第10話「引き裂かれた水着 スキャンダル殺人」(1982年8月6日)
2の中でも特に好きなエピソードである。

いきなりこんな際どいアングルからスタート。
河野みゆきと言う、クリスチーヌ水着のイメージキャラクターのグラビア撮影風景である。

80年代アイドルはやっぱり良い!
演じているのは同名の河野みゆきと言う人だが、実際、アイドルの卵だったのかもしれない。

バックに流れる水着会社のイメージソングの録音風景なども。
80年代アイドルはやっぱり良い! あ、さっきも言ったか。

ワキのシワまで見えるフェチっぽいショットなんかもあって、もうこのPV的シーンだけでご馳走様でしたと手を合わせたくなる。

無論、尻フェチの管理人がこんなショットを見逃す筈がなかった。
……以上で終わっても良いのだが、ぶん殴られそうな気がするので続ける。
一躍人気者の座に駆け上ったみゆきちゃん、ポスターや看板が街中に溢れる。
……だが、
明日は久しぶりのオフと言うことで、マネージャーの内田(堀勝之祐)にマンションまで送ってもらったみゆき、シャワーを浴びてバスローブ姿になる。

どうでもいいが、彼女の部屋には彼女自身の馬鹿でかいポスターやらパネルやらが貼られていて、気持ち悪いです。あんまり自分の顔を見ながら生活したくないと思うが、アイドルだったら有り得るのかなぁ?
鏡台に向かって髪を梳かしていると、背後のクローゼットから、見知らぬ若い男が現れる。

当然、びっくりするみゆきちゃん。
みゆき「どなたですか?」
男「どなたですか? 落ちぶれたくねえもんだな、これでもスターと持てはやされた時もあったのによ」
男はみゆきを暴力的に犯す!
みゆきちゃんは激しく抵抗するが、バスローブの下に何故か水着をつけているようで、おっぱいは見えない。
見えなくていいのである。誰でも彼でも脱げば良いってもんじゃないのである!(誰だお前は)

しかも、男に抱かれているところを、その仲間たちにバチバチ写真に撮られるのがめちゃくちゃかわいそうなの。

それだけでも自殺ものだが、悪者たちはレイプされて放心状態のみゆきの腕に覚醒剤の注射まで打つ。
目に涙を滲ませつつ、意識を失うみゆき。
そして、翌朝、新聞配達員によって、血塗れのみゆきがナイフを手に茫然と突っ立っているのが発見される。
彼女のそばには、彼女を犯したあの若い男が刺し殺されて転がっていた。無論、仲間に殺されたのだ。
一夜にして、アイドルの絶頂から覚醒剤中毒の殺人犯と言う奈落へ叩き落されたみゆきちゃん。
うう、フィクションながらかわいそう過ぎて涙が出そうだ。

で、姉に付き添われて保釈された夜、「姉さん、あたし、もうダメ」と言い残し、自分の部屋から飛び降り自殺を遂げる。

汚名を着せられたまま死んだみゆきちゃんに、世間は冷たく、ポスターが無造作に剥がされ、捨てられる。
彼女をこんな目にあわせた悪党たちを地獄へ叩き落さずにいられるものかと、自分がハングマンになったかのように血が滾る見事な導入部である。

マイトの店でも、貼られていたポスターをマイトが撤去している。
さとみ「あら、マスター、剥がしちゃうんですか? あたし、みゆきちゃんが覚醒剤中毒だなんて信じられないわ」
マイト「犯罪者のポスターをこの店に貼っておくわけにはいかんのです」
そこへ、秋葉原に住むデジコンから仕事のお電話。
マイト「河野みゆき? お前もファンなのか?」
デジコン「冗談言わないでくれよ。俺は忙しくてまだ彼女の歌を聴いたことがないんだ。それにそんな年でもないしな。今度の事件、この一件に関係があるらしいんだ」
ちなみにマイトの店で働くさとみちゃん(井筒さとみ)も、なかなか可愛いのだ。

さて、GODに招集をかけられたハングマンたち。いつものようにスライドを映しながら、タミーが事件の概要について説明する。
タミー「河野みゆき16才、ワールドプロ所属、昨年クリスチーヌ社の水着のマスコットガールに3000人の中から選ばれた。今年に入ってから東洋レコードとタイアップしてイメージソングが発売され、このレコードはたちまちヒットチャートを昇り詰め1ヶ月で80万枚の大ヒットとなった……その異常人気をテコに、クリスチーヌ水着は今年の水着市場を完全に独占した。そして3週間前、後は皆さん良くご存知の通りよ。覚醒剤の幻覚症状から元歌手の島田洋を刺殺。殺人罪で起訴、保釈されてマンションから投身自殺……」
マイト「本人は否定していたそうだが、本当に覚醒剤中毒だったのか?」
タミー「体のあちこちに注射の跡があり、部屋からも覚醒剤のアンプルや注射器が発見されたそうよ」
デジコン「殺された島田って男も、確か……」

タミー「ええ、一時はかなり売れた歌手だったんだけど、覚醒剤で逮捕されて失脚した男よ」
フラメンコダンサーみたいな服がイカすタミーさん。しかし、
「失脚」って……。
みゆきと島田の関係について、内田マネージャーは4ヶ月前から付き合っていたと証言する。

同様に、マンションの隣の部屋に住む井上晴美(笑)と言う女性も、以前から島田が出入りしていたと証言しているらしい。
そう、フジ隊員の桜井浩子さんですね。
(そう言えば、一昨日ファミリー劇場のウルトラマンの特番に出てたな)
さらに、島田の部屋からも、みゆきの衣類や、

こんな写真が出てきたらしい。
だが、マイトはそれを一目見るや、
「妙だな、このみゆきの表情、惚れた男に抱かれてる時の顔じゃない」と指摘する。
オショウ「あ、そう、どれどれ、さすがプレーボーイ、デリケートなとこまで気が付くなぁ」
……それ以前に、明らかに第三者が撮ってることに不審を抱くべきだろう。
GODは、これら全てを仕組まれたことだと看破していた。

オショウ「芸能界の黒い霧か」
マイト「いや、芸能界と言うのは今や昔と違って何をやってもすぐにマスコミが騒ぐし、真面目な社会人にしたかったら芸能界へ入れろと言われてるぜ」
誰が言っとんじゃ? まぁ、芸能界に棲息する彼らがいくらドラマの中でも「芸能界は悪党の巣窟だ」なんてことを口が裂けても言う訳がない。
とにかく、ハングマンは事件の真相を暴くべく、行動を開始する。
後編に続く。