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「宇宙刑事シャリバン」 第44話「バラの香りに満ちた真夜中のシンデレラ」(リライト版)



 第44話「バラの香りに満ちた真夜中のシンデレラ」(1984年1月6日)

 新年一発目の放送である。

 冒頭、小次郎さんが双眼鏡を手に、離れたところにあるテニスコートで練習しているひとりの女性テニスプレーヤーを観察している。

 
 コーチ「ダメ、ダメ、早く振りすぎるんだよ。もっと力を溜めて」
 佐世子「はい」

 で、その美しきテニスプレーヤー・山崎佐世子を演じているのが、管理人お気に入りの日高久美子さんなのだった。

 また、今回気付いたのだが、ほとんど出番のないテニスコーチを演じているのが、この約2年後に「フラッシュマン」のリーダーを演じることになる、阿川藤太さんなのだった。

 てっきり、小次郎さん、趣味である(註・趣味じゃないです)覗きをしているのかと思ったら、

 
 小次郎「へへへへっ」

 そうではなく、純粋に佐世子の選手としてのコンディションを調査していただけだったことが分かる。

 小次郎さん、その足で鈴木モータースに行くと、仕事中の千秋に嬉しそうに声を掛ける。

 小次郎「千秋ちゃん、おめでとう」
 千秋「あら、私、誕生日じゃないわよ」
 小次郎「いやいや、明日の試合のことだよ、ライバルの山崎佐世子を偵察したんだがね、彼女はファーストサーブがほとんど入んない、だから千秋ちゃんにも勝てるよ」
 千秋「うふ、でも、佐世子さんはここんとこ連戦連勝、だからライバルなんて思ってないわ」

 サブタイトル表示後、先端に毛と目玉のついた、細長いくだのような生き物が、城東女子大の寮の敷地内に入り込み、外壁をつたいながら、女子大生たちの部屋をひとつひとつ覗き込んでいく。

 で、その描写が妙に細かいのだが、そんなのどうでもいいから、もっと女子大生たちの生態をしっかり映して欲しかった。

 
 それはともかく、最初に出てくる女子大生が、以前のレビューでも書いたように、次回作「シャイダー」にレギュラー出演している原美穂さんなのだった。

 当時は、下司美穂名義。

 部屋にはもうひとり女子大生がいたが、触手は、どちらも気に入らなかったようで、何もせずに次の部屋に移動する。

 
 そして、二つ目の部屋で、ベッドに腰掛けてクラシック音楽に耳を傾けている女子大生が、ここの少し後に始まる「バイオマン」で、二代目イエローフォーを演じることになる田中澄子さんなのだった。

 そう言えば、初代イエローフォーの矢島さんもつい最近まで出てたんだよね。

 ヘレンがもう少し長生きしていれば、新旧イエローフォーの共演なんてのもありえたかもしれない。

 ともあれ、触手はその部屋を素通りし、三つ目の部屋に移動する。

 そこでは二人の女子大生がエアロビをしていたが、触手はすぐに四つ目の部屋に。

 
 で、その部屋にいたのが、管理人イチオシの日高さんなのだった。

 しかし、いちいち全部の部屋を見て回るのが、実にまどろっこしくてかなわない。

 他の女子大生はろくに出番も台詞もないんだから、最初に佐世子の部屋に来た方がテンポが良かったと思う。

 と、漸く気に入ったのか、触手は先端からガスを噴射し、二人をあっという間に眠らせる。

 ただ、おかしいのは、

 
 触手が戻っていく先に、天井裏にひそむ魔怪獣の本体がいることだ。

 触手は、最初は明らかに寮の外から入り込んだのに、この本体はどっから来たんだってことになるからね。

 なので、前記したように、触手が入り込むシーン自体要らなかったのだ。

 それはそれとして、魔怪獣アンコウビーストは眠っている二人に特殊なビームを浴びせる。

 ピチピチの女子大生ギャルが二人も目の前に横たわっていると言うのに、その下着のチェックすらしようとしないアンコウビーストに、我々は、仕事一筋の昭和のガンコ親父の姿を見たのであった。

