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アニメ「はいからさんが通る」 第22話

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 第22話「散る花 咲く花 恋の花」 作画監督 富永定義

 紅緒が、忍と恋仲であると思い込んでいる芸者・吉次に、直接面談しようと、意を決して柳橋の待合茶屋(料亭?)にやってきたシーンからスタート。

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 座敷に現れた吉次は、客が他ならぬ忍の婚約者であると知って、びっくりする。

 作画的には、なんかもう、一枚目から嫌な予感しかしないなぁ。

 ふすまが明らかに歪んでるし……。

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 吉次「花村のお嬢様!」
 紅緒「ええ、紅緒です」
 吉次「おひとりで?」
 紅緒「勿論」
 吉次「まぁ、こんなところへ何の御用で?」

 この鼻の先の横線が、富永定義氏の特徴である。

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 紅緒「あら、決まってるでしょ。今日は遊びに来ました。お小遣いはたいて」
 吉次「まぁ、いけませんわ、こんなところ、れっきとしたお嬢様のいらっしゃるところじゃありませんよ」
 紅緒「すいません、どんなところか見たくて……うふふ」

 そこへ、まだ下地ッ子の少女が入ってきて、不作続きで貧窮に喘ぐ東北の寒村から、彼女が芸者の卵として買われてきたと言う、一応お嬢様育ちの紅緒にとっては想像も出来ない過酷な人生を語って聞かせる。

 紅緒「でも、それで幸せになれたの?」
 少女「うん、毎日白いご飯が食べられるから!」
 紅緒「ええっ?」
 少女「田舎じゃ白いご飯なんて、お正月とお祭りの時くらいしか食べられないんです」
 紅緒「まぁ……でも、お父さんやお母さんのことは思い出すでしょ?」
 少女「……」

 少女は紅緒の最後の問い掛けには答えず、無言で静かに部屋を出て行く。

 紅緒「私、なんだか悪いこと言っちゃったみたい」
 吉次「いいえ」
 紅緒「でも、芸者の世界についてなんて学校じゃひとつも教えてくれないんです」
 吉次「当たり前ですよ。……私も、十の時からここに……」

 花村家や女学校、伊集院家と言う、言わば閉じられた世界で暮らしてきた紅緒が、初めて自分たちとは異なる世界があることを知る印象的なシーンである。

 ……

 ま、原作にはないんだけどね!
 (下地ッ子の少女は出てくるが)

 無論、原作は少女漫画なので、当時の芸妓が(全員が全員ではないが)客と寝ることも商売のひとつであったということには触れられていない。

 原作では、間を置かず、紅緒と吉次が話し始めるのだが、今回も例によって意味のない時間稼ぎが苛立たしいほど過剰にぶっこまれている。

 まず、原作にはない、打ち上げ花火。それを店の外で待っている牛五郎が眺めたり、座敷から紅緒たちが眺めたりするシーンがある。

 ついで、紅緒がなかなか帰ってこないので伊集院家の人たちが心配し、とりあえず忍が花村家に電話で問い合わせてみる、と言うシーンになる。

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 玄関横にある電話で、忍と話している紅緒の父・花村少佐。

 右側の白い物は、巨木をスライスして作られた衝立である。

 それにしても、この廊下、ちょっと横幅が広過ぎるような?

 花村少佐は紅緒の行き先など心当たりはなかったが、事のついでに聞きたいことがあるからと、忍に自宅まで来てくれるよう頼む。

 忍は上官のところに行くので、わざわざ軍服に着替えて自家用車で花村家へ出発する。それを蘭子と天丸・地丸が見送る。……って、紅緒のことは良いんかい!

 肝心の紅緒のことをほっといて、別に緊急の用事でもないのに忍が花村家へ行くと言うのは、冷静に考えたらかなり変である。以下、花村家でのやりとりも、原作には一切出て来ないことは言うまでもない。

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 とにかく、花村少佐の話は、果たして、忍と吉次との関係についてだった。

 花村「実は、紅緒がその芸者が少尉の愛人であると言うようなことを言って悩んでおった。少尉、大の男が色街で遊びの一つや二つ、してはならんとワシは言わぬ! だが、女の存在が君と紅緒の間にヒビを入れているとなると、親としては捨ててはおけん! その芸者とはどんな仲なのか、この際、率直に言ってくれんか」
 忍「そ、それは……」

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 上官であり、未来の義理の父親になるかもしれない相手に真正面から切り込まれ、さすがの忍も言葉に窮していると、「少尉、言い逃れは許しませんよ!」と、縁側から不意に蘭子が、犬を引き連れて怒鳴り込んでくる。

 蘭子「さぁ、花乃屋吉次のことを、白状して貰いましょうか!」
 忍「どうして、君までそのことを?」

 蘭子「ゆうべも、紅緒さんは寝言に花乃屋吉次って言ってるんです! この二、三日の、紅緒さんの悲しみぶりは普通じゃありません。僕はもうじっとしてられないし……」

 ……しかし、蘭丸は、どうやってこんなに早く花村家にやって来れたのだろう?

