三晃学園の実態について重い口を開く和夫。

和夫「徹底した矯正教育で世間で近頃評判の私立学園さ。全寮制で親や学校の見放した不良たちを進んで引き受けて真面目な生徒に仕立て直すのが方針だってんだ。3ヶ月前に俺と喜久男が無期停学を喰らってる時、学園に放り込まれた。最初は少年院みたいなとこだと思っていた。ところが……」

果たして、生徒たちはそこで本格的な軍事訓練を受けていたのだった。
ありがちな設定である。

武器に関する講義の際、「白井ユリ、答えなさい!」と教官(増子倭文江)に指名された女子が、
「はい、WZ63、ポーランド製、ミニサブマシンガン、ブロー……ブロー……」
最初は自信たっぷりに答えていたが、「ブローバック式」と言う言葉が出てこず、急に困った顔になるのがちょっと可愛い。

当然、教官は「パカモノーッ!」と大激怒。

教壇の「お仕置ボタン」を叩くと、

女子生徒の足首をアームが掴み、

電気ショックが流れて女子生徒が「ああっ」と悶えるシーンは、完全にバラエティ番組の収録風景であった。
また、格闘戦でヘマをした男子生徒(1や2にも出ていた小野寺丈さん)にも「減点40点!」と電気ショックの罰が与えられるのだった。
電気代が高そうな施設である。
厳しい訓練を経て、生徒たちは服部校長に絶対服従するロボットのような人間に変わって行く。

サキ「どうして生徒に軍事訓練などするんじゃ?」
和夫「生徒同士で流れた噂じゃ、クーデターを狙ってるらしい。くそったれの校長がなに考えてんのかしんねえけど、仲間が訓練中、何人も死んでるんだ!」
サキは、服部たちが血眼になって探していた一枚の集合写真を和夫から借り、「ある人」とコンタクトを取ろうとする。

国会議事堂から真っ直ぐ伸びる路上で、サキの前に現れたのは言うまでもなく西脇であった。
西脇「二度と会うことはないかも知れんと思っていた」
サキ「うちもそのつもりじゃった」
西脇はサキを車に乗せると、そのまま暗闇指令のところへ連れて行く。
サキは全てを打ち明け、例の写真も見せながら、三晃学園を調査して生徒たちを救い出して欲しいと嘆願するが、暗闇指令や西脇は、「確固たる証拠がないと動けない」の一点張り。

暗闇「もういい、サキ、お前はスケバン刑事を退任したんだ。新しい自分の幸せを追え」
サキ「……よう分かったちゃ!」
例によって「大人は信用できん」というような顔で、サキはぱたぱたと部屋を飛び出して行く。

だが、サキがいなくなった途端、暗闇指令は緊迫した口調で「真ん中の男をよく見ろ」と西脇にその写真を示す。
西脇「これは……オカマの伊武雅刀!」 間違えました。
西脇「これは、北時宗(きた ときむね)!」
暗闇「三晃学園を脱走した生徒と知り合ったと聞いた時にも驚いたが、その写真を見た時、思わず声が出そうになった」
西脇「北の写真がどうして三晃学園に?」
暗闇指令は、5年前の国防省内部の叛乱事件の首謀者・北が、実は生きていて三晃学園を影で支配しているのではないかと推理する。
実は、彼らは、以前から三晃学園を内偵していたのだ。

こちらは、アンティークショップ(?)で退屈顔でバイトをしているお京。
ここで、お京に注意するオーナー風の女性、「スケバン3」や「少女コマンドーいづみ」にゲスト出演していた布瀬智子(太田涼子)さんじゃないかと思うのが……良く分からない。

ちょっと見ない間に急に大人っぽくなったお京。
そんな彼女の前に、サキが突然訪ねて来る。
……しかし、「久しぶりだ」と、まるで去年10月の番組終了以来一度も会ってないように二人がはしゃぐのは、ちょっと変である。二人は同じクラスにいるんだからね。あるいは、お京は戦いが終わった直後に高校を中退したとも考えられるが……。