 
 アンコウビースト作り出した夢の中で、王子(コーチ)と一緒に楽しく踊っているお姫様スタイルの佐世子。

 ただ、日高さんってこういう衣装があまり似合わないし、余計な効果が掛かっている上、カットが細かすぎて、日高さんの顔をろくにキャプできないのが恨めしい。

 この辺は、のちのテニスの試合のシーンでも言えることだけどね。

 
 アンコウビーストはもうひとりの女子大生にもビームを浴びせるのだが、こちらの見ている夢は、皮のつなぎを来て、ライブハウスのようなところで気持ち良さそうにギターを弾いているというものだった。

 ほどなく、ポルターがミスアクマ1と2を引き連れてその部屋にやってくる。

 
 ポルター「アンコウビースト、ごくろうであった」
 アンコウビースト「えああああーっ!!」
 ポルター「仕事が終わったら食っていい?」
 アンコウビースト「ぎゃあああああーっ!!」

 途中から嘘だが、なんとなく、鍋にしたくなるような魔怪獣であることは確かである。

 ミスアクマ1は佐世子の目蓋を開き、瞳孔をチェックする。

 
 ミスアクマ1「感情的にかなり高ぶっており、ハッピーな状態におります」

 二代目ミスアクマ1、キツめの顔は好きじゃないのだが、良く見たら胸元がかなり大胆に開いてるんだよね。

 ミスアクマ2ももうひとりの瞳孔をチェックし、

 ミスアクマ2「この娘も同じです」
 ポルター「ビーストビールスを吸い込ませろ」

 てっきり、ポルターの条件にかなうのはこの二人だけかと思いきや、

 
 なんのことはない、次のシーンでは、女子大生全員が眠らされてベッドに横たえられていたので、思わずコケそうになった管理人であった。

 じゃあ、いちいち部屋をチェックしていたのは何のためだよ……

 つーか、そもそも、ここ何処なの?

 人が暮らしている寮の中にこんなものが作れる訳がないので、地上の別の場所にあるアジトかしら?

 彼らは、へレンが死ぬ間際につけていた酸素吸入器のようなものを口にあてがわれ、ビーストビールスなるガスを強制的に吸わされる。

 ポルター「ハッピーな状態で吸入するのが、一番効果があるのだ。最後の仕上げだ」

 バカボンのパパみたいな口調でそう言うポルターであったが、最後は部屋の中が白い光に照らされるだけで、何が「仕上げ」なのか、良く分からないのだった。

 その後、満面の笑みを浮かべて幻夢城に戻ってくるポルター。

 ポルター「ビーストビールスを7名の娘どもに吸入させて参りました」
 サイコ「カオーッ!!」(日本語訳・知るか)

 と、レイダーが笑いながらあらわれる。

 ポルター「何がおかしいのだ、レイダー」
 レイダー「小娘の女子大生を相手に遊んでいる場合ではない筈」
 ポルター「なにぃ、私の練り上げた人間改造計画を遊びと言うのか?」
 レイダー「人間の改造?」
 ポルター「今までの人間を獣性化する計画はことごとく失敗した。だが今度の計画は違う、人間に魔獣の心を持たせる計画なのだ、そのためには健康な肉体と高い知性と教養を身につけた女子大生をモルモットに選んだのだ。男子禁制の女子寮ならシャリバンめも迂闊には踏み込めぬ、恰好の生体実験場なのだ」

 レイダーを相手に熱っぽく作戦の内容を語るポルター。

 と言うことは、さっきの部屋は、やっぱり女子寮の中にあったのか。

 ま、のちの描写から見て、寮の一室を改造したと言うより、寮の中にサイコゾーンに通じる出入り口を設け、実験室をその中に作ったと思われる。

 うーん、だったらますますアンコウビーストの触手が外側から来たのが解せなくなるなぁ。

 それはそうと、「高い知性と教養を身につけた女子大生」って、今聞けば笑いを取りに来てるとしか思えない台詞だ。

 ポルター「実験が成功すれば今度は世界中の娘どもにビーストビールスを……」
 サイコ(マジかよ……)

