「仮面ライダーBLACK」セレクション 第18話「剣聖ビルゲニア！！」 後編

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　第18話「剣聖ビルゲニア！！」（1988年2月7日）
　の続きです。

　
　手傷を負って、克美たちのところへ戻ってきた光太郎。
　克美「すぐ病院へ行きましょう」
　光太郎「大丈夫だ、少し休ませてくれ」
　杏子「でも、傷の手当てだけでもしたほうが良いわ。救急箱持ってくるから」

　二人の言葉など耳に入らず、いかつい目で宙を見据える光太郎。
　1話以来、あれほどの強敵に出会ったのは初めてだった。

　一方、三神官はビルゲニアのやり方にブーブー不満を並べていた。

　
　ビシュム「我が愛しのクロネコ怪人を盾にするとは何事ですか！」
　ビル「奴と仮面ライダーの力の差は歴然、どうせやられるなら、捨石になるのが当然かと思いますがね」
　ビシュム「……！」
　ダロム「まぁ、良い、しかしあそこまで仮面ライダーを追い詰めながら何故逃がしたのだ？」
　ビル「奴の戦闘力はとくと分析しました。いつでも消せますよ。それより、あの程度の力で次期創世王の候補だったとは、ゴルゴムも地に落ちたもんですなぁ」
　バラオム「貴様ぁ、我々を愚弄するつもりかっ」
　ビル「いや、自分の運命を嘆いているんですよ、同じ日食の日に生まれながら、3万年早く生まれたばかりに世紀王の資格がないのですからねえ」

　ビルは、BLACKやシャドームーン同様、世紀王になれるほどの実力があったようだが、その時期が悪く、キングストーンも授けられなかったらしい。考えれば、キングストーン抜きで、BLACKと互角に戦えるのだから、その大口もあながち嘘ではないようだ。

　ビルの慇懃無礼としか言いようのない態度に、遂にバラオムが頭に来てビームを放つが、ビルは盾・ビルテクターでそれを弾き返してしまう。

　ビル「短気は損気ですよ、大神官バラオム様、しょうがない、仮面ライダーを炙り出して、処刑してきますから」

　
　克美が、エジプト展のあの剣を持った男が「仮面ライダーBLACKを連れて来い」と、人質を取って暴れていると息せき切って知らせに来る。

　
　光太郎は例によってあっという間にバイクで行ってしまう。
　克美「あんな怪我してるのに……光太郎さん、本当に？」

　女子たちの疑惑はますます募るのだった。

　
　男「仮面ライダーBLACKはまだかぁ？」

　警官隊に取り巻かれている、その狂気にとりつかれたような目の男、演じているのは実は、BLACKの中の人、岡元次郎さんなのだった。

　なにしろ、中の人がここにいるんだから、いくら叫んでもBLACKが来る訳がないのであった。

　光太郎「間違いない、あの剣はビルゲニアのものだ」

　
　男は、警官に撃たれて剣を落とすと、たちまち正気に返る。
　男「どうなってるんだ。どうしてこんなことに……」
　警官「寝惚けたことを言ってるんじゃない」

　痴漢で捕まった公務員のような顔で連行されていく男。

　と、今度は、何気なくその剣を拾った警官が、たちまち剣に魅入られて正気を失う。

　
　ビルの声（お前の正面の白のブルゾンの男を斬れ）

　3万年ぶりに復活した筈のビルが「ブルゾン」と言う単語を使うのが、若干の違和感。

　
　ビルの声（何をしている、たたっきれ！）
　光太郎（この声はビルゲニア、剣を媒介にして人間をコントロールしているのか）

　何故か、光太郎にもビルの声が聞こえるらしい。

　必死に警官の攻撃を防ぐ光太郎。

　
　街路樹の背後から、サングラスをしたビルが現れる。

　
　ただ、素顔はめちゃくちゃ優しそうなのが、この武闘派キャラにはミスマッチかなぁ？

　吉田淳さんは嫌いじゃないんだけど……。

　光太郎は、街中で戦うのは他人に迷惑だからと、バイクでその場を離れ、人気のない疎林まで移動する。
　そこは、キリスト教的な墓の立ち並ぶ墓地だった。

　光太郎（奴は今まで戦ってきた怪人とは全然違う。あの氷のような眼差しとスザマジイ殺気！）
　いつしか霧が漂い、遠雷が不気味に轟いている。

　
　例によって、光の剣が飛んできて、

　
　光太郎の背後の墓を木っ端微塵に砕く。

　
　その粉塵の中から、ビルがゆっくりと立ち上がる。この「出」は実に素晴らしい。

　ビル「南光太郎、いや、仮面ライダーBLACK、貴様の死に場所にはもってこいだな！」

　ここで改めて変身ポーズを取る光太郎。

　
　光太郎「むんっ」

　
　拳を握り締めて気合を溜め（Bボタン長押し）つつ、相手を睨み付け、

　
　光太郎「へん……しん！」

　BGMは「ブラックホール・メッセージ」、ただし2番から。
　「時には仲間を装う奴らのたくみな誘惑、鋭く尖った牙～♪」

　ビルは、「ビルセイバー・ダークストーム」に続けて「ビルセイバー・デモントリック」と言う技を披露する。これは、三体に分離して、敵を惑わすという幻術であった。

　しかも、BLACKの「マルチアイ」を使っても、どれが本体か分からないというのがビルの只者ではないところがよく表現されている。

　もっとも、次に「キングストーンフラッシュ」を放つと、あっさり幻は消えてしまう。

　
　攻撃前のポーズを取るBLACK。何度見てもカッコイイぜ。

　BLACKは必殺ライダーキックを放つが、ビルはビルテクターで受け止めて、涼しい顔をしている。

　そのまま戦っていれば、BLACKが倒されていたかも知れないと思わせるビルの圧倒的な強さであったが、

　
　所詮、ビルは天に愛されていないのか、ぶつかり合う二人の頭上に雷光がきらめき、ビルセイバーに直撃してしまう。

　さすがのビルも堪らず退却する。
　ビルの声（今回はほんの挨拶代わりだ。次に会った時は必ずお前を倒すから首を洗って待っていろ）

　ラスト、また杏子ちゃんに手当てされている光太郎。

　
　光太郎「もう少し優しく巻いてくれよ」
　杏子「何言ってるのよ、まったく、飛び出していくたびに大怪我して帰ってくるんだから……心配してるこっちの身にもなってよ」

　
　杏子「光太郎さん、仮面ライダーと友達なら伝えて、ゴルゴムと戦うのは良いけど、命だけは大切にしてって」
　杏子は、光太郎の身を本気で案じているのだ。

　たとえ光太郎が、本当に仮面ライダーであっても、杏子にとってはかけがえのないお兄ちゃんだからである。

　
　光太郎「杏子ちゃん！　君は……」

　それにしても、

　血の繋がりのない可愛い女子高生の妹がいる設定って最高だね！