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「イナズマン」 第3話「黒い死を呼ぶファントム地獄!」 前編

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 第3話「黒い死を呼ぶファントム地獄!」(1973年10月16日)

 冒頭、今回の怪人コブバンバラが、帝王バンバにその威力をデモンストレーションしている。

 コブバンバラ「この細菌を食えば、エネルギーは十分だ」

 コブちゃんはまずカプセルに入った物質を口に入れる。ついで、ビルの屋上に立って、背中のプロペラを激しく回転させて猛烈な風を起こし、

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 隣の高層ビルを、凄まじい風圧でこんな風に変形させるという荒業を披露する。

 実際に風だけでこんなことを仕様とすれば、風速80メートルでも足りないと思うが、

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 足元を見れば、色んな(軽そうな)物が飛ぶ中、市民が割と普通に歩いているのだった。チーン。

 細菌とプロペラの組み合わせがちょっと分かりにくいが、コブちゃんはその細菌を摂取することで、強大なパワーを生み出すことが出来るらしい。

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 コブバンバラ「えへへへへ、見たかあれを、うっふっふっふっふ、これが俺の力だ。貴様たちに作らせた細菌だー。このバンバ細菌を食べて俺は生き、100万倍の力をつけて東京中を破壊してやる!」

 もっともその細菌は、新人類帝国に拉致されて無理矢理協力させられている二人の科学者によって開発されたものだった。

 藤波「そんなことをしてお前たちは一体どうするつもりなんだ?」
 コブバンバラ「世界を征服し、新人類だけの帝国を築くんだ」
 藤波「殺せ、俺たちはもう作らん!」

 と、助手の細野が暴れ出し、藤波博士を逃がそうとする。

 細野はコブバンバラの吐き出す白い泡を浴び、軟らかい石膏のような物質にされて敢え無く天に召される。

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 それにしても、こんな水木しげるの漫画みたいなキャラに殺されたら、死んでも死に切れないよね。

 藤波、混乱しつつも細菌の入ったカプセルを掴むと、研究室から逃走する。

 コブバンバラ「ええい、追え!」

 コブバンバラの命を受け、ファントム兵士たちが追い掛ける。

 数分後……、

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 2位以下を大きく引き離し、完全な独走態勢を築きつつある藤波博士。

 実は博士はかつてオリンピックにも出たことのある長距離ランナーだったのではないのが新人類帝国にとって深刻な問題であった。

 もっとも、兵士たちは博士に追いつけなかった訳ではなく、やがて博士の前に現れて通せんぼする。

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 彼らは「イヤーッ! イヤーッ!」と、ダチョウク倶楽部みたいな掛け声を発しながら、執拗に博士を鉄の爪でゲシゲシ殴り続ける。

 しかし、そこへ五郎の乗るライジンゴーが疾走してきて、兵士たちの中に突っ込む。

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 五郎はサナギマンに変身すると、丘の上に降り立ち、「使って下さい!」と言わんばかりに転がっていた手頃な岩を投げ付け、兵士たちを蹴散らす。

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 サナギマン、博士を車に乗せると、飛行形態に変形して、空を飛んで逃げて行く。

 ファントム「ヤー」

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 続いてコブバンバラが出て来て、「新人類に失敗は許されないのだ。死ねー!」と、自分の失敗は棚に上げて、生き残った兵士たちも泡を浴びせて殺してしまう。

 いつの世も、悪の組織の下っ端はつらい。

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 舞台は一転、住宅地の道路を、フリルの付いた白いワンピースに、白いハイソックス、白い靴、白いリボンを付けた、大変ロリロリした美少女が、白い犬のぬいぐるみを抱いて一心に走っている。

 まるで、動くロリコンホイホイのような、この美少女、あたかも爽やかな早春の風を擬人化したような可愛らしさだが、それもその筈、70年代を代表する特撮ヒロインのひとり、斉藤浩子さんなのである。

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 その美少女、ルミは高い靴音を響かせながら、前にライジンゴーーが停めてある建物の中へ消える。