 ひとりなら、タクシーで来たということは考えられなくもないが、犬まで一緒だから、ちょっと無理だろう。

 で、ブリッジのようにまた打ち上げ花火の映像が挿入され、再び舞台は紅緒たちの座敷へ戻る。

 紅緒は、思い詰めた様子で、吉次に、自分の代わりに忍と結婚してほしいと意外な言葉を口にする。

 ここでCMです。

 CM後、またまた場面は花村家へ。いちいち面倒臭えなー、もう!

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 蘭子「全ては紅緒さんの幸せを願う為です。吉次との関係、洗いざらい喋ってください!」

 座敷に上がり込んで、忍に迫る蘭子の顔は、Aパートと比べると、格段に凛々しくなっている。

 髪型も、前半はチリチリ焼けた感じだったのが、後半になると、ご覧のように整っている。

 ところで、さっきの会話、花村は忍のことを「少尉」と呼んでいるが、原作では基本的に「伊集院」「伊集院くん」と呼んでいるので、ちょっと違和感があるんだよね。

 忍「分かりました、お話しましょう」
 花村「き、君はやはり!」

 お前らええ加減にせえよ、と言いたくなるのだが、ここでまたまたまた舞台は紅緒たちの座敷へ移る。

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 吉次「お嬢様、本気でそんなことを仰ってるんですか?」
 紅緒「ええ、私、あの出来るだけ協力しますから」
 吉次「……分かりました、ちょっとお待ち下さい」

 吉次はそう言って一旦席を外す。

 紅緒の指と、後ろ髪が被っちゃってますが……。

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 しばらくして戻ってきた吉次が見せたのは、紅緒の全く知らない、軍人の写真であった。

 紅緒「この人は?」
 吉次「はい、私の亡くなった主人です」
 紅緒「はぁ?」
 吉次「主人と言っても、正式に結婚した訳ではございませんけど、二世(にせ)を誓った仲でした」

 「二世」と言うのは、現世とあの世のことで、「二世を誓う」と言うのは、死んだ後も夫婦が末永く連れ添うことを誓うと言う意味である。

 吉次「この人と、私とは同じ村の生まれで……」

 二人は幼馴染だったが、吉次が半玉(芸者の見習い)の頃、偶然、東京の士官学校へ進んでいた彼と会い、恋に落ちたのだと言う。

 そしてその吉次の恋人の友人と言うのが、伊集院忍だった訳だ。

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 吉次「でも、前の世界大戦の時、青島(チンタオ)で……」

 ここで、ちょっとした戦闘シーン(ドイツ軍対日本軍)になり、吉次の恋人の死が描かれる。

 しかし、当時の人が「第一世界大戦」のことを「前の~」と呼んでいたと言うのはちょっと変かも。

 と言うか、大正7年の時点では、まだ第一次世界大戦そのものが集結していないんだけどね。

 ちなみに敗戦国のドイツが賠償金の支払いを完了させたのは、2010年だそうです。

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 黄色いゼリーのような空間で踊っている吉次……ではなく、これは恋人を亡くした吉次の絶望的な心理を表現しようとして失敗しているのである。

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 吉次は、恋人の後を追って自害しようとしたが、それを止めて助けくれたのが忍だったのである。

 吉次「それ以来、ずっと陰になり、日向になり、力付けて下さいました……友達の愛した人を死なせる訳には行かないと……少尉と私とは、そう言うお付き合いでございます」
 紅緒「へえ、少尉が……(あいつ見掛けによらず良いとこあるんだわ)」

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 吉次「勿体無いことですが、吉次も一時はそのお人柄に惹かれました。でも、こちらは所詮、芸者風情、とても華族様とは身分違い。でも、お嬢様のようなお方なら、吉次は若様をお任せしてもよろしゅうございます」

 妙に上から目線の吉次さん。ただし、これは原作にもある台詞である。

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 吉次「若様は、ほんとにお嬢様が一生添い遂げるに足るお方だと存じます」

 このイメージシーンに出てくるでかい顔は、ギリシャ彫刻ではなく、忍なのである。

 これは原作の絵をそのまま写しているのだが、アニメの忍の絵と懸け離れすぎているので、結果的に、意味不明のイラストになってしまっている。

 紅緒はやっと吉次の心根を理解し、感激の面持ちで、堅く手を握り合うのだった。

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 同じ頃、忍も自分の口から吉次との関係を打ち明け、「やっぱり君は私の思っていた通りの人物だ!」と、花村少佐をいたく感動させていた。

 しかし、忍の性格として、手柄話になるようなことを自分の口から話すかね?

 その後、三人は手分けをして紅緒の行方を捜すことになる。

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 結局、犬の嗅覚を頼りに夜の街を探索していた蘭子が、茶屋の前で暇を潰している牛五郎を発見する。

 また蘭子の髪型がおかしくなってるぞーっ!