 調子に乗って、サラッと恐ろしいことを口走るポルターさん。

 あんた、簡単に言うけど、世界中の若い女性にさっきのような方法でビールスを吸わせていた日には、途轍もない手間と労力と年月が掛かるぞ。

 これなら普通に武力で攻めたほうがよほど効率的だろう。

 ポルターのプレゼンはまだ続く。

 ポルター「魔獣の心を持った娘が結婚し、子供を生む、その子も魔獣の心を持つ、そして代々血は伝わっていく、何百年か後には、地球全人類が……」

 ポルターの壮大過ぎる計画を聞いたサイコは、

 サイコ「お前、明日から来なくていいぞ」
 ポルター「はっ?」

 じゃなくて、

 サイコ「生体実験を続けろ」
 ポルター「はーっ!!」

 至極あっさりゴーサインを出すのだが、数百年も待つ余裕があるのなら、そんな七面倒臭いことをせずとも、電がジジイなるまで待てば良いのである!!

 それにポルターのプラン、重大な点を見落としていると思う。

 そもそも魔獣の心を持った娘なんかと結婚したがる奴はいないと言うことを……

 ともあれ、ポルターは得意満面で、ガイラーが支えている幹部の椅子(註・座り心地最悪)の後ろに回ると、

 
 ポルター「ここ、私の席!!」

 とでも言いたげに、両手で強く押さえつける。

 
 レイダー「お前の椅子ではない!!」

 ポルターの心を見透かして、すかさず叫ぶレイダー。

 ポルター「……」

 ポルターが良く見たら、ちっちゃくシルバーシートって書いてあったそうな……

 嘘はさておき、思い出したように激しく睨み合い、火花を散らす二人。

 ナレ「最高幹部の椅子をめぐって、ドクターポルターとレイダーの権力争いは日増しに激化していた」

 すかさず一成ちゃんの説明が入るのだが、最近は、割りと仲良く悪人ライフを満喫して、時には協力もしてた二人なので、いかにもとってつけたような感じがする。

 さて、翌日、「大学対抗レディーステニス決勝大会」が開かれ、電も時間の都合をつけて観戦にやってくる。

 無論、千恵たちも応援に来ていた。

 
 千恵「お姉ちゃん、頑張ってーっ!!」

 ああ、かわええ……

 小次郎「おお、電ちゃん、ちょうどいいとこ来た、今から決勝戦だよ」
 電「ほんと、間に合って良かった」
 小次郎「電ちゃんも付いてるからきっばれ(註・頑張れの意か)よ!!」

 
 ちょうど、あの佐世子と千秋との対戦が行われようとしていたが、千秋は電たちの声援に手を上げて応える。

 小次郎「わあ、余裕たっぷりだ」

 しかし、どんな規模の大会なのか不明だが、決勝まで勝ち残ったのだから、千秋のテニスの腕もかなりのものである。

 佐世子は、冬場だと言うのにノースリーブのテニスウェアで試合に臨んでいたが、

 

 
 ここでも、カットが細かすぎて、その艶かしいテニスルックを落ち着いて鑑賞することができず、せいぜい、この画像くらいしかキャプするシーンがなかったのは遺憾である。

 これだって、映像的には瞬きするくらいに終わってるのだ。

 
 千秋「うわっ」

 それはともかく、試合は佐世子のサーブから始まるが、その威力は凄まじく、空振りした千秋は勢い余って思い切り尻餅をつく。

 ここも、せっかくのチラなのに、こんなロングショットでは意味がない。

 電「すごいじゃないか、男顔負けだよ」

 
 千秋「ああっ」

 続くサーブも空振りし、今度は股間をこちらに向けて地響きするほど豪快に尻餅を突く千秋だったが、相変わらずカメラが遠く、これでは蛇の生殺し状態である。

 小次郎「いやいやいや、昨日とまるで別人だな、こりゃ」

 偵察までしていた小次郎さんは唖然となるが、昨日のあれが芝居でないとすると、佐世子が急に上手くなったのは、ビーストビールスのお陰と言うことになる。

 ただ、彼女がそれを吸ったのは明らかに昨夜が初めてなのだから、それ以前の、千秋の言うところの「連戦連勝」は、一体なんだったのかと言うことになり、なんか「?」となるんだよね。

