第3話「わが友 バイオロボ」(1984年2月18日)
南極にあるギアの基地ネオグラードでは、ドクターマンが前回失敗を喫したファラたちを「めっ」していた。

ドクターマン「ファラ、サイゴーン」
ファラ「ハハーッ!」
うーむ、どうしても男子諸君の目はファラの胸元に吸い寄せられてしまうのです。
ところで、前回戦闘に参加したファラキャットも一緒にお尻ぺんぺんされるべきなのだが、何故かその姿は見えない。

ドクターマン「お前たちもか、恥を知れ、恥を! ふんっ!」
ファラ「うっ、ああーっ!」
ドクターマン、手にした杖(剣)の先から電撃を放ち、ファラ、ついでサイゴーンにきついお仕置きをする。

モンスター「やはり、真打は最後に登場だ。いよいよモンスター様の出番だぞ!」
メイスン、ファラと、立て続けにバイオマンに敗れ、もうひとりのビッグスリー、モンスターは当然、今度は自分が指名される筈だと張り切るが、ドクターマンはモンスターには目もくれず、その前を通り過ぎて司令室を出て行ってしまう。
ドクターマンは、基本的にパワー重視で頭の気の毒なモンスターにはあまり期待していないのだ。
ドクターマンは、その足でメカジャイガンたちの並ぶ格納庫へ行く。

ドクターマン「バイオロボさえ倒せば、バイオマンなど恐れるに足らん! 最強メカジャイガンで一気に片を付けてやる! ゴリラカンス、世界一の科学者ドクターマンの科学力を思い知らせてやるのだ!」
過去のシリーズではまず見られないパターンだが、ドクターマンは序盤から巨大メカを出撃させる。
これも、等身大の戦闘に参加する怪人と、巨大ロボットバトルに参加する怪人とを別物として設定している、この作品ならではの展開である。

モンスター「僕の出番は何処行っちゃったんでしょう?」
当てがはずれ、ひとり司令室でつぶやくモンスターを演じるのは、元プロレスラーのストロング金剛(小林)さん。
演技は上手いとは言えないけど、そのとぼけたキャラクターは、子分のジュウオウと共に、劇中のコメディリリーフ的役割を果たしている。
さて、バイオマンの5人は、バイオベースの格納庫で、バイオロボのメンテナンスと清掃を行っていた。

史朗「レーダー異常なし、次は動力装置の点検だ」
ひかる「了解」
バイオジェット1号の操縦席も兼ねるバイオロボの操縦席。
……ちょっと窮屈過ぎないか?
大昔にバイオ粒子を浴びた若者の子孫が、みんな標準的な体格の持ち主だとは限らない訳で、もし、モンスターみたいな巨漢がひとりでも混じっていたら、結構難儀なことになっていたんじゃないかと思う。

一方、ミカと竜太は、バイオロボの周りの足場に立って、モップでバイオロボの掃除をしていた。
竜太「なんで俺たちが掃除係なんだぁ?」
ミカ「花の乙女も台無しだわ、あーあー」
この合成シーン、EDでも5人一緒で掃除している形で使われている。
残る真吾は、車の整備に詳しいと言うことで、バイオロボの中にいて、動力部分のメンテナンスを任されていた。そこへ、敵出現の警報ブザーが鳴り響き、真吾は慌てて操縦席へ向かうが、大きな透明なスパナをそこに置き忘れてしまう。

