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「スクール☆ウォーズ」 第18話「去りゆく君へ」 その4



 第18話「去りゆく君へ」(1985年2月9日)
 の続きです。

 思いがけず川浜高校に就職できることになり、急にパッと目の前が明るくなった感じの加代、その日の夕方、幸せ気分で買い物袋を下げて自宅アパートに帰ってくるが、その幸せもドアを開けるまでのことだった。

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 加代「ただいまー」
 母親「お帰りなさい」
 妹「お帰りー!」
 父親「やあ」
 加代「父さん……」

 そう、蒸発していた加代の父親がよりによってこのタイミングでひょっこり帰ってきたのである。

 つまり、加代が事務員として川浜に残れるかも知れない……と言う希望に満ちた展開は、この転変をより効果的にする為にスタッフが仕掛けた悪魔のような謀略だったのだ。

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 加代「出て行って! 5年も6年も放っておきながら、今頃のこのこ帰ってきてまた一緒に暮らそうだなんて虫が良過ぎるわよ! 父さんの顔なんて二度と見たくもないわ。母さん見捨てておきながら、今頃なによー! あんたに父親の資格なんてないわよ!」
 母親「加代、それは言い過ぎよ!」
 加代「母さんは黙ってて、父さん、一体今まで何処で何してたのよ?」

 父親は、あちこちを転々として、今は和歌山の果樹園で働いているらしい。

 しかも、家族を引き取って和歌山で一緒に暮らしたいなどと言い出す。

 加代は勿論、和歌山になど行く気はなかったが、病弱な母親がまだ父親のことを愛していることを知ると、目に涙を溜めてアパートを飛び出す。

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 夕陽の中、土手の上を全力疾走する青春真っ盛りの加代。

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 いつもの河原に立つと、

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 加代「馬鹿、母さんの馬鹿……母さんの馬鹿!」

 ぽろぽろ涙を流しながら、父親ではなく、母親のことを何度も罵るのだった。

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 翌日(?)、加代は結局和歌山に行かなくてはならなくなったことを滝沢に報告する。

 加代「仕方がないんです。母はどうしても父に付いて行くって言いますし……私は一緒に行きたくないんです。今更あの人をお父さんと呼んでニコニコ暮らせるとは思えませんから」
 滝沢「だったら君だけでも残ればいいじゃないか」
 加代「出来ないんです!」

 気楽にそう言う滝沢に、加代の口からムチのような叫びが飛んでくる。

 いかにも、ラグビー馬鹿らしい滝沢の単純さが滲み出た瞬間である。

 まぁ、年はずっと下でも、苦労しているという点では明らかに加代の方が上だからね。

 加代「母はあの通りの体ですし、妹や弟たちが一緒に行く以上、やっぱり私が面倒見る以外には……」

 加代も、母親が健康だったら川浜に残る決意をしたかもしれないが、優しく責任感の強い彼女には、病弱な母親と幼い弟妹たちをこのまま和歌山にやることはどうしても出来ないのだった。

 滝沢「そうか」
 加代「折角校長先生に頼んでくださったのに、ほんとに申し訳ありません」
 滝沢「そんなことはいいんだよ。それより、君がいなくなると……」

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 加代「大丈夫ですよ、西村さんも杉本さんも見掛けよりはしっかりしてますから、ちゃんとマネージャーの仕事を果たしてくれると思います!」
 滝沢「……そうじゃないんだ。君がいなくなると、寂しがる人間が大勢いると……」

 加代、滝沢が最後まで言う前に請け合うが、いくら滝沢がラグビー馬鹿でも、こんな時にマネージャーの心配をしていた訳ではなかった。

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 加代「先生はどうですか?」
 滝沢「……」
 加代「先生も寂しいと思ってくれますか?」
 滝沢「……」

 奥手の加代にとっては、これが精一杯の滝沢に対する「告白」だった。

 良いシーンなんだけど、そろそろ入るだろうなぁと思っていたら、

 ナレ「この娘の慕情は痛いほど分かっていた。分かっていたけどどうしてやることも出来ない賢治だった」

 はい、やっぱりナレーション入りました!

 折角の名シーンが余計なナレーションのお陰でぶち壊しになっていることを、当時のスタッフには気付いて欲しかった。

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 感極まった加代、「せんせい!」と叫んでいきなり滝沢の広い胸に飛び込む。

 加代「お願いです。1分、1分だけこうしていて下さい!」

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 加代は哀願するように叫ぶと、額を滝沢の胸に押し付けたまま、必死に後から後から込み上げてくる涙を堪えるのだった。

 実にいじましい加代の乙女心であるが、同時に、言われたとおり何もしないでボーっと立っている滝沢の後頭部を思いっきりスリッパで叩きたくなったのは私だけではないだろう。

 別にキスしろとか、それ以上のことをしろとは言わないが、せめてしっかりその体を抱き締めてやるくらいのことをしてもバチは当たらないのではないだろうか?