 まあ、予告編では「彗星のごとく現れた天才プレーヤー」とまで言い切ってるから、元々実力のある選手ではあったのだろうが、昨日の体たらくを見ると、釈然としないものが残るのも事実だ。

 普通、この手の話なら、元々凡才だったのが、ビーストビールスのせいで急にスーパープレーヤーに生まれ変わった……みたいな感じになるもんだけどね。

 閑話休題、

 電(まるで獣のような目の光だ)

 電は感嘆を通り越して、異様なものを彼女の中に感じる。

 
 その電の視線に気付いたように、佐世子が険しい目を向けるのだが、残念ながら、このシーンにおける佐世子のアップはこれだけ。

 もったいないなぁ。

 電(人間の、いや、若い子の優しい輝きがない……どんなトレーニングをしているか、調べてみよう)

 と言うことで、捜査に乗り出す電であったが、その目をチラッと見ただけで、そこまで見抜けるものだろうか?

 第一、女子大生が全て「優しい輝き」を持つとは限らないし、いままさに闘志をむき出しにして真剣勝負をしているのだから、その目に「獣のような目の光」が見えてもおかしくはあるまい。

 なので、28話のように、ボールが千秋のラケットを打ち抜くとか、佐世子の超人的なパワーを目の当たりにして、それで電が怪しむ……と言う流れにした方が自然だったと思う。

 なお、ここで、

 電(人間の、いや、若い子の優しい輝きがない……どんなパンツを履いているのか、調べてみよう)

 と言うしょうもないギャグを思いついたものの、当ブログの品位を落とすと判断し、ボツにしたことを報告しておく。

 あ、いま、「きっちり書いてんじゃねえか!!」と言うツッコミが聞こえて来たが、それはこちらの思惑通りだったりするぞ。

 試合の結果などは省略されているが、無論、佐世子の圧勝だったのだろう、試合の後、佐世子がスーパーカブに乗って寮に戻ってくると、電がジープで追いかけて来て声を掛ける。

 電「こんにちは」
 佐世子「誰?」
 電「鈴木千秋の……ほら、さっき応援していた」

 
 佐世子「なにか」
 電「いや、200キロ近いサーブを打っていた、何のトレーニングもなしで?」
 佐世子「どうなってんだか、私のほうが知りたいわよ」
 電「ちょっと待って」

