第25話「美しきチャレンジャー」(1980年9月17日)
の続きです。

その夜、ジュンがバスケットに飲み物やサンドイッチを詰め込んでいる。
女の子「ねー、ねー、恋人に会いに行くの?」
女の子「でもさ、サンドイッチか何か持って行くって変じゃない?」
女の子「そうよ、薬なんかも」
ジュン「UGMのイトウチーフのこと知ってる?」

女の子「ああ、あのキモいオヤジ?」
女の子「いかにも足が臭そうな?」
……
すいません、嘘です。正解は、
女の子「いいえ」 でした(こっちの方がもっと悲しいかもしれない……)
この右側の女の子、なかなか可愛い。

ジュン「見習い隊員だった頃、単独でエイリアンを逮捕して地球侵入計画を白状させたのよ」
女の子「へえー」
この左側の女の子、舌の動きがちょっとエロティックなのである!
それにしても、1980年のドラマとしてはこの女の子たちレベル、なかなか高いよね。
ジュン「それで抜擢されてUGMヨーロッパエリアに行ったのよ」
女の子「あ、ジュンはそのセン狙ってるんだ」
ところで、イトウチーフにそんな武勇伝があったとは……。
しかし、「エイリアンを逮捕して白状させる」って、いかりや長介が全裸で逃げ出すほどの落としの名人だよね。
あるいは、よほどえげつない拷問を加えたのか……。

女の子「じゃあ、ジュンはエイリアンを捕まえたのー?」
女の子「わっ、ほんと?」
女の子「ジュン、ひとりでエイリアンを捕まえたの?」
まだ女子高生気分が抜けない彼女たち、外に聞こえるくらいの大きな声でそんな会話を取り交わす。
ちょうどドアの前を通り掛かったエミ隊員、聞き捨てならない言葉に思わずドアに顔を近付けて耳をそばだてる。

ほどなくジュンがバスケットを片手に部屋から出て来る。
エミ「待ちなさい! あなた何か知ってるの?」
ジュン「何のことでしょう」
エミ「爆発したUFOの乗組員の行方、知ってるのね?」
ジュン「知りません」
エミ「知っているのなら報告の義務があるのよ。異星人や怪獣は、ひとりやふたりの力ではどうすることも出来ないわ」
ジュン「知らないって言いました。なんでそんなに私を気にするんですか?」
エミ「え?」
ジュン「UGM隊員の座を私にとって代わられるからですか?」
エミ「まぁ、ジュン!」
ジュン「失礼します」
あくまで知らぬ存ぜぬで押し通すジュンであった。
でも、そのままバスケット持って男性のところに行ってるので、エミ隊員が後をつけたらバレバレなんだけどね。
あの男は、引き続き機械室の隅に身を潜めていた。

男「ありがとう、ここは?」
ジュン「地上で、一番安全なところ」
男「何故、僕を助けてくれたんだ?」
ジュン「私、宇宙人がみんなワルモノだなんて思わないわ。でも、何故地球を攻撃するの? 今度はいつ何処を攻撃するの?」
男「……」
ジュン「ごめんなさい、余計なこと聞いて」
しかし、男が攻撃を仕掛けてきた一味だと分かっているのに、ジュンが何の警戒もせずに世話を焼くというのはちょっと不自然だなぁ。いくら、イトウチーフのひそみに倣って手柄を立てようとしているにしても。
ここは、陳腐だけど、男性が、亡くなった兄にそっくりだった……みたいな動機があればもう少し納得しやすかったと思う。
と、少し考え込んでいた男、急にジュンの問い掛けに答える。

男「UFOは今日午後8時に香港を襲撃するよ」
ジュン「……! でも、どうしてそれを私に?」

男「君には嘘はつけない。恩人だし、僕もこの平和な地球にずっと居たいし……」
男はいかにも、とってつけたような理由を並べる。
エミならともかく、見習い隊員のジュンに男の心底を見抜けと言うのは無理な相談だった。

UGM敷地内で、猛とエミが一緒にエイリアンの捜索を行っていると息せき切ってジュンが走ってくる。
ジュン「無線を貸して下さい!」
猛「どうしたんだ」
ジュン「UFOが次に攻撃するところが分かったんです」
猛「え?」
エミ「あなた、やっぱり……」
ジュン「キャップに報告したいんです」
猛「待て、君は何処でその情報を?」
ジュン「確実な情報なんです」
猛「情報源を言いたまえ」
ジュン「それより早く報告を」
猛「ダメだ!」
いつになく杓子定規に、情報源を言わないと報告させてあげない! と突っ撥ねる猛。

エミ、険しい顔で二人のやりとりを見詰めていたが、やがて無言で通信機をジュンに差し出す。
猛「城野隊員!」
エミ「……」
それにしても、横から見るエミ隊員のおっぱい、いつもながらのド迫力です。
ジュン「オオヤマキャップ、こちら新入隊員のジュンです!」
エミ「長作でーす!」
猛「三波春夫でございます!」
じゃなくて、
ジュン「UFOは午後8時に香港を攻撃します。間違いありません、確実な情報なんです」
一方的に報告して、相手の返事も待たず、通信を切るジュン。そしてエミ隊員に感謝の眼差しを向ける。
ジュン「城野隊員、フェアプレー感謝します。1時間後にこの情報源をUGMに連行します」