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 その後、早くも滝沢にとって3回目の卒業式となる。

 岩佐「この1年間、私は諸君の学力向上の為にあえて過酷な試練を与えてきた。(中略)しかしこれから諸君が世に出た時、この試練は必ず役に立つものと私はそう信じて疑わない。世の中は弱肉強食を鉄則としている。スポーツの世界においては勝者よりも敗者のほうにより多くの拍手が送られる例をまま見受けるが、実社会においてそのような甘っちょろい考えは通用しない」

 岩佐校長は「学歴社会を批判し、改革するには、まず自らが高度の学歴を得て社会の指導的立場に立たなければ所詮は弱者の遠吠えとして終わるのみである。卒業生諸君、社会の勝利者たれ!」と言う言葉で締め括る。

 あれこれ理屈をつけたが、要するに、岩佐校長は学歴社会を肯定している訳である。

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 それはそれとして、在校生として聞いている清美が可愛いのである!

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 式の後、いかにも不服そうに聞いていた甘利先生が滝沢に話し掛ける。

 甘利「どう思います、今日の校長の話? 確かに一理あるといえば言えますが、僕はどうもああいう考えにはついていけませんね」
 滝沢「ええ、私もあなたと同じ意見です。しかしひとつだけドキッとしたことがありました。スポーツの世界では敗れたものにより多くの拍手が送られるという、あのくだりです」
 甘利「ああ、甲子園の高校野球なんか見てると、大体そうですよね」

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 滝沢「日本ではその傾向が強いようです。新聞の見出しなんかも、爽やかに散るとか、敗れて悔いなしとか……でもねえ、実際にやってるものにとっては負ければやっぱり悔しいんです。必ず何処かに悔いが残るものなんですよ」
 甘利「滝沢先生! 僕の話、聞いてました?
 滝沢「勝負は、勝たせなきゃ嘘です。やるからには絶対勝つべきなんです!」
 甘利「……」

 甘利先生は、これ以降、滝沢にその手の議論を吹っかけるのをやめにしたそうです。

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 話しながら校舎に入りかけた二人は、外の洗い場で、ジャージ姿の加代が部員たちのユニフォームを手洗いしているのを目にする。

 滝沢「山崎、お前今頃なにやってんだ?」
 加代「お洗濯ですよ、これが最後ですからね」
 滝沢「山崎……」

 ……って、いや、
 卒業式の日にそんなことする奴ぁいねえよ!!

 いくらドラマと言え、これはいかにも嘘っぽかった。

 そこへ清美と明子が走ってきて、加代の手を引いてグラウンドへ連れて行く。

 グラウンドには、光男以下、部員たちが勢揃いしていた。

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 加代「どうしたのよ、みんな、真面目な顔しちゃって……私、お洗濯の途中だから」

 無言で見詰めたままの部員たちに戸惑って、加代は逃げるように洗い場に戻ろうとする。

 光男がその前に立って、

 光男「山崎、俺たちラグビー部がここまで来れたのはお前のお陰だ。無論、滝沢先生がいなかったら俺たちは永遠に駄目ラグビー部で終わったろう。けど、その滝沢先生を陰で支えてきたお前の存在を俺たちは忘れていた。改めて礼を言う。ありがとう」
 部員たち「ありがとう!」

 光男に続いて、みんなが口々に加代に感謝の言葉を捧げる。

 加代もたちまちウルッとするが、照れ臭そうに「ちょっとやめて、何よみんな、改まっちゃって! おかしいわよ」と、気丈に振る舞おうとする。

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 大木「一度ぐらい、真面目に礼を言ったっていいだろう?」
 加代「大木君……」

 真打ち登場と言う感じで、後ろの方から大木が進み出る。

 こういう台詞をこういうタイミングで言わせたら、右に出るものはないね、松村さん。

 大木「キャプテンたちとも相談したんだけどよ、なんか贈るって言っても、どうせろくなものはやれねえし」
 加代「要らないわよ何も」
 光男「そう言うと思ったよ、だから俺たちは感謝を込めてこれからお前を胴上げする」
 加代「ええーっ?」
 光男「かかれっ!」

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 光男の合図で、戸惑う加代に一斉に部員たちの手が伸び、「ワッショイ、ワッショイ」と、空中に何度も何度も放り投げる。

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 甘利「先生、山崎は勝者ですか、敗者ですか? 勝ったんですよね、山崎は勝ったんですよね」

 青春と呼ぶにはあまりに清々しい彼らの姿を見て、目をウルウルさせていた甘利先生が自分に言い聞かせるように滝沢に聞く。

 滝沢は答えるまでもないと言う風に進み出て、彼らの輪に加わる。

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 滝沢「おい、俺も仲間に入れてくれ」
 加代「先生……」
 滝沢「山崎、ありがとう! ほんとにありがとう。よし行くぞーっ!」

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 滝沢の音頭で改めて何度も何度も空中へ飛ばされては落ちる加代。

 当時23歳の岩崎良美さん、途中から「ちょっと、いつまでやってんのよ~」と言う顔になるが、実際に胴上げをされている間は、ほんとに高校生に戻ったような錯覚に陥っていたのではないだろうか?