 建物に入ろうとする佐世子の肩に手を置くが、

 佐世子「ここは男子禁制です」
 電「あっ」

 怖い顔で睨まれて、慌ててその手を引っ込める。

 グランドバースに引き揚げた電は、リリィのそのことを話すが、

 リリィ「思い過ごしじゃない? テニスの上手い子ならわんさといるわよ」
 電「獣のにおいがするんだよ……あのギラッとした目の光が気に掛かる」

 とりあえず、佐世子のラケットを調べてみようと言うことになり、リリィが単身女子寮に潜入することになる。

 しかし、せっかく女子大生の心を魔獣に変えようというのに、それによって彼女たちの性格がどう変化したのか、何の描写もないのは物足りない。

 たとえば、佐世子が憧れているコーチが、佐世子の態度が急に荒々しくなったことに驚き、それを電に話すとか、そんなシーンがあればドラマに膨らみが出たと思うのだが。

 ともあれ、夜、リリィはスーツにパンツスタイルの女性探偵風のコスプレをして、女子寮に入り込む。

 ただ、女子寮だと言うのに、玄関のドアに鍵も掛かってないのは、さすがに不用心ではあるまいか? 変態快楽殺人鬼の美味しい猟場になってしまうぞ。

 
 女子大生たちは、食堂で一緒にワイワイ言いながら御飯を食べていたが、その和気藹々とした様子からも、とてもビーストビールスを吸わされているとは思えない。

 で、リリィは彼らの目を掠めて佐世子の部屋に入るのだが、これでは、わざわざ新聞記者(?)に変装した意味がなく、電がやったほうが確実だったろう。

 スポーツ担当の記者と言う触れ込みで、佐世子に優勝インタビューを申し込めばすんなり部屋に入れただろうに、少しは頭を使っていただきたい。

 それはそれとして、

 
 リリィ(何の仕掛けもない……)

 問題のラケットを手に取ったリリィは、自分の推測が間違っていたことを知る。

 リリィ(と、すると……)

 
 佐世子「だぁれ、あなた」
 女子大生「空き巣ね」
 リリィ「違います!!」

 CM後、リリィが考え込んでいると、佐世子たちがどやどやと入ってきて、かなりまずい状況となる。

 ここは、普通に警察に電話したほうがリリィにとってはイヤだったろうが、幸か不幸か、言い訳しようとするリリィに向かって、女子大生たちは獣のような身軽さで飛び掛かってくる。

 リリィも抵抗するが、多勢に無勢、あえなくベッドの上に押し付けられる。

 そこへポルターたちが入ってきて、

 
 ポルター「飛んで火にいるなんとやら……」
 リリィ「マドー!!」
 ポルター「これまた最高のモルモットが飛び込んできた」

 リリィはアンコウビーストの放つガスを浴びて、意識を失う。

 その後、電は再び女子寮を訪ねる。

 
 電「すいません、開けて下さい」
 佐世子「非常識ね、こんな夜中に女子寮の玄関叩くなんて」
 電「リリィを知らないか」
 佐世子「リリィ? ああ、さっきの女探偵さんね」
 電「来たんだね」
 佐世子「泥棒と間違えちゃってさ」
 電「で、リリィは」
 佐世子「とっくに帰ったわよ」
 電「そう……ありがとう」

 電はあっさり引き下がるが、リリィから連絡がないのだから、嘘であることは明らかであった。

 これでは逆に電に怪しまれるだけで、前記したように、リリィを警察に引き渡すなり、普通に追い出せば良かったのである。

 「悪の組織」の皆さんには口を酸っぱくして言ってきたことだが、まずは実施中の作戦を成功させることを第一に考え、ヒーローを「ついでに」倒そうとするのはやめましょう。

 極端な話、一旦電に目をつけられてはいずれ頓挫するのは必定なので、この女子寮での計画はさっさと中止して、別の女子寮でやってもいいくらいだ。

 女子大の寮なんて、掃いて捨てるほどあるんだからね。

 だが、負け続けてる割りに自信家のポルターはそんなことは露ほども考えず、

 ポルター「助っ人は行ったぞ、ふふふふ、ふふふふふ……」

 愉快そうに目を剥いて気絶しているリリィを見下ろす。

 これでさっさと殺しとけば、大幹部の椅子をゲットできていたかもしれないのだが……

 さて、電は一旦引き揚げたと見せてから引き返し、寮の中に忍び込む。

 それこそ、佐世子たちがその現場を押さえて警察に通報すれば、電を不法侵入で逮捕させ、社会から合法的に抹殺できたと思うのだが、例によって例のごとく、わざとしか思えないが、ポルターは電をサイコゾーンの中の実験室に誘い込む。

 実験室と言っても、そこはだだっぴろい荒野で、そこにいくつものベッドが並べられ、そのひとつに正体のないリリィが横たわっていた。

 
 さらに、自分が落ちてきたドアの前に、催眠状態にある女子大生たちが立ち並ぶ。

 ……

 ここは、全員ミニスカを履かせて、もうちょっと明るいところで、もう少し際どい角度から撮って欲しかった。

 ポルター「はははは、抵抗すればこの子たちは死ぬ」
 電「みんな騙されてるんだ、逃げろ」
 ポルター「無間地獄に落ちたものたちだ、私の思いのままに動く」

 抵抗できない電に、アンコウビーストが襲い掛かるが、ここで、意識のない筈のリリィが起き上がり、電を助ける。

 
 ポルター「無間地獄に落ちたふりをしたな」
 リリィ「私は宇宙刑事よ、あんなガス、吸う筈ないでしょ!!」
 電(え、そんだけ?)

