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「ウルトラセブン」傑作選 第36話「必殺の0.1秒」 前編

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 第36話「必殺の0.1秒」(1968年6月9日)

 「ウルトラセブン」の中でも割と地味なエピソードで、管理人もなんとなくスルーしていたのだが、ソガ隊員の魅力に焦点を絞ってレビューしてみよう。

 山に囲まれた平野で、ソガ隊員がいつになく真剣な眼差しでピストルを構え、油断なく周囲に目を配っている。

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 と、山のあちこちに黒い人型のパネルが立ち上がり、その胸の部分を正確に撃ち抜いて行くソガ。

 冷静に考えたら、別に向こうが撃ってくる訳じゃないのだから、何もこんなカッコイイ姿勢で撃つ必要はないのだが……。

 撃ち終わると、電光掲示板が「999」と言う数字を表示する。

 そう、地球防衛軍の射撃大会が行われているのだ。

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 フルハシ「うわー、999点だ」
 アンヌ「ヒロタ隊員と同点よ」

 観覧席にはフルハシとアンヌもいて、ソガの高得点を喜ぶ。

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 アンヌ「……………ぐふっ」

 会話を交わした数秒後、アンヌのお腹が痙攣を起こしたように一瞬内側に引っ込む。

 実際には「ぐふっ」とは言ってないけどね。

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 さて、ソガと参謀本部代表のヒロタが同点で並び、優勝決定戦が行われる。

 先行のヒロタが、選手の控え室(?)から競技場へ向かう。

 これは、どこかの小さな球場のベンチをそのまま使ってるんだろうなぁ。

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 決定戦の種目は、さっきとは異なり、クレー射撃のように飛んでくるクレー(素焼きの皿)をピストルで撃ち落すと言う高難度の技が要求される。

 ヒロタは見事にクレーに命中させ、意味もなく銃口に息を吹きかける。

 アナウンス「ヒロタ隊員、命中しましたが、そのポーズがだっせえので失格です」
 ヒロタ「え゛っ?」

 嘘はさておき、続いてソガの番となるが、撃とうとした瞬間、右足が急にぐらついて姿勢が崩れて、外してしまう。

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 フルハシ「ここ一番でミスるなんて、お前らしくないじゃないか」
 アンヌ「残念だわ、折角優勝祝いの準備までしてたのに」
 ソガ「いや、すまん。何故ミスッたのか、自分でも分からないんだ」

 準優勝で終わったソガを、みんなが慰めたり励ましたりしていると、これみよがしに優勝カップを抱えたヒロタが現われる。

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 ヒロタ「すまんな、ソガ、勝ちを譲ってもらって」
 ソガ「いやぁ、あれが俺の実力さ、優勝おめでとう」
 ヒロタ「ありがとう、この優勝カップに代わって礼を言うよ。お陰でウルトラ警備隊のような殺風景なところに行かずに済んだからな。えっへっへっへっ、じゃ、失敬!」

 ヒロタはそんなイヤミを残して去って行く。

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 アンヌ「嫌な感じ。いくら参謀本部のエリートだからって、人間的にも最低よ」

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 ソガ「あれでも根は良い奴なんだ。ただ、俺たちの友情を邪魔してるのは、これさ」

 ソガ、ピストルを取り出して、重々しくつぶやく。

 アンヌ「……え? あ、ごめん、聞いてなかった」
 ソガ「……」
 
 嘘はさておき、その後、ひとり自室でピストルを握り締めて、悦に入っているヒロタであったが、何者かが語りかけてくる。

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 声「優勝おめでとう、ヒロタ」
 ヒロタ「お前はゆうべの……」
 声「君の望みどおり勝たせて上げたよ」
 ヒロタ「じゃ、俺が勝ったのはお前が……」
 声「そう、ゆうべ君は優勝できるなら友達を裏切っても魂を悪魔に売っても良いと言った」
 ヒロタ「俺はそう言った。それで、お前は俺の何が欲しいのだ」
 声「それは今夜、ではまた……」

 ソガが突然バランスを崩したのは、どうやらその声の主の仕業だったらしい。

 ヒロタは射撃大会優勝の栄光と引き換えに、人間としての、地球防衛軍隊員としての誇りと良心をかなぐり捨ててしまったのだ。

 安いっ!

