現在も連綿と続く(いい加減やめろ)戦隊シリーズのフォーマットを作り上げたと言われる「バトルフィーバーJ」のお時間です。ただし、全話レビューするのはしんどいので、特に気になるエピソードだけピックアップして紹介して行きます。
第2話「エゴス怪人製造法」(1979年2月3日放送)
「バトルフィーバーJ」とは、国防省及びFBIから選抜された精鋭の戦士たちであり、悪の秘密結社エゴスと戦ったり、昼間からパチンコをしたりするのである。

OPタイトルバックより。
戦隊シリーズも徐々に若い、駆け出しの俳優ばっかりになるが、この作品は特にキャストの年齢層が高い。アクションよりドラマ重視で鑑賞している管理人にとっては、しっかりした演技が見れるので大歓迎である。
無論、大葉健二氏演じるバトルケニアなど、ちゃんとアクションのできる人もいるので安心だ(何が?)。

今回は、エゴスが「未来道場」なるものを開き、その会員に「願いごとをすれば必ず叶う」とふきこみ、彼らのよこしまな願望を成就させ、エゴスの信者を増やして行こうと言うもの。
まだ初々しい柿崎澄子さん演じる少女は、勉強のライバルがいなくなればいいと念じ、その念を受けたエゴス怪人が、そのライバルの少女を屋上から落下させ、自殺に見せ掛けて殺してしまう。

エゴスに魂を売った人間は、このように額に赤い×マークがつくのだ。

司令官である鉄山将軍がバトルジャパンこと伝正夫を呼びつける。
鉄山「原因不明の事故が多過ぎる!」
ナレ(大平透)「近頃、奇怪な事件が続発していた。どれも原因不明であった」 と言う言葉と共に、さまざまな事件の新聞記事が映し出されるのだが、

ただの地震とか、

調子に乗ってこんなのも出てくる。
それ、ただの異常気象だろ! 鉄山「他の連中はどうした?」
ジャパン「はっ、それがその……」
ジャパンは言いにくそうに、他のメンバーのことを説明する。

ミス・アメリカことダイアン・マーチンと、バトルフランスこと志田京介は、ディスコでフィーバーしていた。なにしろバトルフィーバーだからねえ。
二人は趣味が合って、よく一緒に行動するのだ。
バトルケニアこと曙四郎は野良犬や野良猫のための仮小屋を作っていた。

そこに出てくる双子みたいな黒猫が可愛いのだ。
聞いている鉄山の頬がピクピクひきつる。
そしてバトルコサックこと白石謙作は、
全力でパチンコしてた。 捜査とか囮とか、そういうのとは何の関係もなく、本気のパチンコであった。しかも間の悪いことに、景品をどっしり袋に抱えて、勝ち誇った顔で帰ってくるのである。遂にぶち切れる鉄山将軍であった。
こういう人間味溢れるキャラが、この作品の魅力である。
動物の引き受け手を捜しているケニアは、知り合いの柿崎澄子に犬を飼ってくれないかと頼むが、彼女は以前とは人が変わったように動物を嫌う。
そこでケニアは、バトルフィーバーの連絡員でもあるケイコ(伊東範子)に、「犬や猫だって人間と同じく命があるんだよ!」と訴えつつ、猫を引き取ってくれないかと頼む。

ケイコの弟のマサル。「子連れ狼」の大五郎(二代目)を演じた佐藤たくみ氏である。

ケイコ「まあ、可愛い」
子猫を見て嘆声を上げるが、
ケイコさんの方が可愛いのじゃい! 説明するまでもないが、後にアイドル声優としてブレイクする日高のり子さんです。
柿崎澄子のライバルの自殺など、類似の事件を調べていったバトルフィーバーは、やがて「未来道場」の存在を知り、フランスが潜入調査をして、彼らの陰謀をつきとめる。

最後は、強化スーツをまとって、怪人を倒すのみ。
なお、本作はダンスを戦闘に取り入れると言うのがコンセプトなのだが、1話での
それが、あまりに情けなかったためか、早くも2話目から、その辺はおざなりにされている。ミス・アメリカは多少は踊ってるけど。
また、当初は巨大ロボットも登場せず、よって怪人も巨大化しないので、戦いは等身大のままで終わる。今では戦隊シリーズに欠かせない巨大ロボットの戦いは、本作の5話から始まるのだ。

とにかくバトルフィーバーの活躍で、「未来道場」に通っていた人たちも元通りになり、柿崎澄子も動物好きの女の子に戻る……。
ただ、彼女の念によって、ライバルの少女が死んでるんだけどね。なんとなく釈然としないハッピーエンドだ。
ところで、本作の主題歌、MoJo氏の歌う軽快なOP、重厚なEDは、ともに戦隊シリーズの名曲である。是非聴いて頂きたい。

どうでもいいことだが、OPタイトルバックで、5人が連続的に振り向いてポーズを決めるシーン。バトルケニアだけ動作が一拍遅れている。OPを見るたびに気になるのだ。