第16話「熱海の陰謀を砕け」 1980年5月17日放送。
ミニパトで街をパトロール……と言うよりドライブしている千恵子巡査(酒井ゆきえ)と、友子巡査(阿竹真理)の前を行くタクシーから運転手が慌てた様子で降りてくる。

二人が覗き込むと、乗客の男性が苦しそうに呻いていた。
男「フジヤマ……探せ……900万人が死ぬ……」
男は謎めいた言葉を残し、千恵子の目の前で砂になってしまった。

言うまでもなくベーダーの仕業なのだが、OL風のミラーとケラーがその横をほくそ笑みながら通り過ぎる。いつもと違って人前に出ても恥ずかしくない格好なのが嬉しいのだろう。

喜んだのも束の間、次のシーンではいつもの恥ずかしい格好をしてヘドリアン女王の前に立たねばならない二人。
ミラー「小川博士は完全に土くれとなりました」
ケラー「サメラ菌の威力は大したものです」
ヘドラー将軍は、地図を指し示しながら「900万人殺害計画」について説明する。
「ここ相模湾一帯の海を汚染しますと、鎌倉、逗子などの湘南海岸で泳ぐ人間どもがサメラ菌に冒されます。
ひと夏に泳ぐ人間はおよそ900万人。サメラ菌に感染した人間は3ヶ月後に発病しますのでたっぷりと泳ぎまわれるワケです」
まだ5月なんですけど……。 
そんな物騒な計画が進行中とも知らず、ブルーは自分のロッカーにアホのように大量のアンパンを積み上げてはニタニタしていた。
そんなプルーを見て、ピンクが「呆れた」と言いながらカメラ前に座るが、チラッとパンツが見えます。
グリーンとイエローがやってきて、細菌学の権威・小川博士は強力な細菌で死んだこと、熱海で拾ったタクシーに乗っていたこと、同じ細菌学者の浅野教授も行方不明であることなどを告げる。
レッドは、事件を調べるため、ピンクにだけ声をかけて熱海へ向かう。
変身したままだと、色々と差し障りがあると思うんですが……。 これじゃベーダーに丸分かりである。あるいは、わざと彼らを刺激するのが狙いだったのかも知れない。実際、すぐベーダーが攻撃を仕掛けてくる。だが、他の三人も普通に熱海へ来ていたようで、

すぐに応援に駆けつけ、機関銃で怪人や戦闘員を蹴散らす。大人気ない……。

一目散に逃げるベーダー一味の後ろ姿をじっと見ていると、思わず吹き出してしまう管理人であった。非礼を詫びておく。

先制攻撃を撃退した後、レッドとピンクは新婚夫婦っぽい身なりで、熱海後楽園ホテルへ投宿する。

一方、他の三人はこんな変装をさせられてホテル周辺で情報収集に当たると言う、組織内差別がまかりとおっていた。
もっとも、新婚夫婦に偽装するとなると、レッドとピンクの組み合わせが一番説得力があるのも確かだ。
二人はホテル内で聞き込みを開始するが、探すまでもなく浅野教授と妻、息子の三人連れにでくわす。レッドが話しかけるが、浅野は単に家族と観光に来ているだけで、行方不明などとんでもないと説明する。
無邪気に遊園地で遊ぶ親子三人の様子を訝しそうに見る5人。
その夜、ホテルのステージでは華麗なカーニバル風ダンスが始まっていた。

んで、何故か、ホテルでデンジマンや浅野を監視していたミラーとケラーまで、ばっちり衣装をととのえて、踊りに加わるのである。
見物していたデンジマンたちもすぐ気付くが、この行為に何の意味があったのだろう? 単に羽目を外して踊りたかっただけかも。
ミラー役の美川利恵さんは知らないが、ケラー役の湖条さんは元タカラジェンヌなのでこういうことをやらしても様になる。
深夜、金のない5人はピンクも含めて一つの部屋に雑魚寝していたが、浅野教授がこっそり部屋を抜け出し、どこかへ出掛けるのを知り後を追う。教授はとある船のキャビンの下に設けられた秘密の実験室へ入ると、ミラーたちにサメラ菌の培養を急ぐよう命じられる。

ベーダーの尻尾がつかめず焦るデンジマンだが、東京の千恵子からグリーンに電話があり、やはり浅野教授は行方不明であること、さらに教授と一緒にいる息子はニセモノだと知らせてくる。本物の子供は病気で入院しているらしい。
デンジマンたちが熱海にいる教授の息子を問い詰めると、息子はたちまちベーダー怪人に変身する。そう、怪人が子供に化けて、夫婦に張り付いて監視していたのだ。
しかし怪人は海に飛び込み、さっさと逃げてしまう。その後も、デンジマンたちの探索は続く。

イエローは間違えてカップルが抱き合ってるところへ入り込んでしまい、「すいましぇん!」と謝る。
この女の子、かなりのぽっちゃりさんである。

ブルーはブルーで、海岸で寝そべっているケラーとミラーにバカにされる。
5月なんですけど……。 しかし、最後にレッドが「フジヤマ」とは船の名前だと気付き、そのキャビンの底にある実験室の存在に気付く。

すぐ踏み込んだが、実験室はもぬけの殻だった。だが、ご丁寧にも手作り感溢れる図解が貼ってあったので、彼らはすぐにベーダーの作戦を察知するのだった。
イエロー「ここで培養した細菌を海で撒き散らすつもりなんだ」
レッド「見りゃあ分かるよ」 ベーダーたちは、モーターボートに浅野教授と一緒に乗って海へ出て、早くもサメラ菌を散布しようとしていたが、だいぶ遠くにデンジマンたちの乗るモーターボートを見付けて、何故か散布を中止して、逃走を試みるのだった。
……とりあえずサメラ菌をばら撒けばいいのに。
後はいつものバトルが一通りあって、ベーダーの計画は未然に防がれる。

その後、本物の息子をまじえて、改めて熱海でのバカンスを楽しむデンジマンと浅野一家であった。
……
なんでピンクだけ水着じゃないんだーっ!(管理人の魂の叫び)
ま、5月だからねぇ……。
だいぶ寒そうである。撮影は3月か4月だろうしね。
また、このシーンで、空手の師範であるレッドが意外とへぼい体をしており、逆に頭脳派のイメージの強いイエローがかなり良いガタイをしているのが分かる。