猛「ジュン! ……城野隊員、軽率だぞ!」
エミ「情報に対する判断はキャップが下すわ」
エミは、自分もオオヤマに連絡して、さっきの情報の信頼度は50パーセントだと補足する。
オオヤマは、イトウ、ハラダ、タジマの「別に居ても居なくても良いチーム」を香港に派遣する。

ジュン「大丈夫よ、私がついてるんだから」
男「何処へ? UGMへ僕を連れてくの? UGMの主力はもう香港へ着いたかな?」
ジュン、エイリアン男に肩を貸して、約束どおりオオヤマのところへ行こうとしていたが、男の意味ありげな言葉に驚いて思わず体を離す。

ジュン「リュウ! それはどういう意味?」
いきなり名前が出てくるけど、映像に出て来ないところで、男はジュンにリュウと名乗っていたらしい。

リュウ「
あっはははははっ!(ズルッ)
……あ、取れちゃった!」
ジュン「騙したわね、あなた、ヅラだったのね!」 ……
念の為、嘘です。
世にも嬉しそうに笑いを弾けさせたリュウは、邪悪な笑みを浮かべてジュンを振り返る。
ジュン「あなたは……」
リュウ「俺を騙したつもりでいたのかい? はっはっはっはっ」
……なんか、変な台詞だなぁ。
ここは「俺の言うことを真に受けたのかい?」の方が適切だったと思う。
リュウが空に向かってポーズを取ると、香港に行った筈のUFOが突然、上空に飛来する。
無論、香港を攻撃すると言うのはUGMの主力をそちらに行かせる為の虚言だったのだ。
しかし、香港だと、東京とそんなに離れてないから、あまり陽動にならないと思うのだが?

ジュン「はっ」
リュウ「地球の破壊の為に窮屈な思いをして縮んでいたが、僕の本当の姿をお目に掛けよう。あっはっはっはっはっ!」
リュウの頭上からビームが降り注ぎ、リュウはたちまち巨大な怪獣の姿に変身する。

続いて、怪獣アルゴンが、ジュン目線でビルを蹴り飛ばして、その破片がこちらに飛んでくるというショットになるのだが、これが、思わず見てるこっちもたじろぐほどのド迫力なのだ。

バラバラと破片が落ちる中、地面に倒れ込むジュン。
アルゴンは匿ってくれた恩も忘れ、ジュンを足で踏み潰そうとするが、ジュンは何とかよける。

そこへ、猛とエミが駆けつける。
猛「ジュン、さ、早く!」
猛が倒れているジュンの体を抱き起こして、向こうへ避難させる。
子役時代の「仮面ライダー」などではバンバン白いパンツを露出させていた斉藤さんだが、ここでは残念ながらチラはなかった。
しかし、まぁ、この奇麗な足が見れただけでもよしとしよう。

アルゴンとUFOが協力して、次々とUGM施設を爆発炎上させていく。
この、俯瞰からの映像で、怪獣の頭上をUFOが飛びながら攻撃すると言う複雑な操演が見事である。

混乱の中、ジュンがスカイハイヤーに乗ってひとりアルゴンに向かっていく。

猛もそれを見て屋上から援護するが、怪獣の吐いたビームがまともにヘルメットの額部分に直撃して、勢いよく転倒する。

オオヤマ「ジュン、やめろ、やめるんだ」
ジュン「キャップ、ごめんなさい、城野先輩、矢的隊員、ごめんなさい!」
自らの命で責任を取るつもりなのか、ジュン、目をつぶったままアルゴンにぶつかっていく。
だが、起き上がった猛が屋上から飛び降りながら80に変身し、墜落寸前のスカイハイヤーをキャッチして、無事、地上に降ろす。
あとは、いつもの怪獣バトルが繰り広げられるだけ。
アルゴンはなかなか善戦するが、

ほどよく尺が埋まったところで、80が手の平を上に向けた珍しい形のビーム技を放って撃破する。
無論、UFOは真っ先に80に撃ち落とされている。
それにしても、いつものことだが、何を考えて地球を攻撃しに来たのだろう、この宇宙人たちは?

ジュン「私、どのくらい自分がダメか、良く分かりました。田舎に帰ろうと思います」
事件解決後、UGM司令室を訪ねて涙声で辞職を表明しているジュン。

エミ「え、ここから引き下がっちゃう? それが一番ダメなことよ」
ジュン「でも」
エミ「私だって引き下がらなかったのよ、あなたと同じ!」

エミ「あなたと同じ、一日でも早くUGM隊員になりたくて、ひとりで怪獣をやっつけようとして大失敗!」
オオヤマ「いや、まったく、城野にはヒヤヒヤさせられたもんだ。お陰で隊員が200人くらい死んだからな」
隊員たち「はははははは!」
いや、そこ、笑ってる場合じゃねえだろ! ま、200人うんぬんは管理人の創作だが、今回の一件でも相当の死傷者が出たことは事実であろう。
それを一切不問にして、
猛「ジュン、勢いが余ってやり過ぎちゃうのは若さの特権だぜ!」 の一言で済ましちゃうのはさすがにどうかと思う。
とにかく、先輩たちに励まれさて、ジュンは引き続きUGM隊員目指して頑張ることになる。
……しかし、母親との約束で兄の命日までにUGM隊員になれなければ諦めなくてはならないという設定は、何処行ったのかしら?
例によって和やかなムードに包まれて終了するが、どうせなら、最後にもう一度女の子たちの練習風景を見たかったな、と。
それにしても、序盤の女の子たちのトレーニング風景は、永久保存版だよね。