!」
 森山「はい」

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 朝日奈「凄いんだってねえ、今まであれだけの腕を隠してたようだな」
 森山「あっふっ」

 前線で男勝りの活躍を見せた森山隊員を冷やかすように讃える朝日奈と、くすぐったそうに笑う森山隊員。

 光太郎「隊長、能ある鷹は爪を隠す、ですよ!」

 ベタベタな合いの手を入れる光太郎。

 朝日奈「どいつもこいつも、腕っ節ばかり強ければそれで良いってもんじゃない、分かるね?」

 隊員ひとりひとりの顔を映しつつ、終わりです。
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コメント

 お察しの通り、矢崎 知紀と大泉 滉は「仮面ライダー」72・73話で伯父と甥の関係で共演していました。

 篠田 三郎がいなければ、東 光太郎役と勘違いされてもおかしくない三ツ木 清隆は、「白獅子仮面」(こっちは主演だもんね)の撮影が京都のため掛け持ちがキツくてこちらを離れました。で、ヒューマン2号だった西島 昭彦がレギュラー入りしたときは、思わずビックリ!

訂正です  

「昭彦」ではなく「明彦」でした。

Re:「わしゃ、41じゃ」(03/24)  

うんにゅるりん様
>お察しの通り、矢崎 知紀と大泉 滉は「仮面ライダー」72・73話で伯父と甥の関係で共演していました。

ご指摘ありがとうございます。親戚だったとは忘れてました。

この二人…、  

あくまでも役の上での親戚で、本当の親戚ではありません、念のため(勘違いされる方がいると思うので)。

Re:この二人…、(03/24)  

うんにゅるりん様
> あくまでも役の上での親戚で、本当の親戚ではありません、念のため(勘違いされる方がいると思うので)。

わざわざ補足説明ありがとうございます。
自分の書き方が紛らわしかったですね。

森山いずみ隊員の初めての実戦への参加  

 お茶目でキュートでセクシーで有能で家庭的でチャーミングな森山隊員。このエピソードで自分は森山隊員を自分の妻にしたいぐらい大好きになった。のちに森山隊員に憑依したメドウーサ星人もこれを見て、メドウーサ星人は森山隊員を花嫁に欲しがるほどの恋愛感情を抱いたのだろう。

Re:森山いずみ隊員の初めての実戦への参加(03/24)  

森山いずみ隊員の虜様
コメントありがとうございます。

>お茶目でキュートでセクシーで有能で家庭的でチャーミングな森山隊員。このエピソードで自分は森山隊員を自分の妻にしたいぐらい大好きになった。

いかにも良い奥さんになりそうですね。

Re:「ウルトラマンタロウ」 第8話「人喰い沼の人魂」(03/24)  

今回はホラー(怪奇)色の強い作品でしたね😓タロウの作品はバラエティーに富んでいますね😅

Re:「ウルトラマンタロウ」 第8話「人喰い沼の人魂」(03/24)  

朝日奈隊長の“腕っぷしさえあれば、いいってもんじゃない”と云う台詞は、意味深ですね。(どこがだ😅)流石責任者らしく締めるべき場面では、締めますね

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