 一方、ソガが勝とうが負けようが、是が非でもドンチャン騒ぎがしたかったフルハシたちは、祝勝会の代わりに残念会を催そうと張り切っていたが、そこへ司令部からソガにすぐ来るよう内線が入る。

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 マナベ「諸君を呼んだのは他でもない。実は、世界的な宇宙ロケット研究家であるゼムラー教授が、今日、ベルリン空港で何者かに射殺されたのだ」

 マナベ参謀によると、ゼムラー教授をはじめ、同様の手口で殺された科学者たちはみな、最近地球防衛軍が研究を進めている人工太陽計画に関わっていたらしい。

 そして、研究の中心人物であるリヒター博士が近いうち来日するので、射撃大会で優秀な成績を収めたソガたち4人に、その護衛に当たって貰いたいと言うのが、上層部からの指令であった。

 数日後、リヒター博士が極秘裏に来日し、空港から4人の護衛と一緒に二台の車に分乗して出発するが、そのルートは既に暗殺者たちの知るところとなっていた。

 山道を走っていたところ、ソガと別の護衛官の乗る後方の車の前にダンプカーが割り込んできて、リヒター博士とヒロタの乗る先頭の車とを分断する。

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 ダンプカーの荷台に隠れた暗殺者がマシンガンをぶっ放す中、果敢にもソガがピストルを手に突進する。

 ソガと同じ車にいた隊員はあえなく撃ち殺される。

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 銃弾をかいくぐってダンプにぴったり体を密着させたソガ、

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 暗殺者が身を乗り出したところをすかさず狙い撃つ。

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 ソガ、ダンプカーの向こうへ走ると、少し離れたところに先頭の車ともう一台のダンプが停まっていて、博士は車の中でこめかみを撃ち抜かれて既に事切れていた。

 もうひとりの護衛官の死体も転がっているが、ヒロタの姿がない。

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 ソガ、銃を構えたまま、「ヒロターッ!」と大声で叫ぶ。

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 と、背後から自分を狙ってい気配に気付き、振り向いて撃つが、左腹部に弾を食らってしまう。

 パッと見、ダンプカーの前部に寄りかかるよう倒れている瀕死の暗殺者が撃っているように見えるが、よく見ると、ちゃんと別の人間がその背後にいて、ソガを撃ったことが分かる。

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 ソガ「うっ、ぎょっ、ああ、うう……」

 うつ伏せに倒れ込みながら、視線を上げたソガの目に最後に映ったのは、山の方へ走っていくスーツを着た男の背中だった。

 その視界がぼやけてフェードアウトし、

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 気が付くと、自分を見下ろしているアマギ、ダン、アンヌの三人の顔が視野に浮かび上がる。

 良いですねえ、アンヌの「この醜いブタめっ!」とでも言ってるような、ドM御用達の冷たい眼差し。

 ソガ、しばし状況が飲み込めず、視線を左右に彷徨わせる。

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 ソガ「ここは何処だ?」
 アマギ「基地のメディカルセンターだ。お前って奴はほんとに運の良い奴だな。手当てが遅かったら、あの世行きだったぞ」

 アマギはそう言ってくれるが、ソガは上半身を起こすと、暗い面持ちで「俺の命が何だ。俺は任務に失敗したんだ!」と吐き捨てる。

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 反射的に「じゃ、残念会やります?」と言いそうになった三人だったが、ソガがあまりにマジな顔をしているので、やめておく。

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 ソガ「ところで、ヒロタは?」
 ダン「参謀室で緊急対策会議中です」
 ソガ「じゃあ奴は無事だったのか」
 ダン「ええ、スパイの南隊員と相討ちだったそうですが、幸い軽傷です」
 ソガ「南隊員がスパイ?」

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 それを聞いたソガ、アンヌが止めるのも聞かずベッドから降りて、傷の痛みもなんのその、その参謀室へ押し掛ける。

 ……それにしても、シャツに血が付いているということは、一旦シャツを脱がせて手術した後、またそのシャツを着せたということなの?

 いや、ひょっとして、シャツを着たまま手術されてたりして……。

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 ソガ「隊長、南隊員がスパイだったという証拠は見付かったんですか」
 キリヤマ「いや、今のところ、ヒロタ君の証言が唯一の手がかりなんだが」
 ソガ「ヒロタ、本当に間違いないんだな」
 ヒロタ「残念ながら事実だ。奴は俺がトラックと応戦中に博士を……」
 ソガ「しかし、俺が現場に戻った時には、お前の姿は見えなかったが」

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 ヒロタ「もうひとりの犯人を追っていたんだ。途中で見失ってしまってね」