 そこは藤波博士の自宅であり、ルミはその一人娘だった。

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 ルミ「お父さん、お父さん!」
 藤波「ああ、ルミか……心配掛けて済まなかった。ルミ、私を助けてくれた渡五郎君だよ」
 五郎「やあ! ……博士、連れ込まれた新人類のアジトが何処にあるのか分からないんですか」
 藤波「それが、私たちは目隠しをさせて連れて行かれ、無理矢理バンバ細菌を作らされたんだ。それに逃げる時は必死で、一切の物が目に入らなかったんだ」

 博士、申し訳なさそうに答える。

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 藤波「それにしても私は脅迫されたとは言え、こんな恐ろしいものを作ってしまった」
 五郎「新人類はそのバンバ細菌で何を狙ってるんです?」
 藤波「人類皆殺しだ!」
 五郎「人類皆殺し?」

 藤波博士を演じるのはどちらかと言うと悪役を演じることの多い加藤和夫さん。

 しかし、「細菌で人類皆殺し」と聞くと、その細菌が恐ろしい病原菌のように聞こえるが、それはあくまでコブバンバラのエネルギー源としてしか使われないので、いまひとつその怖さがピンと来ないのだ。

 それに、コブバンバラひとりで、強風を起こしたり、泡を撒き散らしたりして人類を皆殺しにしようと思ったら、かなりの時間と根気が要りそうだ。

 つーか、たぶん無理です。

 などと話してるそばから、急に部屋が暗くなり、忽然と室内にコブバンバラが出現、一時はカプセルを奪うものの、五郎に槍で体を貫かれ(なんで死なないの?)、結局目的を果たせず退散する。

 さっきの論法に則れば、任務に失敗したコブバンバラは即座に処刑されなければならないと思うのだが……。

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 その後、五郎は博士を連れて、良い感じの廃墟にやってくる。

 藤波「こんな場所に?」
 五郎「ええ、我々少年同盟の秘密の場所です」

 五郎は博士を案内し、地下室の隠し扉の向こうにある巨大な金庫の前に連れて行く。

 ここは秘密基地と言うより、単に貴重品を保管する場所として使われているようだ。

 分厚い鋼鉄製の扉を開け、カプセルを保管しようとしていると、外からサトコたちの悲鳴が聞こえてくる。五郎が博士を残して表へ飛び出すと、早くもファントム兵士たちがここを嗅ぎつけ、見張りをしていたサトコたちを襲っているところだった。

 五郎、再びサナギマンに変身して兵士たちと戦う。

 そうこうしていると、金庫の扉が勝手に閉まり、博士はその中に閉じ込められてしまう。

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 同時に、神出鬼没のコブちゃんが金庫の中に現れ、カプセルを奪い返すと共に、博士を連れ戻そうとする。

 しかし、コブちゃんはカプセルを一瞥すると「ニセモノだ!」と気付く。

 さすがに、細菌を肉眼で見ただけで本物かニセモノかは分からないと思うんですが……。

 コブバンバラ、腹いせに博士をボコボコにして退却する。

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 CM後、自宅のベッドで傷付いた体を横たえている博士を、ルミや五郎たちが心配そうに見守っている。

 病院行けよ……。

 ルミ「お父さん、死なないで!」
 サトコ「ルミちゃん、お父様は戦ってらっしゃるのよ。今もきっとバンバ細菌のことを心配して頑張ってらっしゃるのよ!」
 五郎「ひどいことをする奴らだ。絶対やっつけるぞ。バンバ細菌は俺たちが必ず処分する。お父さんとの約束なんだ!」

 え……、処分しても良いの? だったらなんでわざわざ金庫に保管しようとしたのだろう?

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 などとやってると、再びコブバンバラの「えへへへへへ」と言う下品な笑い声が室内に響く。

 豪作「何処じゃ、出て来い。卑怯じゃ。姿ば見せろ!」

 コブバンバラが自由に建物内に入り込めることはさっきの件で承知している筈なのに、子供たちを残して往来へ出てしまう五郎たち。

 案の定、二人が出た隙に、コブバンバラが忽然と現れ、ルミを捕らえる。

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 サトコ「スパッ!」

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 独特の掛け声を放ってから、空中回転しながら少年同盟の制服姿に変わるサトコ。

