第45話「日本の童謡から 赤い靴はいてた…」(1974年2月8日)
この45話から「日本の童謡」をモチーフにしたエピソードが4話続く。Aの「冬の怪奇シリーズ」や、レオの「日本の名作民話シリーズ」と同様のテコ入れ策の一環であろう。
で、この45話は有名な「赤い靴」と言う童謡が素材で、かつて何者かに連れ去られて行方不明になってしまった北島隊員の幼馴染の少女が、ある日突然北島隊員の前に大人となって姿を現すが、実は彼女は地球侵略を企む宇宙人の手先に改造されていたのだった……と言うストーリー。
侵略者の手先に使われて捨て駒のように扱われるあたりは、セブンの「盗まれたウルトラ・アイ」の美少女マヤを想起させて、なかなか期待できるのだったが、肝心のその女性と言うのが、

こんな顔↑だったので、管理人のモチベーションは一気にポテチンするのでした。
ま、綺麗ではあるんだけど、この役柄には全然合ってない顔立ちである。
と言う訳で、45話はざっくりあらすじを紹介しつつ、森山隊員の画像を貼ってレビューに代えさせて貰う。
幼い頃、ドルズ星人に誘拐されて異形の怪物に改造・洗脳されてしまった真理は、北島がまだ彼女のことを深く思っていることを利用して、北島に接近する。
そして、北島に頼んでZAT内部に侵入するのが彼女の使命だったが、ZATは意外とセキュリティーがしっかりしていて、ショッカーのアジトに入るようなワケには行かなかった。
だが、光太郎や森山隊員たちの思いやりに、洗脳された真理も良心に目覚め、「私を殺して……もうすぐ私は怪獣になるわ」と、北島隊員に何もかも告白する。
真理「私はドルズ星人の地球攻撃用武器なのよ。怪獣に変身してしまえば、自分で自分がどうにもならなくなるわ。お願い、人間でいるうちに殺して!」 なかなかハードな展開になるのだが、やっぱりキャスティングがねえ……、これでゲストヒロインが丘野かおりさんとかだったら(お前はそれしかないんか?)、「盗まれたウルトラ・アイ」に匹敵する名作になっていたかも知れないのに。
北島隊員、惑乱しつつ、真理を撃とうとするが、追いかけてきた光太郎がその銃を弾き飛ばして止める。

北島「彼女、怪獣なんだ。いまのうちに、殺してやってくれ!」
光太郎「……」
しかし、光太郎も人の子、殺してくれと言われてハイそうですかと引き金が引ける筈もない。躊躇しているうちに、ドルズ星人の仕掛けたタイマーが作動し、真理の体は無残にもバラバラに砕けると、一瞬で怪獣メモールに変身する。

その爆発の衝撃で、ZAT隊員たちが宙に浮く。

ここで、森山隊員のミニスカの中が、割とはっきり見えてしまうのである。
もっとも、その辺は考慮して、ちゃんと紺色のブルマのようなものを履いておられるようだが……。

続いて、一旦退却するシーンで、森山隊員の脚の細さが改めて確認できるカットがある。
ZATの戦闘機がメモールを攻撃するが、その正体を知っているメンバーはなかなか本気で攻撃できない。そうこうしているうちに全機撃墜され、パラシュートで地上に降りる。

ここで、本部に残っていた森山隊員がウルフ777を運転して現場に颯爽とやってくるというシーンが出て来る。
他にも光太郎がバイクに乗って走るなど、なかなか貴重なシーンが多い。
光太郎、バイクに乗ったままタロウに変身し、いつもの巨大怪獣バトルになる。
激闘の末、タロウはトドメのストリウム光線を撃とうとするが、結局撃てず、代わりにメモールの尻尾を持ってぐるぐる回して宇宙へ吹っ飛ばすと言う温情ある処分を下す。
……しかし、醜い怪獣として宇宙を放浪するより、思い切って殺された方が真理にとっては幸せだったのではないだろうか?
あるいは、タロウのリライブ光線で人間の姿に戻してやるとか。
特に今回の真理については、本人には何の落ち度もないのに怪獣に改造されてしまっているのだから、それくらいのサービスはしてやっても良かったのではないか。

それはともかく、戦いの後、かつてないほど落ち込んでいる北島隊員に何か声を掛けようとして光太郎に止められる森山隊員の髪がますます伸びて、ビーナスのように神々しい美しさなのである!