ゴリラカンス、山の中に降り立つと、

とりあえず、目の前の送電用鉄塔を、その巨大な腕をふるって、一撃で破壊する。
バイオマンは直ちにバイオロボに乗って出撃する。

過去の作品と違い、スタジオだけでなく、普通のアクションシーン同様、野外で撮影されることもあるのが、「バイオマン」の巨大ロボットバトルの特徴である。

開放感のある空間で、しかもワイヤーを駆使したバトルは、過去のシリーズのそれとは比較にならない迫力を生み出している。
さて、ゴリラカンスと激しく戦っているうちに、バイオロボの体が傾き、グリーンツーこと真吾の忘れてきたスパナが動いて精密機械に接触し、動力装置にトラブルが発生してしまう。バイオロボは、急にコントロールが利かなくなり、その場に棒立ちになる。
グリーンツーはすぐに故障の原因を突き止め、自分の体を導線代わりにして回路を繋ぐ。バイオロボはなんとか動き出すものの、グリーンツーが傷付き、倒れてしまった為、ゴリラカンスから少し離れた場所で、再び動作不能となる。

そこで、レッドワンがバイオベースにスペアパーツを取りに行っている間、他の三人が真吾を外へ運び出し、その看病をすることになる。
臨機応変のドクターマンは、ゴリラカンスにバイオロボを見付け出して破壊するよう命じると共に、モンスターを援軍として出撃させる。
レッドワンは、バイオベースに戻り、ピーボからパーツを受け取ると、マッハバイオ1号と言うバイクにまたがり、仲間の下へ急ぐ。
だが、途中、何者かの投げた武器がマッハバイオに命中し、レッドワンはマシンから放り出される。

レッド「あっ」
モンスター「ビッグスリーのひとり、新帝国ギア最強の、モンスター!」
モンスター、猛然とレッドに突進してくる。

その怪力で、レッドの体を持ち上げるモンスター。
なんか、レッドの股間にモンスターの右手ががっちり嵌まり込んでいるのが、ちょっと目の遣り場に困ると言うか……。
さらに、そのまま遠方へ放り投げられたレッドの体を、

ジュウオウ「えへへへへ、それっと!」
レッド「なにものぉ!」
ジューノイド5人衆のひとり、ジュウオウにお姫様抱っこされるのが、かなり情けないというか、気恥ずかしいと言うか、気まずいと言うか……とにかく見ていてちっとも楽しくないシーンである。
こういうのは、むさい男キャラじゃなくて、イエローやピンみたいな女性キャラが被害者にならないと絵にならないんだよね~。

モンスターとジュウオウの間を、キャッチボールされるように延々と投げ飛ばされるレッド。
ジュウオウは、ジューノイド5人衆の一人だが、ファラキャット同様、モンスターの個人的な部下と言う位置付けで、ファラやメイスンとペアを組むことはほとんどなかったと思う。
ジュウオウもモンスター同様、憎めないユニークなキャラで、「おやびん」ことモンスターに対する献身的な忠誠心は、殺伐とした戦いのドラマの中にあって、一服の清涼剤となっている。
ところで、「清涼剤」ってなに?

モンスターの強力な一撃で、崖の斜面まで豪快に吹っ飛ばされるレッドワン。
まだ戦士としては未熟で、バイオマンとしての力も十分に発揮できないレッドワンは彼らに言いようにおもちゃにされていたが、なんとか二人を同士討ちさせて、その場を離脱しようとするが、最後は追い詰められて崖から転落してしまう。
CM後、まだ意識の戻らない真吾を、ミカと竜太が看病している。
そこへ、少し姿の見えなかったひかるが戻ってくる。

ミカ「ひかる、何処行ってたのよ?」
ひかる「薬草を探してたの、応急手当にはなる筈よ」
ミカ「へー、お嬢さんだと思ったら、こんなこと知ってるとはね」
ひかるの意外な行動に、明るい笑顔で感心するミカ。
ああ、矢島由紀さんの笑顔が、なんと眩しく見えることか……。

ワンコ「起きるんだよ、ね、起きなきゃダメだってば」
一方、崖下で、意識を失って倒れている史朗の顔をぺしぺし叩いているものがいた。野良ワンコである。
ちなみに、このシーン、犬の右手の付け根を持って動かしている、スタッフの手が割とはっきり見える。