 勢い余ってヘルメットが脱げ掛けてるぞなもし。

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 サトコ「ルミちゃん!」
 ルミ「離してー」

 サトコ、果敢にもコブバンバラにぶつかっていくが、差し当たり、ミュータントと言っても特に何か出来る訳でもなく、押し返される。

 考えたら少年同盟って、五郎が加入してなかったら、新人類帝国には全く太刀打ちできず、短時間で滅ぼされてただろうな。

 結局、ルミはコブバンバラに連れ去られてしまう。

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 五郎「どうした?」

 慌てて戻ってきた五郎の問い掛けに、「シュパッ」と言う効果音つきで少年同盟のサイン(敬礼?)を出してから、

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 カオル「大変です、ルミさんを攫われました」
 サトコ「ぬいぐるみを抱いたまま、コブバンバラに……」
 五郎「……」

 「この非常時にいちいちポーズ取ってんじゃねえ!」と、怒鳴りたくなる五郎であったが、なんとか自分を抑える。

 五郎「あのぬいぐるみの中には本物のバンバ細菌が入ってたんだ」

 五郎、サトコがひとりでコブバンバラたちを追跡中と聞くと、自分も少年同盟の制服に着替えて、ライジンゴーを発進させる。

 いや、発進させるのはいいけど、行く先分かっとんのかいな?

 後編に続く。


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コメント

Re:「イナズマン」 第3話「黒い死を呼ぶファントム地獄!」 前編(09/01)  

石ノ森先生が原作の特撮で、このコブバンバラほど醜悪な怪人はいないと思います。
仮面ライダーとの差別化かもしれないけど、いくらなんでもヤリ過ぎ・・・

Re[1]:「イナズマン」 第3話「黒い死を呼ぶファントム地獄!」 前編(09/01)  

ふて猫様
>よく藤波博士はあの細菌から難を逃れられましたね〜😅逃げ足が速いのか悪運が強いのか分かりませんがね

「仮面ライダー」でも、だいたいこの手の博士は上手く逃げ出しますよね。

Re[1]:「イナズマン」 第3話「黒い死を呼ぶファントム地獄!」 前編(09/01)  

影の王子様
>石ノ森先生が原作の特撮で、このコブバンバラほど醜悪な怪人はいないと思います。
仮面ライダーとの差別化かもしれないけど、いくらなんでもヤリ過ぎ・・・

DVDの石ノ森先生のデザイン画を見ると、コブバンバラが極めて忠実に造形されていることがわかります。もうちょっとソフトにしなきゃ。

Re:「イナズマン」 第3話「黒い死を呼ぶファントム地獄!」 前編(09/01)  

>それにしても、こんな水木しげるの漫画みたいなキャラに殺されたら、死んでも死にきれないよね。

「ゲゲゲの鬼太郎」第二シリーズの「足跡の怪」と言うお話では、タイタン坊なる妖怪を封印している石神様を功名心から削り取ってしまった青年科学者コンビの片割れが、タイタン坊の呪いで顔を溶かされ顔面崩壊、正にここに観るコブバンバラそのものの容貌になってしまいます!!やがて彼は呪いが全身にまわって溶け死に、もう一人の片割れもまたニトログリセリンの瓶を片手に狂乱した挙句、同様に全身が溶けて死に至ると言う「鬼太郎」中でも一二を争う「怖い話」なのです!

Re[1]:「イナズマン」 第3話「黒い死を呼ぶファントム地獄!」 前編(09/01)  

笑太郎様

わざわざ具体的な指摘ありがとうございます。

漫画の鬼太郎はなんともいえない味があって面白いですね。

確かに下っ端の戦闘員は、どの組織でも同じような扱いのようですね😅
ファントム兵士もショッカーの戦闘員とそっくりのようですね😔

コブバンバラの顔他

コブバンバラの顔は、V3のレンズアリ人間態に似てます。マスクの型が同じものを使用したのかもしれません。型が同一でなくともベースのデザインが同じということはありえそうですね。

今回のメインゲスト加藤和夫さんは時代劇の悪家老や役人でおなじみですね。このブログでは筑波洋のお父さんというイメージが強く、本話でのキャラも良く似ています。

五郎あっての

確かに少年同盟は五郎がいないと短期間で壊滅的なダメージ(若しくは全滅)を受けるでしょうね

Re: コブバンバラの顔他

> コブバンバラの顔は、V3のレンズアリ人間態に似てます。

久しぶりに見ましたが、やっぱり物凄い顔ですね。

Re: 五郎あっての

何の役にも立ちません。

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