劇場版「スケバン刑事」（1987年）DVD その1

スケバン刑事 [ 吉沢秋絵 ] 価格：2958円（税込、送料無料) (2018/9/15時点) 楽天で購入

　「スケバン刑事」は、1987年2月14日に公開された映画で、「スケバン刑事2　少女鉄仮面伝説」の後日談と言う設定である。

　公開時には既に「スケバン刑事3」の放送が始まって数ヶ月経っており、その宣伝も兼ねてか、3のヒロイン・風間唯も登場している。

　2の劇場版と言っても、例によって南野陽子のアイドルムービーと言う感じで、テレビ版と比べて、お京や雪乃さんの見せ場は少ない。

　
　DVDのメニュー画面。

　
　DVDに収録されているスチールの一枚。

　80年代のセーラー服は、スカートが長いのが悔しい。

　さて、冒頭、テレビ版のちょっとしたハイライトシーンが流れ、

　
　こんなデータが表示される。

　これによって、スケバン刑事が内閣機密調査室－暗闇指令に属していることが分かる。

　物語は、夜の闇に乗じて地獄城と呼ばれる施設から逃亡を図っている和夫（坂上忍）と喜久男（杉本哲太）の二人の若者の様子から幕開け。

　その途中、二人は別々になるが、喜久男は妹めぐみへの形見の品を和夫に託す。
　喜久男は電話ボックスに入り、めぐみに電話をするが、

　
　めぐみ「お兄ちゃんなのね？」
　喜久男「地獄城ーっ！　みんな殺されるーっ！」

　そこを追跡者に襲撃され、連れ戻されてしまう。

　めぐみを演じるのはオーディションを勝ち抜いた小林亜也子さん。テレビ版の「スケバン刑事3」では、ラスボスを演じることになる。

　こちらは梁山高校。
　青狼会との戦いも終わり、平和な日常が何事もなかったように繰り返されている。

　
　図書館で、せっせと勉強に励んでいるひとりの女生徒。

　この特徴的なシャーペンの持ち方で、すぐ二代目麻宮サキこと五代陽子こと早乙女志織こと南野陽子さんだと分かってしまう。ああっ、ややこしいっ。

　サキ、ふと手を休めて、雪乃さんからの手紙を読み返す。

　その手紙で、信楽老との戦いから数ヶ月が経っていること、雪乃が間もなくイギリス留学へ出発することなどが分かる。

　
　自身の歌う主題歌「楽園のDoor」をバックに、歩行者天国の雑踏を歩くサキ……と言うより、アイドル南野陽子。

　
　そして、路上でヨーヨーの出店（かなり不自然だが）を開いている大柄な男性がいた。
　男「面白いよ、ひとつどう？」
　サキ「これください」

　玩具のヨーヨーをひとつ買い求めるサキだったが、その男を演じているのが、他ならぬ原作者の和田慎二さんであるということは、割と有名である（？）

　その直後、逃亡中の和夫とぶつかるサキ。
　サキは、和夫が落としていった書類を拾うと、全力で走り続ける和夫を追いかける。

　
　和夫は停車中のバスに乗り込み、サキもその中へ。

　と、二人の男がサキを押しのけるようにしてバスに入ってくる。
　サキ「ま、全くもう！」

　あれこれしているうちに、バスが走り出してしまう。

　二人の男は、和夫の横に座り込み、サキが和夫に渡そうとした書類を慌て気味に受け取る。
　男「連れなんですよ、この子の……」
　和夫「違う！」

　様子がおかしいのに気付いたサキは、書類を取り返すと和夫を二人から引き離そうとする。

　男たちが銃を取り出してサキに向けるが、サキは買ったばかりのヨーヨーを投げて弾き飛ばし、二人をぶちのめす。

　
　しかし、その直後、工事現場に止まっていたショベルカーのバケットがバスの前面にめり込み、

　
　（何故か人のいない）バスの中を、座席をゴリゴリ薙ぎ払いながら突っ込んでくる。

　
　咄嗟に、バケットの下に潜り込むサキと和夫。

　これは、完全に止まっているバケットに向かって役者が飛び込む形なので、あまり迫力はない。

　二人は、バスと並走していた別の車の一団に拉致されてしまう。

　
　次のシーンで、早くも地下牢のような部屋で、拷問を受けているサキ。

　
　このマッドな医者（村松克己）、役名が分からないので仮に村松と呼ぶ。

　和夫「やめてくれ、その子は関係ないんだ！」
　村松「この子を苦しめたくなければあの写真を何処に隠したのか言いなさい」
　和夫「しらねえよ、持ち出したのはその書類だけだよ！」

　
　そこへ地獄城の異名を持つ三晃学園の校長、服部（伊武雅刀）が物静かに登場。

　服部「素晴らしい……君の意志の力は実に驚異的だ。もし良かったら、君を私の下で働かせて見たい。私に忠誠を誓わないか？」
　サキ「ふざけたら、いかんぜよ！」
　服部「……それが答えか？　時間をかけよう。君ならきっと理解できる筈だ」

　
　拷問の後、金網で仕切られた部屋に押し込められている二人。
　頬を拭うハンカチの感触に、サキは目を覚ます。

　
　サキ「……！」
　和夫「どうかしたのか？」
　サキ「うちゃあ、男の人の顔、こんな近うで見たの、生まれて初めてじゃきぃ……」
　恥ずかしそうに横を向くサキ。

　……サキ、テレビシリーズ42話の中で、総統を初めとして、かなりの数の「男の人の顔」を間近で見てきたと思うのだが？　「スケバン刑事」ファンと言うより、南野陽子ファンへのサービスかなぁ？

　サキ「奴ら、何者？」
　和夫「あいつら三晃学園の教師たちなんだ。三晃学園は地獄城なんだ。みんな殺される……」

　サキは詳しい話は後にして、まずその建物からの脱出を図る。

　
　で、天井から出ているスプリンクラーを見るや、和夫の靴を借りてそれに投げつけると、たちまちスプリンクラーが作動して水を撒き散らす。

　そんなことで作動するだろうか？
　こんな場合、普通は、ライターなんかをセンサーに近づけて作動させるものだが、健全な女子高生であるサキがライターを持っているのは不自然だからね。

　
　とにかく、騒ぎを聞きつけて駆けつけた見張りの男たちを倒すと、和夫の運転する車で地下駐車場からそのまま表へ飛び出す。そこは意外にも、夕闇に星がまたたくオフィス街のど真ん中だった。

　二人は和夫の生まれ育ったと言う街（芝浦？）の水門の制御室に一旦身を隠す。

　サキ「話しとうせ、三晃学園で何があったか」
　和夫「お前に言ったってどうにもなんねえよ」
　サキ「ひとりよりふたりのほうが、知恵も出るろう？」

　「出るろう」て……。
　上京して1年以上生活していると言うのに全く訛りが抜けないと言うのはさすがにどうかと。

　和夫「地獄城は東京湾海上2キロの地点にある島だ。交通は艀によってたったひとつ突き出た桟橋へ渡るしかない……」

　サキに強く促されて、和夫もぽつぽつと三晃学園について話し始める。

　……のだが、その2へ続く。