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 それはそれとして、楽しそうに胴上げに参加している清美が可愛いのである!

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 ナレ「いくつもの手がひとつの心となって、加代の体を真っ青な大空へ突き上げていた……」

 いつ終わるとも知れない果てしなき胴上げを映しながら、19話へ続く。

 だが、この後の展開を知る管理人は、この感動的なナレーションにあえて続きを書き加えたい。

 「……彼女を地獄の底へ叩き落す為に」と。

 そう、次回、文字通り、加代は幸せの絶頂から、不幸のどん底に叩き落されてしまうのである!


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コメント

Re:「スクール☆ウォーズ」 第18話「去りゆく君へ」 その4(09/16)  

滝沢の唐変木ぶりには付ける薬なしですね。
教師の責任感というよりも単に鈍いのでは?

Re[1]:「スクール☆ウォーズ」 第18話「去りゆく君へ」 その4(09/16)  

ふて猫様
>加代は幸せの絶頂から地獄のドン底に落とされるのですね

要するに死んじゃうのです。

Re[1]:「スクール☆ウォーズ」 第18話「去りゆく君へ」 その4(09/16)  

影の王子様
>滝沢の唐変木ぶりには付ける薬なしですね。
教師の責任感というよりも単に鈍いのでは?

主人公が既婚者なので、「不良少女」と比べると、この辺の描写が物足りない気がします。

Re:「スクール☆ウォーズ」 第18話「去りゆく君へ」 その4(09/16)  

>実にいじましい加代の乙女心であるが、同時に、言われたとおり何もしないでボーっと立っている滝沢の後頭部を思いっきりスリッパで叩きたくなったのは私だけではないだろう。

はーい!!私も叩きたかったです。パスーンといい音させたかったです。

>こういう台詞をこういうタイミングで言わせたら、右に出るものはないね、松村さん。

ですよね~。だってかっこいんですもの、朝雄・・・。


>甘利「先生、山崎は勝者ですか、敗者ですか? 勝ったんですよね、山崎は勝ったんですよね」

この台詞、ちょっと意味が分からんのですが・・・なぜ勝者か敗者か決めなきゃいけないんでしょうか・・・勝ったとしたら、何に?

Re[1]:「スクール☆ウォーズ」 第18話「去りゆく君へ」 その4(09/16)  

Biromi様
>この台詞、ちょっと意味が分からんのですが・・・なぜ勝者か敗者か決めなきゃいけないんでしょうか・・・勝ったとしたら、何に?

人生と言うか、青春の勝利者だと言うことじゃないんでしょうか。

悔いが残らない高校生活を送ったと言う意味で。

その前に「負けたら悔いが残る」と滝沢が言っているので、
「悔いが残らない=勝ち」と言う図式が甘利先生の頭にあったとか。

乳姉妹  

「乳姉妹」の1・2話を観ました。

「不良少女」とほぼ同じキャスティング・・・
ネタばらし早過ぎ・・・
松村雄基の「渡り鳥連合」はネーミングダサい。
「東京流星会」はカッコよかったのに・・・

引き続き視聴します。

Re:乳姉妹(09/16)  

影の王子様

「乳姉妹」もレビューするつもりですが、考えたらまだ途中までしか見てなかったなぁ。

川浜高校ラグビー部マネージャー山崎佳代が川浜高校事務員に採用された喜びも束の間、山崎佳代の父が和歌山県果樹園で働いているために家族全員和歌山県に引っ越さなければなりません。それでも山崎佳代は和歌山県に行きたくありません。かつて高2で赤点を取って留年した森田光男卒業おめでとうございます。森田光男は高卒後ホテルのフランス料理等のコックとして就職しなければなりません。4代目キャプテンは大木大助です。部員全員山崎佳代を胴上げしました。もう誰も前に出て引っ張る事は出来ません。いざと言う時、人生の相談相手が居るにしても、結局は自分で考えなければなりません。そして、最終的に自分で自分の道を決めなければなりません。実際に子を産む時の苦悩は、母親しか覚えていません。人間は、誰でも次第に楽な方向へと流されやすい動物です。しかし、そのような生活では、ここ一番と言う大事な時に、本当の力が出せません。僕の前に道は無い、僕の後に道は出来ると言う気持ちで前進して下さい。

Re: タイトルなし

佳代はとことんツイてないですよね。

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