 そんだけなんである!!

 要するに、息を止めてガスを吸わないようにしたのだろう。

 状況は何も変わってないのに、

 ポルター「おのれぇえええっ!!」

 怒り狂ったポルター、前後の見境なく、人質の筈の女子大生たちを操って、二人を追わせる。

 
 一応、ここで、女子大生たちが巫女さんのコスプレを披露するのだが、全然楽しくない。

 せっかく女の子をたくさん集めたんだから、テニスウェアとか、チアリーダーとか、バニーガールとか、競泳水着とか、ビキニとか、全裸とか、思い思いのコスプレをさせて乱舞させて欲しかった。

 色々あって、電がシャリバンに変身し、アンコウビーストを撃破して事件解決。

 アンコウビーストの死と共に、佐世子たちが元に戻ったのは言うまでもない。

 ラスト、電が女子寮の玄関から中を窺っていると、誰かに肩を叩かれ、振り向くと、

 
 電「ひっ!!」

 そこに、怖い顔をした佐世子たちがずらりと並んで自分を見詰めていた。

 佐世子「ここは女子大生の寮よ」

 
 女子大生「いやらしいわね、覗き込んだりして」
 電「違う、違うよ、俺はみんな元気でいるかなーと思って」
 佐世子「誰か病気なのー?」
 女子大生「ううん」
 佐世子「やっぱり覗きじゃないの」
 電「君たちにはどう説明したら分かってもらえんのかなっ」

 電、ほうほうの体で女子大生から逃げ出すのだった。

 電がこの苦い体験から、ますます幼女一筋のナイスガイになったことは想像に難くない。

 以上、女子大生の寮が舞台と言う、願ったりかなったりの設定の割りに、大してエロくもなければ面白くもないと言う、期待はずれのエピソードであった。

 せっかく日高さんがゲストなのに、その笑顔もろくに見れないというのは悲しい。
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コメント

佐世子さんいいですね、テニスウェア姿も素敵です。
ギタリストの夢をみる女子大生も美人……

Re[1]:男・強さ・優しさ・力・勇気・輝き「宇宙刑事シャリバン」第44話(01/25)  

こぞう様
>佐世子さんいいですね、テニスウェア姿も素敵です。
>ギタリストの夢をみる女子大生も美人……

コメントありがとうございます。
日高さんは何と言っても「スカイライダー」の蛇女役が最高ですね。

Re[2]:男・強さ・優しさ・力・勇気・輝き「宇宙刑事シャリバン」第44話(01/25)  

>日高さんは何と言っても「スカイライダー」の蛇女役が最高ですね。
あのときも最高でしたね!
かわいそうな役でしたが、いろんな表情をみることができました。
このシャリバンのときはショートカットが似合っていて、さらに野獣化するというのが魅力的でした。

Re[3]:男・強さ・優しさ・力・勇気・輝き「宇宙刑事シャリバン」第44話(01/25)  

こぞう様
>あのときも最高でしたね!
>かわいそうな役でしたが、いろんな表情をみることができました。
>このシャリバンのときはショートカットが似合っていて、さらに野獣化するというのが魅力的でした。

忘れてましたが、「ダイナマン」13話では花嫁姿も披露されてましたね。

Re:男・強さ・優しさ・力・勇気・輝き「宇宙刑事シャリバン」第44話(01/25)  