ワンコ「気が付いた、良かった、良かった。あ、悪い奴がこっちへ来るよ」
史朗「なに? ピーボの話では、500年前、俺のご先祖は、地球へ到着したバイオロボからバイオ粒子光線を浴びたという。俺たちはそのバイオ粒子を最も色濃く受け継ぐもの……
その証拠に、俺は動物と意思を通わせることが出来るんだ」
ワンコを抱いたまま、何故自分が動物と会話できるのかを考える史朗。
何が「その証拠」なのか、さっぱり意味が分かりません……。
なお、ワンコの声はジュウオウと同じ、安西正弘さんが演じている。

史朗「俺の体には、バイオ粒子バイオに授けられた力がある! ようし!」
史朗が体を放すと、まだ話してる途中なのにさっさとどっかへ行っちゃうワンコ。
史朗に抱かれてる時も、いかにも嫌そうな顔してるのが正直でよろしい。
すぐにモンスター、ジュウオウ、メカクローンたちが追ってくる。
史朗「信じるんだ、バイオの力を! レッドワン!」
史朗、気合を入れなおして変身し、パーツを手に走り出す。

猫「にゃう、待ち伏せしてるよ。右に行くの!」
今度は、可愛い野良猫がレッドワンに教えてくれる。
ちなみにこっちの声は、ピーボの太田淑子さんのようだ。
他にも鳩などの助けを借りて、ギアの包囲網をかいくぐって、バイオロボのところへ急ぐレッドワン。

さて、ミカたちはひかるの持ってきた薬草を、平らな岩の上ですり潰していた。
すり潰した薬草を、患部に当て……、

るんじゃなくて、
直接飲ますんかいっ! ま、別に外傷がある訳じゃなくて、感電のショックで意識不明になっていたのだから、特に問題ないのか?
でも、感電した人の手当てとしては、やっぱり何か変じゃないか、これ?
管理人などは、「プロゴルファー猿」のプロテスト編で、試合中、お腹を壊したサルが、自生していたゲンノショウコを飲んで回復すると言う話を思い出してしまう(知るか)。
しかも、緑色の液体を一口含んだだけで、真吾がパッと意識を取り戻すというのもなぁ……。
ミカ「真吾クン!」 とにかく、真吾が目覚めたのを見て、飛び切りの笑顔で呼びかけるミカ。
この「~クン」と言うのが、いかにもお姉さんっぽくて素敵なのである。
その後、敵に取り囲まれていたレッドを助けに、変身した4人が駆けつけ、いつものバトルとなる。
それについては特に書くこともないのだが、

ミカのイエローフォーが敵を倒した時だけ、カメラの絞りのような枠が出てくるのが目を引く。
ミカは、カメラマンと言う設定なのだ。
無論、矢島さんが降板してからは、こんな演出は見られなくなる。

そして、トドメのバイオエレクトロンが発動されるが、

5人「ミラクルボンバー!」
5人が向けたバイオソードの先からカラフルな爆発が連鎖していくさまはなかなかの美しさであった。
ちなみに「バイオマン」では、いわゆる固定の決め技がなく、その回によって使う技が違う。バイオエレクトロンとは、それらのフィニッシュ技の総称なのである(途中からスーパーエレクトロンと言うより強力な技を使うようになる)。
モンスターとジュウオウが撃退された後、再び、バイオロボとゴリラカンスの戦いとなる。
無論、今度はバイオロボの勝利となる。

ドクターマン「モンスター、ジュウオウ、お前たちもかーっ!」
最後、今度はモンスターたちを折檻するドクターマン。1話に付き、2回も部下をお仕置きした悪の首領って、ドクターマンだけじゃないだろうか?
ドクターマン「おのれ、バイオマンめ……長い戦いとなりそうだな。4クールくらいの」
(自称)世界一の科学者だけあって、ドクターマンは早くもバイオマンの実力を認め、容易に倒せる相手ではないことを認識していた。