(業務連絡・毎度お買い上げありがとうございます) 第48話「4人の仮面ライダー 本物はだれだ?」(1980年8月29日放送)
予告編 
撮影所らしきところで、ファンの子供たちにサインをしている優しい村上弘明さん。やおら立ち上がってカメラを見て、
洋「よおっ宿題はやったかい? 気を引き締めて元気で行こうぜ! 次週はこれだ!」
放送が夏休みもそろそろ終わりと言う時期なので、こういう台詞になっている。
本編 今回は仮面ライダーのニセモノが登場すると言う、初代仮面ライダー以来の伝統的なプロットである。

公園の砂場で子供たちが遊んでいると、一見スカイライダーだが、よく見ると彩色が違うライダーが現れる。こういう場合、人は決して細部の違いに気付かないようになっているのだ。
群がる子供たちにニセライダーは、「うるさいんだよ君たちは」と、彼らの作ったトンネルを踏み崩す。あまつさえ、子供を足蹴にすると言う暴挙に出る。

一方、スーパーではナオコが沼さんを従えて大量に物資を買い漁っていた。
荷物を持たされる沼さん、文句を言うが「つべこべ言わないの!」と口を塞がれる。

と、店の別の場所からも「つべこべ言うなよ」と言う声がする。
「どんどん食えよ、大好きなアイスクリームだろ。それでお腹壊しちゃえよ」
見ると、ニセライダーが子供たちの口に無理矢理アイスを押し込もうとしていた。

女性店員が止めに入るが、「なんだお前もか、食ったらどうだよ」と、彼女の顔にもアイスを押し付けると言う、変態プレーに及ぶ。
さてブランカでは、いつものように暇で暇で仕方ないので、谷とアキが将棋を指していた。
前回は、休みが全然無いと従業員が不平を漏らしていたのだが……。

局面はこの通り。手前の谷が圧倒的に優勢である。

アキは、7三の成銀を桂馬で取り、「取った取った~」と身震いして喜ぶ。
谷「ようしいくぞー」
と、画面では見えないが、画像の赤いところに角を打った模様。王手飛車取りである。
アキはルールを把握していないのか、王手に構わず、飛車を引いて2三の「と金」を払う。
谷「そんなの取ったら王様を取られちゃうぞ」
アキ「いいの、あたしはね、飛車の方が好きなの」

アキの後ろで見物していた洋、アキの指し手を戻しながら「あのね、将棋は王様取られたら負けなの」と説明する。
アキ「やだぁ、誰が決めたのそんなの~」
谷「将棋ってのはそういう風になってるんだよ」
アキ「マスターってほんとに汚いわね。か弱い女の子をね、いじめて喜んでんだから、ねえユミぃ」
めちゃくちゃなことを言うアキがユミちゃんに同意を求めると、
ユミ「そっ! マスターってそう言う人よ」 と、何か心当たりでもあるのか、きっぱりと断定する。
谷「おいおい洋、話がこんがらがってきたぞ」
洋「だから女の子と勝負事するのは危険だって言ったでしょう!」 訳知り顔で指摘する洋だった。
谷はもうやめようと言い出すが、殊勝にもアキは「これはこういう風に逃げればいいの?」と、教えを乞う。谷がそれについてあれこれ話していると、

ナオコたちが慌てた様子で帰ってくる。
ナオコ「大変、仮面ライダーが駅前のスーパーを襲ったの!」
洋「なんだって?」
谷「何かの宣伝じゃないのか、今そういうのが流行ってるじゃないか」
ナオコ「ううん、ほんとっぽかったもん」
この将棋のくだり、ストーリー的には全く必要ないんだけど、管理人はむしろこういうどうでもいいシーンが好きなんだよね。
さて、ニセモノの乱行でライダーの評判はがた落ち。……まあ、普段から人知れず悪と戦っているライダー、子供の評判が落ちても特に支障はないと思うが。
それでもライダーを支持する子供が、友達にいじめられているのを洋が助ける。早速そこへニセライダーがバイクで突撃してくる。洋はひたすら逃げ惑うが、その子供がバイクにはねられて重傷を負ってしまう。

子供の担ぎ込まれた病院へナオコたちも駆けつけるが、大抵こういう場合は仲間はずれにされるユミちゃんも参加しているのが嬉しい。
ナオコ「あの子のお母さん仕事で遠くへ行ってるんだって」
アキ「今ね、マスターが車で迎えに行ったわ」
ユミ「間に合うかしら?」 しかも、台詞まである。全国のユミちゃんファンは要チェックです。……あ、俺だけか。

と、手術室から看護婦さんが出てきて「O型の血液が必要です」と告げる。演じているのは八百原寿子さんで、14話では小林綾子の母親、31話ではナオコの弟タケシの友人の母親をそれぞれ演じている。
洋はすぐ自分が名乗り出て、子供に輸血して貰う。……しかし、改造人間の血液をそのまま輸血していいもんかね?

さて、魔神提督はニセライダー、正体は軟体怪人ドロリンゴから報告を聞いていた。
魔神「この調子だと子供たちはますます仮面ライダーを信用しなくなる。我々ネオ・ショッカーの仕事も、やりやすくなるというものじゃ、あぁははははっ」 もう30回以上もライダーに負けていると言うのに、魔神提督のハートは鋼鉄よりも頑丈だった。しかし、前任のゼネラルモンスターはたったの15回で首領からお払い箱にされてるんだけどね。

やがて病院へ駆けつける少年の母親、演じているのは中真千子さんです。

無論、少年は洋の献身で助かる。
母親は洋に縋りつくようにして感謝の言葉を述べる。
この時、背後に立つユミちゃんの細い足首がはっきり見えるのが意外と貴重なショットとなっている。
しかし、ニセ仮面ライダーによる子供たちへの襲撃は続いていた。
うーん、でも、結局やってることは近所のガキ大将と大差ないので、ライダーが濡れ衣を着せられてもいまひとつ盛り上がらないんだよね。これが「イナズマン」(だっけ?)だと、ニセモノが強盗や人殺しまでしちゃうので、深刻さもこれの比ではなかったりするんだけどね。
つづく。