>「でも、ここのところ佐世子さんには連戦連勝。だからライバルなんて思ってないわ・・・」

このお話に登場する女子大生たちは皆、誰に対しても上から目線と言うか、ワガママお嬢様的な感じがして、ポルターもそんな彼女たちの「素の性格」に目を付け傀儡化するにはもってこいだと思ったのかもしれませんね。
それに対し実家でもある鈴木バイク店の手伝いをがんばっちゃいながらも、上記の台詞が示す様に、テニスでは常に佐世子さんを凌駕している千秋さんの方がかっこかわいく好感が持てます!小次郎さんが親衛隊(?)をかって出たくなるのも頷けます(笑)!!
その一方で、椅子下敷きの刑ですっかり幻夢場内のシーンのガヤと化し、ポルターに
「痛いかっ?!、痛いかっ?!!」
とばかり嫌がらせを受けるガイラー将軍が涙を誘います・・・。

Re[1]:男・強さ・優しさ・力・勇気・輝き「宇宙刑事シャリバン」第44話(01/25)  

笑太郎様
>このお話に登場する女子大生たちは皆、誰に対しても上から目線と言うか、ワガママお嬢様的な感じがして、ポルターもそんな彼女たちの「素の性格」に目を付け傀儡化するにはもってこいだと思ったのかもしれませんね。

当時のおっさんたち(スタッフ)の目に、女子大生なるものがどんな風に映っていたのか良く分かりますね。

リテイク希望?

で、DVD9巻に共に収録されているエピ。
テニスウェア姿の千秋が転倒するシーンをキャプると思っていましたが(笑。

Re: リテイク希望?

今、少しずつリテイクしているので、これもやると思います。

だって男子禁制だし

魔獣の心を持った娘と結婚したがる男はいない?いやあそこはどうとでもなりますとも、別に男側の意思なんか必要ありません、ヤッてデキちまえばこっちのもんです(最低)

そういえば特撮怪人でアンコウモチーフの時は十中八九チョウチンアンコウですけど、チョウチンアンコウと聞いて一般的にイメージする姿はメスの姿(オスは姿が違う上メスに比べて10分の1位のサイズしかない)、にもかかわらずアンコウモチーフの怪人の殆どは男性怪人
もしやアンコウビースト、声は男だが実は性別は女だったんだろうか

折角のゲストが

折角のゲストを有効活用していないようですね😅巫女のび太コスじゃテンションもう上がりませんね⤴️

リテイクでは無くリライト

>せっかくのチラなのに、こんなロングショットでは意味がない。
>相変わらずカメラが遠く、これでは蛇の生殺し状態である。
さて、前のコメントに対する解答となりましたが、肩透かしでしたか。
先日の「ギャバン」レビューのリテイクに比べて元気がないですね。

そもそもテニスルックの千秋より客席の千恵に目が行ってしまう、
それが「シャリバン」レビューテイスト!

Re: だって男子禁制だし

> 魔獣の心を持った娘と結婚したがる男はいない?いやあそこはどうとでもなりますとも、別に男側の意思なんか必要ありません、ヤッてデキちまえばこっちのもんです(最低)

考えれば、逆にそう言うのが好きと言う男がいるかもしれませんね。

> そういえば特撮怪人でアンコウモチーフの時は十中八九チョウチンアンコウですけど、チョウチンアンコウと聞いて一般的にイメージする姿はメスの姿(オスは姿が違う上メスに比べて10分の1位のサイズしかない)、にもかかわらずアンコウモチーフの怪人の殆どは男性怪人

ああ、なんか聞いたことがあります。

Re: 折角のゲストが

もったいないですね。

Re: リテイクでは無くリライト

> 先日の「ギャバン」レビューのリテイクに比べて元気がないですね。

そうでしたか。「ギャバン」は最近ですが、この下書きはだいぶ前に書いたものなので、そのせいかもしれません。

> そもそもテニスルックの千秋より客席の千恵に目が行ってしまう、
> それが「シャリバン」レビューテイスト!

ごく自然に「かわいい」と書いてるのが、我ながらだいぶやばいと思います。

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