「ウルトラマンレオ」 第38話「決闘！レオ兄弟対ウルトラ兄弟」後編

[DVD] ウルトラマンレオ 1974 価格：3,099円（税込、送料別）

　第38話「決闘！レオ兄弟対ウルトラ兄弟」（1974年12月27日）
　の続きです。

　ダンは、珍しく昔を回想する。
　ダン「子供の時、俺はウルトラキーが武器として使われるのを見た。ウルトラの父が、恐ろしい悪魔の星デモスを攻撃したのを見た」
　ゲン「……」
　ダン「ウルトラの父が手に持ったウルトラキーがまばゆいばかりに輝いた時！　まばゆかった！」
　ゲン「そりゃそうでしょうね」

　……じゃなくて、

　ダン「まばゆいばかりに輝いた時！　悪魔の星デモス一等星は粉々になって吹っ飛んだ！」

　
　その時のイメージ映像。

　そこへ、佐藤隊員が血相変えて飛んでくる。
　佐藤「隊長！　至急、コンピューター室に来て下さい」

　
　ダンに命じられて先に出動したゲン以外の隊員が、全員コンピューター室へ集まり、コンピューターの分析結果に耳を澄ましている。
　声「太陽系に進入した謎の星は円軌道○○……に乗り、地球に接近中、14時26分頃より地球は影響を受ける」
　佐藤「8分後だ！」

　分単位でそこまで予測できるとは、MACのコンピューターは世界一ィィィィィ！

　
　ただ、この映像だと、影響どころか、8分で地球に激突しそうな感じだけどね。

　そんな危機が迫っているとは知らない市民の日常の様子がスケッチ的に描かれる。

　
　ストーリーとは一切関係ないが、ジーンズに長いマフラーで決めた親子連れがとてもキュートだ。

　同じ頃、暗黒星雲の彼方から巨大な氷の塊が近付きつつあった……と言うのは、次回への伏線である。

　
　破滅へのカウントダウンを刻むMACのオシャレな時計。

　SEIKOか何かのロゴにシールが貼られているぜぇっ！

　そして、大風、大津波、大地震、大噴火、大年増など、ありとあらゆる災厄が地球を襲うスペクタクルシーンになる……筈だったか、なんせオイルショックなもんで、8割方バンク映像と、

　
　マンションの百子さんが部屋ごと揺すぶられるような地震に見舞われるシーンで済ましている。

　
　コンピューター室で見詰め合う佐藤と松木。
　声「175時間後に地球は消滅」
　佐藤「そんなバカなっ……1月3日？」
　松木「7日後だわ」
　佐藤「コンピューターが狂ったんだよ！」

　再計算を試みる佐藤だったが、「250キロに渡って高さ80メートルの大津波が……」などと言う報告を聞いて、「いや、狂ってない……」と絶望的な顔になる。

　アストラを追跡中のウルトラ兄弟から再びウルトラサインを受け取ったダンは、葦原を意味もなく「アストラーっ！」と叫びながら徘徊していたゲンのところへ行き、「ちゃんと仕事しろ」と叱るのだった。

　……じゃなくて、「アストラが来るぞ、俺と力をあわせてアストラからウルトラキーを奪い返すんだ」と告げる。

　
　ダン「あれを見ろ、アストラがウルトラキーを奪った為だ。このままでは、7日後に地球は消滅する」

　既に、ウルトラの星は目視できるほどに地球に接近していた。あれが落ちるまで7日もかかるの？

　やがて、ウルトラキーを持ったアストラが地表に降り立つ。

　ダンはウルトラ念力でアストラの動きを封じた上で、ゲンにレオに変身してウルトラキーを奪還させようとするが、ゲンは「レオ兄さーん、苦しいよー！」と悶え苦しむ弟の姿を前に、変身を躊躇する。

　ダン「何をしてるんだっ？」
　ゲン「隊長ぉっ、やめて下さい！」
　たったひとりの肉親であるアストラのことになると理性をなくしてしまうゲン、こともあろうにダンを羽交い絞めにし、最後はボコボコに殴り倒してしまう。

　
　ゲンはレオに変身し、アストラと戦っていた4人のウルトラ戦士からアストラを庇うように割って入る。
　レオ「待ってくれ！」

　
　レオ「ウルトラタワーの火を消したのはお前か？」
　アストラ（首を横に振る）
　レオ「ウルトラキーを盗んでウルトラの星を狂わせのはお前か？」

　
　アストラ、無言で「さあ、なんのことだか」という風にしらばっくれる。

　しかし、そのウルトラキーを現に持ってるんだから、弁解のしようがない筈だったが、

　
　さりげなく、それを体の後ろに隠そうとするのがあまりに人間っぽくて笑ってしまう。

　レオ「そのウルトラキーはなんだ？　どうして返事が出来ないんだ？」
　そのままレオに任せておけば、簡単に事件は解決していたかもしれないが、

　ここでウルトラマンが「レオ、俺たちはアストラを殺す！」と言わなくてもいいようなことを言ってしまい、話がこじれてしまう。

　
　レオ、「まーまー、抑えて抑えて」と言うように両手を広げて待ってくれるよう頼むが、4人も「時間がないっ」と強硬姿勢を崩そうとしない。

　最終的には、ウルトラ4兄弟と、レオ兄弟のバトルロイヤルに雪崩れ込む。

　
　「命に換えてもアストラを守る！」と言うレオに対し、ゾフィーを除く3人の必殺技が放たれる。

　歴代ウルトラ戦士による必殺技の華麗な競演……と言いたいところだが、このビームがいかにも雑で、興醒めしてしまう。

　ともあれ、アストラを庇って3本のビームをまともに浴びたレオ、絶叫してぶっ倒れる。

　刻々と迫るウルトラの星、壊滅的な打撃を受ける地球の都市やコンビナート、そして地球に向かっている謎の氷塊を映しつつ、緊迫した状況のまま、39話へ続くのだった。