三晃学園のことを聞かされたお京は、早速得意のビー玉投げを披露して見せるが、サキがやって来たのは、和夫を四国へ逃がす為の手助けをして欲しいからなのだった。
だが、当の和夫はひとりでも戦うと息巻く。サキは、三晃学園は自分たちの手に負える事件ではないと最初から逃げ腰だった。そんなサキを見て、
お京「サキ、たった3ヶ月や4ヶ月で、お前変わったね。桜の代紋がないとそんなに意気地がなくなるもんかねえ? 昔のお前なら……」
サキ「うちはただおまん(和夫)を死なせとうないだけじゃっ!」
……が、2分後、
サキ「お京、やろう、うちらの手で地獄城の生徒を救い出そう!」 コロコロ意見の変わる人やね。
その頃、服部とつながっている大物政治家(内藤武敏)が、服部に電話をして「暗闇指令が嗅ぎ回っているから用心しなせい」と忠告する。
やはり彼らは本気でクーデターを計画しているらしい。
この、大物―前線指揮官の組み合わせによるクーデターと言う枠組みは、「スケバン刑事3」の後に作られ(て速攻で打ち切られ)た「少女コマンドーいづみ」の設定とそっくり同じである。
さて、お京は迷うことなく雪乃に声をかけようとするが、イギリス留学を控えた雪乃の邪魔はしたくないと、サキは押し止める。その代わり、和夫の提案で千葉のスケバン平田たい子(吉田康子)に協力を求めようということになる。
たい子は、梁山連合の一員としてサキたちも一緒に戦った戦友であった。

和夫はサキと一緒にとある喫茶店を訪ねる。
そこは喜久男の妹・めぐみがひとりで切り盛りしている店だった。
和夫から喜久男の形見を受け取っためぐみは「兄ちゃんのこと人任せにしない、あたしが助ける!」と、参戦を表明するのだった。

直後、めぐみが意味ありげに電話を見るショットが、後の伏線となっているのである。
次のシーンでは、何故かサキたちはいかにも爆発が起きそうなだだっぴろい採石場へ移動している。
ここで、たい子たちと合流するらしい。
崖の上から、たい子たちの姿を認めて「来たーっ」と歓声を上げるお京。

たい子「サキーっ! お京ーっ!」
サキたちも手を振って下に降りるが、彼らが握手もかわさないうちに、頭上でなにやら不穏なエンジンの唸り声がしたかと思うと、稜線の向こうから一機のヘリコプターが現れ、

いきなりグレネードランチャーをぶっ放す。

ここはなかなかの迫力であるが、哀れ、たい子はこの一撃であっさり退場となる。
なお、一瞬振り向いたたい子、ちょっと見ない間に痩せて女っぽくなっていた。
これでは、サキたちを自然にこの場所へ連れてくるためだけに(映画に)使い捨てられたようなものだ。
……もっとも、三人は別に死んだ訳ではない。負傷して、これ以降の戦いに参加できなくなっただけである。
ヘリが再び飛んできて、サキたちに激しい攻撃を加える。
サキたちは絶妙に配置されたドラム缶の間を行ったり来たりしてしのぐ。
見ているほうにとっては数秒のシーンだが、メイキングではこの爆発と役者の動きのタイミングを合わせるのにかなりの時間が費やされていた。

迫力の空撮。

その最中、何処からか三代目スケバン刑事・風間唯が現れ、
「なんちゅう○○○(良く聞き取れない)じゃ、三代目スケバン刑事・風間唯じゃ!」
が、ヨーヨーを構えるだけで結局何も出来ないまま、サキとお京にドラム缶の陰に引っ張りこまれてしまう。
唯は、既に放送中の「スケバン刑事3」からの特別参加だが、正直、いない方が良かった、かなぁ?
あくまでこれは「スケバン刑事2」の映画化なんだからね。
唯は、西脇の密命を受け、サキたちの協力をしに来たのだ。

凄く嬉しそうに銃を撃つヘリコプターの人。後ろに見えるのは出川さんですね(違います)。
ここで早くも和夫が銃弾を胸に受けて、ぶっ倒れてしまう。
唯がヨーヨーを機体の下部に巻き付けて宙吊りになる。

サキ、唯の落とした風呂敷包みに向かって全力疾走してスカートがめくれて太腿が剥き出しになって嬉しい(管理人が)。

唯が西脇から頼まれて持ってきたというスケバン刑事の証であるヨーヨーを数ヶ月ぶりに構えるサキ。

銃弾がサキの足元をかすめて行く。
ありがちなシーンだが、当たらないようにする方が逆に難しいと思うのだが。
サキは頭上を過ぎていくヘリコプターに、振り向きざま、強烈な一撃を放つ。
ヘリは、その衝撃で急降下しつつ、空中で爆発し、墜落する。

サキ、和夫の体を抱き起こすが、既に和夫は事切れていた……。
サキ「許さん、地獄城、絶対に許さんぜよ!」 その3へ続く。