ラスト、漸く元気を取り戻した北島隊員が、光太郎と一緒にパトロールに出掛けるのを笑顔で見送る森山隊員が可愛いのである!
しかし、この話が傑作になりうる可能性を持ちながらそうならなかったのは、ヒロインのキャスティングだけではないことに気付いた。真理が自分の正体を明かして北島に自分を殺してくれと頼む、ドラマとしてのクライマックスが早過ぎるのである。
その分、その後の戦闘シーンが異様に充実している。それはそれで凄いのだけど、作品として心に残るのは、良く出来た特撮パートより、結局、人間ドラマの面白さなんだよね。少なくとも自分は。
第46話「日本の童謡より 白い兎は悪い奴!」(1974年2月15日)
引き続き46話のレビューやるです。
こちらは「大黒様」と言う童謡……と言っても分からないが、要するに「因幡の白兎」である。
白いうさぎがサメに騙されて皮を剥かれてどーのこーのと言う話だが、45話と比べても、ストーリーとの関連性は薄い。

冒頭、ZAT本部で、ペリスコープのようなもので熱心に宇宙を観察している森山いずみ隊員。
荒垣「森山君」
森山「ハーシー大彗星がいよいよ太陽系に近付いてきました」
荒垣「お、そうか、よし!」

荒垣「近付いてきたぞ、宇宙テレビのスイッチを入れろ」
女性隊員「はい!」 それを聞いた新垣、慌てて別のモニターの前に駆け寄り、エキストラ女性隊員に指示する。
エキストラ女性隊員が台詞を言うのは極めて珍しいことだが、この声が、とても女性のものとは思えない、野太いと言うか……、とにかく変な声なのである。誰か別の人(男)が吹き替えているのだろうか?
他の隊員たちも興味津々とモニターの前に集まってくる。
光太郎「60年に一度の宇宙ショーですね」
北島「60年に一度か、と言うことは、全然見られない人もいる訳だよな」
南原「宇宙ってのは不平等だな」
60年ぶりに地球に接近しているというハーシー大彗星、当然、ハレー彗星が元ネタなのだろう。同様の周期彗星は、他にも何百とあるんだけどね。

だが、今回やってきたハーシー彗星には、ピッコロと言う、ピノキオ風の宇宙人が乗っかっていた。
ハーシー彗星「ピッコロ君、ピッコロ君、地球だよ、ようく見なさいよ」
ピッコロ「なに、もう着いたのか? へー、あれがそうか、人間って一体どんな格好してるのかなぁ」
旅好きで好奇心旺盛なピッコロは、友人のハーシー彗星に兼ねてから行きたいと思っていた地球まで連れて来て貰ったのだ。
いいよね、このおおらかなファンタジー。
ピッコロの声は「電子戦隊デンジマン」のアイシーの声でお馴染み、京田尚子さん。

ピッコロ、とあるアパートの一室で、少年がうさぎを撫でているのを見て手を振るが、その拍子に足を滑らせてハーシー水星の尻尾から落ちてしまう。
それは地球から見ると、あたかも彗星が二つに分裂したようであった。

