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「仮面ライダーBLACK RX」 第2話「光を浴びて!RX」 前編

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 第2話「光を浴びて!RX」(1988年10月30日)

 前回、クライシス帝国によって変身機能を破壊されたものの、太陽エネルギーを浴びることで新たなる戦士・仮面ライダーBLACK RXとして生まれ変わった光太郎、その前に、再びバイクに乗った三体のスカル魔が現れ、RXを抹殺せんと襲い掛かってくる……と言うシーンからスタートの第2話である。

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 こちらも、太陽の光を受けてニューマシン・アクロバッターとして蘇ったバトルホッパーにまたがり、スカル魔に向かって突進するRX。

 素のRXと、アクロバッターのデザインについては文句はないのだが……。

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 アクロバッターと激突して爆破するバイクから放り出されるスカル魔。

 RXも、スカル魔の振るう大鎌をアクロバッターからジャンプしてかわし、丘の上に屹立する。

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 スカル魔「貴様、本当に仮面ライダーBLACKか?」
 RX「仮面ライダーBLACKは、生まれ変わった。俺は太陽の子、仮面ライダーBLACK、RX!」

 改めて名乗りを上げ、ポーズを決めるRX。

 しかし、RXの、変身ポーズ~変身後の決めポーズは、BLACKと比べても複雑過ぎてイマイチだ。もし、「仮面ライダー」(2号)の変身ポーズがこんなにややこしかったら、子供たちの間であそこまでのブームにはならなかっただろう。

 さて、RXとスカル魔のバトルになるが、スカル魔は怪人と言っても、戦闘員に毛が生えた程度の強さで、新生RXの敵ではなかった。

 それでも、勝てないと見るや、三体がRXの体にしがみつき、水溜りの中へ引き摺り込みながら一斉に自爆して、RXを地獄の道連れにしようとする辺り、彼らの背後にあるクライシス帝国の尋常ならざる強大さ(註1)が感じられるしたたかさであった。

 (註1……後に、管理人の勘違いだったと判明する)

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 彼らの戦いを見ていたマリバロンたちは、RXが死んだものと喜び勇んでジャーク将軍の前にやってくるが、

 ジャーク「マリバロン、ガテゾーンに命じて至急怪魔ロボットを地上へ放て!」

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 そのガテゾーン、自分のロボット製造工房でなにやら作業していたが、官房長ロボット・チャックラムの気配に気付くと、山と積まれた生卵をひとつ掴んで投げ付ける。

 チャックラム「アウチ!」
 マリバロン「将軍の命令に反抗する気?」
 ガテゾーン「ふーん、俺にはそんな気ないぜ?」

 ガテゾーンの頭は、意味もなく胴体から離れて宙を漂っていた。

 チャックラムの悲鳴と言い、ガテゾーンの胴体の「やれやれ」ポーズと言い、今、クライシス帝国では空前のアメリカブームが起きていると考えられる。

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 マリバロン「そっ、じゃあ最強の怪魔ロボットを私に見せてごらん」

 ガテゾーンの頭に手を添えて、艶やかな声で囁きかけるマリバロン姉さん。

 RX、特に序盤は、高畑淳子さんのちょっとエッチなゼスチュアや喋り方が、割と股間に響くのである。

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 マリバロン、ガテゾーンの頭を捧げ持つようにして、立ち上がった胴体にガチャッと嵌め込む。

 「うーん、マンダム」と言う風に、頭の回転具合を確かめるガテゾーン。

 別に必要のないギミックなのだが、こういう遊び心が特撮ドラマでは大事なのである。

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 ガテゾーン、もったいぶることもなく、ベッドに寝かされている筋肉質の男性をマリバロンに見せる。