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 で、牛五郎と蘭子も座敷に呼ばれ、みんなで楽しくどんちゃん騒ぎ、と言うことになる。

 原作では、遊んでるのは紅緒ひとりなんだけどね。

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 太鼓持ちの披露する「どじょうすくい」の真似をしてタコの顔になる紅緒。

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 どじょうを捕まえる仕草をしている、デッサンの狂った紅緒の横顔。

 そして、その茶屋の別の座敷では、印念中佐がひとりで酒を飲んでいた。

 原作にはないが、ここでは印念は吉次におぼしめしがあるようなことを言い、その相手が女学生だと知ると、強引に彼女を連れて来ようとその座敷へ向かうシーンとなる。

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 案の定と言うか、印念はその途中で、庭で待っていた天丸・地丸に見付かって吠えられ、

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 廊下をぐるぐる逃げ回ると言う、ドタバタシーンになる。

 ストーリー上、必要のないシーンなのだが、ここのアニメーション自体は割りと良く出来ている。

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 その後、お金が足りず、身包みはがされてくしゃみを連発しながら帰っている三人の様子。

 紅緒「芸者遊びってお金がかかるのね、ひっく」
 牛五郎「ちぇっ、明日、人力車請け出しに行かなくちゃなぁ」

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 作画は最後まで安定せず、ラストの蘭子なんて、まるっきり別人になっていた。

 ……ところで、天丸と地丸は?
 (スタッフも完全に忘れていた可能性大)




 (C)大和和紀・講談社・日本アニメーション


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コメント

Re:アニメ「はいからさんが通る」 第22話(06/30)  

PCに取り込んだアニソンを何気なしに聴いていたところ、この主題歌がありました
(ちなみに封印作品の「日テレ ドラえもん」(1973年)までありました)。
このアニメを見た記憶がほとんど無いのですが、主題歌はかすかにありました。
良い歌だと思うのですが、2コーラスの「がっくりほどペチャ パイ」はあんまりな気が・・・

アニメといえば、私の大好きな「地獄少女」の第4シーズンが来週スタートで楽しみです。

Re[1]:アニメ「はいからさんが通る」 第22話(06/30)  

ふて猫様

>皆が心配しているのに、紅緒だけ🍶飲んで遊んでいましたね😅お気楽なヒロインですね😓

ま、みんなが心配するのは原作にはないシーンですからね。

Re[1]:アニメ「はいからさんが通る」 第22話(06/30)  

影の王子様
>このアニメを見た記憶がほとんど無いのですが、主題歌はかすかにありました。
良い歌だと思うのですが、2コーラスの「がっくりほどペチャ パイ」はあんまりな気が・・・

いかにも大正時代をイメージしたような良い曲ですよね。

Re:アニメ「はいからさんが通る」 第22話(06/30)  

ラストシーンで身包み剝がされた紅緒さんたち。その哀れな姿は「水戸黄門」で博打に熱を上げてしまった挙句同じく身包み剥がされた黄門様や八兵衛そのものです。奇しくもつい先日夕方の放送で観た第13部でも地元の放蕩息子(そのお話では松山英太郎さん)に乗せられてこうした憂き目にあっていました。天丸と地丸も人質ならぬ「犬質」に取られていたのかも・・・。
もしこの後、翌日少尉が古着屋の前を通ったら軒先に紅緒さんの着物や蘭丸のメイド服が吊るされているのを見つけ
「おい、亭主!この着物を売りに来たお嬢さんたちはっ?!」
と訊くと、主人が
「いいえ旦那、お嬢さんたちじゃなくて柳橋の料理屋の若い衆でしたよ。」
と応える場面なんかがあったら目も当てられませんね。

Re[1]:アニメ「はいからさんが通る」 第22話(06/30)  

笑太郎様
長文コメントありがとうございます。

>ラストシーンで身包み剝がされた紅緒さんたち。その哀れな姿は「水戸黄門」で博打に熱を上げてしまった挙句同じく身包み剥がされた黄門様や八兵衛そのものです。奇しくもつい先日夕方の放送で観た第13部でも地元の放蕩息子(そのお話では松山英太郎さん)に乗せられてこうした憂き目にあっていました。天丸と地丸も人質ならぬ「犬質」に取られていたのかも・・・。

よくあるパターンですよね。
犬については、もともと原作にはないシーンでしたからね。

Re:アニメ「はいからさんが通る」 第22話(06/30)  

 ってことで、ウッフン画像を探しながらコチラに辿り着いたら、タマプロやアニメーターのことは承知していませんでしたが、説明を読むうちに、久々に頭の中に横沢啓子さんの声が響いてきました。
 自分はウラシマンあたりで好きになった声優さんですが、わずかながら小学生時代の記憶には紅緒の可愛らしさを、その声から受け止めていたことを思い起こしました。横沢啓子さんの声は、可愛らしいハイトーンでありつつ、歯切れの良い言葉に健全な元気さもあって、なのに微かに鼻に係った色気も醸して、心奪われますよね。そして、ほんの時々悲しげな声を出されると、常とのギャップで余計に心に沁みる声でした。なので、当初のウッフン目的から、襟を正して拝読している次第です。

Re[1]:アニメ「はいからさんが通る」 第22話(06/30)  

ヨコシマ様
コメントありがとうございます。

自分もこの作品を好きになったのは横沢さんの存在も影響しています。酔っ払った時の呂律が回らない喋り方とかめっちゃ可愛いですよね。

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