森山「副隊長! ハーシー大彗星に異常変化が起こりまし
た! 大流星がひとつ分離しまし
た!」
彗星を観察していた森山隊員、その様子を目の当たりにして驚きの声を上げる。
これもキャプでは分からないが、森山隊員の語尾の「た!」の発音が、妙に可愛いのである。
ピッコロはそのまま流れ星のように街中に墜落して人々の耳目を集めるが、タダモノではないピッコロは、ザクでさえ燃え尽きてしまった大気圏突入の際の摩擦熱にも耐え、ピンピンしていた。

一方、それを見に往来に出ていた太一少年、すなわち先程ピッコロが見た少年は、うさぎのプチ(?)を抱いて部屋に戻ろうとしたところを、口うるさい大家の横田に見付かってしまう。
横田「ネズミの次はうさぎ……」
太一「すいません」
横田「待て、すいませんで済むならば、医者はいらん! すぐ捨てなさい。このアパートは生き物を飼ってはいかんことになっとる! 汚れるからね」
そこは、ペット不許可のアパートなのだった。
横田を演じるのは唯一無二の個性を持った大泉晃さん。第8話でも巡査役で出ている。
二人の話し声に、太一の母親も顔を出す。

横田「いいかね、このうさぎをすぐ処分して貰いたい、今日中に! それが出来なければ、悪いけど、ここを、出て行って貰いたい!」
ゼスチュアたっぷりに申し渡すと、横田は階段を降りて行く。

母親「ね、お願い」
太一「庭付きの一軒家ならなぁ……、な、プチ?」
太一は、赤い目のプチをいとおしそうに抱き締める。プチは無心に鼻をモフモフ鳴らしていた。
ここで、元ネタである「大黒様」の一節が流れ出す。
「大きな袋を肩に下げ、大黒様が来かかると~♪」と言う奴ね。
それにあわせて、「因幡の白兎」のお話がイラストで表示される。

深夜、アパートの近くの銭湯(?)の煙突の上からひょっこりピッコロが顔を出すと、あのプチが何処からか飛んできて、ピッコロの腕に抱かれる。
ピッコロ「おおっと、よしよしよし……」
管理人、このシーン、プチがなんでピッコロのところに飛んできたのか、良く分からないのである。
まさかうさぎが自分であんな高いところまで飛べる訳がないし、かといって、ピッコロがその超能力で引き寄せたと言う素振りも見えないのである。
しかし、やはり、これはピッコロが超能力でプチを瞬間移動させたとしか説明がつかないのだが。

ピッコロ「コラ、待てー!」
横田「やめてくれーっ! 助けてくれーっ!」
その夜、横田は奇妙な悪夢を見てうなされる。のっぱらで、プチを手にしたピッコロにしつこく追い掛け回されるという夢である。
これも、ピッコロが横田を懲らしめる為に見せている幻影なのだろう。
もっとも、ペット不許可はあくまでルールなのだから、この段階で横田が責められるいわれはない。

横田「貴様、宇宙人だな! ああーっ、ごめんなっさいっ! やめてぇ、わしはうさぎが大嫌いなんだ。生き物も大嫌いなんだよ! お願い、だからそばに、そばよっちゃいかーん!」
ピッコロ「ようし、今度こそ!」
必死でピッコロを遠ざけようとする横田だったが、ピッコロがうさぎを目の前に押し付けてきたところでベッドから転げ落ちて目が覚める。

横田「俺を赤裸にしないでくれーっ! ああーっ! あっうっ……なんでわしがあんな夢を見なきゃならんのかね……ちくしょう、あのうさぎだ。許さん!」
しばし茫然としていた横田だったが、憤然とガウンに袖を通しながら起き上がる。

一方、ZATでも、ピッコロの侵入の痕跡をキャッチしていた。
荒垣「なるほど、確かにこれは怪獣の気配だ」
森山「グラフに異常が現れ始めたのは昨夜大流星が光ってからなんです」
光太郎「怪獣か宇宙人が、流れ星に化けて侵入してきたのかなぁ」
荒垣は、光太郎と北島に、流れ星の落ちた地域を重点的にパトロールするよう命じる。
後編に続く。