 マリバロン「この男が?」
 ガテゾーン「そうさ、この男だ。俺の作った最強の怪魔ロボット・キューブリカンを送り込んで奴が生きているなら打ち殺す」

 ガテゾーンが目からレーザービームを照射してエネルギーを注入すると、筋肉質の男は目を見開き、ベッドから降りて筋肉をバキバキする。

 ちなみに、ストーリーの必要上、ここでは筋肉男の顔ははっきり見えないが、演じているのはJACの高橋利道さんなのだ。つまり、今回、高橋さんは、ジャーク将軍のスーツアクター、キューブリカンの人間態、そしてガテゾーンの声と、一人三役の大活躍をされているのだ。

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 一方の光太郎、気が付くと、人間の姿に戻って広々とした山頂に寝転がっていた。

 起き上がり、周囲を見回す光太郎の前に、青く輝く光の玉が現れ、壮年の男性の声で語りかける。

 声「光太郎、お前は太陽光線の生命エネルギーによって仮面ライダーBLACK RXして蘇ったのだ! 日の光はこの世の万物を照らし、生きとし生けるものに生命を与える宇宙の愛だ。お前は今日から太陽の子・仮面ライダーBLACK RXとして邪悪なものと戦い、地球を守らなければならない!」

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 都市の上空を飛び回りながら語りかける光の玉は、再びもとの場所に戻ってきて地面に落下し、RXの姿となってこちらに歩いてくるビジョンを光太郎に示す。

 声「それがお前の宿命だ」
 光太郎「それが俺の宿命なら、俺は全力を尽くして宿命をまっとうします」
 声「光太郎、太陽の力は仮面ライダーRXに恐るべき力を与え、お前にも超人的な力をあたえたもうた」

 眩い光に包まれた光太郎、いつの間にか、交差点のど真ん中に立っている。

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 光太郎「心せよ、光太郎、お前が人前でその力を使えば、人々は初めは賞賛するが、やがてお前を疎んじるようになるだろう。お前が心から望む人間としての生の喜びは失われる。独りぼっちで生きることになるだろう(註2)」

 通行人には見えない光が、諄々と光太郎に語りかける。

 (註2……なりませんでした)

 光太郎「そんな……戦いは俺ひとりじゃ出来ません! それに独りぼっちになるなんて嫌だ!」

 ……

 コイツ、ほんとに光太郎か?

 ついさっき「宿命を全うしまーす!」と宣言したばかりなのに、その舌の根も乾かぬうちに「独りぼっちはイヤなんですぅ!」と全力で弱音を吐く光太郎の情けない姿からは、ゴルゴムとの過酷な戦いを戦い抜いた孤高の戦士・南光太郎の面影はひとかけらも感じられなかった。

 オンエアの時、子供だった自分がどう思ったかは忘れてしまったが、今振り返れば、なんかこの時点で「RX」の作品的失敗が宿命付けられてしまっていたような気がする。

 もし自分がキングストーン(声)だったら、「お前にはがっかりだよ!」と言って、こんな奴はさっさと見限って別の候補者を探しに行っただろう。

 声(気を取り直して)「……幻を見るな、現実ありのままを見るのだ。光太郎、愚かしきものの道を避け、賢きものの道を歩め!」
 光太郎「ちょっと待ってください、そんな難しいこと言われても困りますよー」
 声「……」

 くどいようだが、光太郎ってこんなキャラだったっけ?

 とにかく、光は自分はキングストーンだと名乗り、光太郎の腹部……変身ベルトの中に飛び込んでくる。

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 ここで、光太郎、やっと現実世界に戻ってくる。そう、さっきの水溜りのふちで、最初からキングストーンの作り出すビジョンを見ていたのだ。

 光太郎の目の前をダンプカーが通り過ぎていく。それと入れ違いにクリーム色の乗用車が近付いて来る。

 その運転席に誰が座っているのか全く見えず、しかも何もせずにゆるゆるとバックして行くのがなかなか不気味な雰囲気を醸し出している。

 光太郎、とにかく一旦佐原家に帰る。

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 光太郎が家に入ると、コートを着た怪しい男性が玄関先に立つ。