 頬の傷に手をやりながら、ヒロタが説明する。

 その横顔にじっと疑惑の目を注ぐソガ。

 ところで、あのリヒター博士は、諜報員が変装した偽物だったことが判明する。

 明日、本物のリヒター博士が来日し、今度はウルトラ警備隊が総力を挙げて博士を警護することになる。

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 ソガ、ヒロタの部屋に行き、真正面から疑問をぶつける。

 ソガ「なぁ、ヒロタ、お前何か俺に隠してることがあるんじゃないか」
 ヒロタ「隠す? 馬鹿を言え」
 ソガ「しかし、お前の態度はどうもいつもと違うようだ。なぁヒロタ、俺たちは同期生じゃないか。何か悩んでることがあったら素直に話してくれないか」
 ヒロタ「うるさい。貴様に話すことなど何もない!」
 ソガ「仕方ない、じゃあ俺の方から言おう。あの時、俺を撃ったのはお前だろう?」
 ヒロタ「なにぃ」
 ソガ「いや、俺だけじゃない。お前はあの男たちとグルになって南、鈴木の両隊員も殺したんだ!」

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 ヒロタ「悪い冗談はよせ。何を証拠にそんな言いがかりをつけるんだ」
 ソガ「証拠はその顔の傷だ!」
 ヒロタ「……」
 ソガ「その傷は俺に撃たれて出来たものだ」

 ソガに指摘されたヒロタ、意外にもあっさり正体を暴露して、振り向きざま銃をソガに向けようとするが、

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 さすがウルトラ警備隊の誇る射撃の名手、それより一瞬早く、銃口をヒロタのみぞおちに突きつける。

 ソガ「銃を捨てろ!」

 ここまでは、ソガ隊員とは思えないカッコよさであったが、

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 ヒロタに銃を向けたまま電話で人を呼ぼうとしたところ、受話器から特殊な音波が聞こえてきて、そのショックで銃を落とし、床にひっくり返ってしまう。

 やっぱりソガにはこういう役がよく似合う。

 後編に続く。


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コメント

Re:「ウルトラセブン」傑作選 第36話「必殺の0.1秒」 前編(10/29)  

子供の頃からソガ隊員の優しいところ(48話冒頭でダンを気遣う等)が大好きでした。
ウルトラ警備隊のメンバーって魅力的だなぁと思うばかりです。

>やっぱりソガにはこういう役がよく似合う。
29話でもプロテ星人に挑んであっさり捕まりましたね。

ソガ隊員こと故・阿知波信介さんと多岐川裕美さんとの一人娘:華子の離婚した相手
=松方弘樹と仁科亜季子との息子:仁科克基は「ウルトラマンメビウス」のリュウ隊員です。

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第36話「必殺の0.1秒」 前編(10/29)  

ふて猫様
>管理人様、わざわざレビューして戴いてありがとうございます

どう致しまして。やってみたら割と楽しくレビュー出来ました。

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第36話「必殺の0.1秒」 前編(10/29)  

影の王子様
>ソガ隊員こと故・阿知波信介さんと多岐川裕美さんとの一人娘:華子の離婚した相手
=松方弘樹と仁科亜季子との息子:仁科克基は「ウルトラマンメビウス」のリュウ隊員です。

そうなんですか。そう言えば前に聞いたような……

ウルトラ警備隊  

シリーズ全般のですが、参謀やキリヤマの「ご苦労」とか隊員の「ダン、気を付けろよ」
と言った何気ない会話に、温かみとか気遣いを感じて、うるっとしてしまいます。

岸田「郷は俺に反感を持っていた。だから命令を無視した」
山中「北斗、お前夢でもみたんだろう」
ダン「お前の涙で敵を倒せるか!」

一応、組織の人間として働いた身としては
「人間関係」や「チームワーク」がなにより大切だと思うばかりです。

Re:ウルトラ警備隊(10/29)  

影の王子様

確かにキリヤマって厳しいところもあるけど、基本的に優しいですよね。と言うか、ウルトラ警備隊ってみんな良い奴ばっかりですよね。セブンが50年も愛されてきたのも、案外そんなところに理由があったりして。

盛り上がっている50周年  

書店に行けば、また「セブン」の新刊が並んでいる・・・
「当たり前のように」手に取って見る自分・・・
しかし、前番組の「キャプテンウルトラ」とか少し前の「マグマ大使」のMOOKなんて
少なくとも僕は見たことが一度もありません。
そう考えると「セブン」がいかに愛されているかがよくわかります。

「セブン」の魅力を挙げていったらキリがありませんが
今の僕には、ウルトラ警備隊のメンバー同士の触れ合いが実に魅力的に思えます。
自然災害的な怪獣相手ではなく、侵略宇宙人との「民族を懸けた戦争」の中で育まれる信頼関係。
それを大仰な言葉で言うのではなく、何気ない会話の中から伝わってくるのが心に響きます。

Re:盛り上がっている50周年(10/29)  

影の王子様
>「セブン」の魅力を挙げていったらキリがありませんが
今の僕には、ウルトラ警備隊のメンバー同士の触れ合いが実に魅力的に思えます。

そうですね。ギスギスしたところなんてほとんどないですもんね。

ダンがクラタに責められた時はみんなで庇うし……。

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