 すぐに、クライシスとは無関係の、速水(はやみず)警部補(佐渡稔)だと分かるのだが、さっきのシーンで高橋さんの顔をはっきり見せてない効果で、視聴者に一瞬、すわっ、これがキューブリカンか? と思わせることに成功している。

 速水、敷地内に入り込んでいたところを唄子に見つかって不審者扱いされるが、急いで警察手帳を出して自己紹介する。

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 速水「私、警視庁特捜部刑事、速水隼人です!」
 光太郎「なんだ、刑事さんだったんですか、俺、南光太郎です。よろしく」
 速水「よろしく!」

 にこやかに握手を求める光太郎に、速水もしかつめらしい顔で手を出すが、

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 速水「うおわあああー、えおわお……」

 光太郎、つい改造人間の馬鹿力で速水の手を握ってしまい、速水は物凄い顔で悲鳴を上げる。

 光太郎、改造人間としてそう言う手加減には慣れている筈だが、BLACKからRXに進化したことで、以前よりもパワーが増していることをうっかりしていたのだろう。

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 光太郎「すいません。ところで刑事さん、何か?」
 速水「一度君の顔をじっくり見たいと思ってね」

 速水はろくに話もせず、さっさと引き揚げていく。

 その後、手帳を取り出して、光太郎ほか数名の名前が書いてあるページを開き、光太郎の名前に二重丸をつける。速水が、何故、光太郎の存在に着目し、付け回していたのか、結局分からないままであった。

 速水は「BLACK」の東堂先輩のようなコメディリリーフとして設定されていたと考えられるが、登場するのは序盤だけで、いつの間にか物語から姿を消してしまう。その辺の扱いは東堂先輩と同じようなものであった。

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 その速水、さっきの怪しい車を見掛けて職質をかけようとするが、逞しい裸の腕に引っ張り込まれて、身ぐるみ剥がされてしまう。

 赤と白の横縞、股間に大きな魚(くじら?)のイラストが入っていると言う、人生を舐め切っているパンツひとつで、その車を追いかける速水であった。

 そんな騒ぎも知らず、光太郎は玲子に付き合わされて、スーパーで買い物をしていた。

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 と、光太郎、床に落ちていたラムネ菓子のケースを踏ん付けてしまう。

 常人なら、「すいません、これ、弁償します」と、頭を掻きながら近くの店員に申し出るところだが、さすが「太陽の子」(自称)である光太郎であった。

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 光太郎(何かが起こる知らせだ!)

 勝手にそう決め付けると、

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 店員の「お客さん、ちょっと、ちょっとぉーっ!」と言う呼びかけも無視して、スーパーから飛び出してしまうのであった。

 ぶっちぎるぜ!(by政宗一成)

 後編に続く。


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コメント

Re:「仮面ライダーBLACK RX」 第2話「光を浴びて!RX」 前編(09/13)  

更新お疲れ様です。

放送当時のラジオ番組「青春ラジメニア」にて・・・
DJ「次のお便りはペンネーム「キングストーンが口きいちゃマズいわ」さん。
・・・まったくそのとおりですね!」

僕が「RX」を評価できないのは「BLACK」の世界観とか設定を無視しての続編だから。
「BLACK」を書いた上原正三氏か杉村升氏が執筆したら、こんなおかしなことにはならない。
「BLACK」を書いてない江連卓さんをメインライターにしたのはなぁ・・・
その辺りをチェックするのがプロデューサーでは?
やっぱ、久々のライダー復活で舞い上がってたのかなぁ?
光太郎の「キャラ変貌」については小笠原監督が苦言を呈していたそうですが?

素のRXと倉田さんのカッコ良さは僕も大好きなのですが・・・

Re[1]:「仮面ライダーBLACK RX」 第2話「光を浴びて!RX」 前編(09/13)  

ふて猫様
レビューして改めて分かりましたが、あの変身ポーズはいくらなんでもくど過ぎですね。

Re[1]:「仮面ライダーBLACK RX」 第2話「光を浴びて!RX」 前編(09/13)  

影の王子様
>更新お疲れ様です。

ありがとうございます。

>光太郎の「キャラ変貌」については小笠原監督が苦言を呈していたそうですが?

でも、「ディケイド」には両方の光太郎が出てましたが、どっちもBLACKの光太郎のキャラクターになってたような……。

ああいうチャラチャラした感じも、平成シリーズの先取りだったのかなと言う気がします。

Re:「仮面ライダーBLACK RX」 第2話「光を浴びて!RX」 前編(09/13)  

>にこやかに握手を求める光太郎に、速水もしかめつらしい顔で手を出すが、・・・
>光太郎、つい改造人間の馬鹿力で速水の手を握ってしまい、速水は物凄い形相で悲鳴を上げる。

元祖「仮面ライダー」でも蜘蛛男のお話で、本郷が水道の蛇口を壊してしまう処やサラセニアン(だと思いました)のお話で、手を握ったちびっ子にここに観る速水警部補同様
「いったーいっ!!」
と悲鳴を上げさせてしまう処がありましたね。特に後者には
「そうか・・・、俺は改造されて子供もあやせない体になってしまったのかっ!!」
と言う本郷自身の独白が被される事で改造人間の悲愴なさだめを痛感させられる名シーンとなっていますが、この速水警部補とのシーンはどこかギャグチックでシリアスさが希薄になってしまっているのが否めません。

Re:「仮面ライダーBLACK RX」 第2話「光を浴びて!RX」 前編(09/13)  

RXもBLACKと同じ岡元次郎さんが演じていますが、RXの方がBLACKより背が高く見える
のは僕だけでしょうか?
マスクの違いが大きいのでしょうか?

政宗一成さんのナレーション
前作では途中交代でもあり、シリアスな世界観を守るために控えめでしたが
今作では弾けていますね。
「メタルダー」の予告編での「こいつは凄いぜ!」も大好きです。

Re[1]:「仮面ライダーBLACK RX」 第2話「光を浴びて!RX」 前編(09/13)  

笑太郎様
>元祖「仮面ライダー」でも蜘蛛男のお話で、本郷が水道の蛇口を壊してしまう処やサラセニアン(だと思いました)のお話で、手を握ったちびっ子にここに観る速水警部補同様
「いったーいっ!!」
と悲鳴を上げさせてしまう処がありましたね。

BLACKの最初の方にも、蛇口のシーンを意識したようなシーンがありましたね。無論、そこはシリアスなタッチで描かれていました。

Re[1]:「仮面ライダーBLACK RX」 第2話「光を浴びて!RX」 前編(09/13)  

影の王子様
>RXもBLACKと同じ岡元次郎さんが演じていますが、RXの方がBLACKより背が高く見える
のは僕だけでしょうか?
マスクの違いが大きいのでしょうか?

確かにそう見えますね。マスクと言うより、スーツ全体のデザインのせいじゃないかと思いますが。

生まれ変わった!

RX:仮面ライダーBLACKは生まれ変わった!

ここから始まる名乗りと啖呵はめっちゃ好き。その前のスカル魔のセリフには突っ込みを入れたくなるね。

スカル魔:貴様、本当に仮面ライダーBLACKか?
お前、地球侵略する前にBLACKの映像やデータを見てないんか?見ていればBLACKでも乗っているのがバトルホッパーじゃないと気が付くはずやで。策がなくなったらRXを道連れに自爆。お前はサイバイマンか!サイバイマンの溶解液?毒?は機能停止ビームと同じ効果があるかもしれん。BLACKの変身ベルトも溶けてしまうかも。なのでこの時点で光太郎は変身機能を失っていたわけ。RXにも溶解液を浴びせたけど、光のパワーの前では太刀打ちできなかったと考えるべきか?

Re: 生まれ変わった!

> ここから始まる名乗りと啖呵はめっちゃ好き。

燃えますよねえ。

> お前、地球侵略する前にBLACKの映像やデータを見てないんか?

まあ、戦ってる最中ですから、そんな余裕がなかったんでしょう。

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